こんにちは、YUKINOSUKEです。レイデオロ産駒、最近ますます注目度が高まっていますよね。父は2017年の日本ダービー 、そして2018年の天皇賞(秋) を制した、まさに「王道」という言葉がふさわしい名馬です。その初年度産駒が4歳世代となり 、重賞戦線でも活躍馬が出始めた今、POG(ペーパーオーナーゲーム)での指名や、馬券戦略の上で「本気で狙いたい」と考える方が増えるのは当然かなと思います。
ただ、いざ「レイデオロ産駒の特徴って何?」と聞かれると、ハッキリと答えるのが難しくないですか? 正直、すごく「掴みどころがない」感じがするんです。
例えば、馬場適性。芝が得意なのか、それともダートもこなせるのか 。距離適性についても、血統評論家の方々からは「成長力」がすごい とか「晩成傾向」が強い という話をよく聞きます。それは分かるのですが、一番混乱するのが実際の活躍馬のタイプです。サンライズアースが3000mの阪神大賞典(G2)を勝った と思えば、トロヴァトーレは1600mのダービー卿CT(G3)を勝つ 。このステイヤーとマイラーが両方出てくる「万能性」は、一体どう解釈すればいいのか…。
さらに気になるのが「気性」です。父のレイデオロは現役時代、陣営が「気性面のコントロールを含め管理が容易ではない日々」 と語るほど、「前向きすぎる気性」 が常に課題でした。この難しい気性は産駒に遺伝しているのか?と思いきや、産駒には逆に「操縦性が高い」 という正反対の評価も存在します。データと評価がバラバラで、POGや馬券で「いつ」「どのレースで」本気で狙えばいいのか、本当に迷ってしまいますよね。
私も、AEI(アーニングインデックス)のような客観的なデータ 、サンライズアース やトロヴァトーレ といった活躍馬の血統構成、そして最も重要かもしれない「母父」との相性 をじっくりと調べるまで、正直どういう視点で狙っていいか分かりませんでした。この記事では、そんな一見バラバラに見える「レイデオロ産駒の特徴」について、各種データや血統背景を私なりに分析し、「なぜ万能なのか」「成長力は本物か」「芝とダートの狙い目は」といった疑問に対して、分かりやすく整理した情報をお届けします。POG指名や馬券検討の「軸」を見つける参考にしていただけたら嬉しいです!
- 産駒の最大の武器「成長力」と「晩成」傾向
- 芝とダートで大違い?AEIデータで見る馬場適性
- 1600m〜3000mまで?活躍馬が示す「万能性」の正体
- POGや馬券に役立つ「母父」との相性
レイデオロ産駒の特徴と全体傾向
- YUKINOSUKE
さて、ここからはレイデオロ産駒の「全体像」を掴むために、その特徴を詳しく見ていきたいなと思います。イントロダクションでも触れたように、レイデオロ産駒って「万能性」 がある反面、すごく「掴みどころがない」のが正直なところですよね。
このセクションでは、そんな産駒の傾向を解き明かすため、まずは「基本性能」とも言える部分を徹底的に分析していきます。具体的には、AEI(アーニングインデックス)のような客観的なデータ や、専門家による血統分析 を基に、以下のポイントを掘り下げてみます。
- 「成長力」と「晩成傾向」: なぜレイデオロ産駒は「成長力◎」 と評価されるのか?その血統的な根拠と、実際の活躍馬(サンライズアース など)の傾向から、POG指名や馬券で狙うべき「時期」を探ります。
- 「馬場適性」: 芝とダート、どちらが本当に得意なのか。AEIの数値を比較して 、その決定的な差を明らかにします。
- 「距離適性」: 1600mのマイラー から3000mのステイヤー まで生み出す「万能性」の核はどこにあるのか。基本となる適性レンジを探ります。
- 「気性(操縦性)」: 父・レイデオロ自身が抱えていた「気性面の課題」 は遺伝しているのか?それとも産駒は「操縦性が高い」 という評価は本当なのか?この点は種牡馬としての成功を左右するだけに、しっかり見ていきたいポイントです。
これらの「全体傾向」をまず頭に入れておくことが、POG戦略や馬券検討のブレない「軸」を作ることにつながるかなと思います。まずは「森」全体を見ていきましょう!
最大の特徴は「成長力」と「晩成」
いろいろな血統分析の記事や専門家の見解を見てみると、レイデオロ産駒の「最大の特徴」として、ほぼ共通して「成長力」というキーワードが挙げられていることが多いみたいですね 。
これは単なる「2400mのダービーを勝ったからスタミナがあるだろう」といったイメージ論ではなく、しっかりとした血統背景に裏付けられた評価のようです。
その根拠は、レイデオロの3代母(お婆さんのお母さん)にあたるJewel Princessという馬にあります。この馬がアメリカのG1を4勝もした歴史的な名牝なのですが、当時のアメリカで広がっていたファミリー(牝系)としては非常に珍しく、「成長力」にすごく富んでいたことが最大の特徴だったそうです 。
その優秀で、貴重な特性が、時代と血統を経てレイデオロ産駒にも色濃く遺伝している、と分析されているわけですね。
データが証明する「晩成」の傾向
この「成長力」という血統的評価は、実際のレース結果(データ)によっても、かなりハッキリと裏付けられている感じがします。
その最も象徴的な出来事が、レイデオロ産駒による待望のJRA重賞初制覇でした。それは2025年の阪神大賞典(G2)を勝ったサンライズアースでしたが 、ここで重要なのは、サンライズアースがこの時すでに4歳(牡4)の春を迎えていた、という点です 。
つまり、初年度産駒が4歳になって、ようやくG2タイトルに手が届いたわけです。この事実は、2歳戦からガンガン活躍するような早熟タイプではないことを明確に示していますよね。
しかも、このサンライズアースの勝利がまた象徴的で、レース内容が圧巻でした。G2・芝3000mという、スタミナと肉体・精神両方の「完成度」が問われる長距離戦を、なんと後続に6馬身差をつける独走で圧勝したんです 。
さらに注目したいのが、この時が長期休養明け3戦目だったこと 。レース後、管理する石坂調教師からも「(使うたびに)右肩上がりに状態は上がっていました」と、まさに馬の成長曲線を認めるコメントが出ているんですよね 。
これらの事実から導き出される結論は、レイデオロ産駒は2歳時から完成されている早熟タイプというより、3歳秋以降、特に古馬になってから本格化する「奥手(おくて)」あるいは「晩成傾向」が強い可能性が非常に高い、ということです。
POGや馬券検討でのヒント
この「晩成」傾向は、POGや馬券で狙う上で最も重要なヒントかなと思います。
- POG指名: 2歳戦での早期デビューやスプリント・マイルG1を狙うというよりは、「3歳クラシック、特にダービーやオークス、秋の菊花賞で本領発揮」というイメージで、じっくり待てる馬を指名するのが良さそうです。
- 馬券検討: 2歳戦や3歳春のクラシック前半戦で、人気になっているレイデオロ産駒は「まだ完成途上かもしれない」と、一歩引いて考える視点も大事そうですね。 逆に言えば、3歳秋の菊花賞シーズンや、古馬になってからの中長距離戦線で、急激にパフォーマンスを上げてきた馬がいたら、それはまさに血統的な「成長力」が開花したサインかもしれません。安易に「2歳の頃は平凡な成績だった」と見切るのは危険そうです。
距離適性:中距離を核とした「万能性」
- YUKINOSUKE
レイデオロ産駒の距離適性、これがまた非常に興味深く、そして馬券検討を面白く(難しく)する最大のポイントかもしれません。
まず大前提として、父であるレイデオロ自身が、現役時代に2000m(天皇賞・秋)と2400m(日本ダービー)という、日本競馬の「王道」G1を制した名馬です 。ですから、その産駒も当然、基本は「1800m〜2400m」の中距離がベストだろうな、と考えるのが普通ですよね。実際、多くの血統分析でも産駒のベスト距離は「2000m」あたりだとされています 。父が示したスピードとスタミナの両立は、この中距離レンジで最も輝くはず、と。
でも、ここがレイデオロ産駒の面白いところです。この「中距離がベスト」という常識を、産駒たち自身が打ち破ってきているんです。
衝撃的な「1600mと3000m」の両極制覇
実際のJRA重賞ウィナーのプロフィールを見てみると、本当に驚かされます。
- トロヴァトーレ:2024年 ダービー卿CT(G3・芝1600m)制覇
- サンライズアース:2025年 阪神大賞典(G2・芝3000m)制覇
マイルG3馬と、ステイヤーズG2馬。これ、すごくないですか?
芝1600mのダービー卿CTは、中山競馬場で行われるハンデ戦で、スピードと瞬発力、機動力が問われる激しいレースです。一方、芝3000mの阪神大賞典は、スタミナと持続力、そしてなにより「操縦性」が問われる、全くタイプの異なる長距離戦です。
求められる適性がほぼ「真逆」と言ってもいいくらいの距離で、同じ父から重賞馬がポンポンと出ている。この事実は、産駒の適性が「中距離専門」っていう評価を否定するものではなくて、むしろレイデオロ産駒が恐るべき「万能性」を秘めているということの、何よりの証明かなと思います。
「万能性」のメカニズムはどこにあるのか?
では、なぜこんなことが起きるのか。そのメカニズムは、レイデオロの血統背景にあると私は分析しています。
第一に、父キングカメハメハから受け継いだ血統的な「距離の融通性」です 。キングカメハメハ自身が、NHKマイルCと日本ダービーを勝った歴史的な名馬であり、その産駒はスプリンターからクラシックディスタンスまで、あらゆるタイプの活躍馬を輩出しました。レイデオロも、その「万能な血」を色濃く受け継いでいるんだと思います。
第二に、レイデオロ自身が産駒に伝える「能力のバランスの良さ」です。専門家の個体分析(レッドベルダンスの例)でも、その潜在能力は「瞬発力A」「パワーS」「持久力A」 と、非常に高いレベルでバランスが取れていると評価されています。
つまり、レイデオロ産駒は「父が中距離馬だから、産駒も中距離」という単純な話ではなく、「父が高次元のバランスと万能性を持っているから、配合されるお母さん(母父)の特性を素直に引き出すことができる」タイプなんじゃないかと。
馬券・POGでのヒント
この「万能性」は、馬券検討やPOGで非常に重要なヒントを与えてくれます。
それは、「レイデオロ産駒だから中距離」と安易に決めつけるのは危険だということです。むしろ、「この馬の母父は誰か?」をチェックすることが、他の種牡馬以上に重要になってきます。
- 母父がマンハッタンカフェ(菊花賞馬)なら、サンライズアース のように長距離適性を発揮するかもしれません。
- 母父がエンパイアメーカー(米国型)なら、トロヴァトーレ のようにマイル〜中距離のスピードが活きるかもしれません。
レイデオロ産駒の距離適性を考える時は、必ず「母父の血統」とセットで考えるクセをつけると、思わぬ高配当に繋がるかもしれませんね。
芝適性:AEI 1.34が示す得意舞台
レイデオロ産駒を馬券で狙う上で、たぶん一番ハッキリしていて、そして最も信頼できるデータが、この「芝が得意」ということだと私は思います。「万能性」 とか「晩成」 とか、少しフワッとした特徴と違って、これはもう数字が明確に示していますからね。
その最大の根拠となるのが、JBIS(ジャパン・スタッドブック・インターナショナル)が算出しているアーニングインデックス(AEI)というデータです。
AEIというのは、簡単に言えば「産駒がどれだけ平均以上に稼いでいるか」を示す数値で、1.00が全出走馬の平均となります。つまり、この数値が高ければ高いほど、その種牡馬の産駒は「(平均よりも)稼ぐ力がある=クラスが高い」ということになります。
では、レイデオロ産駒の馬場別AEI(2025年11月9日時点)はどうなっているかというと…これがもう衝撃的なんです。
| 馬場 | AEI | JRA順位 |
|---|---|---|
| 芝 | 1.34 | 10位 |
| ダート | 0.73 | 38位 |
※データはJBISサーチ(2025年11月9日時点)の情報を参照しています 。
見ての通り、芝とダートで天国と地獄ほどの差があります。
特に注目すべきは、芝のAEI 1.34という数値 。これは、レイデオロ産駒が芝のレースにおいて、平均的な馬よりも34%も多く賞金を稼いでいることを意味します。そして、この数値はJRA全体の種牡馬の中でも堂々のトップ10に入る 、めちゃくちゃ優秀な成績なんです。
2025年11月9日時点の総合リーディングでも10位 に入っているわけですから、その原動力が「芝での活躍」にあることは明らかですよね。
なぜ芝でこれほど走るのか?
では、なぜこれほど芝で好成績を残せるのか。その根拠として、複数の血統分析で、レイデオロ産駒の特徴として父から受け継いだ「筋肉の柔らかさ」が挙げられています 。
この「筋肉の柔らかさ」という馬体的な特徴が、芝コースで求められる「スピードの持続力(持久力Aと評価 )」や、「瞬発力(キレ味、瞬発力Aと評価 )」に対応する基盤になっているみたいですね。柔らかい筋肉は、硬い筋肉よりも素早く収縮・弛緩できるため、トップスピードの質や、一瞬の加速力に優れる傾向があります。これが芝コースにピッタリなんでしょう。
馬券戦略の結論
レイデオロ産駒の馬券検討は、まず「芝」のレースで狙うのが、最も期待値の高い王道戦略かなと思います。AEI 1.34 という信頼できるデータが、その強力な裏付けとなっていますからね。
ダート適性:AEI 0.73の現実
さて、前のセクションで「芝適性」がAEI 1.34 というJRAトップ10クラス の素晴らしい成績だったのとは対照的に…ダートの成績は、ちょっと(いや、かなり)厳しい現実がデータに表れているみたいですね。
レイデオロ産駒を馬券で狙う上で、この「芝とダートのギャップ」を理解しておくことは、ムダな馬券を避けるために非常に重要かなと思います。
AEI 0.73が示す「質の低さ」
まず、もう一度あのAEIのデータを見てみましょう。この数字の差が全てを物語っていると言っても過言ではないです。
| 馬場 | AEI | JRA順位 |
|---|---|---|
| 芝 | 1.34 | 10位 |
| ダート | 0.73 | 38位 |
※データはJBISサーチ(2025年11月9日時点) の情報を参照しています。
芝のAEI 1.34 が輝かしく見える一方で、ダートのAEIはわずか0.73 。これは平均の1.00を27%も下回っていて、JRAの順位でも38位 と、かなり苦戦していることが分かります。
なぜこれほど差が出るのか? 私の推測ですが、これは芝適性の源泉となっていた「筋肉の柔らかさ」 が裏目に出ている可能性があるんじゃないかなと思います。芝の上で求められる瞬発力やスピードの持続力(キレ)と、ダートで求められるパワーやタフさ(力強さ)は、筋肉の質として相反する部分がありますからね。レイデオロ産駒が伝える特性は、本質的にダート向きではない、ということなんだと思います。
データが暴く「クラスの壁」
このAEIが示す「質」の低さは、「量」や「勝ち上がった後の傾向」のデータにも、ハッキリと表れています。社台スタリオンステーションが公開しているデータ(2025年11月9日時点)を見てみましょう 。
| 馬場 | 出走頭数 | 勝利数 | 勝馬頭数 | 勝馬率 (勝馬/出走) | 1勝馬あたり勝利数 |
|---|---|---|---|---|---|
| 芝 | 169頭 | 50勝 | 38頭 | 22.5% | 1.32勝 |
| ダート | 66頭 | 14勝 | 13頭 | 19.7% | 1.08勝 |
※データ出典:社台スタリオンステーション 。
まず、芝に挑戦している産駒(169頭)が、ダート(66頭)の2.5倍以上存在しています 。これは生産者や厩舎サイドが、産駒の適性を(正しく)「芝」と見込んでいる証拠ですね。
勝ち上がれる馬の割合(勝馬率)も、芝(22.5%)の方がダート(19.7%)を上回っています 。
しかし、私がここで最も注目したいのが、一番右の「1勝馬あたり勝利数」です。
- 芝:50勝 ÷ 勝馬38頭 = 平均1.32勝
- ダート:14勝 ÷ 勝馬13頭 = 平均1.08勝
この差は決定的です。芝で勝利した馬(38頭)は、その後も勝ち星を積み重ねて(合計50勝)、2勝目、3勝目とクラスが上がっても通用している傾向がハッキリと見えます。
一方で、ダートで勝利した馬(13頭)は、合計で14勝しかしていません 。これは何を意味するか? その多くが「未勝利戦」や「1勝クラス」を勝ち上がったのみで、そこで頭打ちになっている可能性が非常に高い、ということです。まさに「クラスの壁」にぶつかっているわけですね。
馬券戦略:安易な「ダート替わり」は危険
血統分析の一部で「早期は芝、後々ダートも対応可能」という評価 も見られますが、これはあくまで特定の個体(母が米ダートG1馬である超良血のレッドベルダンス )に対する分析 のようです。これを産駒全体の傾向として捉えるのは適切ではありません。
馬券検討の観点からは、芝で頭打ちになったレイデオロ産駒が、安易に「ダート替わり」してきた時は、まず疑ってかかるべきです。このAEI 0.73 という低いデータを思い出して、かなり慎重になった方がいい気がします。
ダートで狙う場合は、その馬の母系(母父)に、レイデオロが伝える「芝向きの柔らかさ」を上書きするほどの、明確なダート適性(特に米国型のパワー血統など)があるかどうかを、血統表でしっかり確認した場合に限定したいところですね。
気性:父の課題を克服した「操縦性」
- YUKINOSUKE
個人的に、レイデオロが種牡馬として成功している一番の要因は、ひょっとしたらこの「気性」の良さじゃないかな、とさえ思ってます。この点は、産駒を狙う上で「成長力」と同じくらい、あるいはそれ以上に重要なポイントかもしれません。
というのも、まずは父であるレイデオロ自身の現役時代を思い出してほしいんです。彼はダービーも天皇賞も勝ちましたが 、その競走能力と表裏一体だったのが、「前向き過ぎる気性」という大きな課題でした 。
陣営からも「気性面のコントロールを含め管理が容易ではない日々」 だったとコメントされているほど、その能力を100%引き出すためには、この気性をいかにコントロールするかが常に問われていた馬だったんです。
普通、こういう「気性の難しさ」は、産駒にも遺伝しやすい(むしろ、そこが一番似てしまう)のが競馬の血統の怖いところです。ですから、レイデオロが種牡馬入りした時、この気性難が産駒に遺伝しないかどうかが、最大の不安要素だったと私は思います。
しかし、その不安は完全に杞憂に終わったようです。
複数の専門家による血統分析において、レイデオロ産駒は父の気性難を受け継がず、それどころか正反対の「操縦性が高い」と明確に評価されているんです 。
これ、単に「おとなしい」とか「悪いことをしない」というレベルの話じゃなく、「乗り手の指示に素直に従い、レースで余計なことをしない」という、競走馬として最も重要な才能の一つを持っている、ということです。
父の最大の「弱点」だったかもしれない部分を、産駒では最大の「武器」の一つに転換できている。これ、種牡馬としてめちゃくちゃすごいことだと思うんです。
なぜ「操縦性」が成功の鍵なのか?
この「高い操縦性」 こそが、レイデオロ産駒の他の長所である「成長力」 や「万能性」 を最大限に引き出す「鍵」になっていると、私は分析しています。
レイデオロ産駒の「成功モデル」
- レースでの「スタミナ温存」に直結する
「操縦性が高い」ということは、レースで「折り合いがつく」ということです。馬が騎手とケンカして、行きたがって(引っかかって)無駄なエネルギーを使ってしまうことが少ないんですね。
これが、サンライズアースが3000mという長丁場の阪神大賞典(G2)を、6馬身差で圧勝 できた最大の要因の一つかもしれません。騎乗した池添騎手も「スタミナの部分は自信はあって、心配していなかったです」 とコメントしていますが、その自慢のスタミナを、レースの道中で一切無駄遣いせず、ゴール前で100%爆発させることができたのは、馬の「操縦性」が高かったからこそだと思います。 - 「成長力」を最大限に引き出す「調教」が可能になる
これがもう一つの重要なポイントです。レイデオロ産駒は「晩成傾向」 が強いと分析しました。晩成馬を大成させるには、2歳・3歳時からじっくりと、意図した通りの調教プランを実行し、馬の成長を正しく促していく必要があります。
もしここで馬の気性が難しく、調教で言うことを聞かなかったり、暴走してオーバーワークになったりすると、故障の原因になったり、馬が精神的に参ってしまったりして、せっかくの「成長力」という素質を開花させることができません。
レイデオロ産駒は「操縦性が高い」 ため、陣営は意図した通りの調教プラン(例えば、サンライズアースの陣営が語った「右肩上がりに状態は上がっていました」 というようなプラン)を、馬に無理をさせることなく実行できる。だからこそ、持てる「成長力」 を余すことなく発揮し、3歳秋や古馬になってから本格化できるわけです。
この「高い操縦性」と、血統的な「成長力」 がガッチリと噛み合っていることこそが、レイデオロ産駒の最大の強みであり、成功のメカニズムなんじゃないかなと、私は分析しています。
POGで見る馬体と成長曲線
- YUKINOSUKE
POG(ペーパーオーナーゲーム)でレイデオロ産駒を指名するなら、やっぱり一番のキーワードは、ここまで何度も触れてきた「成長力」 になりそうです。この種牡馬の最大の特徴を、POGの限られた期間の中でどう評価するかが、指名の分かれ目になるかなと思います。
まず馬体面では、父から受け継いだ「筋肉の柔らかさ」が最大の特徴 のようです。これが、AEI 1.34 という高い数値を叩き出す「芝適性」の源泉になっていることは間違いないでしょう。POGで指名する上でも、まずは芝の中距離〜クラシックディスタンスを狙える馬体、という評価が基本になりそうです。
同時に、血統分析では個体によって「パワーS」という非常に高い評価を受けている馬もいます 。これは、レイデオロ自身が2000mと2400mを両立したように 、単に柔らかいだけでなく、力強さも両立している理想的な馬体を持つ個体が輩出されている可能性を示しています。この「柔らかさ」と「パワー」のバランスは、POG馬を選ぶ上でも重要なチェックポイントになりそうですね。
POG戦略の最重要ポイント:「晩成」の成長曲線
ただ、POGで指名する上で最も考慮すべきは、やはり「成長曲線」ですね。
これはもう、産駒のJRA重賞初制覇が4歳春(2025年3月)のサンライズアース だったことからも分かるように、「晩成」の傾向が強いのは間違いなさそうです。
POGの期間は、一般的に「2歳6月〜3歳ダービー(または3歳末)まで」です。つまり、サンライズアース のように4歳で本格化する馬を指名してしまうと、POG期間内では全くポイントを稼げずに終わってしまう、ということになります。
この事実は、2歳戦や3歳春のクラシック前半戦(皐月賞・オークス・ダービー)において、レイデオロ産駒はまだ心身ともに「完成途上である可能性が高い」と見ておいた方が良さそうだ、ということを示しています。
YUKINOSUKE的 POG指名の戦略
この「晩成」 という特徴を踏まえると、POGでの指名戦略はかなり絞られてくる気がします。
- ① 早期デビューの「仕上がり早」タイプは狙わない
2歳の夏に函館や札幌でデビューして、ガンガン勝ち上がる…というイメージは、この種牡馬には合わないかもしれません。むしろ、そういったタイプは無理がたたって、POG期間後半に息切れしてしまうかも。 - ② 秋デビューの「クラシックディスタンス」狙いを
狙うなら、じっくり乗り込まれて秋以降(9月〜11月)にデビューし、2000m前後のレースを使ってくるタイプ。血統分析でも「暮れのホープフルS(G1・芝2000m)も見据えられる」 と評されるような、奥のありそうな血統背景を持つ馬を狙うのが、レイデオロ産駒の「成長力」という長所を活かす上で、最も面白い戦略かなと思います。 - ③ 「操縦性」 の高さを信じる
もう一つの武器である「操縦性の高さ」 は、POG期間中の「大崩れの少なさ」につながります。デビューが多少遅れても、そこから2戦目、3戦目と順調にステップアップしてくれる可能性が高い。これはPOGオーナー(指名者)にとって、すごく心強い特徴ですよね。
POGでレイデオロ産駒を指名するなら、2歳夏のスプリント戦でのポイント(早期ボーナス)を狙うのではなく、3歳春のクラシック本番(皐月賞・ダービー)で一気にポイントを稼ぎ切る、「遅れてきた大物」枠として指名するのがベストな気がします。
レイデオロ産駒の特徴と血統分析
- YUKINOSUKE
さて、ここからがPOG指名や馬券検討において、個人的に一番面白いセクションかなと思っています。具体的に「血統」にフォーカスして、その「配合」の妙を見ていきたいなと思います。
というのも、前のセクションまでで、レイデオロ産駒は「成長力」 があり、「操縦性が高い」 一方で、最大の謎として「ものすごい万能性」 があることが分かりましたよね。芝1600mのG3ウィナー(トロヴァトーレ )も出れば、芝3000mのG2ウィナー(サンライズアース )も出るわけです。
これって、つまり「レイデオロ産駒」と一括りにしても、ほとんど意味がないってことだと思うんです。馬券を買う上で「レイデオロ産駒だから」という理由は、あまりにも大雑把すぎます。
本当の答えは、「レイデオロ × 〇〇(母父)」という配合、その組み合わせの中に隠されています。
この「配合相手の良さを引き出す」能力は、レイデオロの父である大種牡馬キングカメハメハ が最も得意としていたもので、レイデオロもその「万能種牡馬」としての特性を色濃く受け継いでいる証拠かなと思います。スタミナのある母父と配合すればステイヤーが、スピードやパワーのある母父と配合すればマイラーが生まれる…。まさに「カメレオン」のような種牡馬ですよね。
このセクションで分析すること
そこで、このセクションでは「レイデオロ単体」の分析ではなく、「配合」に注目して、以下の点を深掘りしていきます。
- 活躍馬のケーススタディ: 実際に重賞を勝ったサンライズアース とトロヴァトーレ が、それぞれ「どんな母父」と配合されていたのかを具体的に分析します。
- 「相性の良い母父」の系統分析: 活躍馬の傾向から、レイデオロと相性が良さそうな「母父(BMS)」の系統を、私なりに2つのパターンに整理してみました。
- 王道配合:母父サンデーサイレンス系(スタミナ型)
- 万能性を引き出す:母父米国(U.S.)血統(パワー/スピード型)
この「ニックス(相性の良い配合)」の傾向を知っておくことが、次の活躍馬を見つける一番の近道になるはずです!
活躍馬サンライズアースの血統
レイデオロ産駒の「万能性」と「成長力」を分析する上で、このサンライズアースの存在は絶対に外せないですよね。彼こそが、レイデオロ産駒として待望のJRA重賞初制覇 を飾った、まさに「産駒の可能性」を切り開いた馬です。
しかも、その勝ち方が本当に衝撃的でした。2025年の阪神大賞典(G2・芝3000m) という、スタミナと精神的なタフさが徹底的に問われる伝統の長距離戦。ここで、なんと後続に6馬身差をつける圧勝 だったんです。直線はまさに独走状態 で、「スタミナが違いすぎる」と見せつけるような、本当に強い勝ち方でした。
この馬の血統構成が、まさにレイデオロ産駒の「スタミナ型」の特徴を、これ以上ないくらい象徴している感じがします。
サンライズアースの血統
- 父:レイデオロ(父キングカメハメハ、2017年日本ダービー馬 )
- 母:シャンドランジュ
- 母父:マンハッタンカフェ(2001年菊花賞馬 )
見ての通り、「ダービー馬(2400m)」と「菊花賞馬(3000m)」という、日本のクラシック長距離G1馬同士の組み合わせ。もう、血統表を見ただけでも「これはスタミナがありそうだ」と伝わってくる、見事なステイヤー配合ですよね。
父レイデオロが持つ中長距離の素養(ダービー馬としてのスタミナ)と、母父マンハッタンカフェ(サンデーサイレンス系)が持つ豊富なスタミナと持続力。レイデオロの「配合相手の良さを引き出す」万能性が、「スタミナ」という方向に全振りされた、まさにお手本のような配合(ニックス)かなと思います。
血統と成長力が噛み合った勝利
- YUKINOSUKE
レース後、騎乗した池添騎手も「スタミナの部分は自信はあって、心配していなかったです」とコメント していて、これはもう血統的な裏付けがあっての、揺るぎない自信だったんだろうな、と感じます。
さらに、この圧勝劇が4歳の春 で、しかも長期休養明け3戦目 だったことも、絶対に見逃せないポイントです。陣営も「(使うたびに)右肩上がりに状態は上がっていました」 と語る通り、これは産駒の最大の特徴である「成長力」 が、母父のスタミナ血統とガッチリ噛み合って、4歳で一気に本格化・開花したことを示しています。
このサンライズアースの勝利は、レイデオロ産駒の「配合相手の良さ(スタミナ)を引き出す能力」と、血統的な「成長力」を証明する、すごく分かりやすいケーススタディだと思います。まさに「スタミナ型配合」の成功例ですね。
活躍馬トロヴァトーレの血統
サンライズアース がレイデオロ産駒の「スタミナ」と「成長力」 を象徴する馬だとすれば、その対極、産駒の「万能性」と「スピード」を証明したのが、このトロヴァトーレですよね。
この馬の存在が、レイデオロ産駒の分析を一層面白くしていると私は思います。
トロヴァトーレの実績は、2024年のダービー卿チャレンジトロフィー(G3・芝1600m)制覇 。サンライズアースが勝った阪神大賞典 とは1400mも距離が違います。しかもダービー卿CTは、中山のタフなマイルコースで行われる伝統のハンデ戦で、生半可なスピードだけでは勝てません。パワーと機動力、そして瞬発力(キレ)が求められるレースです。
では、この「マイラー」は、どういう血統から生まれてきたのか。そこがすごく重要です。
トロヴァトーレの血統
- 父:レイデオロ
- 母:シャルマント
- 母父:エンパイアメーカー
注目すべきは、もちろん母父のエンパイアメーカー です。
エンパイアメーカーは、アメリカのクラシック三冠レースの一つ、ベルモントS(ダート12F=約2400m)の勝ち馬ですね。系統としては、スピードとパワーを伝えるMr. Prospector(ミスタープロスペクター)系です。どちらかというと、スタミナとパワーに秀でた血統と言えます。
「瞬発力A」「パワーS」の開花
- YUKINOSUKE
ここで、前のセクションのサンライズアース との比較が面白いんです。
- サンライズアース(スタミナ型): 父レイデオロが持つ「スタミナ(持久力A )」と、母父マンハッタンカフェ が持つ「スタミナ」を掛け合わせ、その長所を伸ばした配合。
- トロヴァトーレ(スピード/パワー型): 父レイデオロが持つ「スピード・瞬発力(瞬発力A )」と、母父エンパイアメーカー が持つ「パワー」を掛け合わせた配合。
レイデオロ産駒の血統分析では、個体によって「瞬発力A」「パワーS」「持久力A」 と、非常に高いレベルで能力がバランスされていると評価されています。
サンライズアースが「持久力A」 の部分を色濃く受け継いで開花させたのだとすれば、トロヴァトーレはレイデオロが持つ「瞬発力A」 と、母系(エンパイアメーカー)から受け継いだ「パワーS」 をうまく引き出すことに成功した例、と言えそうです。
だからこそ、中山の急坂があるタフなマイル戦 で、あの力強い末脚が使えたんじゃないかなと、私は分析しています。
芝3000mのステイヤー(サンライズアース )と、芝1600mのマイラー(トロヴァトーレ )。この両極端とも言える距離で重賞馬がポンポンと出ているあたりに、レイデオロが「配合相手次第で何にでもなれる」という、種牡馬としての「万能性」の高さが本当によく分かりますよね。
これはもう、POGや馬券で狙う時は「レイデオロ産駒だから」と一括りにするのではなく、「母父は誰なのか」をセットで確認するのが必須だということを示しています。
母父サンデーサイレンス系との相性
さて、ここからは具体的な「配合パターン(ニックス)」について、もう少し深掘りしていきたいなと思います。まずは、現代日本の競馬において、もはや「王道配合」の代表格とも言えるこの組み合わせからです。
それは、「父キングカメハメハ系 × 母父サンデーサイレンス系」の配合です。レイデオロは父がキングカメハメハ ですから、まさにこのパターンに当てはまりますよね。キングカメハメハ系が持つパワーや柔軟性、万能性 と、サンデーサイレンス系が持つスピードや瞬発力、底力が組み合わさることで、これまで数々の名馬が生まれてきました。
レイデオロ産駒においても、この「王道配合」は間違いなく中核になってきそうです。
その中でも特に、活躍馬(サンライズアース など)の傾向や、血統的な特徴(成長力 、持久力A )を見ていくと、サンデーサイレンス系の種牡馬の中でも、特に「スタミナ」や「成長力」を補強してくれるタイプの血統との相性が非常に良さそうに見えてきます。
レイデオロ自身がダービー馬 であり、その産駒の最大の武器が「成長力」 と「操縦性」 であることを考えると、これはすごく理にかなっている気がします。父の長所である「スタミナ」や「奥深さ」を、同じくスタミナや成長力に秀でた母父サンデー系がさらに増幅させる…というイメージですね。
具体的な注目配合例を見てみましょう。
注目したい「母父サンデーサイレンス系」の配合例
- 母父マンハッタンカフェ:
まさにJRA重賞初制覇を飾ったサンライズアース(G2・芝3000m勝ち) の配合がこれです 。父はダービー馬(2400m)、母父は菊花賞馬(3000m) という、日本のクラシック長距離G1馬同士の組み合わせ。これ以上ないほどの「ステイヤー配合」ですよね。
サンライズアースが阪神大賞典(G2)で見せた6馬身差の圧勝劇 と、池添騎手の「スタミナの部分は自信はあって、心配していなかったです」 というコメントは、まさにこの「スタミナ配合」の狙いが完璧に実現したことを示しています。レイデオロ産駒の「持久力A」 という側面を、母父マンハッタンカフェ が最大限に引き出した成功例と言えそうです。
- 母父ハーツクライ:
2024年の若葉S(L)で2着に入ったアドマイヤテラ がこの配合です 。ハーツクライ自身が有馬記念やドバイシーマクラシックを勝ち、産駒もドウデュース(ダービー)やジャスタウェイ(天皇賞秋)などを出すなど、スタミナと成長力、そして一瞬のトップスピードを伝える大種牡馬です。
アドマイヤテラは母アドマイヤミヤビもオークス3着 という良血馬。まさに「レイデオロ(ダービー馬)× ハーツクライ(ダービー馬の父)× 母(オークス3着馬)」という、クラシックディスタンスでの活躍を期待された「王道の中の王道」配合と言えますね。
- 母父ゼンノブロイ:
2024年11月にデビューした良血馬、エキサイトバイオがこの配合 。母父のゼンノブロイ も、天皇賞(秋)、ジャパンカップ、有馬記念と、古馬の中長距離G1を3連勝した歴史的な名馬です。スタミナとタフさは折り紙付きですよね。
エキサイトバイオの母アニメイトバイオも、ローズS(G2)勝ち、秋華賞2着、阪神JF2着 という超一流の実績馬。これもまた、レイデオロが持つ中長距離の素質と「成長力」 を、母系のスタミナと実績でさらに補強する狙いが見える配合です。
これらの例から分かるように、レイデオロ産駒の「晩成」・「成長力」 という特徴は、特に母父がサンデーサイレンス系のスタミナ型(長距離G1馬や古馬中長距離G1馬)である場合に、その真価を発揮しやすいのではないかな、と私は分析しています。
POGや馬券でも、このパターンの配合馬は、2歳戦からガンガン活躍することを期待するよりは、「3歳秋以降の本格化」を前提に、じっくりと長い目で見たい存在ですね。
母父米国血統(パワー型)との相性
前のセクションで見た「母父サンデーサイレンス系(スタミナ型)」 が、レイデオロ産駒の「王道」にして「スタミナ」と「成長力」を引き出す配合だとすれば、それとはまた異なるタイプの適性、つまり「スピード」や「パワー」を引き出すのが、この「母父米国(U.S.)血統」のパターンかなと思います。
この配合パターンこそが、レイデオロ産駒の「万能性」 を解き明かす、もう一つの鍵です。
その代表例が、もちろんマイル重賞を制したトロヴァトーレ(G3・芝1600m勝ち) ですよね。
注目したい「母父米国血統」の配合例
- 母父エンパイアメーカー:
まさにトロヴァトーレがこのパターンです 。母父のエンパイアメーカー は、米国のクラシック血統(ベルモントS勝ち馬)で、系統としてはスピードとパワーを伝えるMr. Prospector系です。
ここで面白いのが、レイデオロ産駒が持つ潜在能力のバランスです。血統分析では「瞬発力A」「パワーS」「持久力A」 と、非常に高いレベルでバランスされていると評価されています。
サンライズアース(母父マンハッタンカフェ )が「持久力A」 の部分を最大限に引き出したのだとすれば、このトロヴァトーレは、レイデオロが持つ「瞬発力A」 と、母父エンパイアメーカー が持つ「パワーS」 の適性を引き出すことに成功した例と言えそうです。だからこそ、中山の急坂があるタフなマイルコース で、あの力強いスピードを発揮できたんじゃないかなと、私は分析しています。
- 母父Unusual Heat:
デビュー前からPOGなどでも注目されていたミナデオロ という馬もいます。母父のUnusual Heat は、アメリカの血統ですが、ダートではなく「芝」で活躍馬を多く出したことで有名な種牡馬です。
これは、レイデオロ産駒の最大の武器である「芝適性」(AEI 1.34 )を、米国の芝血統でさらに強化し、スピードを上乗せしようという狙いが見える、すごく面白い配合ですよね。
【重要】米国血統=ダート適性ではない!
ここで一つ、絶対に注意したいことがあります。それは、「母父が米国血統(パワー型)だから、ダートも走るだろう」と安易に考えないことです。
思い出してほしいのが、レイデオロ産駒のダート適性(AEI 0.73 )が、平均を大きく下回っているという事実です。トロヴァトーレ も、母父は米国のエンパイアメーカー ですが、彼自身は「芝」のマイル重賞馬です。
この配合パターンは、「ダート適性を補う」ものではなく、「米国血統のパワーを、芝の上でのスピードや瞬発力に転換する」配合だと考えるべきです。特に中山や阪神のような、パワーが要る芝コースで注目したいですね。
結論:レイデオロは「配合相手次第」の万能型
こうしていくつかの血統パターンを見てみると、レイデオロは父キングカメハメハ系らしく、配合相手(母父)の長所を、本当に素直に引き出す「万能型」の種牡馬なんだろうな、ということが見えてきます。
特定のタイプを押し付けるのではなく、まるで「カメレオン」のように、配合相手の良さを引き立てる。
- スタミナに秀でた母父(マンハッタンカフェ )と配合すればステイヤー(サンライズアース )が生まれ、
- スピードやパワーに秀でた母父(エンパイアメーカー )と配合すればマイラー(トロヴァトーレ )が生まれる。
この「配合の万能性」こそが、レイデオロの種牡馬としての最大の武器であり、私たちがPOGや馬券で狙う上で、最も面白く、そして重要なポイントなんだろうなと思います。
総括:レイデオロ産駒の特徴と狙い目
- YUKINOSUKE
最後に、これまで見てきたレイデオロ産駒の複雑な特徴と、それを踏まえた「じゃあ、どう狙えばいいの?」というPOG指名や馬券的な狙い目を、私なりに総括してみたいと思います。
色々な特徴がありましたが、ポイントを絞ると「データ(AEI)が示す明確な適性」と、「配合(母父)次第で変わる万能性」という、2つの側面を理解することが攻略の鍵かなと思います。
レイデオロ産駒の特徴 サマリー
- 最大の特徴:血統に裏付けられた「成長力」。3歳秋以降、古馬になってから本格化する「晩成」傾向が強い 。
- 適性:芝の中距離(1800m~2400m) が基本だが、配合次第でマイル(1600m) から長距離(3000m) までこなす極めて高い「万能性」を持つ。
- 主戦場:明確に「芝」。AEI 1.34というJRAトップ10クラス の優秀な成績を残す。
- ダート:不得意。AEI 0.73と平均を大きく下回っており 、「1勝馬あたり勝利数」 も低く、クラスの壁が厚い。母系に強力なダート血統 がなければ苦戦する。
- 気性:父の課題(前向きすぎる気性 )を克服し、「操縦性が高い」 と評価されている。これが「成長力」 の開花と、長距離での「スタミナ」温存 を可能にする最大の鍵。
この分析を踏まえて、もし私がPOGや馬券でレイデオロ産駒を狙うなら、どういう視点で馬を選ぶか。その「YUKINOSUKE的・狙い目 5カ条」としてまとめてみました。
YUKINOSUKE的・レイデオロ産駒の狙い目 5カ条
- まずは「芝」のレースで狙う!
これはもう鉄則中の鉄則ですね。AEI 1.34 というJRAトップ10 のデータがハッキリと「芝が得意」と示しているので、まずは芝のレースで狙うのが王道中の王道かなと思います。産駒が持つ「筋肉の柔らかさ」 という馬体特徴も、芝のスピードとキレ(瞬発力)に向いている証拠です。 - 安易な「ダート替わり」は疑う!
AEI 0.73 という数字の低さもさることながら、私が重く見ているのは「1勝馬あたり勝利数1.08勝」 というデータです。これはダートで新馬・未勝利を勝った馬のほとんどが、次の1勝クラスで「クラスの壁」にぶつかっていることを示しています。
本質的に「芝向きの柔らかい筋肉」 を伝えている種牡馬だと思うので、芝で頭打ちになった馬が「ダートなら」と安易に替わってきた時は、まず疑ってかかるべき。例外は、母が米ダートG1馬 のような、よほど強力なダート血統で補完されている場合に限定したいですね。 - 「3歳秋以降」の本格化に注目!
最大の特徴である「成長力」 に期待する買い方です。サンライズアースが4歳春にG2を圧勝 したように、この産駒の真価は古馬になってから、と考えるのが基本。
2歳戦や3歳春はまだ「完成途上」と割り切るのが吉。POGでも焦らず、もし人気を裏切っても「晩成だから」と見限らず、秋の菊花賞路線や古馬混合戦になってから、急にパフォーマンスを上げてきた馬がいたら、それこそ「本格化」のサインとして積極的に狙いたいです。 - 2000m以上への「距離延長」ローテーションは買い!
産駒の最大の武器の一つである「高い操縦性」 を信じる戦略です。気性が素直だからこそ、レースで折り合いを欠いてスタミナを浪費することが少ない。これは長距離になればなるほど、大きなアドバンテージになります 。
マイル戦などで、特に折り合いに不安がなかった馬が、1800mや2000m、あるいはそれ以上の距離に延長してきた時は、その操縦性とスタミナ適性がハマる典型的なパターンな気がします。 - 「母父(BMS)」適性をチェック!
これが一番面白いポイントであり、レイデオロ産駒を攻略する「鍵」かもしれません。レイデオロは「万能型」 の種牡馬なので、「母父の良さ」を素直に引き出します。
「この馬はステイヤーか?マイラーか?」を判断するために、必ず母父をチェックしたいです。サンライズアース(母父マンハッタンカフェ )のように「スタミナ型(サンデー系)」なのか、トロヴァトーレ(母父エンパイアメーカー )のように「スピード/パワー型(米国系)」なのか。母父の適性がそのまま産駒の適性に出やすいと思うので、馬柱を見るときは母父の名前までしっかりチェックしたいですね。
将来性:レイデオロ産駒は「これからが本番」かも
レイデオロ産駒、2025年の種付け料も250万円 と、生産界からの評価もすっかり固まってきた感じです。G2、G3ウィナーを輩出し 、JRA総合リーディングでもトップ10入り を果たしたことで、その地位は確立されました。
これが意味するのは、「これからさらに質の高い繁殖牝馬が集まる」ということです。今までの産駒(初年度〜3年目あたり)よりも、さらに血統的なポテンシャルが高い馬たちが、これから2歳、3歳としてデビューしてくる可能性が高い。今後ますます活躍馬が出てきそうで、本当に楽しみな種牡馬ですね!
もちろん、これらはあくまで私個人の分析と傾向です。競馬に「絶対」はありませんので、最終的な馬券の購入やPOGの指名はご自身の判断で、楽しむ範囲でお願いしますね!この記事が、あなたの競馬ライフの何かのお役に立てれば幸いです。










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