中京競馬場 指定席の完全ガイド!予約・料金・おすすめ席

競馬の知識

中京競馬場での競馬観戦を計画する際、指定席の確保は快適な一日を過ごすための重要な鍵となります。しかし、初めての方にとっては疑問が多いかもしれません。そもそも中京競馬場はどこに位置しているのか、電車や車でのアクセス方法は分かりやすいのか、といった基本的な情報から、どの席が自分に合っているのか迷うこともあるでしょう。

特に中京競馬場は、夏は非常に暑く、冬は「伊吹おろし」と呼ばれる独特の冷たい風が吹くことで知られています。このため、中京競馬場の指定席は空調完備ですか?という快適性に関する疑問は、席選びの大きなポイントになります。また、スタンドも複数あり、ゴール前の攻防を見たいのか、全体を見渡したいのかによって、指定席のおすすめのエリアは変わってきます。見やすさや設備の違いも知りたいところです。

確実に席を押さえるためには、指定席の予約の具体的な手順や、いつから申し込むべきかを正確に把握しておく必要があります。チャンピオンズカップのようなG1デーは抽選になることも多く、その場合の競争率はどの程度なのでしょうか。また、もし事前予約が取れなかった場合、指定席は当日でも購入できる可能性は残っているのか、という点も気になります。

もちろん、指定席の料金が席種によってどう違うのかは、予算を考える上で欠かせない情報です。もしご家族や友人とグループでの観戦を計画しているなら、人気のラウンジシートが候補に挙がるかもしれません。しかし、具体的にラウンジシートは何席あるのか、そして最も知りたいラウンジシートの倍率は?といった競争率の実態を知っておかないと、計画通りにいかない可能性もあります。

この記事では、これらの複雑な情報を一つひとつ整理し、指定席の座席表を用いながら各席の特徴を徹底的に比較します。さらに、最新のJRAの情報を基に、指定席の空き状況の確認方法から予約のコツに至るまで、あなたの疑問を網羅的に分かりやすく解説していきます。

  • 中京競馬場の各指定席の特徴と料金体系
  • 指定席の予約方法と当日の購入可否
  • ラウンジシートなど人気席の競争率と設備
  • 快適性(空調)や座席表に基づいたおすすめの選び方
  1. 中京競馬場の指定席の基本と予約方法
    1. 中京競馬場はどこ?スタンドの場所
      1. ペガサススタンド(臨場感と開放感)
      2. ツインハットスタンド(快適性と充実設備)
    2. 指定席の予約の必須手順
      1. 1. 抽選販売(G1デーなど)
      2. 2. 先着販売(G1デー以外)
    3. 指定席の当日券はある?
    4. 指定席の料金の比較
      1. 料金体系に関する補足
    5. 中京競馬場の指定席は空調完備ですか?
  2. 中京競馬場の指定席の種類と選び方
    1. 指定席の座席表で確認
      1. Sシート(ツインハット6階)
      2. A指定席(ツインハット4-5階)・B指定席(ペガサス4階)・ラウンジシート(ツインハット6階)
      3. スマートシート(各階)
    2. ラウンジシートは何席ある?
    3. ラウンジシートの倍率は?
    4. 指定席の空き状況の確認法
    5. 席選びの失敗 後悔を避けるポイント
      1. 軸1:季節・天候による失敗(最重要)
      2. 軸2:観戦スタイルとのミスマッチによる失敗
      3. 最終結論:臨場感 vs 快適性(何を優先するか)
    6. 中京競馬場 指定席 おすすめの選び方
      1. 【目的別①】コストパフォーマンス最重視(安さ+臨場感)
      2. 【目的別②】快適性重視(安さ+空調)
      3. 【目的別③】快適性 + 機能性(空調+電源)
      4. 【目的別④】臨場感 + 機能性(ゴール前+電源)
      5. 【目的別⑤】グループ利用(プライベート空間)
    7. 中京競馬場 指定席選びの総括
    8. 関連記事リンク

中京競馬場の指定席の基本と予約方法

  • 中京競馬場はどこ?スタンドの場所
  • 指定席の予約の必須手順
  • 指定席の当日券はある?
  • 指定席の料金の比較
  • 指定席は空調完備ですか?

中京競馬場はどこ?スタンドの場所

中京競馬場は、愛知県豊明市に位置しています。住所上は豊明市ですが、敷地の一部は名古屋市緑区にもまたがっており、名古屋市近郊からのアクセスが非常に良好な競馬場です。

公共交通機関を利用する場合、最も便利なのは名鉄名古屋本線の「中京競馬場前」駅です。名古屋駅からは急行や準急を利用して約20~30分程度で到着します(特急は停車しないためご注意ください)。駅の改札を出ると、競馬場の西入場門まで「ペガサスブリッジ」という屋根付きの専用連絡通路で直結しており、雨の日でも濡れずに徒歩約10分程度でアクセス可能です。(参照:JRA公式サイト 中京競馬場アクセス

また、お車での来場も可能です。伊勢湾岸自動車道の豊明インターチェンジが最寄りで、競馬場には大規模な駐車場(開催日有料:1,000円)が完備されています。

競馬観戦の拠点となるスタンドは、大きく分けて「ペガサススタンド」「ツインハットスタンド」の2つで構成されています。この2つのスタンドは特徴が大きく異なるため、指定席を選ぶ上で、まずどちらのスタンドが自分の観戦スタイルに合っているかを理解することが非常に重要です。

ペガサススタンド(臨場感と開放感)

ペガサススタンドは、2012年の大規模なリニューアルの際に新設された、比較的新しいスタンドです。位置としては、ゴール板に近い側(4コーナー寄り)に建てられています。

このスタンド最大の魅力は、何と言っても「臨場感」です。中京競馬場の名物であるゴール前の長い直線の攻防や、迫力あるゴールシーンを間近で体感できるのが特徴です。設置されている指定席の多くは屋外、あるいは半屋外の構造になっています。

ペガサススタンドのメリット レースの歓声や馬の蹄音(ひづめのおと)がダイレクトに届き、外の空気を感じながら開放的な雰囲気で観戦できます。レースのクライマックスを最も近くで味わいたい方には最適なスタンドです。

ペガサススタンドの注意点 屋外席が中心であるため、天候の影響を直接受けます。特に名古屋の夏は非常に暑く、冬は「伊吹おろし」と呼ばれる冷たい風が吹き付けるため、季節に応じた暑さ・寒さ対策が必須となります。

ペガサススタンドにある主な指定席 ・B指定席(4階・屋外) ・スマートシート(Eブロック)(1~3階・屋外)

ツインハットスタンド(快適性と充実設備)

ツインハットスタンドは、古くからのメインスタンドを改修して使用されている、歴史ある側のスタンドです。位置は、ゴール板を過ぎた1コーナー寄りになります。

ペガサススタンドに比べるとゴール瞬間からは少し離れますが、こちらの最大の強みは「快適性」にあります。指定席エリアの多くが、冷暖房を完備したガラス張りの屋内席となっているのが特徴です。

ツインハットスタンドのメリット 夏の酷暑日や冬の寒い日、あるいは雨天や強風の日でも、天候に一切左右されることなく快適な環境で競馬観戦に集中できます。特に気温が厳しい時期の開催が多い中京競馬場において、このメリットは非常に大きいです。

ツインハットスタンドの注意点 ガラス張りの屋内からの観戦となるため、歓声や蹄音は屋外席に比べて聞こえにくくなります。また、位置的に最後の直線はやや斜めから、ゴール瞬間は少し過ぎた場所から見ることになります。

ツインハットスタンドにある主な指定席 ・Sシート(6階・屋内) ・ラウンジシート(6階・屋内) ・ファミリールーム(6階・屋内) ・A指定席(4~5階・屋内) ・スマートシート(Wブロック)(1階は屋外、2~3階は屋内)

このように、中京競馬場のスタンドは「臨場感・開放感のペガサス」と「快適性・充実設備のツインハット」という明確な棲み分けがされています。どちらのスタンドも指定席エリアは連絡通路で行き来が可能ですので、ご自身の観戦スタイルや当日の気候を考慮して、最適なスタンドを選ぶことが満足度を高める第一歩となります。

指定席の予約の必須手順

現在、中京競馬場の指定席は、競馬場窓口での当日発売はごく稀なケースを除いて行われておらず、JRAが運営する「指定席ネット予約」を通じて事前に購入するのが必須の手順となります。このシステムは、ご自宅や外出先から、インターネット環境さえあればスマートフォンやPCで簡単に手続きが完結するため、非常に便利です。ただ、利用にあたってはいくつかの重要なルールがあります。

まず、このサービスを利用するためには、事前にJRAの指定席ネット予約会員に登録する必要があります。登録自体は無料で行えますが、最も重要な注意点が存在します。

会員登録の最重要注意点:20歳未満は登録不可 指定席ネット予約の会員登録は、20歳未満の方はできません。これは、競馬法により未成年者の馬券購入が禁じられていることに準じた措置です。指定席エリアは馬券購入を行う場所と密接に関連しているため、予約サービス自体も同様の制限が設けられています。

ご家族やご友人と観戦する場合でも、代表して予約する方が20歳以上であることが必須条件となります。未成年の方のみでの指定席利用はできませんので、グループの構成にご注意ください。(参照:JRA指定席ネット予約

会員登録(メールアドレスやクレジットカード情報の登録など)を済ませた上で、実際の予約プロセスに進みます。予約のプロセスは、観戦したい開催日によって大きく2種類に分かれます。

1. 抽選販売(G1デーなど)

チャンピオンズカップ(G1)開催日など、特に人気が集中し混雑が予想される日は、事前に申込期間が設けられ、抽選によって当選者が決まります。申込期間内であれば、いつ申し込んでも当選確率は変わりません。そのため、慌てる必要はありませんが、申込期間を忘れないよう注意が必要です。当選した場合のみ、決済手続きを経て席が確保されます。

2. 先着販売(G1デー以外)

上記以外の一般開催日や、中京競馬場でレースが行われないパークウインズ(場外発売)時は、JRAが定めた発売開始日時から先着順で販売されます。こちらは文字通り「早い者勝ち」です。

特に、気候の良い日のスマートシートや、A指定席・B指定席などは人気が高く、発売開始と同時にアクセスが集中します。人気の席は、発売開始から数分で完売してしまうことも珍しくありません。

予約成功のための事前準備 いずれの販売方法であっても、観戦したい日が決まったら、まずJRA公式サイトの「発売スケジュール」を必ず確認してください。抽選申込の期間や、先着販売の開始日時が正確に告知されています。

特に先着販売に臨む場合は、会員登録を発売開始「前」に必ず済ませておくことが重要です。発売開始と同時に会員登録から始めていると、その間に目当ての席は売り切れてしまう可能性が非常に高いです。

なお、購入できる枚数は、原則として会員お一人様につき4席分までとなっています。ただし、ラウンジシート(1テーブル単位)や車椅子指定席(1席限り)など、一部例外となる席種も存在します。予約が完了すると、当日はスマートフォンの画面に表示されるQRチケットで入場することになります。

指定席の当日券はある?

結論から申し上げますと、中京競馬場において指定席の「当日券」を競馬場で直接購入することは、現在ほぼ不可能に近い状況です。前述の通り、指定席の確保はJRAの「指定席ネット予約」による事前購入が唯一の公式ルートとなっています。

特にチャンピオンズカップ(G1)開催日のような注目度が高い日は、事前の抽選販売の段階で、ほぼ全ての席が完売します。G1デー以外の一般開催日(先着販売)であっても、気候の良い日のスマートシートや、A指定席・B指定席といったコストパフォーマンスや快適性の高い人気の席は、ネット予約の発売開始と同時に売り切れてしまうことが珍しくありません。このため、当日競馬場の窓口で販売する分の在庫が、そもそも残っていないのが実情です。

もし、ネット予約分で何らかの理由によりキャンセルが大量に発生した場合や、G1デー以外の開催日で著しく人気がなく、ネット予約で大量に残席がある場合に限り、競馬場内の指定席発売窓口(ツインハット1階など)で当日発売が行われる可能性もゼロではありません。

しかし、これはあくまでイレギュラーな対応であり、JRAはネット予約による事前確保を強く推奨しています。当日窓口での販売を「期待して」競馬場へ向かうのは、特にご家族連れや遠方からのご来場の場合、非常にリスクが高い選択と言えます。

ここで、非常に重要な注意点があります。それは「指定席券」と「入場券」は全く別のものであるという点です。当日券がないかと探される方の中には、この二つを混同されているケースが見受けられます。

「指定席券」と「入場券」の根本的な違い

  • 指定席券 (ネット予約): 特定の「座席」を確保する権利です。現在のJRAの運用では、ネット予約で購入した指定席料金には「入場料」が最初から含まれています。そのため、指定席券(スマートフォンに表示されるQRチケット)を持っていれば、別途「入場券」を購入する必要は一切ありません。
  • 入場券 (当日現金発売など): これは競馬場の「敷地内に入る」ためのチケットです。開催日であれば、競馬場の入場門窓口で当日現金発売されています。ただし、これだけでは指定席エリア(A指定席やB指定席のフロアなど)に入ることはできません。

このため、もし「指定席」のネット予約が取れなかった場合でも、観戦を諦める必要はありません。競馬場に来場してから「入場券の当日現金発売」を利用するか、「JRA競馬場共通入場回数券」を使えば、競馬場の敷地内に入場すること自体は可能です。(参照:JRA公式サイト 中京競馬場 ご入場方法

入場券で入れる一般観覧エリアには、コース沿いの屋外スペース(フェンス際など)や、スタンド内の一部の一般席(ツインハットの3階など)、メディアホールなどが含まれます。もちろん、指定席のような快適さや確実な着席は保証されませんが、パドックで馬の状態を見たり、場内のグルメを楽しんだり、レースの雰囲気を味わうことは十分にできます。

指定席の料金の比較

中京競馬場の指定席料金は、一律ではありません。料金は主に「どの開催日に行くか」「どの席種を選ぶか」という2つの大きな要因によって、数百円の席から数万円の席まで大きく変動します。ご自身の予算と目的に合った席を選ぶために、この料金体系を理解しておくことが重要です。

まず最大の変動要因は、開催日の「格」です。最も料金が高額に設定されるのは、当然ながら中京競馬場で唯一開催されるG1レース「チャンピオンズカップ」の開催日です。この日は全国からファンが訪れ、需要が最大化するため、全ての席種で料金が最高額となります。

逆に最も安価になるのは、中京競馬場でレースが開催されず、他の競馬場のレースの馬券のみを発売する「パークウインズ時」です。この日はライブ観戦の価値がなくなるため、指定席も割安な料金で提供されます。

もう一つの大きな要因は、席のグレードと設備、そして快適性です。例えば、グループで利用できる半個室の「ラウンジシート」や、デスクトップPCが完備された「Sシート」などは、設備が充実している分、高価になります。

また、中京競馬場の料金設定で特徴的なのは、「空調の有無(快適性)」が料金に明確に反映されている点です。後述するA指定席(屋内)がB指定席(屋外)よりも高額であることや、スマートシートの屋内エリア(Wブロック)が屋外エリア(Eブロック)より高額であることからも、その傾向が読み取れます。

以下は、開催日ごとの料金の一例です(第4回中京競馬の例)。料金体系は変更される可能性があるため、ご計画の際は必ずJRA公式サイトで最新の情報をご確認ください。

席種 チャンピオンズC(GⅠ) フリーパスの日 その他の開催日 パークウインズ時
ラウンジシート(4名) 20,000円 10,000円 10,800円 8,800円
ファミリールーム(4名) 22,000円 10,000円 10,800円 7,800円
Sシート(シングル) 4,200円 2,500円 2,700円 2,200円
A指定席(4階・5階) 3,200円 1,800円 2,000円 1,200円
B指定席 2,700円 1,300円 1,500円 700円
スマートシート(Eブロック・屋外) 800円 200円 400円
スマートシート(Wブロック・屋内/外) 1,000円 400円 600円

(※上記はJRAの提供情報を基にした一例です。Sシート(ペア)や車椅子指定席など、他の席種も存在します)

料金体系に関する補足

この表を見る上で、いくつか注意点があります。

料金の単位に注意ラウンジシートファミリールームの料金は、「1席(1名分)」ではなく「1部屋(4名様分)」の料金です。 ・Sシート(ペア)も同様に「2席分」の料金となります。 ・A指定席、B指定席、Sシート(シングル)、スマートシートは「1席(1名分)」の料金です。

ラウンジシートはG1デーで20,000円と高額に見えますが、これは4名分の料金ですので、1人あたりに換算すると5,000円となります。Sシート(シングル)が4,200円であることを考えると、グループで利用できる半個室の付加価値を考えれば、妥当な価格設定とも言えます。

一方で、最もリーズナブルなのは「スマートシート」です。一般開催日であれば、屋外のEブロックは400円、屋内を含むWブロックでも600円で席を確保できます。特に「フリーパスの日」であれば、Eブロックは200円となり、非常に安価に指定席での観戦が可能です。

前述の通り、これらの指定席料金には、競馬場への「入場料」が既に含まれています。そのため、指定席券(QRチケット)を持っていれば、別途入場券を購入する必要はありません。この点を考慮すると、特にスマートシートのコストパフォーマンスは非常に高いと言えるでしょう。

中京競馬場の指定席は空調完備ですか?

この質問は、中京競馬場で快適に過ごすための最も重要な確認事項の一つと言えます。なぜなら、中京競馬場が位置する名古屋近郊は、夏は全国的にも有数の酷暑地帯であり、冬は「伊吹おろし」と呼ばれる独特の冷たい北風が吹き付ける、気候の厳しい地域だからです。

結論から申し上げますと、中京競馬場の指定席は「全てが空調完備」というわけではありません。席種によって、「空調完備の屋内席」と「空調のない屋外席」が明確に分かれています。この違いを理解せずに席を選ぶと、季節によっては観戦が非常に困難になる可能性もあるため、注意が必要です。

【1】空調完備(冷暖房)の「屋内席」

これらの席は、主にツインハットスタンド(ゴール板を過ぎた1コーナー寄り)に集中しています。全てガラス張りの屋内席となっており、天候に左右されません。

  • Sシート(6階)
  • ラウンジシート(6階)
  • ファミリールーム(6階)
  • A指定席(4階・5階)
  • スマートシート(W-2, W-3)(2階・3階)

メリット: 最大のメリットは、その圧倒的な快適性です。夏の猛暑日でも、冬の極寒日でも、冷暖房が効いた快適な室内でレースに集中できます。また、雨天や強風の日でも一切影響を受けません。一日中ゆったりと過ごしたい方、暑さや寒さが苦手な方、天候を気にせず観戦したい方には、これらの屋内席が最適です。

デメリット(注意点): ガラス越しでの観戦となるため、歓声や馬の蹄音(ひづめのおと)は、屋外席に比べてダイレクトには届きにくくなります。臨場感よりも快適性を優先する方向けの席と言えます。

【2】空調なしの「屋外席」

これらの席は、主にペガサススタンド(ゴール寄り)の全域と、ツインハットスタンドの一部に設定されています。

  • B指定席(ペガサス4階)
  • スマートシート(E-1, E-2, E-3, E-4)(ペガサス1~3階)
  • スマートシート(W-1)(ツインハット1階)

メリット: 最大の魅力は、レースの臨場感と開放感です。馬がターフを駆ける音、騎手の声、そしてゴール前の大歓声をダイレクトに肌で感じることができます。外の空気を感じながら、競馬場ならではの雰囲気を存分に味わいたい方には、こちらがおすすめです。

デメリット(最重要注意点): 天候の影響を直接受けます。夏の暑さ、冬の寒さ対策は必須です。特に以下の点には最大限の注意が必要です。

屋外席の雨天時リスク JRAの案内にも明記されている通り、これらの屋外席は「雨天の場合に濡れる場合」があります。そのような場合でも、座席の変更や返金等は一切できません。 B指定席は4階にありますが屋根は浅く、特にスマートシート(EブロックやW-1)は、雨量や風向きによってはかなり濡れる可能性があります。雨予報の日に屋外席を予約する場合は、雨具の準備が必須となります。

このように、中京競馬場の指定席は「快適性のツインハット(屋内)」と「臨場感のペガサス(屋外)」という明確な特徴があります。ご自身の観戦スタイルや、当日の季節・天候予報を考慮して、最適な席を選ぶことが重要です。

中京競馬場の指定席の種類と選び方

  • 指定席を座席表で確認
  • ラウンジシートは何席ある?
  • ラウンジシートの倍率は?
  • 指定席の空き状況の確認法
  • 席選びの失敗 後悔を避けるポイント
  • 指定席のおすすめの選び方
  • 中京競馬場の指定席選びの総括

指定席の座席表で確認

中京競馬場の指定席を予約する際、JRA公式サイトで提供されている「指定席マップ(座席表)」を確認することは、失敗を避けるために不可欠な手順です。なぜなら、中京競馬場の指定席は、前述の通り「ペガサススタンド」と「ツインハットスタンド」という2つの建物に分かれているだけでなく、階層(1階から6階)、位置(ゴール前か1コーナー寄りか)、そして設備(屋内か屋外か、コンセントの有無など)が非常に複雑に組み合わさっているためです。

言葉の説明だけでは分かりにくいこれらの情報を、マップは視覚的に分かりやすく整理してくれています。例えば、レースのクライマックスであるゴール前の攻防を間近で見たい方は、ペガサススタンドに位置する席を選ぶべきだと一目でわかります。

マップで見る「位置」の具体例

  • B指定席:ペガサススタンドの4階にあり、「最後の直線残り約100メートルからゴール板過ぎまで」をカバーしていることが分かります。臨場感を求める方には最適です。
  • A指定席:ツインハットの4階・5階にあり、「ゴール板を過ぎてから1コーナー寄り」となります。ゴール瞬間の見やすさではB指定席に劣りますが、空調完備の快適な環境で観戦できます。

このように、レースのどの部分を重点的に見たいかによって、選ぶべきスタンドや席種が明確に変わってくるのです。公式サイトでは、席から見える景色を疑似体験できる「VR画像」へのリンクが用意されていることもありますので、併せて確認すると、より具体的にイメージが湧くでしょう。

そして、位置関係と並んでマップで絶対に確認すべき項目が「設備」、特に「コンセントの有無」です。現代の競馬観戦は、オッズの確認、情報の収集、そしてネット投票(UMACAや即PATなど)に至るまで、スマートフォンが必須のアイテムとなっています。これを一日中使い続ければ、当然バッテリーは急速に消費されます。

座席選びのヒント:観戦スタイルと電源 長時間の滞在でスマートフォンの充電が切れてしまうのは、競馬観戦において致命的な問題になりかねません。ご自身の観戦スタイルに合わせて、電源の有無をしっかりチェックしましょう。

Sシート(ツインハット6階)

コンセント有り・専用PC有り。最も設備が充実した席です。自席のコンセントに加え、備え付けのデスクトップPCで「JRA-VAN」や「レーシングビュアー」を利用できます。これにより、オッズや馬体重、パドック動画、過去のレース動画まで、全ての情報を自席で完結して確認可能です。本格的に予想・勝負したい方にとっては、まさに「コックピット」のような環境です。

A指定席(ツインハット4-5階)・B指定席(ペガサス4階)・ラウンジシート(ツインハット6階)

コンセント有り。これらの席は、各テーブルや座席スペースにコンセントが設置されています。ご自身のノートPCを持ち込んで本格的に予想する方や、スマートフォンのバッテリーを一切気にせず一日中楽しみたい方に最適です。A指定席は屋内、B指定席は屋外という快適性の違いはありますが、電源の心配がないのは大きな強みです。

スマートシート(各階)

コンセント無し。これがスマートシートを選ぶ上での最大の注意点です。料金がリーズナブルな反面、自席で電源を確保する手段がありません。丸一日滞在する場合は、大容量のモバイルバッテリーを持参するなどの対策が必須となります。

なお、ツインハットの屋内スマートシート(W-2, W-3)のエリア近くには、共用の「充電スポット」が設置されている場合があります。ただし、席を離れる必要がありますし、混雑時には空いていない可能性もあるため、過信は禁物です。あくまで補助的なものと考え、基本は自前のバッテリーで対策するのが賢明でしょう。

ラウンジシートは何席ある?

ご友人やご家族など、4名程度のグループで観戦を楽しみたい場合に、最も人気が高い席が「ラウンジシート」です。この席は、ツインハットスタンドの最上階(6階)に設けられた、4名様1組で利用する半個室のテーブル席となっています。

区切られたプライベートな空間が確保されており、まさにグループにとっての「ホームベース」のようなスペースです。室内のテーブル席で快適に予想をしながら、レースが始まれば専用のベランダに出て観戦することもできます。室内には専用のテレビモニターやコンセントも完備されており、一日中快適に過ごせる設備が整っています。

仲間内で会話を楽しみながら、レースの際には気兼ねなく盛り上がれるのが最大の魅力です。しかし、このラウンジシートは、その人気に対して提供される席数が極めて少ないのが実情です。

ラウンジシートの提供席数

  • G1開催日(チャンピオンズC)以外:12テーブル(計48席)
  • G1開催日(チャンピオンズC): 6テーブル(計24席)

ここで最も注意すべき点は、最も需要が高まるG1デーに、なぜか提供数が半分に減少してしまうという事実です。これは、G1レース開催日には全国から多くの馬主(うまぬし)や調教師、生産者などの競馬関係者が来場するため、JRAがその方々をもてなすための「接待・来賓用」として、ラウンジシートの半分を確保するためであると考察されます。このため、ただでさえ人気のある席が、最も人気のある日には供給が半分になる、という非常に厳しい状況となります。

ラウンジシートの注意点(位置)

ラウンジシートはツインハットの6階、つまりゴール板を過ぎた1コーナー寄りの最上階に位置します。そのため、ベランダからの眺望は、コース全体を見渡しやすい反面、ゴール瞬間の攻防を肉眼で正確に確認するのは難しい角度と言えるでしょう。ベランダではレースの雰囲気や歓声を楽しみ、勝敗の判定は室内のテレビモニターで行う、というスタイルになります。

また、最上階であるため、パドックや場内グルメのエリアへ移動するには、エレベーターや階段でかなりの時間を要する点も考慮しておく必要があります。

ラウンジシートの倍率は?

前述の通り、ラウンジシートは提供される席数が極めて少ないため、その競争率は非常に高くなります。特にG1レース開催日は、一般の指定席とは比較にならないほどの高倍率に達します。

過去のチャンピオンズカップ(G1)開催時の一般抽選における応募状況のデータによれば、ラウンジシートの倍率は113.5倍という記録的な数値に達したことがあります。

これは、単純計算で113組以上の申し込みがあって、ようやく1組が当選できるという確率です。まさに「予約が取れたら奇跡」と言われるほどの人気であり、宝くじに近いレベルの幸運が必要と言っても過言ではありません。

この異常な高倍率の背景には、いくつかの要因が重なっています。まず、前述のようにG1開催日は提供数がわずか6テーブル(24席)に絞られるという供給の少なさがあります。加えて、4名単位で快適に過ごせる半個室という「プレミアムな価値」を求めるグループ客の需要が、この数少ない枠に集中するためです。

この倍率がどれほど突出しているかは、他の席種と比較すると一層明らかになります。同じG1デーの抽選であっても、A指定席(屋内席)の倍率が7.4倍~10.0倍、B指定席(屋外席)が9.8倍程度であることからも、100倍を超えるラウンジシートの競争がいかに熾烈であるかが分かります。

同様に、グループやペアで利用できる他の席も高倍率になる傾向が見られます。例えば、Sシート(ペア)も同じ抽選で75.0倍という高い競争率が記録されています。個人用のSシート(シングル)が10.2倍であるのと比べ、複数名で利用できる席がいかに人気であるかがうかがえます。

G1デー以外(一般開催日)の状況

では、G1デー以外なら簡単に取れるのでしょうか。一般開催日(G1以外)は抽選ではなく先着販売となるため、このような倍率は出ません。しかし、ラウンジシートは競馬場全体でも12テーブルしかないため、先着販売が開始されると同時に真っ先に完売する席種の一つです。G1デーほどの絶望的な確率ではありませんが、こちらも入手は容易ではありません。

G1デーに複数名で快適な席を確保することは、非常に幸運が必要となります。もし「ラウンジシートという空間自体を体験してみたい」という目的であれば、G1デーを避け、一般開催日の先着販売に臨む方が、まだ現実的かもしれません。

指定席の空き状況の確認法

中京競馬場の指定席の空き状況(残席)を確認するための、最も確実で唯一の公式な方法は、JRAが運営する「指定席・入場券ネット予約」サイトを利用することです。このサイトが公式の販売窓口であり、情報はリアルタイムで更新されます。電話での問い合わせや、競馬場に行ってからでは、リアルタイムの正確な空き状況は把握できません。

このサイトを利用するには、まずJRA指定席ネット予約の会員(登録無料・20歳以上)である必要があります。会員としてログインした後、「開催日」や「競馬場(中京)」を選択し、希望する席種を選ぶ画面に進みます。そこで、各席種の空き状況が以下の記号で表示されます。

  • 〇(空きあり):まだ残席に余裕がある状態です。
  • △(残りわずか):残席が少なくなっている状態です。この表示が出たら、早めの決断が求められます。
  • ×(満席):その席種は完売している状態です。

ただし、この空き状況の確認方法は、予約の販売方式によって戦略が全く異なります。

1. 先着販売(G1デー以外の一般開催日)の場合

G1デー以外の開催日は先着順での販売となるため、空き状況の確認は「時間との勝負」になります。発売開始と同時にアクセスが集中し、特にコストパフォーマンスに優れるスマートシート(E-3やW-2など)や、快適なA指定席などは、発売開始から数分で「〇」から「×」に変わることも珍しくありません。

発売開始から1時間後にサイトを見て「×(満席)」だった場合、それは「最初から満席だった」のではなく、「発売開始直後に売り切れた」ことを意味します。先着販売日に席を確保したい場合は、発売開始日時にサイトに張り付いて、リアルタイムで状況を確認しながら申し込む必要があります。

2. 抽選販売(G1デーなど)の場合

一方で、チャンピオンズカップ(G1)などの抽選販売の場合は、空き状況の確認の意味合いが異なります。この場合、JRAは申込期間の途中で、「応募状況の途中経過(現在の応募倍率)」をサイト上で公表することがあります。

これは、「どの席にどれだけの人気が集中しているか」を示す非常に重要な指標です。例えば、「ラウンジシート 113.5倍」や「Sシート(ペア) 75.0倍」といった情報が公開されます。もし、あなたが「ラウンジシートでなければ絶対に嫌だ」という強い希望がない限り、この途中経過は戦略を立てる上で大きなチャンスとなります。

倍率を見て、100倍を超えている席への申し込みを避け、比較的倍率の低い席(例えばA指定席やB指定席など)に申し込み先を変更することで、当選確率を上げることが期待できます。

キャンセル待ちについて

「×(満席)」になった席が、後にキャンセルが出て「△」や「〇」に戻ることも理論上はあり得ます。しかし、そのタイミングは不定期かつ非常に稀であり、誰かがキャンセルするのをサイト上で待ち続けるのは現実的な戦略とは言えません。やはり、発売開始時、あるいは抽選申込期間中に確保するのが王道です。

席選びの失敗 後悔を避けるポイント

中京競馬場の指定席を予約する際、単に「空いている席を確保する」という考え方では、「こんなはずではなかった」という後悔につながる可能性があります。中京競馬場で快適に過ごすためには、「①季節(天候)」「②ご自身の観戦スタイル」という2つの軸を明確にし、席の特性と合致させる考慮が非常に重要です。

これを間違えると、「暑すぎてレースに集中できなかった」「寒すぎて楽しめなかった」、あるいは「電源がなくて不便だった」といった失敗につながる可能性があります。

軸1:季節・天候による失敗(最重要)

中京競馬場は、日本国内でも特に気候が厳しい地域にあります。この「季節」要因を軽視することは、席選びにおける最大の失敗要因となります。

夏の屋外席は要注意(熱中症対策)

名古屋の夏は、高温多湿で全国的にも有数の酷暑地域として知られています。JRA自身も、夏の開催では競走馬や騎手、厩舎スタッフの安全を守るために「暑熱対策」としてレースの開始時刻を調整することがあるほどです。(参考:JRA 暑熱対策に伴う開催時刻の変更

このような環境下で、ペガサススタンドのB指定席やスマートシートEブロックなどの屋外席に一日中いることは、想像以上の体力を消耗します。たとえ屋根があっても、ターフからの照り返しと高い湿度で、熱中症のリスクが非常に高まります。暑さに自信がない方、体調に不安がある方は、夏の期間だけは無理をせず、ツインハットの屋内席(A指定席やスマートシートW-2, W-3)を選ぶのが賢明です。

冬の屋外席は「伊吹おろし」に注意(防寒対策)

逆に冬は、鈴鹿山脈から「伊吹おろし」と呼ばれる非常に冷たく乾燥した北風が吹き付けます。これは単なる「冷たい風」ではなく、体感温度を著しく下げる強風です。特にペガサススタンドは屋外構造で風を遮るものがないため、この伊吹おろしをダイレクトに受けることになります。

万全の防寒対策(ヒートテックの重ね着、厚手のコート、マフラー、手袋、カイロなど)が必須です。中途半端な服装では、レースに集中できないほどの寒さに耐え続けることになります。寒がりな方は、冬も迷わず屋内席をおすすめします。

また、暑さ・寒さに加え、「雨」と「日差し」も見落としがちなポイントです。

  • 雨天のリスク:前述の通り、屋外席(B指定席、スマートシートEブロック, W-1)は、雨量や風向きによって雨が吹き込む可能性があります。JRAの規約上、雨に濡れた場合でも座席の変更や返金は一切できません。
  • 西日の影響:中京競馬場のメインスタンドは西向きに建てられています。このため、ペガサススタンド側(B指定席, Eブロック)は、特に午後のレース(メインレースの時間帯)になると、西日を直接受ける可能性があります。眩しくてレースが見えにくい、日差しが暑い、といった事態も想定しておく必要があります。

軸2:観戦スタイルとのミスマッチによる失敗

ご自身の「観戦スタイル」と、席の「設備」や「位置」が合っていないと、一日を通してストレスを感じることになります。

失敗例1:「電源(コンセント)」のミスマッチ

「PCやスマートフォンで情報を収集・分析しながら、ネット投票も頻繁に行いたい」という本格派の方が、料金の安さだけで「スマートシート」を選ぶと失敗する可能性があります。スマートシートには自席にコンセントがなく、モバイルバッテリーだけでは一日持たない場合、充電のために席を離れなければならず、不便を被ることになります。

対策:PCやスマホを多用するスタイルの方は、料金が高くても自席にコンセントが完備されているA指定席、B指定席、Sシート、ラウンジシートを選ぶべきです。

失敗例2:「移動頻度」のミスマッチ

「レースごとにパドックで馬の状態を必ずチェックしたい」という方は、スタンドとパドックの往復が頻繁に発生します。もしこのタイプの方が、最上階(6階)の「Sシート」や「ラウンジシート」を選んでしまうと、エレベーターの待ち時間や移動距離だけで疲弊してしまいます。

対策:パドックへの移動を重視する方は、移動が比較的スムーズな中層階(2〜4階のスマートシートやA/B指定席)、あるいはいっそパドックに近い1階席を選ぶのも一つの手です。

失敗例3:「眺望」のミスマッチ

「何よりもゴール前の攻防を間近で見たい」という方が、快適そうだからという理由で「A指定席」を選ぶと、ゴール板を過ぎた1コーナー寄りの位置であるため、肝心のゴール前が見切れる可能性があります。

対策:ゴール前の臨場感を最優先するなら、天候リスクを受け入れた上で「B指定席」や「スマートシートE-3」を選ぶ必要があります。

最終結論:臨場感 vs 快適性(何を優先するか)

最終的には、何を優先するかで選ぶ席が変わります。

臨場感や開放感を最優先するなら、屋外の「B指定席」や「スマートシートEブロック」が適しています。ゴール前の攻防や歓声を肌で感じられます。ただし、「暑さ・寒さ・雨・西日」の天候リスクを全て受け入れる必要があります。

快適性(空調)や機能性(電源)を気にせず、一日中ゆったりと予想や観戦を楽しみたいなら、ツインハットの「A指定席」や「スマートシートW-2, W-3」が間違いありません。ただし、ゴール前からの距離や臨場感の低下は受け入れる必要があります。

ご自身の「これだけは譲れない」という優先順位を明確にすることが、後悔しない席選びの最大のポイントです。

中京競馬場 指定席 おすすめの選び方

ここまで解説してきた情報を基に、どのような目的の方がどの席を選ぶべきか、目的別のおすすめ席を客観的に整理します。中京競馬場の指定席は、前述の通り「スタンドの位置」「階層」「屋内/屋外」「設備の有無」が複雑に絡み合っています。どの席にも一長一短があるため、ご自身の目的に合わせてお選びいただくことが重要です。

WEBライター(筆者)の視点まとめ 提供された情報を分析すると、中京競馬場の指定席選びは「コスト」「快適性(空調)」「臨場感(位置)」「機能性(電源など)」の4つの軸で判断するのが合理的です。特に中京競馬場は夏と冬の気候が厳しいため、「快適性(空調)」をどの程度優先するかは、他の競馬場以上に重要な判断基準になるでしょう。

【目的別①】コストパフォーマンス最重視(安さ+臨場感)

→ おすすめ:スマートシートE-3(ペガサススタンド 2・3階 屋外)

メリット: 最大の魅力は料金の安さです。一般開催日であれば400円程度で、ゴール前の攻防を観やすいペガサススタンドの席を確保できます。
デメリット・注意点: これは「快適性」と「機能性」を全て犠牲にする選択肢です。まず、空調のない屋外席であるため、夏の酷暑や冬の伊吹おろし、雨天、午後の西日といった天候リスクを全て受け入れる必要があります。さらに、自席にコンセントがないため、スマートフォンのバッテリー対策(大容量モバイルバッテリーの持参)は必須です。

結論: 「気候が穏やかな日」に限定し、「観戦装備(暑さ寒さ対策・バッテリー)が万全」で、「とにかく安くゴール前の臨場感を味わいたい」という方に適しています。

【目的別②】快適性重視(安さ+空調)

→ おすすめ:スマートシートW-2(ツインハットスタンド 2・3階 屋内)

メリット: こちらも一般開催日で600円程度と安価でありながら、冷暖房完備の屋内席という点が最大の強みです。夏の猛暑日でも冬の極寒日でも、天候を一切気にせず快適な「拠点」を確保できます。
デメリット・注意点: 「臨場感」と「機能性」は妥協が必要です。位置はゴール板を過ぎた1コーナー寄りとなるため、ゴール前の迫力はペガサススタンドに劣ります。また、こちらも自席にコンセントがありません。近くの共用充電スポットを利用するには、席を離れる必要があります。

結論: 「レースの迫力よりも、天候に左右されず一日快適に過ごせる拠点」を「安価に確保したい」という方に最適です。

【目的別③】快適性 + 機能性(空調+電源)

→ おすすめ:A指定席(ツインハットスタンド 4・5階 屋内)

メリット: 前述のスマートシートW-2の完全な上位互換と言える席です。空調完備の快適性に加え、各テーブルにコンセントが完備されています。さらに席にはモニターも設置されている場合があり、他場のレース情報なども収集しやすいです。PCやスマートフォンを駆使して本格的に予想・投票したい方にとって、最高の環境の一つです。
デメリット・注意点: 料金は一般開催日で2,000円程度と、スマートシートに比べて上がります。また、位置はW-2と同様に1コーナー寄りである点は変わりません。

結論: 「快適性」と「機能性(電源・情報収集)」を両立させたい方、特にPCやスマホを多用する方には最もおすすめです。コストはかかりますが、その分の利便性は確実に得られます。

【目的別④】臨場感 + 機能性(ゴール前+電源)

→ おすすめ:B指定席(ペガサススタンド 4階 屋外)

メリット: ゴール前の攻防をベストポジションに近い場所で観戦できる「臨場感」と、各テーブルにコンセントが完備されている「機能性」を両立した、ペガサススタンドの最上位席です。屋外でありながらテーブルでしっかりと予想ができ、電源の心配もありません。
デメリット・注意点: 最大のデメリットは、空調のない屋外席であることです。A指定席の快適性と引き換えに、全ての天候リスク(暑さ・寒さ・雨・西日)を受け入れる必要があります。料金も一般開催日で1,500円程度と、スマートシートE-3より高額です。

結論: 「最高の位置でレースを見たい、でも電源は絶対に必要」という、臨場感と機能性の両立を求める方に最適です。ただし、天候リスクを許容できる(=万全の装備がある)ことが大前提となります。

【目的別⑤】グループ利用(プライベート空間)

→ おすすめ:ラウンジシート(4名) / ファミリールーム(最大8名)

メリット: 半個室のプライベート空間で、周囲を気にせず会話をしながら楽しめる、グループ観戦の決定版です。設備も空調・コンセント・モニター完備と申し分ありません。特にファミリールームは、小さなお子様連れのご家族にとって最適な環境です。
デメリット・注意点: 最大の難点は、予約が絶望的に困難であることです。特にG1デーは100倍を超える競争率になることもあり、確保は奇跡的と言えます。また、最上階(6階)にあるため、パドックや他フロアへの移動が不便な点も挙げられます。

結論: G1デーでの確保は「当たればラッキー」と考え、外れることも想定し、代替案(A指定席やB指定席を4席連番で確保するプランなど)も考えておくのが現実的です。

中京競馬場 指定席選びの総括

この記事では、中京競馬場の指定席に関する様々な情報を解説してきました。最後に、指定席選びで押さえておくべき重要なポイントを、改めて総括します。

まず、中京競馬場の指定席を確保するには、JRAの「指定席ネット予約」サイトからの事前予約が現在の基本となります。競馬場で直接当日券を購入することは非常に難しくなっているため、事前の手続きが必須です。このネット予約を利用するためには会員登録が必要ですが、登録は20歳以上の方に限定されています。未成年の方は登録できませんので、ご家族やグループで訪問する場合も、必ず20歳以上の方が代表して手続きを行う必要があります。

席を選ぶにあたり、中京競馬場には大きく2つのスタンドがあることを理解するのが重要です。ゴール前の臨場感を重視した「ペガサススタンド」は、主に屋外席で構成されています。一方で、1コーナー寄りに位置する「ツインハットスタンド」は、屋内席が中心で快適性を重視した作りとなっているのが特徴です。

この特徴は代表的な指定席にも表れています。ペガサススタンドのB指定席は、ゴール前の攻防を間近で見られる臨場感が最大の魅力ですが、天候の影響を直接受ける屋外席です。逆に、ツインハットスタンドのA指定席は、冷暖房完備で天候に関わらず快適に過ごせますが、位置はゴール板を過ぎた1コーナー寄りとなります。

また、席の料金は一律ではありません。チャンピオンズカップ(G1)開催日、G1以外の一般開催日、そして場外発売のみのパークウインズ時といった、開催日の「格」によって料金は大きく変動します。

設備面での違いも重要です。A指定席やB指定席は、それぞれ屋内・屋外という違いはありますが、どちらも自席のテーブルにコンセントが設置されており、スマートフォンの充電などに便利です。さらに上位のSシートになると、コンセントに加えて専用のデスクトップPCが備え付けられており、本格的な情報収集や予想が可能な環境が提供されます。

もしグループでの観戦を計画するならば、4名1組で利用できる半個室のラウンジシートが最適です。ただし、この席は提供数が極めて少なく、特にG1デーには提供数がさらに絞られるため、応募倍率が100倍を超えることもある、予約が非常に困難な席となっています。

最もリーズナブルに席を確保したい場合は、スマートシートが選択肢になります。これはコストパフォーマンスに優れた席ですが、注意点として自席にコンセントがありません。そして、スマートシートと一口に言っても、ペガサススタンド側のEブロックやツインハット1階のW-1は「屋外席」であり、ツインハット2階・3階のW-2やW-3は「屋内席」であるという重要な違いがあります。

前述の通り、中京競馬場の気候は厳しいため、この屋内・屋外の選択は非常に重要です。特に夏の酷暑の時期は、熱中症対策としてA指定席やスマートシートW-2などの屋内席の利用が強く推奨されます。逆に冬の開催では、屋外のB指定席などは「伊吹おろし」と呼ばれる冷たい強風にさらされるため、万全の防寒対策が必須となります。

これらの席の空き状況は、JRAの「指定席ネット予約」サイトでリアルタイムに確認できます。G1デーの抽選時には、途中で発表される倍率を参考に、申込先を検討するのも一つの戦略です。ご自身の観戦スタイル、予算、そして何よりも当日の「季節」を考慮して、最適な席をお選びください。

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