社会福祉士国家試験受験資格取得を得るために受講した社会福祉士短期通信科で、私が実際に提出したレポートになります。
相談援助演習3
課題:アドボカシーについて 評価点90点
こちらのレポートに関しては、参考資料を活用しつつ私が実際に生活相談員として勤務をしながら実際に体験してきた内容をまとめたものになります。
評価点としては90点を頂きました。
レポート本文
アドボカシーは代弁、権利擁護という意味があり立場の弱い人の意見を代弁する事である。寝たきりや認知症の高齢者、障害者は自分の権利を主張したり行使できずにいるというケースが多い。権利が侵害される事がないようにそのような状況においても権利行使できるように支援し代弁する事を『権利擁護』と言う。専門職には利用者に代わってその権利を主張する、代弁するという事が求められる。
アドボカシーとは、このように利用者の権利主張を社会福祉士など代理人が代弁するという事を意味している。利用者が自分の要求を表明できない場合に利用者の意思や希望を尊重し、主体的な生活の実現を支援するものである。
アドボカシーは、個人や家族を対象にしたケースアドボカシーと地域や集団を対象にしたクラスアドボカシーに分ける事ができる。ケースアドボカシーは個人の権利を守る事を目的とし、本来受けられるはずの公的扶助やサービスがあるにも関わらず、その権利を知らなかったり知っていても使用する事が難しい状況にある人達に適切な支援が行き届くように働きかける事である。ケースアドボカシーの目的はあくまで個人の権利を尊重する事である。その上で利用者個人の気持ちや意向を充分に理解した上で行なわなければならない。
クラスアドボカシーは、複数の人達の権利を守る事を目的とし社会制度の不備や、公的支援が少ない地域等に対して、行政に制度や政策の改善を求めて働きかける事である。ケースアドボカシーとクラスアドボカシーに関しては、どちらか一方があれば良いというものではない。社会的に弱い立場にある人達に対して、個人の利益と公共の利益との両面から権利を守っていく事がこのような人達を守る事に繋がっていく。
しかし、アドボカシーを行なう際にはリスクも伴うため、注意が必要である。アドボカシーは、行なう個人の義務感や感性、判断が結果として強く出やすい傾向にある。そのため、義務感や思い込み、自己判断から利用者の気持ちを代弁してしまう事が考えられる。このような誤った判断は、絶対に避けなければならない。アドボカシーを行なう際は自身の立場と役割の重要性十分に理解しておく必要がある。あくまで利用者の自己決定のお手伝いをする立場である事を忘れず、自身の考えを押し付けないという事が大事である。最終的に自己決定権は利用者にある事を認識しておかなければならない。
現状の地域福祉では、地域との共存という言葉をよく耳にする。しかし、制度の枠に当てはまらないケースが増えてきているのが現状である。アドボカシーの活動を通じて立場の弱い人達が安心して生活できるような支援が必要になると感じる。
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