社会福祉士国家試験受験資格取得を得るために受講した社会福祉士短期通信科で、私が実際に提出したレポートになります。
こちらのレポートに関しては、参考資料を活用しつつ私が実際に生活相談員として勤務をしながら実際に体験してきた内容をまとめたものになります。
評価点としては90点を頂き、事例を通じて重要性が述べられているが結論としてもうひとまとめがあるともっと良かったとの講評を頂きました。
レポート本文
バイステックの原則として「意図的な感情表出の原則」は利用者の感情表現の自由を認める考え方である。社会福祉士として大切な事は、利用者が自由な感情表現ができるような雰囲気作りを行ない、その時々の感情を的確に受け止めることである。利用者も人間であるため感情は常に変化をしており否定的な感情を社会福祉士にぶつけて来る事も考えられる。このような感情に対してもその感情を受け止め尊重しようとする姿勢が社会福祉士には求められる。利用者の感情表現を尊重する事は信頼関係を構築する第一歩とも言えるため、社会福祉士自身もその状況に応じた感情表現が必要である。
次に「統制された情緒的関与の原則」は、社会福祉士自身が自分の感情を自覚し利用者の感情に呑み込まれないようにする考え方である。時に利用者の話す内容によっては感情が揺さぶられる事も考えられるが、社会福祉士は感情の動きを的確に把握しその感情をうまくコントロールしながら利用者の話しに耳を傾けなければならない。利用者の感情や話の内容に共感しながらも平常心を保ち常に冷静な判断が必要である。
実際に私が実践している内容としては「意図的な感情表出の原則」は常に意識をしながら行なっている。特に重要視している場面は新規の入所者を受け入れる時である。入所される方全てが納得しての入所であれば問題ないが、何かしら入所する事に不安感や不信感を抱いて入所される方もおられるのが実情である。過去に印象に残っている入所者の例として入所した当初から「家族に無理やり施設に入れられた。1カ月もしたら家に帰る」と言って中々職員の話にも耳を傾けてくれない方がおられた。私としてもこの方だけを特別扱いする訳にもいかないため、毎日表情や状態を見ながら少しずつ信頼関係を築く事を心掛けた。信頼関係を築く事ができれば施設に対しての不信感も無くなるだろうし、不安な気持ちにも寄り添えるのではないかと考えたからである。しかし入所してから2週間くらいは声掛けをしても無視をされたり嫌味を言われる事がほとんどで会話なんてしてもらえない状態であった。ただ私の中で光が見えていたのは、施設の生活に慣れようと自ら努力している姿勢が見られた事だった。この頃を境に私に対しての対応にも変化がみられ時に笑顔で話をしてくれたり、この方自ら話しかけてくれる事も増えていった。ある日この方の部屋に呼ばれ入所当初の態度や発言に対して謝罪があった。入所する事に不安もあり家族にも見捨てられたような感じがして寂しかったという当時の気持ちを教えて頂いたのである。私はこの時にこの方との間に信頼関係を構築する事ができたのではないかと感じる事ができた。1人の人間として相手の気持ちに寄り添う事、相手の状況に応じた対応が大切である事を体験を通じて実感する事ができたのである。
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