競馬の回収率の平均は?計算式と100%を超える方法を解説

競馬の知識
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こんにちは。YUKINOSUKEです。

週末のレース、お疲れ様でした。皆さんの手元には、今週の戦いを終えてどれくらいの資金が残っているでしょうか。「今週もやられた…」「あと少しで万馬券だったのに」と、日曜日の夕方にため息をついている方も多いかもしれませんね。ふと、「他の人の成績はどうなんだろう?」「自分の回収率は平均と比べて良いのか悪いのか?」と気になり、検索窓に「競馬 回収率 平均」と打ち込んでこのページに辿り着いたのだと思います。

その気持ち、痛いほどよく分かります。競馬は孤独な戦いです。友人と競馬場に行っても、最終的な財布の中身までは見せ合いませんよね。だからこそ、自分の立ち位置が分からず、暗闇の中でゴールを探しているような不安に襲われるのです。

実は、私たちが気にしている「競馬の回収率の平均」や「中央値」といった数字には、主催者であるJRAが巧妙に設計した「絶対に胴元が損をしない仕組み」や、私たち人間の脳に組み込まれた「負けるようにできている心理的な罠」が深く関係しています。単刀直入に言えば、何も考えずに平均的な買い方をしている限り、あなたの資金は確実に減り続けます。これは脅しではなく、数学的な事実です。

しかし、絶望する必要はありません。この「平均の壁」の正体を正しく理解し、大衆とは違う行動を取ることで、上位数パーセントの「勝ち組」への扉は開かれます。この数字の裏側を正しく理解することで、ただ闇雲に馬券を買う「ギャンブル」の状態から抜け出し、根拠を持って利益を積み上げる「投資」としての競馬へ、一歩踏み出すことができるはずです。

今回は、私自身が数々の失敗から学んだ経験も踏まえつつ、公的なデータや統計の嘘、そして明日から使える具体的な改善策について、同じ競馬ファンとして包み隠さずお話ししていきたいと思います。この記事が、あなたの競馬ライフを赤字から黒字へと変える転換点になることを願っています。

この記事でわかること

  • 競馬の回収率の平均値が決まる「控除率」の残酷な仕組み
  • なぜ多くの人が「平均以下」になってしまうのか、その心理的要因
  • 3連単と単勝、勝ち組になるために選ぶべき「戦場」の違い
  • 回収率100%の壁を突破するための資金管理と具体的アクション
  1. 競馬の回収率の平均と仕組みの基礎
    1. 正しい回収率の計算式と管理方法
      1. 回収率と的中率の決定的な違い
      2. 期間の設定が命運を分ける
      3. 「どんぶり勘定」からの脱却とツールの活用
    2. 勝ち組の割合と収支分布の現実
      1. 統計データが示す「5%」の壁
      2. 「平均値」と「中央値」の決定的な乖離
      3. なぜ私たちは「中央値」以下に沈むのか?
    3. 券種別の平均回収率と控除率の違い
      1. 3連単と単勝の間にある「7.5%」の絶望的な差
      2. まずは「有利な土俵」で戦うことから始めよう
    4. 騎手ごとの回収率ランキングの傾向
      1. 「人気税」という見えないコストの正体
      2. 本当に回収率が高い「狙い目」の騎手たち
      3. トップジョッキーの正しい扱い方と「消し」の判断
    5. 地方競馬と中央競馬の平均値の比較
      1. ポイント還元という「現代の錬金術」
      2. 地方競馬特有のリスク:オッズの「断崖絶壁」
      3. 魔境・高知競馬「一発逆転ファイナルレース」の攻略
      4. 【要注意】「控除率が高い」地方競馬の罠
  2. 競馬の回収率の平均を超える実践術
    1. 回収率を上げるための期待値の思考
      1. 「当てる」のではなく「儲ける」へのパラダイムシフト
      2. 期待値の計算式と具体的なシミュレーション
      3. オッズを見る前に「自分だけのオッズ」を作る
      4. 最大の敵は「不的中の恐怖」
    2. 回収率100%を超える資金管理術
      1. プロも実践する「ケリー基準」の思考法
      2. 「定額買い」と「追い上げ」のリスク
      3. YUKINOSUKE流・鉄壁の資金管理ルール
        1. ① 1レースの投資上限は「総資金の2%」まで
        2. ② 自信度(期待値)で賭け金に強弱をつける
        3. ③ 最大の奥義「見(ケン)」を覚える
    3. 3連単の平均への回帰と単勝の優位性
      1. 「大数の法則」という逃れられない重力
      2. なぜ「単勝」こそが最強の投資ツールなのか
      3. 高配当を狙うなら「3連複」や「馬連」という選択肢
    4. 収支管理に役立つツールやアプリ
      1. データの海を泳ぐための「三種の神器」
      2. 【重要】忘れてはいけない「税金」のリアル
    5. 投資思考を学べるおすすめの書籍
      1. 1. 脳の仕組みを知る:行動経済学のバイブル
      2. 2. 勝者のメンタルをインストールする:芸能界きっての勝負師
      3. 3. 究極のデータ投資:伝説の馬券師の思考
    6. 競馬の回収率の平均から脱却するまとめ
      1. 「5%の勝ち組」になるための3つの誓い
      2. 今日からできる「最初の一歩」

競馬の回収率の平均と仕組みの基礎

まずは、私たちが戦っている競馬というフィールドが、どのようなルールで動いているのかを理解することから始めましょう。敵を知り己を知れば百戦危うからず、と言いますが、競馬において「平均」という言葉が持つ意味は少し特殊です。ここでは、計算式の基本から、なぜ多くの人が平均以下になってしまうのか、その構造的な理由を紐解いていきます。

正しい回収率の計算式と管理方法

競馬を長く、そして賢く楽しむ上で、絶対に避けて通れないのが「回収率」の計算と管理です。多くの競馬ファンは、「今日は勝った」「昨日は負けた」というその日ごとの感情でやりくりしてしまいがちです。しかし、人間の記憶というのは非常に曖昧で、都合よくできています。これを心理学では「記憶の改ざん」や「利用可能性ヒューリスティック」と呼びますが、私たちは「大勝ちした派手な記憶」は鮮明に覚えている一方で、「少額で負け続けた地味な記憶」はすぐに忘れてしまう生き物なのです。

「自分はトントン(プラマイゼロ)くらいかな」と思っている人の帳簿を実際に計算してみると、実は回収率60%〜70%だった、というのは本当によくある話です。まずは、感覚に頼るのをやめ、冷徹な数字と向き合うことから始めましょう。

回収率と的中率の決定的な違い

回収率の計算式は非常にシンプルですが、これを厳密に運用し、かつ「的中率」との違いを正しく理解できている人は意外と少ないのが現状です。

【回収率の計算式】
回収率(%) = (払戻金の総額 ÷ 馬券購入金額の総額) × 100

例えば、ある週末に10レースに参加し、各レース1,000円ずつ、合計10,000円分の馬券を買ったとします。そのうちの1レースだけが的中し、払戻金が8,000円だった場合、計算式は「8,000 ÷ 10,000 × 100 = 80%」となります。

ここで注意したいのが「的中率が高くても、回収率が高いとは限らない」という点です。例えば、単勝1.1倍の圧倒的人気馬ばかりを買い続ければ、的中率は高くなります。しかし、一度でも負ければ利益をすべて吹き飛ばしてしまうため、トータルの回収率は100%を割ることが多いのです。逆に、的中率が5%しかなくても、オッズ50倍の馬を仕留めれば回収率は跳ね上がります。私たちが目指すべきは、「当てること」ではなく「増やすこと」であることを忘れないでください。

このあたりの確率と配当のバランスについては、以下の記事で3連単を例に詳しくシミュレーションしています。

競馬の三連単確率|0.02%の真実と勝つための戦略

期間の設定が命運を分ける

回収率を管理する上で何より大切なのは、計算を「1レース単位」や「1日単位」といった短期的な視点だけでなく、「月間単位」や「年間単位」という長期的なスパンで行うことです。

確率には「偏り」があります。たまたま運良く高配当が的中し、1日だけ回収率が1000%を超えることは初心者でも十分にあり得ます。これをビギナーズラックと呼びますが、この成功体験が忘れられず、無謀な賭けを続けてしまう人が後を絶ちません。

JRAでは年間約3,400レースが開催されます。そのうち自分が参加する数百レースを通して、回収率100%を超えることこそが、真の実力の証明です。統計学的な「大数の法則」により、試行回数が増えれば増えるほど、その人の本当の実力(控除率を引かれた数値)に収束していくからです。

「どんぶり勘定」からの脱却とツールの活用

では、具体的にどのように管理すればよいのでしょうか。コンビニで買ったおにぎりの値段を覚えている人は少ないですが、投資家は1円のコストにも敏感です。「どんぶり勘定」は、競馬で負ける人の最大の特徴と言っても過言ではありません。

私のおすすめは、ExcelやGoogleスプレッドシート、あるいは専用の収支管理アプリを使って、すべての購入履歴を詳細に記録することです。単に金額だけでなく、以下のような項目を記録してみてください。

日付 場所 R 券種 投資額 回収額 メモ(購入理由)
1/15 中山 11R 単勝 1,000円 0円 前走不利があったため狙ったが、展開向かず
1/15 中山 12R 複勝 2,000円 4,200円 調教抜群。オッズ妙味あり

このように「購入理由(メモ)」を残すことが最も重要です。後で見返したときに、「感情で買った馬券」や「根拠の薄い馬券」がどれだけ赤字を生んでいるかが一目瞭然になります。自分の得意な条件(クラス、距離、競馬場)や、逆に無駄にお金を使っている条件(苦手な騎手や券種)をデータとして可視化することで、無駄な投資を削ぎ落とすことができるのです。

また、これらの記録は「税金」の面でも重要になります。年間の払戻金が一定額を超えた場合、一時所得として確定申告が必要になるケースがあります。その際、正確な記録がなければ正しい申告ができません。

JRAの公式サイトでも、勝馬投票券の払戻率やルールが明記されています。これらを理解した上で、自分だけの「競馬家計簿」を作ることが、勝ち組への第一歩となります。

(出典:JRA公式サイト『馬券のルール:払戻率』

勝ち組の割合と収支分布の現実

「競馬で勝っている人(年間回収率100%超え)は、一体どれくらいいるのか?」

この問いに対する答えを知ることは、私たちが目指すべきゴールの難易度を正しく把握するために極めて重要です。X(旧Twitter)やYouTubeを開けば、「帯封(100万円)ゲット!」「今週も勝ちました!」といった景気の良い報告が溢れかえっていますよね。それを見ていると、「みんな結構勝っているんじゃないか?」「負けているのは自分だけではないか?」と錯覚してしまいがちです。

しかし、断言します。あの華やかな世界は、生存者バイアス(うまくいった人だけが発信している状態)のかかった、氷山の一角に過ぎません。ここでは、統計データや数学的な観点から、残酷なまでにシビアな「収支分布の現実」を深掘りしていきます。

統計データが示す「5%」の壁

様々な競馬関連メディアの統計や、国税庁の申告データ、さらには長期的なアンケート調査の結果を総合すると、年間を通して回収率が100%を超えている「真の勝ち組」の割合は、全参加者のわずか4%〜5%程度であると推測されています。

これを学校のクラスに例えてみましょう。1クラス40人の生徒がいるとします。その中で、年間トータルでプラス収支になっているのは、たったの「1人か2人」しかいません。残りの38人は、全員が負けている計算になります。

回収率を「偏差値」に置き換えてみる

この難易度をより直感的に理解するために、回収率を「学力の偏差値」に換算する面白い試算があります。平均的な回収率を75%〜80%とした場合、正規分布を仮定すると以下のようなイメージになります。

  • 回収率100%超(勝ち組)偏差値70以上
    (東大・京大・医学部レベルの難関)
  • 回収率90%(惜しい層)偏差値60前後
    (MARCH・関関同立レベル)
  • 回収率75%(平均層)偏差値50
    (日東駒専・産近甲龍レベル)

いかがでしょうか。「回収率100%を目指す」というのは、なんとなく馬券を買って達成できる目標ではなく、東大に合格するのと同じくらい、正しい努力と戦略、そして自制心が求められる「エリートの領域」なのです。

「平均値」と「中央値」の決定的な乖離

次に理解しておくべきなのが、統計のトリックです。「競馬の平均回収率は約75%(控除率25%の場合)」と言われますが、これは「自分も適当に買っていれば75%くらいは戻ってくる」という意味ではありません。

回収率の分布グラフは、綺麗な山なり(正規分布)にはなりません。0%に近い人が山ほどいて、右端にほんの少しの1000%超え(WIN5や超高配当的中者)がいる、左側に大きく偏った「ロングテール分布」を描きます。

平均値(Mean) 約75% 一部の大勝ちした人が数字を引き上げている数値。
中央値(Median) 約50%〜60% 実際に最も人数が多い層のリアルな数値。

つまり、普通の競馬ファンの実感としては、「使ったお金の半分くらいしか戻ってこない」というのが正常なのです。多くの人が「平均(75%)くらいにはなりたい」と願いますが、その平均に到達することさえ、実は上位30%〜40%に入らなければならないハードルが高い行為だということを認識する必要があります。

なぜ私たちは「中央値」以下に沈むのか?

なぜ多くの人が、理論上の平均値(75%)すら維持できず、50%〜60%の沼に沈んでしまうのでしょうか。その最大の原因は、JRAが設定している「控除率(テラ銭)」の壁に加え、私たち自身の心の中に潜む「心理的バイアス」にあります。

特に厄介なのが、行動経済学で言うところの「サンクコスト効果(埋没費用)」と「プロスペクト理論」です。

  • 午前中の負けを取り返したい心理
    「今日すでに1万円負けている。メインレースで取り返さなきゃ!」という焦りは、冷静な判断力を奪います。結果、堅実に勝てるレースではなく、オッズの高い(=当たる確率の低い)無謀な穴馬や3連単に資金を投じてしまい、傷口を広げます。
  • 「あと少し」の誤解
    3連単で「1着-2着-4着」のような惜しい外れ方をすると、「読みは合っている!次は当たる!」と錯覚し、投資金額を増やしてしまいます。しかし、確率論において「惜しい」に配当はありません。

このように、感情に任せて「逆転」を狙う行動こそが、あなたを中央値以下の負け組へと引きずり込む重りとなっているのです。この重りを切り離し、偏差値70の勝ち組エリアへ足を踏み入れるためには、まず「自分は平均的なファンだ」という認識を捨て、「投資家」としての冷徹なマインドセットを持つことから始めなければなりません。

では、具体的にどのような券種を選び、どのような戦略を取ればその「5%」に入れるのでしょうか。その第一歩となるのが、控除率の低い「単勝」を極めることです。私が実践している単勝戦略については、以下の記事で詳しく解説しています。

単勝馬券で競馬は勝てる!回収率を上げる1点買いとデータ戦略

また、多くの人が陥りがちな「3連単の罠」とその確率的な難しさについては、こちらの記事でシミュレーションしていますので、あわせてご覧ください。

競馬の三連単確率|0.02%の真実と勝つための戦略

なお、JRAの払戻率(控除率)の仕組みについては、公式サイトで正確な数値が公開されています。敵(胴元)のルールを熟知することは、戦いの基本です。

(出典:JRA公式サイト『馬券のルール:払戻率』

券種別の平均回収率と控除率の違い

競馬には単勝からWIN5まで様々な券種がありますが、実は選ぶ券種によって勝負の「スタート地点」が全く違うことをご存じでしょうか。これはJRAが設定している「払戻率(還元率)」が券種ごとに厳密に決められているからです。

これを分かりやすくスーパーマーケットで例えてみましょう。同じおにぎりを買うのに、レジAでは消費税が20%、レジBでは消費税が30%かかるとしたら、皆さんはどちらに並びますか?当然、税金の安いレジAですよね。
しかし、競馬場を見渡すと、多くの人が「税金の高いレジ(3連単やWIN5)」に大行列を作っています。これこそが、平均的な競馬ファンが負け越してしまう最大の構造的要因なのです。

以下に、JRAが公式に定めている券種ごとの払戻率と、私たちが支払う「場所代(控除率)」をまとめました。この数字は、戦う武器を選ぶ上で最も重要なデータです。

券種 払戻率(平均回収率) 控除率(手数料) 難易度と特性
単勝・複勝 80.00% 20.00% ◎(最も有利)
基本にして王道。
枠連・馬連・ワイド 77.50% 22.50% ○(標準)
バランスが良い。
馬単・3連複 75.00% 25.00% △(やや不利)
配当は魅力的だが壁は厚い。
3連単 72.50% 27.50% ×(かなり不利)
ハイリスク・ハイリターン。
WIN5 70.00% 30.00% ××(激辛)
宝くじに近い手数料。

3連単と単勝の間にある「7.5%」の絶望的な差

この表から読み取れる最も残酷な真実は、「3連単を買う人は、単勝を買う人に比べて、スタート時点で7.5%も不利な戦いを強いられている」ということです。

「たった7.5%でしょ?」と思うかもしれません。しかし、投資の世界で手数料が7.5%も違うというのは、暴利どころの話ではありません。株式投資の手数料が数パーセント違うだけで大騒ぎになるのに対し、競馬ファンはこの差に無頓着すぎます。

多くのユーザーが「高配当=高回収」という幻想を抱き、シェアの約3割を占める3連単に資金を集中させています。しかし、3連単は控除率がワースト2位の高さである上に、的中率が極めて低いため、資金がショートするスピード(破産確率)が跳ね上がります。平均回収率72.5%のゲームで勝ち続けるには、他の参加者よりも圧倒的に優れた予想をし続けなければなりませんが、それはプロでも至難の業です。

知っておきたい「JRAプラス10」の恩恵
さらに単勝・複勝には「JRAプラス10」という救済措置があります。これは、オッズが1.0倍(元返し)になってしまうような圧倒的人気馬の場合でも、原則として10円上乗せして「1.1倍」で払い戻してくれる制度です。これにより、単勝・複勝の実質的な平均回収率は80%よりもさらに高くなるケースがあります。3連単にはこのような救済はありません。

まずは「有利な土俵」で戦うことから始めよう

もし、あなたが「どうしても勝ちたい」「まずは平均を超えたい」と真剣に思うのであれば、悪いことは言いません。まずは控除率の低い単勝や複勝を見直してみてください。

一見地味に見える単勝ですが、控除率が最も低く、かつ「1着を当てる」というシンプルな事象であるため、余計なノイズ(2、3着の紛れ)に邪魔されず、純粋な予想力が結果に反映されやすい「最強の券種」なのです。

単勝馬券を活用した具体的な戦略や、なぜ単勝が勝ちやすいのかについては、以下の記事でさらに詳しく解説しています。3連単で消耗してしまっている方は、ぜひ一度読んでみてください。

単勝馬券で競馬は勝てる!回収率を上げる1点買いとデータ戦略

なお、これらの払戻率の数値はJRAが公式に発表しているルールに基づいています。疑う余地のない「ゲームの基本設定」ですので、必ず頭に入れておきましょう。

(出典:JRA公式サイト『馬券のルール:払戻率』

騎手ごとの回収率ランキングの傾向

「ルメール騎手や川田騎手を買っておけば、とりあえず当たるだろう」
競馬場に行くと、そんな声をよく耳にします。確かに、彼らの手腕が日本、いや世界でもトップクラスであることは疑いようがありません。2024年から2025年にかけてのリーディング争いを見ても、クリストフ・ルメール騎手と川田将雅騎手の「2強体制」は盤石です。

しかし、ここで冷静に「投資」としての視点を持ってみましょう。勝率が高いことと、儲かること(回収率が高いこと)は、全くの別物です。実は、何も考えずにトップジョッキーの単勝を買い続けるという行為は、「緩やかな自殺行為」に近いことを、データは残酷なまでに示しています。

「人気税」という見えないコストの正体

なぜ、世界最高峰の技術を持つ騎手を買って負けるのか。その原因は、ファン全員が彼らを信頼しすぎていることにあります。

競馬のオッズは、馬券が売れれば売れるほど下がります。ルメール騎手が跨るというだけで、本来の実力が「単勝10倍(勝率10%相当)」程度の馬でも、ファン心理が働いて「単勝4倍」くらいまで買われてしまうのです。私はこれを、安心感を得るための代償として「人気税」と呼んでいます。

実際のデータを見てみましょう。2024年のルメール騎手の成績は、勝率約30%という驚異的な数字を叩き出しました。しかし、単勝回収率で見ると約73%にとどまっています。つまり、ルメール騎手の単勝を1万円ずつ買い続けた場合、的中はたくさんするものの、年末には財布の中身が27%も減っている計算になります。

トップジョッキーの罠
勝率は高いが、オッズが過剰に低くなるため、期待値(見返り)が100円を割ってしまうケースが大半です。「当たったのに儲からない(トリガミ)」や「リスクに見合わないリターン」を避けるためには、彼らをあえて「消す」勇気が必要になります。

本当に回収率が高い「狙い目」の騎手たち

では、回収率の平均を押し上げてくれる「本当に儲かる騎手」は誰なのでしょうか。2024年以降のトレンドやデータ分析から、いくつかの「買いパターン」が浮き彫りになっています。

騎手タイプ 狙い目の理由 注目騎手(2024-2025傾向)
若手・減量騎手 斤量(1〜3kg減)の恩恵が絶大。
特にダート短距離や平場のレースで逃げ残る。
佐々木大輔
高杉吏麒
吉村誠之助
穴メーカー(中堅) 実力はあるが地味で過小評価されている。
人気薄を持ってくる技術が高い。
丹内祐次
西村淳也
菊沢一樹
特定条件の職人 特定の競馬場やコースで無類の強さを発揮する。
「庭」での騎乗はトップ騎手を凌駕する。
横山和生(中山)
鮫島克駿(ローカル)

特に注目したいのが、若手の筆頭格である佐々木大輔騎手です。2024年のデータでは、特に関東圏(中山競馬場など)の芝レースにおいて、単勝回収率が100%を大きく超えるパフォーマンスを見せました。「人気馬に乗って勝つ」のではなく、「人気薄を技術で勝たせる」ことができる数少ない若手です。

また、丹内祐次騎手は「直近5年間で最も穴をあけた騎手」として、データ派の間では神格化されつつあります。ローカル開催の小回りコースで、人気のない馬をイン突きで持ってくる技術は職人芸。彼が乗るというだけで、単勝万馬券の期待値がグッと高まります。

トップジョッキーの正しい扱い方と「消し」の判断

もちろん、ルメール騎手や川田騎手を全否定するわけではありません。彼らにも「儲かる条件」と「儲からない条件」があります。

  • ルメール騎手の買い時:田中博康厩舎や木村哲也厩舎など、ノーザンファーム系の有力馬に乗る際は、オッズが低くても逆らわない方が無難です。
  • 川田騎手の買い時:2歳戦や、1600m〜2000mのレースでは圧倒的な信頼度を誇ります。逆に言えば、それ以外の条件で過剰人気している時が「消し」のチャンスです。

例えば、川田騎手には「長距離戦(3000m以上)が苦手なのではないか?」という説がまことしやかに囁かれています。データを見ると、確かに短・中距離に比べて回収率や勝率が落ちる傾向が見え隠れします。こういった「最強騎手の死角」を知っているかどうかが、回収率100%超えを達成するための鍵となります。

この「川田騎手の長距離問題」については、過去10年以上のデータを徹底的に洗い出して検証した記事があります。トップジョッキーを盲信して痛い目を見たくない方は、ぜひ一度目を通してみてください。

川田騎手の長距離成績を分析

地方競馬と中央競馬の平均値の比較

ここまで主にJRA(中央競馬)のデータを中心にお話ししてきましたが、地方競馬(NAR)に目を向けると、回収率を取り巻く環境はガラリと変わります。基本的な控除率の構造はJRAと似ていますが、地方競馬にはJRAには絶対に存在しない「強力な武器」と、地方特有の「致命的なリスク」が同居しています。

これらを正しく理解し、使い分けることができれば、「JRAでは勝てないが、地方なら勝てる(あるいはその逆)」という現象が起こり得ます。ここでは、地方競馬を攻略するために不可欠な視点を深掘りしていきます。

ポイント還元という「現代の錬金術」

地方競馬における最大のメリット、それは間違いなく「ポイント還元システム」です。

JRAの即PATにはない機能ですが、楽天競馬、オッズパーク、SPAT4といった民間のポータルサイトを経由して地方競馬の馬券を購入すると、購入金額に対してポイントが付与されます。これが単なる「おまけ」レベルではなく、回収率の壁を破壊するほどの威力を持っています。

ポイント還元が回収率に与える影響

通常、控除率20%〜30%の壁(テラ銭)を乗り越えるのは至難の業です。しかし、キャンペーンを活用して「10%還元」を受けた場合、実質的な控除率はどうなるでしょうか。

  • 通常の控除率:25%(回収率75%がスタート地点)
  • 10%還元適用後:実質控除率15%(回収率85%がスタート地点)

つまり、馬券の腕前が「回収率90%」の人であっても、JRAでは負け組(-10%)ですが、地方競馬でポイント還元をフル活用すれば勝ち組(+5%)に転じることができるのです。

特に「楽天競馬」や「オッズパーク」では、特定の競馬場やレース(重賞や最終レースなど)を対象に、還元率を最大10%まで引き上げるキャンペーンを頻繁に行っています。プロの馬券師の中には、この還元分を最初から「利益の源泉(エッジ)」として計算し、ポイント還元が高い日だけ勝負する人も少なくありません。これはまさに、現代競馬における錬金術と言えるでしょう。

地方競馬特有のリスク:オッズの「断崖絶壁」

「じゃあ地方競馬の方が簡単じゃん!」と思われるかもしれませんが、そう甘くはありません。地方競馬には「売上規模(市場の流動性)」という大きな弱点があります。

JRAのG1レースであれば、売上が数百億円規模になるため、個人が100万円賭けたところでオッズはびくともしません。しかし、地方競馬の平場のレースでは、売上が数百万円〜数千万円程度しかないこともザラです。

これにより、以下のような現象が頻発します。

  • オッズ・クラッシュ(破壊):締め切り5分前には単勝5.0倍だった馬が、誰かが大口投票した瞬間に1.5倍まで急落する。
  • 組織票の介在:AIやグループによる大量投票が特定に集中しやすく、適正オッズが歪みやすい。

期待値計算をして「おいしい!」と思って買っても、確定オッズを見たら「まずい」馬券に変わっている。これが地方競馬の怖さです。これを防ぐためには、ギリギリまでオッズの推移を見守るか、あるいは流動性の高い南関東(大井・川崎・船橋・浦和)や高知競馬の一部レースに対象を絞る戦略が必要です。

魔境・高知競馬「一発逆転ファイナルレース」の攻略

地方競馬の回収率を語る上で避けて通れないのが、高知競馬の名物「一発逆転ファイナルレース」です。このレースは、売り上げがJRAの重賞並みにあることも珍しくない、まさに「魔境」です。

最大の特徴は、出走馬の選抜基準が「記者選抜」であることです。番組編成員と記者が、「近走勝ちきれない馬」「調子が悪い馬」ばかりを意図的に集めて構成します。つまり、全員が弱く、全員にチャンスがあるという、極めて難解な泥仕合が演出されるのです。

特徴 JRA最終レース 高知ファイナル
予想の根拠 過去データ・実力重視 当日の気配・展開・騎手心理
1番人気の信頼度 比較的高い 極めて低い(頻繁に飛ぶ)
配当傾向 堅め〜中波乱 大波乱がデフォルト(3連単10万馬券は日常)

このレースは「データ分析が通用しない」と言われますが、裏を返せば「データ派のAIが機能しにくい」領域でもあります。回収率を上げるためには、騎手の「ヤリ・ヤラズ(勝負気配)」や、当日の馬場傾向(内枠有利・外枠有利)に全振りしたアナログな予想が功を奏します。「一日の負けを一発で取り返したい」というギャンブラーの心理(サンクコスト効果)が集まる場所だからこそ、冷静に穴を狙える人にはチャンスが転がっています。

【要注意】「控除率が高い」地方競馬の罠

最後に一つ、重要な注意点をお伝えします。「地方競馬=ポイントでお得」と盲信してはいけません。実は、主催者や券種によっては、JRAよりも悪い条件(高い控除率)が設定されている場合があります。

例えば、北海道競馬(ホッカイドウ競馬)など一部の主催者では、3連単の払戻率が70.0%(控除率30.0%)に設定されているケースがあります。JRAの3連単は72.5%ですから、基礎条件で2.5%も不利になります。

また、特定の重賞レースだけ払戻率を優遇するキャンペーンを行う競馬場もあります。地方競馬で勝負する際は、「今日のこの競馬場の、この券種の控除率は何%なのか?」を、必ず公式サイトで確認する癖をつけてください。

地方競馬の売上や統計データについては、地方競馬全国協会(NAR)の公式サイトでも詳細が公開されていますので、興味のある方は一度覗いてみると、市場の規模感が掴めるはずです。

(出典:地方競馬全国協会(NAR)『データ・統計』

競馬の回収率の平均を超える実践術

平均の壁がいかに高く、それを構成するルールがいかに厳しいか、ご理解いただけたかと思います。しかし、絶望する必要はありません。構造を理解した上で正しいアプローチを取れば、この壁を乗り越えることは十分に可能です。ここからは、回収率100%超えを目指すための、より実践的で具体的な戦術について解説していきます。

回収率を上げるための期待値の思考

競馬で勝つために最も重要な概念、それが「期待値(EV:Expected Value)」です。断言しますが、回収率の平均(75%〜80%)を超えて年間プラス収支を達成している人は、例外なくこの思考回路を持って馬券を買っています。逆に言えば、どれだけ競馬新聞を読み込もうが、どれだけ血統に詳しくなろうが、この概念がないまま馬券を買っている限り、いつまでたってもJRAにお金を払い続ける「養分」のままです。

「当てる」のではなく「儲ける」へのパラダイムシフト

多くの人は予想する際に、「どの馬が勝つか?」あるいは「どの馬が3着以内に来るか?」という「的中率」を最優先に考えます。新聞の◎印を見ながら、一番強そうな馬、一番安心できそうな馬を探しますよね。しかし、勝ち組(投資家)は全く違うことを考えています。

彼らは「どの馬のオッズが間違っているか?」を探しているのです。

スーパーマーケットで例えてみましょう。定価100円のコーラが、A店では120円、B店では80円で売っていたとします。「コーラが飲みたい」という目的(=的中させたい)だけであれば、A店で買っても目的は達成できます。しかし、経済的に賢い人(=勝ち組)は、「120円は価値に見合わないから買わない」「80円なら安いから買う」という判断をします。

競馬もこれと同じです。「その馬の能力(勝率)」に対して、「オッズ(配当)」が安すぎるのか、高すぎるのか。この「価格の歪み」を見つけるゲームこそが、投資としての競馬なのです。

期待値の計算式と具体的なシミュレーション

では、具体的に期待値はどう計算すれば良いのでしょうか。数式はシンプルです。

期待値 = (あなたが推定した勝率 × オッズ)

この数値が「1.0(100%)」を超えていれば、その馬券は買う価値があり、「1.0」を下回っていれば、たとえルメール騎手が乗っていようが、ディープインパクト級の馬であろうが、絶対に買ってはいけません。

わかりやすく、あるレースに出走する2頭の馬を比較してみましょう。

比較項目 馬A(圧倒的1番人気) 馬B(伏兵の穴馬)
オッズ 1.5倍 15.0倍
推定勝率 50%(2回に1回勝つ) 10%(10回に1回勝つ)
期待値計算 0.5 × 1.5 = 0.75 0.1 × 15.0 = 1.50
投資判断 見送り(Buying Loss) 買い(Buying Value)
  • 馬Aの場合:2回に1回は当たりますが、当たっても1.5倍にしかなりません。これを100回繰り返すと、資金は確実に75%に減ります。多くの人は「当たるから」という理由でこれを買い続け、ジリ貧になります。
  • 馬Bの場合:10回に9回は外れます。猛烈なストレスを感じるでしょう。しかし、1回当たれば15倍になって返ってきます。これを100回繰り返すと、資金は理論上1.5倍(150%)に増えます。これが「投資」です。

「この馬は強いから買う」ではなく、「この馬は強いのに、オッズがこれだけつくなら買う(=妙味がある)」という判断基準に完全に切り替えてください。オッズ妙味がない場合は、勇気を持って「見(ケン)」をすることが、回収率を守る盾となります。

オッズを見る前に「自分だけのオッズ」を作る

期待値思考を実践するための最良のトレーニングは、「JRAのオッズを見る前に、自分の予想でオッズを作ってみる」ことです。

人間の脳は、先に「単勝2.0倍」という数字を見てしまうと、「ああ、やっぱりこの馬は強いんだな」と無意識にバイアスがかかってしまいます(アンカリング効果)。これを防ぐために、馬柱だけを見て、「このメンバーなら、この馬の勝率は30%くらいかな(=適正オッズ3.3倍)」と仮説を立てます。

その後に、実際のオッズを見ます。

  • 自分の評価(3.3倍) < 実際のオッズ(2.5倍) → 過剰人気(危険なので消し)
  • 自分の評価(3.3倍) > 実際のオッズ(5.0倍) → 過小評価(期待値が高いので買い)

このプロセスを繰り返すことで、「世間の評価」と「自分の評価」のズレを瞬時に察知できるようになります。予想に使う時間を、「的中させるため」ではなく「市場の評価エラー(オッズの歪み)を見つけるため」に使うよう意識を変えてみましょう。

最大の敵は「不的中の恐怖」

理論上は完璧に見える期待値買いですが、実践するのは非常に困難です。なぜなら、期待値の高い馬(穴馬)は、基本的に当たらないからです。

勝率10%の穴馬を買い続けるということは、90%の確率で外れ続けることを意味します。時には10連敗、20連敗することもあるでしょう。プロスペクト理論(損失回避性)が働き、人間は連敗すると「とにかく当てたい」という欲求に負け、期待値の低い1番人気(馬A)に逃げてしまいがちです。

成功への通過儀礼
勝ち組になるための最大のハードルは、計算能力ではなく、この「連敗に耐えうるメンタル」です。目先の的中・不的中に一喜一憂せず、「期待値1.0超えの馬券を買った時点で、仕事は完了している。結果は後からついてくる確率の収束に過ぎない」と割り切れるかどうかが、勝者への分水嶺となります。

回収率100%を超える資金管理術

競馬において、予想の精度と同じくらい、いや、それ以上に重要なのが「資金管理(ベッティングマネジメント)」です。断言しますが、いくら期待値の高い穴馬を見つける才能があっても、資金管理ができていなければ、あなたの競馬人生はいずれ破綻を迎えます。

なぜなら、確率の世界には「不可避の連敗」が存在するからです。例えば、的中率20%(5回に1回当たる)という優秀な予想ロジックを持っていたとしても、数学的には10連敗する確率が約10%、20連敗する確率でさえ約1%も存在します。資金管理が甘いと、この「1%の不運」を引いた瞬間に資金が底をつき、市場から退場させられてしまうのです。

プロも実践する「ケリー基準」の思考法

では、どのように賭け金を設定すればよいのでしょうか。ここで参考にしたいのが、伝説的な投資家ウォーレン・バフェットや、プロのギャンブラーも採用している「ケリー基準(Kelly Criterion)」という数理モデルです。

複雑な数式は覚える必要はありませんが、その本質は極めてシンプルで強力です。

【ケリー基準の本質】
「エッジ(優位性・期待値)の大きさに応じて、賭け金の額を変えなさい」
※エッジがない(期待値100%以下)のレースには、1円も賭けてはならない。

つまり、「自信がある(期待値が高い)時は大きく張り、自信がない時は小さく張る、あるいは賭けない」というメリハリこそが、資産を幾何級数的に増やす唯一の数学解なのです。

「定額買い」と「追い上げ」のリスク

多くの競馬ファンが陥りがちな間違いとして、以下の2つのパターンが挙げられます。これらは、回収率100%を目指す上では非効率、あるいは致命的な欠陥となります。

投資スタイル 特徴 YUKINOSUKEの評価
定額買い
(フラットベット)
毎レース1,000円など、常に一定額を賭ける方法。 △ 非効率
「自信のある勝負レース」での利益を最大化できないため、資金が増えるスピードが遅い。負けにくいが勝ちにくい。
追い上げ
(マーチンゲール)
負けたら次は倍額賭けるなど、損失を取り戻そうとする方法。 × 絶対禁止
資金が無限にない限り、連敗時に賭け金が指数関数的に膨れ上がり、必ず破産する。「悪魔のささやき」です。
変動買い
(ユニットベット)
自信度(期待値)に応じて賭け金を変える方法。 ◎ 推奨
リスクをコントロールしながら、勝てる時に大きく勝つことができる。

特に「負けを取り返そうとしての増額」は、サンクコスト効果(埋没費用への執着)による心理的な罠です。これをしてしまった時点で、あなたは投資家ではなくギャンブラーに成り下がっていると自覚してください。

YUKINOSUKE流・鉄壁の資金管理ルール

私が実際に運用し、パンク(破産)せずに年間プラスを維持できている具体的なルールをご紹介します。これをベースに、ご自身の予算に合わせてカスタマイズしてみてください。

① 1レースの投資上限は「総資金の2%」まで

「えっ、たったの2%?」と思われるかもしれません。例えば、軍資金が100万円あっても、1レースの上限は2万円です。10万円なら2,000円です。

しかし、これが生き残るための適正値です。仮に上限を5%や10%に設定してしまうと、前述した「20連敗」の波が来た時に、資金のほとんどを失い、復帰不可能になります。「小さく賭けて、長く生き残る」ことが、チャンスを掴むための前提条件です。

② 自信度(期待値)で賭け金に強弱をつける

上限(2%)を基準(マックスベット)として、レースごとの自信度に合わせて賭け金を調整します。

  • 自信度S(期待値絶大):上限の100%(総資金の2%)を投入。ここぞという勝負所。
  • 自信度A(期待値あり):上限の50%(総資金の1%)。通常の勝負レース。
  • 自信度B(抑え・遊び):上限の10%〜20%。G1だから参加したい、といった場合はこの程度で。
③ 最大の奥義「見(ケン)」を覚える

これが最も難しく、かつ最も効果的な戦術です。期待値計算をして、妙味のある馬が見つからないレースは、「100円たりとも買わない」のが正解です。

「見(ケン=買わずに見る)」は、何もしていないのではありません。「損失をゼロに抑える」という、立派な利益確定行動です。全レース買いたいという欲求(ポジポジ病)を抑え、スナイパーのように藪の中に潜んで、確実に勝てる獲物が通るまでじっと待つ。このメンタルを持てるかどうかが、平均的なファンと勝ち組を分ける分水嶺となります。

【コラム:トリガミは悪ではない】
資金管理をしていると、抑えの馬券が当たって「トリガミ(的中したのに収支がマイナス)」になることがあります。これを嫌う人もいますが、私は「保険金が下りた」と考えて許容しています。トリガミを恐れて点数を絞りすぎ、的中を逃す方が精神的なダメージが大きく、リズムを崩す原因になるからです。

ちなみに、競馬のトリガミについては、こちらの記事競馬のトリガミとは?意味と防止策、買い方のコツを解説でも詳しく解説しています。「競馬のトリガミ」をもっと深く知りたい方は、ぜひチェックしてみてください。

3連単の平均への回帰と単勝の優位性

「100円が100万円になるかもしれない」
これこそが競馬の醍醐味であり、私たちが3連単という悪魔的な魅力を持つ券種に惹きつけられる最大の理由です。しかし、回収率の平均を上げたいと本気で願うのであれば、この「一発逆転の夢」こそが、あなたの財布を静かに、しかし確実に蝕んでいる元凶であることを直視しなければなりません。

「大数の法則」という逃れられない重力

先ほど控除率のセクションでも触れましたが、3連単の控除率は27.5%です。これは、あなたが10,000円分買った瞬間に、理論上は2,750円が手数料として徴収され、残りの7,250円を他の購入者と奪い合っていることを意味します。

ここで重要なのが、統計学における「大数の法則(平均への回帰)」です。これは、「試行回数を増やせば増やすほど、結果は理論上の確率や平均値に近づいていく」という法則です。

  • 短期的な視点:運良く万馬券が当たり、回収率が1000%になることはあります。これは「運」です。
  • 長期的な視点:毎週のように何十点、何百点と3連単を買い続ければ、あなたの回収率は驚くべき正確さで「72.5%」という冷酷な平均値へと吸い寄せられていきます。

18頭立てのレースにおける3連単の組み合わせは、実に4,896通りにもなります。この膨大な組み合わせの中から、期待値(オッズ×的中率)が100円を超える「お宝馬券」を見つけ出すのは、砂浜で落としたコンタクトレンズを探すようなものです。組み合わせが多すぎるため、オッズに含まれる「ノイズ(不正確な評価)」が極めて大きく、適正なオッズを見抜くことがプロでも困難なのです。

3連単中毒への処方箋
もしあなたが現在、年間の回収率が70%前後で停滞しているのであれば、それはあなたの予想が下手なのではなく、「選んでいる券種が間違っている(不利すぎる)」可能性が極めて高いです。

なぜ「単勝」こそが最強の投資ツールなのか

初心者が、あるいは伸び悩んでいる中級者が回収率100%の壁を突破するために推奨したいのが、原点回帰とも言える「単勝」へのシフトチェンジです。

単勝が優れている理由は、単に控除率が低い(20%)からだけではありません。最大のメリットは、「勝負のシンプルさ」にあります。

  • 判断の容易さ:3連単は「1着・2着・3着」のすべてを順番通りに当てなければなりませんが、単勝は「1着に来るかどうか」だけを考えれば良いのです。「展開の紛れ」や「他馬の不利」といった不確定要素(ノイズ)の影響を最小限に抑えることができます。
  • オッズの歪みが見えやすい:例えば、「勝率30%あるはずの馬が、単勝5.0倍(期待勝率20%)で放置されている」といったオッズの歪みは、単勝なら一目で見抜けます。しかし、3連単の「500倍」が適正なのか「1000倍」が適正なのかを瞬時に判断できる人はまずいません。

多くのプロ馬券師が口を揃えて言う真理があります。それは、「単勝で勝てない人間が、3連単で勝てるわけがない」ということです。まずは最も有利な土俵である単勝で、控除率20%の壁を超える実力をつけること。それができれば、派手な配当はなくとも、資産は右肩上がりに増えていきます。

高配当を狙うなら「3連複」や「馬連」という選択肢

とはいえ、「単勝だけでは退屈だ」「やっぱり高配当も狙いたい」という気持ちも痛いほど分かります。私自身、穴馬を見つけた時は大きく狙いたくなります。

その場合の妥協点としておすすめなのが、「3連複(控除率25%)」「馬連(控除率22.5%)」です。これらは3連単に比べて控除率が有利なだけでなく、的中率も現実的な範囲に収まります。「3連単で1着固定」にするくらいなら、「馬単の1着固定」や「単勝+馬連」に資金を分散させる方が、長期的にはリスク(ボラティリティ)を抑えつつ、回収率を安定させることができます。

なお、3連単がいかに当てるのが難しく、どれほどのリスクを背負っているのかについては、過去に詳細な確率シミュレーションを行った記事があります。「自分はセンスがあるから大丈夫」と思っている方こそ、一度数字の現実を知っておくことを強くおすすめします。

競馬の3連複フォーメーションとは?最強の買い方と計算方法を解説

収支管理に役立つツールやアプリ

現代の競馬は、かつてのような「新聞と赤ペン」だけのアナログな戦いではなく、高度な情報戦へと進化しています。AI(人工知能)やビッグデータを駆使して、0.1秒単位の期待値を計算するライバルたちと同じ土俵で戦うためには、私たち個人投資家も便利なツールをフル活用して武装する必要があります。

ここでは、私が実際に回収率を向上させるために不可欠だと感じている「三種の神器」と、避けては通れない「税金」の問題について、2025年の最新事情も交えて詳しく解説します。

データの海を泳ぐための「三種の神器」

ツール名 主な用途 YUKINOSUKE的活用ポイント
JRA-VAN / netkeiba 公式データ閲覧
レース映像視聴
「パトロールビデオ」の確認が最重要。
不利を受けた馬や、進路がなくて脚を余した馬をメモすることで、次走の穴馬が見つかります。
TARGET frontier JV 多角的なデータ分析
傾向の抽出
PC専用の最強ツール。「この種牡馬×このコース×重馬場」の回収率は?といった細かい条件を一瞬で抽出可能。
勝ち組の9割はこれを使っていると言っても過言ではありません。
収支管理アプリ 投資記録
自己分析
金額だけでなく「購入根拠」と「反省」を必ず入力。
自分の負けパターン(例:最終レースの乱れ打ち、泥酔時の購入など)を可視化して矯正します。

特にスマートフォンで手軽に見られるJRA-VANnetkeibaは必須です。月額料金がかかりますが、毎週競馬新聞を買うよりコストは安く、情報の鮮度と量は比較になりません。特にJRA-VANのアプリでは、全レースの動画やパトロールビデオ(真上や正面からの映像)が高画質で見放題です。「負けた馬がなぜ負けたのか」を映像で確認する習慣をつけるだけで、競馬力は劇的に向上します。

そして、PCユーザーならTARGET frontier JV(ターゲット)の導入を強くおすすめします。これはJRA-VANのデータラボ会員(有料)になれば無料で使えるソフトですが、機能の奥深さは底なしです。例えば、「川田騎手が1番人気で飛んだ条件」や「中山ダート1200mで単勝回収率100%を超える種牡馬」などを瞬時にリストアップできます。データ派として生きるなら、これなしでは戦場に裸で向かうようなものです。

データ分析の具体的な活用方法については、単勝馬券での戦略を解説した記事でも触れていますので、ツールを使ってどのようなデータを見るべきかの参考にしてください。

単勝馬券で競馬は勝てる!回収率を上げる1点買いとデータ戦略

【重要】忘れてはいけない「税金」のリアル

競馬で大きく勝った時に、頭の片隅をよぎるのが税金の問題です。「バレないだろう」と高を括るのは危険です。特に近年、JRAはインターネット投票の履歴照会機能を強化しており、税務当局の監視の目も厳しくなっています。

年間の利益(払戻金から当たり馬券の購入費を引いた額)が50万円を超えた場合、原則として確定申告が必要になります。ここで最も注意すべきなのは、日本の税制上、競馬の払戻金は原則として「一時所得」に分類されるという点です。

「外れ馬券」は経費にならない?
一時所得の計算において、経費として認められるのは「的中した馬券の購入費用」のみです。つまり、年間でトータル100万円負けていても、的中した払戻金の合計だけで計算すると「利益が出ている」とみなされ、課税されるリスクがあるのです。
(例:1億円買って1億1000万円払い戻された場合、利益は1000万円ですが、外れ馬券が経費にならないため、税務上の利益は数千万円とみなされる可能性があります)

過去の裁判では、営利目的の継続的行為(事業レベルでの大量購入など)と認められた例外的なケースで「雑所得」として外れ馬券の経費算入が認められましたが、一般的なファンにはこのハードルは極めて高いのが現状です。まずは年間50万円の特別控除枠を意識しつつ、高額配当を手にした年は税理士などの専門家に相談することをおすすめします。

(出典:国税庁『No.1490 一時所得』

また、最近では地方競馬(楽天競馬やオッズパークなど)でのポイント還元キャンペーンも盛んです。これらで得たポイントも所得とみなされる場合があるため、ポイ活感覚で稼いでいる方も注意が必要です。知識武装もまた、回収率を守るための重要な防御策なのです。

ちなみに、競馬の税金については、こちらの記事競馬の税金、バレないは嘘!申告しないとどうなるでも詳しく解説しています。「競馬の税金」をもっと深く知りたい方は、ぜひチェックしてみてください。

投資思考を学べるおすすめの書籍

最後に、馬券のテクニック論(どの馬が来るか)だけでなく、ギャンブルを「投資」として捉えるための「思考法(マインドセット)」を学べる本をご紹介します。

「たかが競馬で本を読むなんて…」と思うかもしれませんが、実は回収率100%の壁を越えている人の多くは、競馬本だけでなく、投資や心理学の名著を愛読していることが多いのです。なぜなら、競馬で負ける最大の原因は「知識不足」ではなく、「脳のバグ(心理バイアス)」だからです。

1. 脳の仕組みを知る:行動経済学のバイブル

まず最初におすすめしたいのが、ノーベル経済学賞を受賞したダニエル・カーネマンの著書です。少し厚い本ですが、競馬ファンにとっては「痛いところを突かれまくる」良書です。

『ファスト&スロー』(ダニエル・カーネマン著)
人間がどのように判断を下すかを科学的に解説した本です。特に競馬に直結するのが「プロスペクト理論」です。人間は「1万円得する喜び」よりも「1万円損する痛み」を2倍以上強く感じます(損失回避性)。しかし、負けが込んでくると、「確実な損切り」よりも「可能性の低い大逆転」を選んでしまうという、リスク追求型の行動にスイッチしてしまいます。最終レースで「負けを取り返そうとして、普段買わない大穴の3連単を買ってしまう」あの現象は、あなたの意志が弱いからではなく、脳の構造上、抗えないプログラムなのです。この本を読むと、「あ、今自分の脳がバグっているな」と客観視できるようになり、無謀な勝負を避けるブレーキになります。

2. 勝者のメンタルをインストールする:芸能界きっての勝負師

もう少し手軽に、かつ実践的なギャンブル論を学びたいなら、お笑い芸人のインスタントジョンソン・じゃいさんの著書がおすすめです。

『稼ぐメンタル ギャンブルで勝ち続ける「ブレない」心の作り方』(じゃい著)
WIN5で数千万円単位の的中を何度も出している彼ですが、その根底にあるのは徹底した「期待値至上主義」です。
「お金に執着しない」「負けることに慣れる」「感情ではなく論理で動く」といった、プロの投資家に通じる哲学が平易な言葉で語られています。特に「なぜ多くの人が負けるように賭けてしまうのか」という逆説的な視点は、平均的なファンから脱却するための大きなヒントになります。

3. 究極のデータ投資:伝説の馬券師の思考

最後に、競馬を完全な「数値計算」として攻略したい方に。

『1億5000万円稼いだ馬券裁判男卍の投資競馬講座』(卍著)
かつて馬券の払戻金にかかる税金を巡って裁判で争い、その過程で「独自の指数を用いて数年間で数億円を稼ぎ出していた」ことが証明された伝説の馬券師・卍(まんじ)氏の著書です。彼の手法は高度なシステム運用ですが、本の中で語られている「過小評価されている馬(期待値の高い馬)だけを淡々と買い続ける」という姿勢は、アナログ派の私たちでも真似できる部分があります。「的中率を捨てて回収率を取る」とはどういうことか、その極致を知ることができます。

競馬はメンタルスポーツです。どれだけ優れた予想法を持っていても、心が弱ければ、連敗した時にルールを破って自滅します。これらの本を読むことで、目先の勝ち負けに一喜一憂せず、長期的な視点で利益を積み上げる「投資家のメンタル」を養ってみてください。

競馬の回収率の平均から脱却するまとめ

ここまで、競馬の回収率の平均という「分厚い壁」の正体と、それを乗り越えるための具体的な戦略について、長々とお話ししてきました。最後に、私たちがこれから明日、来週末の競馬に向かうにあたって、絶対に忘れてはならない重要なマインドセットを整理しておきたいと思います。

まず、残酷な現実をもう一度だけ直視してください。競馬は、私たちが馬券を買った瞬間に、その資金の約20%〜30%が主催者(JRAや地方競馬主催者)の手数料として徴収される「マイナスサムゲーム」です。これは、何も考えずに平均的な行動(新聞の印通りに買う、好きな馬を応援で買う、負けを取り返そうと乱れ打つ)をしている限り、資産は確実にゼロに向かって収束していくことを意味します。これが、多くの人が負けている最大の理由です。

「5%の勝ち組」になるための3つの誓い

しかし、絶望する必要はありません。統計データが示す通り、この厳しい条件下でも利益を出し続けている「5%の勝ち組」は実在します。彼らは魔法を使っているわけでも、未来が見えているわけでもありません。彼らは、以下の3つのルールを徹底しているだけなのです。

YUKINOSUKE流・脱「平均」のための3箇条

  • 戦う場所を選べ:
    「3連単」という最も不利な戦場から一旦離れ、控除率が低く、ごまかしの効かない「単勝・複勝」という土俵で実力を磨くこと。地方競馬のポイント還元も賢く利用すること。
  • 的中率より期待値を追え:
    「どの馬が来るか」ではなく「どの馬のオッズがおいしいか」に思考を切り替えること。ルメール騎手の過剰人気(人気税)を嫌い、実力のある穴騎手(佐々木大輔騎手など)を狙う勇気を持つこと。
  • 感情を捨てて資金を守れ:
    「ケリー基準」などの資金管理を導入し、自信のないレースは「見(ケン)」をする。負けを取り返そうとする熱くなった自分を、もう一人の自分が冷静に見つめること。

特に「見(ケン)」の重要性は何度強調しても足りません。平均的なファンは全レースに参加しようとしますが、投資家は「勝てる確率が高い場面」が来るまで、じっと草むらに隠れて待ち続けます。あなたが馬券を買わなかったレース、それは「損をしなかった」という意味で、すでに小さな勝利なのです。

今日からできる「最初の一歩」

この記事を読み終えた瞬間から、あなたの競馬ライフは変わります。まずは、今週末のレースで、たった1レースだけでいいので、「自分の計算した勝率よりも、オッズが高くついている馬(期待値のある馬)」の単勝を買ってみてください。

そして、その結果がどうであれ、必ず収支アプリやExcelに記録をつけてください。「なぜその馬を買ったのか」「なぜ外れたのか(展開の綾か、見立て違いか)」。この記録の積み重ねこそが、あなただけの最強の教科書になります。

最後に
回収率100%超えへの道は、一朝一夕で達成できるものではありません。時には連敗し、心が折れそうになることもあるでしょう。しかし、正しいロジックで挑み続けていれば、確率は必ずあなたの味方をします。

競馬は、単なるギャンブルではなく、高度な知的ゲームであり、投資の側面を持った素晴らしいエンターテインメントです。平均的な「養分」としてのファンから卒業し、賢く、したたかに利益を狙う「投資家」へとステップアップしていきましょう。

私もまだまだ道半ばですが、皆さんと一緒に成長していければこれ以上の喜びはありません。長文にお付き合いいただき、本当にありがとうございました。あなたの週末に、幸運と高配当が訪れますように!

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