名古屋競馬場グルメ完全ガイド!キッチンカーとレストラン攻略

競馬場を知る

こんにちは。YUKINOSUKEです。

弥富市へ移転して新しくなり、愛称も「金シャチけいばNAGOYA」として生まれ変わった名古屋競馬場。ピカピカの施設にワクワクする一方で、昔からの競馬ファンや初めて訪れる方にとって一番の気がかりといえば、やはり「グルメ事情」ではないでしょうか。かつての名古屋競馬場(土古)といえば、昭和の香り漂う渋い食堂街や、鉄板で焼かれるホルモンの香ばしい匂いが名物でした。しかし、新しい競馬場はコンパクトで現代的。「あのお気に入りの店はまだあるの?」「ランチ難民になったりしない?」といった不安の声もよく耳にします。

実は、現在の名古屋競馬場のグルメ事情は、以前とは全く異なる「新しいエコシステム」で動いています。何も知らずに行くと、お昼時に行列に巻き込まれてレースどころじゃなくなったり、食べたかった名古屋めしにありつけなかったりと、思わぬ落とし穴にはまってしまうかもしれません。そこで今回は、私が実際にリサーチして掴んだ、現地のリアルな食事情を徹底的に解説します。週末のデートやご家族連れ、あるいはガッツリ勝負をかけたいソロ参戦の方まで、この記事さえ読めば食事の心配は無用です。

  • 移転後の名古屋競馬場で「唯一」となってしまった常設レストランのリアルな混雑状況と攻略法
  • 日替わりで登場する「キッチンカー」の最新メニュー傾向と、絶対外さないスケジュールの確認方法
  • レース観戦の熱気を高めるアルコール類や、片手でスマートに楽しめる軽食・ワンハンドフードの充実度
  • 混雑必至のピークタイムを賢く回避し、快適にランチタイムを過ごすための実践的な裏技とアドバイス
  1. 弥富で進化する名古屋競馬場グルメの全貌
      1. 「コンパクト化」がもたらしたダイニング革命
      2. 「食べる場所」そのものがエンターテインメントに
    1. 唯一の常設レストランとめしやん
      1. わずか24席!?激戦必至の座席争奪戦
      2. クオリティは本物!名古屋めしと「意外な洋食」
    2. 名古屋名物のきしめんとご当地の味
      1. 出汁の香りが魂を揺さぶる「きしめん」の魔力
      2. 「赤味噌」が支配する濃厚な肉料理たち
      3. 実は「台湾ラーメン」や「焼きそば」も?奥深いメニュー構成
    3. アルコールで乾杯するレース観戦
      1. 勝利を呼ぶ黄金の水!名物「金鯱ハイボール」
      2. キッチンカーで楽しむ「クラフトビール」と「地酒」の競演
      3. 【重要】持ち込みルールと飲酒のマナー
    4. 758ドリームゲッターズとイベント
      1. 勝利の女神!?「758ドリームゲッターズ」
      2. 子供人気No.1!「シャチウマくん」と広場の魅力
      3. 「イベント開催日」こそがグルメの特異日
    5. 混雑を回避してランチを楽しむ工夫
      1. 戦略1:【先行逃げ切り型】11時台の早めランチで確実に座る
      2. 戦略2:【自在型】テイクアウト×屋外観戦のコンボ
      3. 戦略3:【穴場】1階「ヤマザキショップ」の実力を侮るな
      4. 【重要】屋外ランチにおける「風」対策とマナー
  2. 多彩なキッチンカーと名古屋競馬場グルメ
    1. 最新のキッチンカー出店予定の確認
      1. 公式サイトの「イベント情報」が最強の攻略本
      2. 「重賞レース」や「JRA発売日」はグルメの特異日
    2. 鹿肉やカレーなど主食系の充実
      1. まさかの「ジビエ」が競馬場に!?鹿肉まぜそばの衝撃
      2. スパイス香る「カレー戦争」が勃発
      3. 本格ピッツァにブランド餃子!多国籍な食の旅
    3. 季節限定のフェスやスイーツの魅力
      1. 夏は「お祭り」一色!光るソーダとふわふわ氷
      2. 秋・冬は「ほっこり」甘い焼き芋の誘惑
      3. 通年楽しめる「映えスイーツ」三銃士
    4. 片手で楽しめる軽食と屋台の味
      1. ビール泥棒の正体!「味噌串カツ」の魔力
      2. ブランド肉から「はみ出し系」まで!ホットドッグ天国
      3. 進化系唐揚げと「映える」ポテト
    5. 進化を続ける名古屋競馬場グルメの総括
      1. 「昭和の食堂街」から「令和のフードパーク」へ
      2. 「伝統」と「革新」が共存するハイブリッドな空間
    6. 関連記事リンク

弥富で進化する名古屋競馬場グルメの全貌

2022年4月、長年親しまれた名古屋市港区(通称:土古/どんこ)から、弥富市のトレーニングセンター内へ移転し、華々しくリニューアルオープンした名古屋競馬場。愛称を「金シャチけいばNAGOYA」と改め、その姿は劇的な変貌を遂げました。

この移転は、単なる場所の移動ではありません。一言で表すなら、「昭和の鉄火場」から「令和のレジャーパーク」への完全なるパラダイムシフトです。かつての競馬場を知るファンからすれば、「ここは本当に同じ名古屋競馬か?」と目を疑うほど、場内の空気感も、そしてグルメを楽しむスタイルも様変わりしています。

では、具体的に何がどう変わったのか。現地で感じる「食の環境」の変化を、新旧の比較で紐解いてみましょう。

「コンパクト化」がもたらしたダイニング革命

新しい名古屋競馬場の最大の特徴は、施設全体が非常にコンパクトに設計されている点です。これには、近年のインターネット投票の普及により、巨大な収容人数を誇るスタンドが必要なくなったという背景があります。

旧施設では、広大な敷地に昭和レトロな食堂やおでん屋台がズラリと軒を連ねる「食堂街」がありましたが、新施設ではそのモデルが解体されました。運営コストを最適化し、ネット社会に対応した結果、「常設店を極限まで減らし、柔軟なキッチンカーで補う」という、現代的なエコシステムが採用されたのです。

比較項目 旧・名古屋競馬場(土古) 新・名古屋競馬場(弥富)
コンセプト 昭和の熱気が渦巻くギャンブル場 明るく開放的なレジャーパーク
飲食スタイル 固定の「食堂街」&「長屋」 (もつ煮、鉄板焼きなど) 「キッチンカー」&「カフェテリア」 (多国籍料理、スイーツなど)
食事環境 新聞を広げて立ち食い・パイプ椅子 整備された広場や綺麗なベンチ 冷暖房完備のスタンド席
ターゲット ベテランの競馬ファン中心 ファミリー、カップル、若年層

「食べる場所」そのものがエンターテインメントに

食環境の変化で特筆すべきは、その清潔感と開放感です。新スタンドはガラス張りで非常に明るく、女性や小さなお子様連れでも安心して食事ができる環境が整っています。

特に注目なのは、パドック(下見所)から本馬場へと馬が移動する様子を、ガラス越しに間近で見られる「ホースビューコリドー」や、ナイター競馬(ベイサイドナイター)の美しい照明演出です。薄暗い店内で黙々と丼をかきこむのではなく、「綺麗な景色や馬を眺めながら、テイクアウトしたグルメをピクニック気分で楽しむ」というスタイルこそが、弥富流の新しいグルメ体験と言えるでしょう。

ここが進化した!弥富のグルメ環境

  • 清潔なトイレと休憩所:食事の前後に利用する設備がピカピカでストレスフリー。
  • フォトジェニックな広場:購入したキッチンカーグルメを並べて写真を撮っても「映える」空間デザイン。
  • キャッシュレス対応:有料席など一部エリアではキャッシュレス投票が導入され、スマートな観戦が可能に(※飲食店の決済方法は店舗によります)。

このように、ハード面(施設)の刷新が、ソフト面(グルメ体験)に直結しています。「店が減って不便になった」と捉えるのではなく、「青空の下で自由な食事が楽しめるようになった」と捉えれば、金シャチけいばNAGOYAは最高のグルメスポットに見えてくるはずです。次項からは、この新しい舞台で具体的にどのような「食」が提供されているのか、その中身に迫っていきます。ハード面に関してはこちらの記事名古屋競馬場の移転先と跡地!アクセスや2025年日程も解説で詳しく解説していますので、合わせてお読みください。

唯一の常設レストランとめしやん

まず、旧・名古屋競馬場(土古)を知るファンの皆様、そしてこれから初めて訪れる皆様に、最も衝撃的かつ重要な事実をお伝えしなければなりません。広大な敷地とピカピカのスタンドを誇る現在の金シャチけいばNAGOYAにおいて、腰を据えて食事ができる「常設のレストラン」は、実質的にたった1店舗しか存在しません。

「えっ、まさか?」と思われるかもしれませんが、本当です。かつての土古競馬場には、ホルモンの煙が充満する長屋のような食堂街があり、何軒もの店が軒を連ねていました。しかし、弥富への移転に伴う施設のコンパクト化戦略により、それらの機能は、スタンド2階にある「めしやん 金シャチ店」という1店舗に集約されたのです。

わずか24席!?激戦必至の座席争奪戦

この「めしやん」、店舗の場所も少し特殊で、スタンド2階の有料席エリア入口付近の奥まった場所にあります。初めて行く方は少し迷うかもしれません。そして何より注意が必要なのが、その「キャパシティ(座席数)」の少なさです。

私が実際に現地で確認したところ、店内はカウンター席が8席ほどと、4人掛けのテーブル席が4卓ほど。合計してもわずか24席〜30席程度しかありません。数千人が来場する可能性がある競馬場において、この席数はあまりに少なすぎると言わざるを得ません。

平日の開催日であれば、回転も早くスムーズに入店できることもありますが、土日の開催日や重賞レース(かきつばた記念や名古屋グランプリなど)の日ともなれば、状況は一変します。お昼のピークタイム(12時から13時頃)には、店頭に出されたウェイティングボード(名前を書く紙)に何組もの名前が連なり、30分以上の待ち時間が発生することが常態化しています。「せっかく来たし、まずはレストランで優雅に腹ごしらえ」と安易に考えて行くと、肝心のレースを見逃してしまうリスクすらあるのです。

【重要】レストラン利用の心得 ・ランチタイム(12:00〜13:00)の利用は、待ち時間を覚悟するか、避けるのが賢明。 ・相席になる可能性が高いため、グループでの利用時は注意。 ・「絶対に座って食べたい」場合は、第1レース前(11時頃)の早めの入店を推奨します。

クオリティは本物!名古屋めしと「意外な洋食」

「たった1軒しかないなら、味は期待できないのでは?」と心配される方もいるかもしれませんが、そこはご安心ください。「めしやん」で提供されるメニューは、競馬場グルメとしての及第点を大きく超えています。

まず外せないのが、名古屋のソウルフード「きしめん」です。透き通った出汁に平打ち麺、そして踊るカツオ節。特に夏場の「冷やしきしめん」は、熱気あふれる場内で涼を取るのに最高の一品です。また、濃厚な赤味噌で煮込まれた「どて煮」や、揚げたての「味噌カツ」といった名古屋めしも充実しており、県外からの遠征ファンを満足させるラインナップが揃っています。

そして、私の密かなおすすめは「オムライス」です。競馬場の食堂といえば、業務用の中身を温めただけのものが出てくることも多いですが、ここのオムライスは中のチキンライスもしっかりと調理されており、「良い意味で競馬場らしくない」本格的な味わいが楽しめます。もちろん、生ビールや各種サワーなどのアルコール類も提供されているので、モニターでオッズを眺めながらの一杯も可能です。

主なメニュー例(価格は変動の可能性あり) ・きしめん / 冷やしきしめん ・味噌カツ定食 / どて丼 ・オムライス / カレーライス ・おつまみ(枝豆、冷奴、唐揚げなど)

結論として、「めしやん」は味も雰囲気も素晴らしいレストランですが、その「狭き門」をどう突破するかが攻略のカギとなります。混雑時は無理に並ばず、テイクアウトを利用してスタンドや広場で食べるという柔軟な判断も、快適な一日を過ごすための重要なテクニックです。

※施設の詳細なフロアマップや最新の店舗情報は、必ず公式サイトで確認してください。 (出典:名古屋けいばオフィシャルサイト「場内施設案内」

名古屋名物のきしめんとご当地の味

唯一のレストラン「めしやん」の座席確保というハードルを越えた先には、競馬場グルメの王道にして頂点とも言える、魅力的なメニューの数々が待っています。「たった1軒しかないなら、味は二の次なのでは?」と疑っている方もいるかもしれませんが、その心配は無用です。ここは、名古屋の食文化が凝縮された、まさに「名古屋めしのミニ博物館」とも呼べる場所なのです。

出汁の香りが魂を揺さぶる「きしめん」の魔力

まず、何をおいても語らなければならないのが、愛知県民のソウルフードであり、名古屋競馬場のアイコンとも言える「きしめん」です。

店内に足を踏み入れると、ふわりと漂ってくる芳醇な出汁の香り。それだけで、勝負に疲れた心が少し癒やされる気がします。「めしやん」のきしめんは、透き通った関西風に近い白醤油ベースのつゆに、幅広でつるつるとした喉越しの麺が泳ぎ、その上でたっぷりのカツオ節(花かつお)がゆらゆらと踊っています。シンプルですが、だからこそ誤魔化しが効かない一品です。

特に、私が猛烈にプッシュしたいのが、春から夏にかけての暖かい季節に提供される「冷やしきしめん」です。熱気あふれるスタンドで声を張り上げた後、冷水でキュッと締められた麺を啜り込む瞬間の幸福感と言ったらありません。実際に利用した多くのファンからも、「麺にコシがあってしっかり美味しい」「出汁まで飲み干せる」と高い評価を得ており、単なる「場末の食堂の味」レベルを遥かに超えたクオリティが担保されています。

「赤味噌」が支配する濃厚な肉料理たち

きしめんと双璧をなすのが、名古屋特有の調味料「豆味噌(赤味噌)」をふんだんに使った肉料理たちです。県外から遠征してくるファンにとって、これこそが「名古屋に来た!」と実感できる瞬間でしょう。

  • どて煮・どて丼: 豚のホルモン(モツ)を、八丁味噌などの赤味噌と砂糖、みりんで長時間じっくりと煮込んだ郷土料理。真っ黒な見た目に驚くかもしれませんが、口に入れるとホルモンの脂の甘みと味噌のコクが絶妙に絡み合います。これをご飯にぶっかけた「どて丼」は、レンゲでかきこむように食べるのが正解です。
  • 味噌カツ定食: 揚げたての厚切りロースカツに、シャバシャバ系の甘辛い味噌ダレがたっぷりとかかった定食の王様。キャベツの千切りにタレを絡めて食べるのもまた乙なものです。
  • 味噌串カツ: 「定食まではいらないけど、ちょっとつまみたい」という時に最適なのがこれ。衣に味噌ダレが染み込んでしっとりとした食感が、冷えたビールのアテとして最強のパフォーマンスを発揮します。

実は「台湾ラーメン」や「焼きそば」も?奥深いメニュー構成

「きしめん」や「味噌カツ」といった定番以外にも、実はメニューの端っこに魅力的な選択肢が潜んでいます。その一つが、名古屋発祥の激辛グルメ「台湾ラーメン」です。
ミンチ肉とニラ、そして唐辛子の刺激が効いたスープは、一発逆転を狙う前の気合入れにぴったり。また、鉄板で炒めたような香ばしさが食欲をそそる「ソース焼きそば」など、B級グルメ好きの心をくすぐるラインナップも揃っています。

このように、「めしやん」は単なる食堂ではなく、名古屋の味を網羅した総合レストランとしての機能を持っています。混雑時は大変ですが、もし席に着くことができたら、ぜひ卓上の七味唐辛子を手に取り、自分好みの味にカスタマイズして、名古屋の競馬場グルメを堪能してください。

ご当地グルメ豆知識:どて煮の流儀 東海地方の公営競技場において、「どて煮」は基本にして至高のメニューです。通の食べ方は、真っ赤になるほど七味唐辛子を振りかけること。味噌の甘さと唐辛子の辛さが融合し、ご飯のおかずとしても、ハイボールや焼酎のアテとしても、無限に箸が進む「悪魔的な味」に進化します。

アルコールで乾杯するレース観戦

競馬場という非日常空間に足を踏み入れた瞬間、なぜか無性に飲みたくなってしまうのが「お酒」ですよね。青空の下、パドックを周回する馬たちを眺めながら飲む一杯は、居酒屋で飲むそれとは全く別格の美味しさがあります。

結論から言うと、金シャチけいばNAGOYAは、単に酔えればいいというレベルを超えた「飲兵衛たちの楽園」です。場内の至る所でアルコールが販売されており、そのバリエーションも「とりあえずの生」から「こだわりの地酒」まで驚くほど豊富。ここでは、レース観戦のボルテージを最高潮に上げてくれる、弥富ならではのアルコール事情を深掘りします。

勝利を呼ぶ黄金の水!名物「金鯱ハイボール」

まず、ここに来たら絶対に飲んでいただきたいのが、ご当地ハイボールとして定着している「金鯱(きんしゃち)ハイボール」です。

レストラン「めしやん」や一部の売店で提供されているこのドリンク。名前のインパクトもさることながら、その見た目はまさに「黄金色」。正体は、ウイスキーを栄養ドリンク系の炭酸飲料(リアルゴールドなど)で割ったエナジーハイボールです。

一口飲むと、炭酸の刺激と共に甘さとカフェインが身体に染み渡り、予想で疲れた脳がシャキッと覚醒します。何より、その金ピカのビジュアルは、いかにも金運が上がりそうじゃないですか?「これを飲んで万馬券を掴む!」というゲン担ぎの一杯として、これ以上のものはありません。

キッチンカーで楽しむ「クラフトビール」と「地酒」の競演

「競馬場のお酒なんて、安っぽい焼酎ばかりでしょ?」と思っている方は、その認識を改める必要があります。現在の名古屋競馬場では、食通も唸るハイクオリティなアルコール体験が可能です。

特筆すべきは、キッチンカーによる「クラフトビール」の提供です。例えば、鹿肉料理を提供する「ONEderful kitchen」では、北海道芽室町産の希少なクラフトビールがメニューに並ぶことがあります。フルーティーで奥深い香りのエールビールを片手に、優雅にレース観戦…。ここは本当に地方競馬場か?と錯覚してしまうほどのお洒落な時間が流れます。

さらに、レストラン「めしやん」のドリンクメニューも本気です。愛知県は実は酒どころとしても有名。メニューには、「蓬莱泉(ほうらいせん)」や「三河武士」、「白老」といった、地元愛知が誇る銘酒がズラリとラインナップされています。寒い冬場には、熱燗(あつかん)で体を温めながら、モツ煮をつつく。これぞ日本の競馬場の原風景とも言える楽しみ方も健在です。

【要チェック】飲めるお酒のバリエーション例

ジャンル メニュー例・銘柄
ビール 一番搾り、キリンラガー瓶、北海道クラフトビール
日本酒 蓬莱泉(設楽町)、三河武士(岡崎市)、金鯱(名古屋市)
サワー系 金鯱ハイボール、レモンサワー、梅酒、金鯱サワー

【重要】持ち込みルールと飲酒のマナー

お酒を楽しむ上で、必ず守らなければならない重要なルールがあります。それは、「缶・ビン類の場内持ち込み禁止」という鉄の掟です。

これはJRAを含め多くの競馬場で共通のルールですが、興奮した観客がコース内に投げ込むなどの危険行為を防止するため、また馬を驚かせないために厳格に運用されています。入場ゲートでの手荷物検査で発見された場合、その場で紙コップに移し替えるか、没収・廃棄となる可能性があります。「コンビニで安く買って持ち込もう」という作戦は通用しませんので、場内の売店やキッチンカーで適正に購入して楽しみましょう。

飲酒運転は犯罪です(Zero Tolerance) 楽しい一日を台無しにしないために、お車で来場された方の飲酒は絶対におやめください。名古屋競馬場からは、「近鉄蟹江駅」や「名古屋駅名鉄バスセンター」へ向かう無料送迎バスが運行されています。お酒を飲む予定の方は、必ず公共交通機関とバスを利用しましょう。

(出典:愛知県競馬組合「愛知県競馬組合からのお願い・ご注意」

758ドリームゲッターズとイベント

「競馬場=新聞を持ったおじさんたちの社交場」というステレオタイプなイメージは、今の金シャチけいばNAGOYAには当てはまりません。現在の施設は、レースを楽しむだけでなく、アイドルやお祭り、グルメイベントが融合した「総合エンターテインメント施設」へと進化しています。

その象徴とも言えるのが、公式アイドルユニット「758(ナゴヤ)ドリームゲッターズ」と、マスコットキャラクター「シャチウマくん」の存在です。彼女(彼)たちが作り出す華やかな空気感は、グルメ体験をより一層楽しいものにしてくれます。

勝利の女神!?「758ドリームゲッターズ」

場内を歩いていると、キラキラした衣装に身を包んだ女性グループに遭遇することがあります。彼女たちこそ、金シャチけいばNAGOYAを盛り上げる公式アイドルユニット、「758(ナゴヤ)ドリームゲッターズ」です。

彼女たちは単なるイメージキャラクターではありません。重賞レース開催日などを中心に、イベント広場の特設ステージでライブパフォーマンスを行ったり、正門付近でのお出迎え(グリーティング)、さらには表彰式のプレゼンターを務めたりと、八面六臂の活躍を見せています。

ファンにとっては、彼女たちのステージを観ながら、片手にキッチンカーグルメ、もう片手に推し色のサイリウム(あるいは馬券)を持つというのが、新しい競馬場の楽しみ方になりつつあります。アイドル目当てで来場した人が、ついでに美味しいグルメに出会い、競馬の面白さにも目覚める…そんな好循環が生まれているのです。

子供人気No.1!「シャチウマくん」と広場の魅力

そして、忘れてはならないのが、一度見たら忘れられないインパクトを持つマスコットキャラクター、「シャチウマくん」です。

その名の通り、名古屋城の金シャチと競走馬が合体したようなユニークな姿をしており、下半身は魚(シャチ)、上半身は馬という、生物学的常識を覆すビジュアル。しかし、その愛嬌のある表情と動きで、会場に来ている子供たちからは絶大な人気を誇ります。

シャチウマくんが登場すると、広場は一気に和やかなムードに包まれます。記念撮影スポットとしても人気で、キッチンカーで買ったスイーツを手に、シャチウマくんと一緒に写真を撮れば、SNS映えもバッチリです。時折、シャチウマくんをモチーフにしたコラボグッズや、イベント限定のノベルティが配布されることもあるので、ファンの方は要チェックです。

「イベント開催日」こそがグルメの特異日

ここでグルメ攻略の観点から重要なポイントをお伝えします。それは、「イベントスケジュールを制する者は、グルメを制する」ということです。

約4000㎡もの広さを誇る「イベント広場」では、季節ごとに様々なフェスティバルが開催されています。

  • 夏:金シャチけいば夏祭り
    盆踊り櫓(やぐら)が組まれ、縁日屋台のようなキッチンカーが大集結。かき氷や焼きそばなど、お祭りメニューが充実します。
  • 不定期:グルメフェス・物産展
    「畜産フェア」や「ラーメンフェス」など、特定のテーマに沿ったグルメイベントが行われる日は、普段は見かけないレアなキッチンカーが出店するチャンスです。

つまり、758ドリームゲッターズのライブや、大きなレースイベントがある日は、それに比例して「食の選択肢」も最大化される傾向にあります。公式サイトでイベント情報を確認する際は、レースの時間だけでなく、「どんなグルメイベントが併催されているか」も必ずチェックしておきましょう。

YUKINOSUKEの楽しみ方メモ

  • まずはキッチンカーでフードとドリンクを調達。
  • イベント広場のベンチを確保し、ステージイベントやシャチウマくんを眺めながらピクニック気分で食事。
  • お腹が満たされたらスタンドへ移動してレース観戦!

この「食×エンタメ×競馬」のトライアングルこそが、金シャチけいばNAGOYAの真骨頂ですよ。

混雑を回避してランチを楽しむ工夫

ここまで、「レストランは実質1店舗のみ」「イベント時は大混雑」という、少し脅かすようなお話をしてしまいました。しかし、恐れることはありません。敵(混雑)を知り、己(目的)を知れば、百戦危うからず。事前にしっかりとした戦略を立てておけば、ランチ難民になることなく、余裕を持ってグルメとレースを楽しむことができます。

私が現地での実戦経験から導き出した、ランチタイムを快適に過ごすための「鉄壁の攻略法」を伝授します。キーワードは、「時間の分散」「場所の柔軟性」です。

戦略1:【先行逃げ切り型】11時台の早めランチで確実に座る

もしあなたが、「どうしてもレストラン『めしやん』で、座って定食やきしめんを食べたい」と考えるなら、行動パターンは一つしかありません。それは、世間のお昼休み時間(12:00〜13:00)を完全に外し、「11時台前半」に昼食を済ませることです。

名古屋競馬場の第1レース発走は、開催日にもよりますが概ね11:00〜11:30頃です。多くの来場者は、第1レースを見てからエンジンがかかり始め、お腹が空いてくる12時頃にレストランへ殺到します。この波に飲み込まれてはいけません。

おすすめの動き方は以下の通りです。

  1. 第1レースの馬券を購入し、レースを観戦する。
  2. レース確定後、払戻し(当たっていれば!)を済ませたら、即座に2階のレストランへ向かう。
  3. まだ空席がある店内で、ゆっくりと食事を楽しむ。
  4. 12時頃、店外に行列ができ始めるのを横目に退店し、午後のレースへ向かう。

この「先行逃げ切り策」こそが、唯一のレストランをストレスフリーで利用する最適解です。

戦略2:【自在型】テイクアウト×屋外観戦のコンボ

天候が良い日であれば、無理にレストランにこだわる必要はありません。むしろ、新しくなった名古屋競馬場の開放的な雰囲気を味わうなら、「テイクアウト」こそが最強のスタイルです。

キッチンカーで購入したグルメや、後述する売店で買った軽食を持って、お気に入りの場所で食べる。これなら待ち時間は購入時のみで済みますし、レースの合間を縫ってサクッとエネルギーチャージが可能です。食べる場所の選択肢も意外と豊富にあります。

おすすめスポット 特徴とメリット 注意点
イベント広場 ベンチやテーブルが設置されており、ピクニック気分で食事ができる。子供連れにも最適。 人気イベント開催時は座席の確保が難しい場合がある。
スタンド一般席 空調の効いた屋内や、レースが見やすい屋外席で、膝の上に置いて食べるスタイル。 テーブルがない席も多いので、汁物(ラーメン等)は避けたほうが無難。
ホースビューコリドー周辺 パドックから本馬場へ向かう馬を眺めながら軽食をつまむ、通な楽しみ方。 通路の妨げにならないよう、端に寄って楽しもう。

戦略3:【穴場】1階「ヤマザキショップ」の実力を侮るな

「キッチンカーも並んでいるし、レストランも満席…もう何も食べられないのか?」と絶望した時に思い出してほしいのが、スタンド1階にある売店「ヤマザキショップ 名古屋競馬場店」です。

ここは一見するとただのコンビニですが、実は競馬場グルメの「最後の砦」として非常に優秀です。おにぎりやサンドイッチ、菓子パンといった定番商品はもちろん、レジ横には熱々の「中華まん」や「ホットスナック」も用意されています。

さらに、お酒のおつまみに最適なスナック菓子や、チップスターなども豊富に揃っています。「グルメ」と呼ぶには少し質素かもしれませんが、混雑を完全に回避し、最短時間で空腹を満たしてレースに集中したいガチ勢にとっては、ここが最も賢い選択肢になることもあります。

【重要】屋外ランチにおける「風」対策とマナー

最後に、テイクアウトで食事をする際の重要な注意点をお伝えします。弥富市に移転した新しい競馬場は、伊勢湾に近い立地のためか、「海風が強い日」が意外と多いです。

プラスチックの容器や紙皿、軽量のスプーンなどは、油断すると一瞬で風に飛ばされてしまいます。これがコース内に入ってしまうと、レースの進行を妨げる重大な事故に繋がりかねません。食事の際は以下の点に十分注意してください。

  • 空になった容器や袋は、飛ばされないようにすぐにカバンにしまうか、ゴミ箱へ捨てる。
  • レジャーシートを広げる場合は、重しを置くなどして固定する。
  • 飲みかけの紙コップをベンチに放置しない。

事前の準備とちょっとした判断で、ランチ難民のリスクはゼロにできます。ご自身のスタイルや当日の混雑状況に合わせて、最適な「食の作戦」を組み立ててみてください。

多彩なキッチンカーと名古屋競馬場グルメ

「めしやん」が名古屋競馬場の胃袋を守る守護神だとするならば、攻撃の要、つまりグルメ体験の多様性と楽しさを担っているのは、間違いなく「キッチンカー(移動販売車)」たちです。日替わりで様々なジャンルの料理が集結するその様子は、まさに毎週末がフードフェスティバル。ここからは、そんなキッチンカーグルメの魅力と、絶対に食べておきたいメニューについて詳しく解説します。

最新のキッチンカー出店予定の確認

キッチンカーグルメの最大の魅力、それは毎日違った味に出会える「一期一会」の楽しさにあります。しかし、裏を返せば、それは「いつ行っても同じお店があるわけではない」というリスクでもあります。

想像してみてください。「今日は絶対に本格的なスパイスカレーを食べるぞ!」と意気込んで競馬場に向かったのに、その日に限ってカレーのキッチンカーが出店していなかった時の絶望感を…。そんな悲劇を回避し、確実に目当てのグルメにありつくためには、事前の情報収集という「予習」が不可欠です。ここでは、私が実践しているスケジュールの確認方法と、狙い目の日程について詳しく解説します。

公式サイトの「イベント情報」が最強の攻略本

キッチンカーの出店スケジュールは、基本的には「開催ごとのサイクル」で組まれています。これを確認するための最も確実な方法は、名古屋競馬場の公式サイトをチェックすることです。

トップページにあるメニューから「イベント」「ニュース」のセクションを開いてみてください。そこには、「第〇回名古屋競馬開催イベントについて」や「〇月のキッチンカーラインナップ」といったタイトルの記事がアップされています。

記事の中には、多くの場合PDFファイルや画像データで、以下のような詳細なスケジュール表が掲載されています。

  • 出店日:「11月7日、10日〜13日」のように具体的な日付が指定されています。
  • 出店店舗名:「soraco(カレー)」「Pizzeria Cielo(ピザ)」など、屋号とジャンルが記載されています。
  • 出店場所:基本はイベント広場ですが、台数が多い日は配置図も要チェックです。

これをスマホに保存しておけば、現地に着いてから「あれ、あのお店どこだっけ?」と迷うこともありません。「戦いは準備段階から始まっている」のです。

【検索のコツ】 公式サイトが見つけにくい場合は、GoogleやYahoo!で以下のキーワードで検索してみてください。 「名古屋競馬場 キッチンカー 予定」 「金シャチけいば イベント情報」 これだけで、直近の出店リストのページに一発でアクセスできることが多いですよ。

「重賞レース」や「JRA発売日」はグルメの特異日

スケジュールの確認において、もう一つ覚えておきたい法則があります。それは、「ビッグレースの日は、キッチンカーも本気を出す」ということです。

通常、平日の開催日であればキッチンカーの台数は数台程度で、落ち着いた雰囲気で営業しています。しかし、以下のような特定の日には、出店台数が一気に増え、普段は見かけないレアな店舗やお祭り屋台のような店が集結する傾向があります。

狙い目の日程 グルメの特徴 混雑度
ダートグレード競走・重賞日 (名古屋グランプリ、かきつばた記念など) 東海地区の有名キッチンカーが集結し、10台以上が並ぶことも。限定メニューも登場しやすい。 非常に混雑するが、お祭り感は最高。
JRA場外発売日(G1など) (有馬記念、日本ダービーなど) 多くの競馬ファンが訪れるため、ガッツリ系の飯屋やアルコール販売が強化される傾向。 午前中から賑わう。売切れも早いので注意。
グルメフェス開催期間 (季節ごとのイベント) 「ラーメン」「肉」「スイーツ」などテーマが決まっており、食べ比べが楽しめる。 ファミリー層が多い。行列必至。

つまり、「色々な種類の中から選びたい!」「お祭り騒ぎを楽しみたい!」という方は、あえて重賞レースの日を狙って行くのがおすすめです。逆に、「並ばずにサクッと食べたい」という方は、平日の一般開催日が狙い目と言えるでしょう。

いずれにせよ、公式サイトでの事前チェックは、快適なグルメライフを送るためのパスポートのようなもの。ぜひブックマークして、最新情報を逃さないようにしてくださいね。

公式情報の確認はこちら (出典:金シャチけいばNAGOYA「イベント・ファンサービス」) ※こちらのページから、最新のキッチンカー配置図や出店リスト(PDF)などが確認できます。

鹿肉やカレーなど主食系の充実

「キッチンカーなんて、どうせ焼きそばか唐揚げくらいでしょ?」
「小腹を満たすスナック的なもので、ランチの代わりにはならないよね」

もしあなたがそんな一昔前のイメージを持っているとしたら、それはあまりにも勿体ない誤解です。金シャチけいばNAGOYAに集結するキッチンカー軍団は、もはや「移動する屋台」ではなく、「移動する専門店(モバイル・レストラン)」と呼ぶべきレベルに達しています。

シェフがその場で調理する出来たてのメインディッシュは、レストランの定食に勝るとも劣らないクオリティとボリュームを誇ります。ここでは、私が実際に現地で衝撃を受けた、ランチの主役になれる「ガッツリ系グルメ」の精鋭たちをご紹介します。

まさかの「ジビエ」が競馬場に!?鹿肉まぜそばの衝撃

今回リサーチしていて最も驚かされたのが、「ジビエ(野生鳥獣肉)」を扱うキッチンカーの存在です。その名も「ONEderful kitchen(ワンダフルキッチン)」

ここで提供されているのは、なんと北海道十勝・芽室町(めむろちょう)産の新鮮な鹿肉を使用したメニューです。

  • 鹿肉入まぜそば:名古屋名物の「まぜそば」に、北海道のジビエを融合させた野心作。鹿肉は「硬い」「臭い」というイメージがあるかもしれませんが、適切な処理をされたお肉は驚くほど柔らかく、クセがありません。高タンパク・低カロリーなので、実はアスリートやダイエット中の方にも最適な「パワーフード」なのです。
  • 鹿肉餃子:ジューシーな肉汁の中に、鹿肉特有の深い旨味が感じられる一品。ビールとの相性が悪いわけがありません。

競馬場で北海道の恵みを味わえるなんて、贅沢だと思いませんか?「地元密着」を掲げつつ、食材には妥協しないその姿勢に脱帽です。

スパイス香る「カレー戦争」が勃発

野外グルメの王様といえばカレーですが、ここには「とりあえずルーをかけました」というような安易なカレーはありません。専門店顔負けのこだわりカレー店がしのぎを削っています。

例えば、「soraco」が提供するのは「牛すじカレー」。関西や東海地方で愛される牛すじをトロトロになるまで煮込んだ、優しさとコクにあふれる家庭的な味わいが魅力です。

一方で、「カリーガール」は本格派の洋食スタイル。「豚すね肉のカレー」や「赤ワインで煮込んだ牛肉のカレー」など、名前を聞くだけでワインが飲みたくなるようなメニューが並びます。さらに、「ねこのひげ」の「キーマカレー」などもあり、その日の気分に合わせて「カレーのハシゴ」ができるほどの充実ぶりです。

本格ピッツァにブランド餃子!多国籍な食の旅

主食のバリエーションは和食やカレーにとどまりません。

【イタリアン】Pizzeria Cielo(ピッツェリア シエロ)
キッチンカーの中に本格的なピザ窯を搭載していると思われるこのお店。焼きたての「マルゲリータ」はもちろんですが、注目すべきは「八丁味噌ボロネーゼ」です。イタリアのボロネーゼソースに愛知の八丁味噌を隠し味(いや、主役?)として加えた、見事なローカライズ・メニュー。これぞ「名古屋競馬場グルメ」の真骨頂と言えるでしょう。
【中華】餃子神殿 joWin
地元のブランド食材を使った「知多餃子」や「知多梅しそ餃子」を提供。片手で食べられる中華まん「ちたぱおず」もあり、点心好きにはたまりません。
【トルコ】CASTLE KEBAB(キャッスルケバブ)
遠くからでもスパイスの良い香りが漂ってくるケバブ屋さん。回るお肉を削ぎ落として作る「ケバブサンド」は、野菜もお肉もたっぷりで栄養バランスも抜群。豪快にかぶりつきましょう。

YUKINOSUKEの「主食選び」アドバイス これだけ種類があると迷ってしまいますが、私の選び方は「匂い」です。会場を一周して、一番食欲をそそる香りがしたお店に並ぶ。これがハズレを引かない原始的かつ最強の方法ですよ(笑)。

このように、現在の名古屋競馬場では、「今日はどの国の、どの料理を食べようかな?」という宝探しのような楽しみ方ができます。これらは全て日替わり出店ですので、出会えた時が食べる時。一期一会の「ガッツリ飯」で、午後のレースに向けたエネルギーをチャージしてください!

季節限定のフェスやスイーツの魅力

「競馬場のグルメ」と聞いて、モツ煮込みや焼きそばだけを想像しているなら、その認識は少し(いや、だいぶ)古いかもしれません。現在の金シャチけいばNAGOYAは、女性や子供たちが目を輝かせる「スイーツ・パラダイス」へと変貌を遂げています。

特に、約4000㎡もの広さを誇る「イベント広場」を活用した季節ごとのグルメフェスや、キッチンカーが提供する最新のトレンドスイーツは、もはやレースのついでではなく、これを食べるために来場しても損はないレベルです。ここでは、私が現地で思わず写真を撮ってしまった、映えスイーツと季節の味覚について熱く語らせてください。

夏は「お祭り」一色!光るソーダとふわふわ氷

名古屋競馬場の夏は、まさに「フェスティバル」です。毎年恒例となっている「金シャチけいば夏祭り」のシーズンには、広場に盆踊りの櫓(やぐら)が組まれ、縁日気分を楽しめるキッチンカーが大集結します。

この時期の主役は、なんといっても冷たいスイーツ。「Cookty」や「男前kitchen」などが提供する「ふわふわかき氷」は、昔ながらのガリガリした氷とは違い、口に入れた瞬間に淡雪のように溶けてなくなります。炎天下のパドックで馬を見た後に食べるこの一杯は、まさに命の水です。

そして、夕暮れのナイター競馬(ベイサイドナイター)に映えるのが、「電球ソーダ」です。電球型の容器に入ったカラフルなドリンクがピカピカと光る様子は、子供たちに大人気。これを片手に夜のレースを眺めるのが、弥富の夏の風物詩となっています。

秋・冬は「ほっこり」甘い焼き芋の誘惑

風が冷たくなってくると、キッチンカーのラインナップも衣替えします。秋の味覚の代表格といえば、やはり「さつまいも」ですよね。

「あいさいキッチン」などの店舗では、蜜がたっぷりと溢れ出す「焼き芋」や、外はカリッ中はホクホクの「大学芋」が提供されます。最近は「第4次焼き芋ブーム」とも言われており、ねっとり甘い品種(紅はるかやシルクスイートなど)を使った焼き芋は、もはや立派なスイーツです。

また、ユニークなところでは「Cat an Angel」の「肉球冷やし焼き芋」も見逃せません。可愛らしい肉球の焼き印が押されたお芋は、食べるのがもったいないほどのビジュアル。寒い屋外でハフハフしながら食べる温かいスイーツも良いですが、暖房の効いたスタンド内で食べる冷やし焼き芋も乙なものです。

通年楽しめる「映えスイーツ」三銃士

季節に関係なく、いつ行っても楽しめる「ビジュアル最強スイーツ」も充実しています。私が特に推したいのが以下の3つです。

店舗名 おすすめメニュー YUKINOSUKEの推しポイント
M’s STAND フルーツ飴 (りんご・いちご) お祭りの屋台とはレベルが違う専門店。薄くコーティングされた飴のパリパリ感と、ジューシーな果汁のバランスが絶妙。キラキラ輝く見た目は最強の「映え」アイテム。
うさぎ堂 クロッフル 韓国発のトレンドスイーツ。クロワッサン生地をワッフルメーカーで焼いているので、サクサク&もちもちの食感が楽しい。「可愛いうさぎ」のロゴもキュート。
COCO GELATO NAGOYA 本格ジェラート 「贅沢なデザート」を標榜するだけあり、素材の味が濃い!シングルからトリプルまで選べるので、レースに勝った日はトリプルで贅沢にいきたいところ。

他にも、「nicotto」の「黒蜜わらび餅クレープ」や、「クレープショップSARU」のモチモチクレープなど、和洋様々な甘味が揃っています。馬券が外れて少し苦い思いをした時こそ、甘いスイーツで心をリセットしてみてはいかがでしょうか。

※イベント広場の最新スケジュールは、必ず公式サイトで確認してください。 (出典:名古屋競馬場イベント広場 公式サイト

片手で楽しめる軽食と屋台の味

競馬場でのグルメ体験において、切っても切り離せないニーズがあります。それは、「片手がふさがっていても食べられること」です。 左手に競馬新聞や赤ペン、右手にビール…となると、お箸を使ってお弁当を食べるのは至難の業。そんな時に重宝するのが、歩きながらサクッと食べられる「ワンハンドフード」や、小腹を満たす「軽食(スナック)」です。

金シャチけいばNAGOYAでは、この分野も徹底的に強化されており、単なる「つなぎ」の食事とは言わせないクオリティの屋台メシが揃っています。

ビール泥棒の正体!「味噌串カツ」の魔力

愛知県の競馬場に来て、これを食べずに帰ることは許されません。キング・オブ・名古屋スナック、「味噌串カツ」です。

揚げたてのサクサクした衣を、甘辛い味噌ダレにドボンとくぐらせたあの一本。口に入れた瞬間、味噌のコクと豚肉の脂の甘みが爆発し、そこへ冷えたビールを流し込む…。これぞ、競馬場における「至福のルーティン」です。

【YUKINOSUKEの裏技】レストランの「テイクアウト窓口」を狙え! 実は、唯一のレストラン「めしやん」の入口横には、テイクアウト専用の窓口があります。ここでは、店内で食べるよりもお得な価格で串カツやどて煮丼が販売されていることがあります(例:串カツミックスなど)。 キッチンカーだけでなく、この「常設店のテイクアウト」も活用するのが、賢い立ち回りです。

もちろん、キッチンカー勢も負けていません。「日本移動飲食販売舎(本間食堂)」や「南竹屋」では、昔ながらの屋台スタイルで串カツや串焼きを提供しており、ソースの焦げる匂いがファンを誘惑し続けています。

ブランド肉から「はみ出し系」まで!ホットドッグ天国

ワンハンドフードの定番、ホットドッグも、ここでは一味違います。ただソーセージをパンに挟んだだけのものではありません。

  • 明宝ハム(岐阜ブランド):東海地方で絶大な人気を誇る高級ハム「明宝ハム」を使った「明宝ハムドッグ」や「フランクフルト」。肉の密度が高く、噛むほどに旨味が溢れます。
  • NOMU.S kitchen:キャッチコピーは「溢れだしそうなホットドッグ」。その名の通り、パンから具材がこぼれ落ちんばかりのボリューム感が売りで、若者を中心に人気です。
  • food truck Rats 84:こぼれるのが心配な方には「ピタパンサンド」がおすすめ。袋状のパンに具材が詰まっているので、移動しながらでも服を汚さずに食べられます。

進化系唐揚げと「映える」ポテト

ビールのお供といえば、唐揚げとポテトも外せません。しかし、ここでも「専門店クオリティ」が光ります。

「円生」の「すだち唐揚げ」は、柑橘の酸味でさっぱりと食べられるため、揚げ物が重く感じる世代にも大好評。また、「リーディング」の韓国風「ヤンニョムチキン」や、「food truck Rats 84」の「ネギ塩唐揚げ」など、フレーバーの多さも魅力です。

そして、場内を歩いているとよく見かけるのが、長い棒に螺旋状にカットされたジャガイモが刺さった「トルネードポテト」(にじとろキッチン等)。見た目のインパクトが凄まじく、持っているだけでテンションが上がるアイテムです。塩味だけでなく、コンソメやチーズなど味のバリエーションも豊富で、子供から大人まで大人気です。

ジャンル 店舗例 おすすめシーン
串もの めしやん(テイクアウト)、南竹屋 ビール片手にパドックで予想する時。
パン系 明宝ハム、Free Spirit 朝食代わりや、ガッツリ食べたい時。
点心・米 餃子神殿 joWin、FreeKitchen MOGOMOGO 知多牛を使った「ぱおず(包子)」や、専門店のおにぎりなど、和・中気分の時。

これらをいくつか買い込んで、友人とシェアしながらワイワイ観戦するのが、今の名古屋競馬場の最も楽しい過ごし方です。新聞を持つ手はそのままに、空いた片手で最高のグルメを楽しんでください!

進化を続ける名古屋競馬場グルメの総括

ここまで、新生・名古屋競馬場(金シャチけいばNAGOYA)のグルメ事情について、常設レストランの攻略法からキッチンカーの活用術まで、余すところなくご紹介してきました。

最後に、改めてこの場所の「食」がどのように変化し、私たちにどんな新しい体験を提供してくれているのか、その本質をまとめておきたいと思います。

「昭和の食堂街」から「令和のフードパーク」へ

正直に言えば、名古屋市港区(土古)時代を知るオールドファンの皆様にとって、数十軒もの食堂や屋台がひしめき合い、ホルモンの煙が充満していたあの「昭和の食堂街」が姿を消したことは、一抹の寂しさを伴う変化だったかもしれません。「いつもの店の、いつものおばちゃん」がいない。その喪失感は確かに存在します。

しかし、弥富への移転によって私たちが手に入れたものは、それ以上に大きな可能性です。それは、固定化されたメニューではなく、「毎日が新しい食との出会い」であるという、ライブ感あふれるグルメ体験です。

かつての競馬場グルメが「空腹を満たすための燃料」だったとするならば、今の金シャチけいばのグルメは、それ自体が「メインイベント」になり得るエンターテインメントへと昇華しています。本格的なジビエ料理や、専門店顔負けのスイーツが日替わりで楽しめるなんて、一昔前では考えられなかったことです。

「伝統」と「革新」が共存するハイブリッドな空間

私が今の名古屋競馬場グルメを強く推す理由、それは「伝統」と「革新」のバランスが絶妙だからです。

  • 【静】唯一のレストラン「めしやん」:
    ここには、変わらない「きしめん」や「どて煮」があります。名古屋競馬場の魂(ソウル)とも言える伝統の味は、ここでしっかりと守られています。
  • 【動】変幻自在の「キッチンカー軍団」:
    日替わりで現れる彼らは、常に新しい風を吹き込みます。流行の韓国スイーツや、こだわりのクラフトビールなど、その時々のトレンドをキャッチアップし、私たちを飽きさせません。

この二つが共存しているからこそ、「今日は伝統の味で勝負運を高めるか」「まだ見ぬ新しいグルメを開拓するか」という、レース予想にも似た楽しい選択肢が生まれているのです。このハイブリッドな構造こそが、金シャチけいばNAGOYAの食の正体であり、最大の魅力です。

YUKINOSUKEからのラストメッセージ
競馬は時の運。どんなに研究しても、勝つ日もあれば負ける日もあります。
でも、「美味しいグルメ」だけは、決してあなたを裏切りません。
これから遊びに行かれる皆さんは、ぜひお腹をペコペコにして現地へ向かってください。そして、お気に入りのキッチンカーを見つけたり、レストランで至高のきしめんを啜ったりして、レースの収支以上に価値のある「食の完全勝利」を掴み取ってきてくださいね!

それでは、金シャチけいばNAGOYAの青空の下で、皆様が美味しい料理と共に最高の週末を過ごせますように。
最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました!

関連記事リンク

コメント