こんにちは。YUKINOSUKEです。
みなさんは、競馬で勝つために「合成オッズ」という指標を意識したことはあるでしょうか。おそらく、このページに辿り着いたということは、単なる予想だけでは回収率が上がらないことに気づき、より理論的な「オッズの歪み」や「裁定取引」といったアプローチに関心を持っているのではないかなと思います。実は、私たちが普段見ているオッズ画面の裏側には、一般のファンが見落としている「美味しい利益の源泉」が隠されていることがよくあります。計算式やエクセルを使った管理方法、Targetなどのツール活用法、そして異常オッズの検知まで、少し難しそうに感じる部分も含めて、初心者の方にもわかるように噛み砕いて解説していきますね。
- 合成オッズの基本的な計算ロジックと本質的な意味
- エクセルやツールを使って簡単に数値を算出する方法
- 市場の歪みを利用して期待値を底上げする具体的なテクニック
- 異常オッズからインサイダー票や激走馬を見抜く視点
合成オッズの歪みとは?計算式やエクセルでの出し方
まずは、すべての基本となる合成オッズの仕組みと、それを自分で計算するための方法について解説していきます。ここを理解することで、なぜ「歪み」が発生するのかというメカニズムが見えてくるはずです。
合成オッズの計算式をわかりやすく解説
さて、ここからは少しだけ「算数」の時間になります。「うわ、計算とか数字は苦手なんだよな…」と思った方も、どうかページを閉じないでくださいね。ここで解説する内容は、あなたが汗水垂らして稼いだ大切なお金を、無駄な馬券で溶かさないための「最強の防具」になる知識です。
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合成オッズとは、一言で言えば「複数の買い目をセットで買った時に、そのセット全体が実質何倍のオッズなのか」を表す数値のことです。
投資の世界には「ポートフォリオ」という言葉がありますが、まさにそれと同じです。例えば、あなたが「A馬の単勝(4.0倍)」と「B馬の単勝(6.0倍)」の両方を買うとします。これは、個別の馬券を買っているようでいて、実は「A馬またはB馬が勝つ」という1つの大きな馬券(ポートフォリオ)を作っているのと同じことなんです。
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この「作った馬券」のオッズはいったいいくらなのか?それを導き出すのが合成オッズの計算式です。
計算のロジック:オッズを一度「確率」に戻す
合成オッズを理解する上で最も重要な鍵は、「オッズとは確率の逆数である」という視点を持つことです。
通常、私たちはオッズを「当たったら何倍になるか」というリターンの指標として見ています。しかし、これを逆数(1 ÷ オッズ)にすると、市場がその馬の勝利をどれくらい信じているかという「支持率(インプライド・プロバビリティ)」が見えてきます。
オッズと支持率(確率)の関係
- 単勝2.0倍の馬 = 1 ÷ 2.0 = 50%の人が勝つと思っている
- 単勝10.0倍の馬 = 1 ÷ 10.0 = 10%の人が勝つと思っている
※厳密にはここから控除率(JRAの取り分)が引かれていますが、計算の概念としてはこの理解でOKです。
複数の馬券を買うということは、この「当たりそうな確率」を足し合わせていく作業になります。確率の面積を広げれば広げるほど、的中率は上がりますが、その分リターン(オッズ)は下がっていきます。このバランスを数値化したのが合成オッズなのです。
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3ステップで完了!具体的な計算手順
では、実際に計算してみましょう。数学的には「調和平均」という考え方を使いますが、やっていることは単純な四則演算です。
① 単勝 4.0倍
② 単勝 6.0倍
計算ステップ
- 確率への変換(逆数にする)
4.0倍の逆数 ➡ 1 ÷ 4.0 = 0.25(25%)
6.0倍の逆数 ➡ 1 ÷ 6.0 = 0.166…(約16.7%) - 確率の合算(足し算する)
0.25 + 0.167 = 0.417(合計支持率 約41.7%)
※つまり、この2頭を買えば約4割の確率で当たるということです。 - オッズへの復元(もう一度逆数にする)
1 ÷ 0.417 = 2.40倍
これが合成オッズの正体です。つまり、「4.0倍と6.0倍の馬を両方買う」という行為は、数学的には「2.4倍の単勝馬券を1点買う」ことと全く同じ価値(期待値)になります。
この「2.4倍」という数字を見て、「お、意外と美味しいな」と思うか、「リスクの割に安すぎるな」と思うか。その判断ができるようになることが、勝ち組への第一歩です。
「算術平均」との違いに注意!
ここで初心者が陥りやすい罠があります。それは、単純にオッズを足して2で割ってしまう「平均」の考え方です。
先ほどの例で言うと、(4.0 + 6.0) ÷ 2 = 5.0倍。
「平均5倍の馬券を買っている」と勘違いしてしまうと、大怪我をします。実際には2.4倍しかないのですから、資金配分を間違えれば利益は出ません。
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| 買い目 | オッズ | 確率換算(1/Odds) |
|---|---|---|
| 買い目A | 4.0倍 | 0.250 (25.0%) |
| 買い目B | 6.0倍 | 0.167 (16.7%) |
| 合計 | 合成2.4倍 | 0.417 (41.7%) |
「トリガミ」を回避するための防衛線
合成オッズを計算する最大のメリットは、「トリガミ(当たって損)」を事前に察知できることです。
もし、あれもこれもと不安になって買い目を増やしすぎ、計算上の「合計確率」が100%(数値でいうと1.0)を超えてしまったらどうなるでしょうか?
最後のステップで「1 ÷ 1.2」などを計算することになり、合成オッズは1.0倍未満になります。
合成オッズが1.0倍を切っている状態とは、「的中率100%だとしても、確実に元本割れする」という状態です。オッズの歪みを狙うどころか、市場の養分になってしまっています。
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YUKINOSUKEの教訓
「合成オッズを知らない」ということは、スーパーで買い物をするときに、カゴに入れた商品の合計金額を見ずにレジに並ぶようなものです。レジ(レース結果)を通してから「えっ、こんなに安いの(高いの)?」と驚くのはもう終わりにしましょう。
この計算式は、単勝だけでなく、馬連、3連単、ワイドなど、すべての券種で共通して使えます。次項で紹介するエクセルやツールを使えば、この計算を一瞬で行えるようになりますので、まずは「仕組み」として、このロジックを頭の片隅に置いておいてくださいね。
エクセルにコピペできる数式と作り方
合成オッズの計算ロジックは理解できても、実際のレース予想中に電卓を叩いて「1割る4.5足す1割る8.2は…」なんてやっている暇はありませんよね。競馬は締め切り時間との戦いです。特にオッズの歪みが生じるのは、投票が集中してオッズが乱高下する締め切り5分前〜直前です。このゴールデンタイムに冷静な判断を下すためには、数値を入力するだけで瞬時に答えが出る「自分専用の計算ツール」を手元に用意しておくことが最強の武器になります。
そこで今回は、誰でも簡単に作れるエクセル(またはGoogleスプレッドシート)用の計算シートの作り方と、コピペでそのまま使える魔法の数式を伝授します。「関数とか苦手…」という方も安心してください。コピー&ペーストするだけです。
基本となる「SUMPRODUCT関数」の活用
エクセルで合成オッズを算出する場合、一つ一つのセルを割り算して足していくアナログな方法はナンセンスです。買い目が増減するたびに式を修正しなければなりません。そこで活躍するのが、マイクロソフトのエクセルに標準搭載されているSUMPRODUCT(サムプロダクト)関数です。
この関数は本来、配列同士の掛け算の合計を出すものですが、少し工夫することで「逆数の総和」を一発で計算させることができます。
【基本】合成オッズ算出用の数式
例えば、A列の1行目から10行目(A1〜A10)に買いたいオッズを入力するとします。
合成オッズを表示させたいセル(B1など)に、以下の数式をそのままコピペしてください。
=1/SUMPRODUCT(1/A1:A10)
この数式のすごいところは、A1からA10までの範囲にオッズを入力するだけで、瞬時にそれらの合成オッズが算出される点です。買い目が3点なら3つ入力、5点なら5つ入力するだけでOK。範囲内の空白セルは無視して計算してくれる……と言いたいところですが、実はこの数式には一つだけ弱点があります。
空白セルや「0」によるエラーを回避する完全版数式
上記のシンプルな数式だと、範囲内に「空白のセル」や数値の「0」が含まれている場合、エクセルが「ゼロ除算エラー(#DIV/0!)」を吐き出して計算がストップしてしまうことがあります。これでは、レース直前の焦っている時に使い物になりません。
そこで、空白や0が入っていても無視して計算してくれる、より実用的な「完全版」の数式を紹介します。こちらを使っておけば間違いありません。
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【推奨】エラー回避機能付きの数式
同様にA1〜A10にオッズを入力する場合の例です。
=1/SUMPRODUCT(IF(A1:A10<>0,1/A1:A10))
※古いバージョンのExcelを使用している場合は、数式を入力した後に [Ctrl] + + [Enter] を同時に押して「配列数式」として確定させる必要があります(数式が { } で囲まれれば成功です)。最新のExcelやGoogleスプレッドシートならそのままEnterで大丈夫です。
この数式を使えば、例えば「とりあえず10頭分の入力欄を作っておいて、今回は3頭だけ入力しよう」といった場合でも、残りの7つの空白セルを無視して正しく合成オッズを弾き出してくれます。
【実践手順】3分で作れる専用計算シート
では、実際にどのようなシートを作れば良いのか、ステップバイステップで手順を解説します。PCがない方は、スマートフォンの「Googleスプレッドシート」アプリでも全く同じことができますので、ぜひ試してみてください。
| 手順 | 操作内容 | ポイント |
|---|---|---|
| STEP 1 | A列(A2〜A11など)を「オッズ入力欄」として確保する。 | 見やすくするために背景色を黄色などにしておくと便利です。 |
| STEP 2 | B2セルあたりに、先ほどの「完全版数式」をコピペする。 | 文字サイズを大きくして、太字にしておきましょう。 |
| STEP 3 | (応用)C列に馬番や馬名を入れる欄を作る。 | どのオッズがどの馬かわかるようにメモ欄を作るとミスが減ります。 |
これだけで完成です。あとは週末のレースで、TargetやJRAのサイトを見ながら気になるオッズをA列にポチポチと入力していくだけ。「単勝4.5倍と、馬連7.8倍と、ワイド3.2倍(実質6.4倍で入力)を組み合わせたら…合成オッズは1.8倍か。これなら美味しいな!」といった判断が、ものの数秒でできるようになります。
スマホでの活用テクニック
Googleスプレッドシートで作っておけば、競馬場やWINSに行った際もスマホからササッと計算できます。仲間内で「この買い目どう思う?」と聞かれた時に、スマホを取り出して「合成オッズ2.5倍あるから期待値高いよ」なんて答えられたら、一目置かれること間違いなしですね。
なお、関数の詳しい仕様や挙動について、より専門的な情報を確認したい場合は、マイクロソフトの公式サポートページも参照してみてください。配列数式の概念などが詳しく解説されています。
(出典:Microsoft サポート『SUMPRODUCT 関数』)
道具を準備することは、勝利への第一歩です。ぜひこの「コピペ数式」を使って、あなただけの快適な投資環境を整えてみてください。
自分だけの管理シートを作るメリット
このシートを作っておけば、「本命サイドの3点買い」と「穴サイドの手広く10点買い」のどちらがリスクリワード(危険に対する報酬)が良いかを、客観的な数値で比較できるようになります。「なんとなく」の直感で馬券を買うのを卒業し、数字に基づいた投資家視点を持つための第一歩として、ぜひ作成してみてください。
ちなみに、合成オッズの買い方については、私のブログ内の記事合成オッズの買い方で勝つ!資金配分や計算ツールを徹底解説でも詳しく解説しています。「合成オッズの買い方 」をもっと深く知りたい方は、ぜひチェックしてみてください。
Targetでの合成オッズの出し方と表示設定
JRA-VANデータラボを利用している方なら、最強の競馬データベースソフトである「Target Frontier JV」を使わない手はありません。私自身も長年愛用していますが、このソフトには標準機能として、恐ろしいほど強力な「合成オッズ計算・表示機能」が備わっています。
エクセルで自作シートを作るのも勉強になりますが、土日の過密なレーススケジュールの中で、リアルタイムに変動するオッズを追いかけ、瞬時に期待値を判断するには、やはり専用ツールを使うのが最短ルートであり、勝利への必須条件と言えるでしょう。ここでは、単なる表示方法だけでなく、私が実践している「プロ仕様の設定・活用手順」まで踏み込んで解説します。
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Targetでの基本操作と資金配分
使い方は非常にシンプルですが、意外と奥が深く、多くの機能が見落とされがちです。まずは基本となる「買い目を作成して合成オッズを確認し、投票するまで」の流れを完璧にマスターしましょう。
- オッズ画面の起動:
Targetを立ち上げ、出馬表から目的のレースのオッズ画面を開きます(単勝、馬連、3連単など)。 - 買い目モードへの切り替え:
画面上部のツールバーにある「買い目モード」や「投票モード」ボタンをクリックします。すると、マウスカーソルがペンのようなアイコンに変わり、直感的に買い目を選択できる状態になります。 - 買い目のマーク(選択):
買いたい組み合わせをクリックして「マーク(選択状態)」にします。流し買いやボックス買いなど、ボタン一つで一括マークすることも可能です。 - 合成オッズの確認と資金配分:
画面下部、または別ウィンドウで開く「投票パネル」に、選択した買い目の点数とともに、リアルタイムの合成オッズが自動計算されて表示されます。
ここが便利!「資金配分」ボタン
合成オッズが表示されている横にある「資金配分」ボタンを押すと、予算総額を入力するだけで、「均等払い戻し」になるように各買い目へのベット額を自動で割り振ってくれます。この機能を使えば、オッズ差による「ガミ」を一瞬で解消し、すべての的中で利益が出るような美しいポートフォリオが完成します。
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「総流し合成オッズ」で歪みを可視化する
私が最も重宝しており、この機能のためだけにTargetを使っていると言っても過言ではないのが、「総流し画面での合成オッズ一覧表示」です。
特に「3連単の1・2着固定総流し」や「馬単1着固定総流し」の画面を見ることで、市場の歪みが手に取るように分かります。
- 操作方法: 3連単オッズ画面を開き、上部タブから「ランク」や「1・2着固定」などを選択します。
- 見方: 軸馬を決めた状態で、「相手を全通り(総流し)買った場合」の合成オッズが、各馬の横にズラリと表示されます。
この画面の右端にある「合成」という列の数値を見てください。これが「その馬から総流しした時の実質オッズ」です。
例えば、A馬の単勝が3.0倍なのに、A馬からの馬単総流し合成オッズが3.8倍を示していたとします。これは明らかに「単勝が買われすぎ(または馬単が売れてなさすぎ)」という歪みが発生している証拠です。この場合、単勝を買うのは損で、馬単総流しを買うのが正解ということが一瞬で判断できます。
代用馬券への応用と不要な目の削除
さらに一歩進んだテクニックとして、Targetの公式マニュアルでも触れられている「代用馬券(代替馬券)」という考え方を紹介します。
総流しで合成オッズを出した後、明らかに期待値が低い(来る確率に対してオッズが安すぎる)組み合わせが含まれていることがあります。Targetの買い目リストでは、総流しで展開した買い目の中から、特定の目だけを個別に削除(Delete)することが可能です。
回収率向上の裏技
「総流し」で一度ざっくりと網羅し、そこから「これは来ないだろう」という不要な買い目や、「オッズが安すぎて旨味がない」組み合わせを数点削る(トリミングする)のです。
すると、合成オッズはさらに跳ね上がります。自分の予想に合わせてリスクを調整しつつ、合成オッズ(期待リターン)を最大化させる。これがツールを使った「投資競馬」の真髄です。
オッズの自動更新と直前の攻防
合成オッズは生き物です。朝イチのオッズと締め切り5分前のオッズでは、全く別物になっていることが多々あります。
Targetには「オッズの自動更新機能」があり、設定した間隔(例:1分ごと)で最新のオッズを取得し、合成オッズを再計算してくれます。
本気で歪みを狙うなら、締め切り直前までこの画面と睨めっこする精神力が必要です。直前で大口投票が入って単勝オッズが急落した瞬間、逆に連勝式の合成オッズの方が有利になるケースもあれば、その逆もあります。
この「市場の揺らぎ」をリアルタイムで捉えられるかどうかが、プロとアマチュアの分水嶺になると言っても過言ではありません。(出典:JRA-VAN Target frontierJV 使い方マニュアル『総流し合成オッズ』)
期待値や回収率を底上げする資金配分
合成オッズを完璧に計算できたとしても、実際に馬券を買う段階で「いくら賭けるか」を間違えてしまえば、せっかくの苦労も水の泡です。ここで重要になるのが、投資競馬において絶対的な基本となる「資金配分(ダッチング)」という考え方です。合成オッズを絵に描いた餅にせず、現金という果実にするための具体的なベッティング技術を深掘りしていきましょう。
均等買い(フラットベット)の致命的な罠
多くの競馬ファン、特に初心者の方が陥りがちなのが「均等買い」の罠です。例えば、予算が1,000円で買いたい買い目が5点ある場合、何も考えずに「全部200円ずつ」買ってしまってはいないでしょうか。
これをやってしまうと、合成オッズのメリットを完全に殺してしまうことになります。
| 買い方 | 的中時のオッズ | 投資金 | 払い戻し | 収支 | 評価 |
|---|---|---|---|---|---|
| 均等買い (各200円) |
5.0倍(本命) | 1,000円 | 1,000円 | ±0円 | ガミのリスク大 |
| 50.0倍(穴) | 1,000円 | 10,000円 | +9,000円 | 利益の振れ幅が大きい | |
| 均等払い戻し (資金配分) |
5.0倍(本命) | 1,000円 | 約2,500円 | +1,500円 | 確実に利益確保 |
| 50.0倍(穴) | 1,000円 | 約2,500円 | +1,500円 | 安定してプラス |
表を見ていただければ一目瞭然ですね。均等買いの場合、オッズの低い本命が来たときに「当たったのに利益が出ない(あるいはマイナスになる)」というトリガミが発生しやすくなります。逆に穴が来たときは大きな利益になりますが、これでは「どの馬が来ても勝てる」という合成オッズのポートフォリオ効果を得られません。
均等払い戻し(Equal Payout)の導入
そこで私たちが採用すべきなのが「均等払い戻し」という手法です。これは、的中した際に得られる払い戻し金額が、どの買い目であっても一定になるように資金を傾斜配分する方法です。
資金配分の鉄則
- オッズが低い買い目(本命):厚く張る(投資額を増やす)
- オッズが高い買い目(穴):薄く張る(投資額を減らす)
こうすることで、ガミを完全に排除し、どの目が的中しても計算通りの利益(合成オッズ×総投資額)を確保できるようになります。これはギャンブルを「投資」に昇華させるために不可欠なプロセスです。
Target Frontier JVを使った高度な配分テクニック
手計算でこれを行うのは至難の業ですが、Target Frontier JVなどのツールを使えば一瞬で完了します。特にTargetには、単なる均等払い戻し以上に高度な資金配分モードが搭載されているのをご存知でしょうか。
私がよく使うのは、以下の2つのモードの使い分けです。
- 配分モード(An):
これが基本の「均等払い戻し」です。予算を入力すると、すべての買い目の払い戻し額が同じになるように自動調整されます。 - 本線・抑えモード(X):
これがプロ向けの機能です。「本線(Aグループ)」と「抑え(Bグループ)」を分け、「本線が来たらガッツリ利益を出し、抑えが来たら投資金だけ回収する(元返し)」という配分を一発で行ってくれます。
合成オッズを見て「1.2倍しかないから見送ろうかな」と思った時でも、この「本線・抑えモード」を駆使して、本線の比率を高めることで、実質的な期待値を底上げする戦略が可能になります。
学術的にも証明された「裁定取引」の有効性
こうした資金配分によって利益を確定させる手法は、単なる馬券術にとどまらず、経済学の分野でも「裁定取引(アービトラージ)」として研究対象になっています。
実際に、神戸大学大学院の研究(芦谷政浩教授ら)では、日本の公営競技市場において、単勝と他の券種を組み合わせた合成オッズ(研究内では「割安単勝馬券」と表現)を用いた裁定取引が可能であった事例が報告されています。
(出典:科学研究費助成事業データベース『日本の公営競技における裁定機会の研究』)
つまり、私たちがやろうとしていることは、オカルトでもなんでもなく、市場の歪みを突く正当な経済行動なのです。
資金配分時の注意点とリスク管理
最後に、資金配分を行う上で気をつけるべきリスクについても触れておきます。
締め切り直前のオッズ変動(ドロップ)
均等払い戻し計算は、投票した瞬間のオッズに基づいています。しかし、締め切り直前に大口投票が入ってオッズが急落すると、計算が狂い、的中しても想定より利益が減る(最悪の場合はガミる)ことがあります。これを防ぐには、可能な限り締め切りギリギリに投票するか、目標利益率にバッファを持たせておく必要があります。
また、均等払い戻しを徹底すると、オッズの低い本命馬に資金の大部分(例えば総資金の70%など)を投入することになります。「100円の穴馬券を当てるために、数万円を本命に突っ込む」という形になるため、万が一、買った馬が全て来なかった場合(ヌケ)のダメージは均等買いよりも大きくなります。
「合成オッズが〇〇倍以上ならGOサイン」「本命への配分比率が〇〇%を超えたら見送り」といった自分なりのルールを設けて、感情に流されない機械的な運用を心がけましょう。
3連単などの券種別で見る平均と活用
さて、ここからは少し上級編の話になります。単勝や複勝といったシンプルな馬券だけでなく、3連単やWIN5といった「高配当・高難易度」とされる券種において、合成オッズをどう活用すべきかというテーマです。
「3連単は控除率が高いから、投資には向かない」
「WIN5なんて宝くじと同じで、計算するだけ無駄」
そんなふうに考えて、最初から選択肢から外してしまってはいないでしょうか?実は、私自身も昔はそう思っていました。しかし、合成オッズという「レンズ」を通して市場を見ると、これらの券種にこそ、一般の大衆心理が生み出す巨大な「歪み」が放置されていることに気づきます。
ここでは、控除率(テラ銭)という数学的な不利を覆し、あえて3連単などの複雑な券種で勝負すべきタイミングについて、深掘りして解説していきます。
控除率の壁を超える:7.5%のハンデをどう見るか
まず、現実的な数字として「控除率(JRAの取り分)」の違いを直視する必要があります。ご存知の方も多いと思いますが、JRAの払戻率は券種によって異なります。
| 券種 | 払戻率(還元率) | 控除率(テラ銭) |
|---|---|---|
| 単勝・複勝 | 80.00% | 20.00% |
| 枠連・馬連・ワイド | 77.50% | 22.50% |
| 馬単・3連複 | 75.00% | 25.00% |
| 3連単・WIN5 | 72.50% | 27.50% |
(出典:JRA公式サイト『勝馬投票法ごとの払戻率』)
この表を見ると一目瞭然ですが、単勝と3連単では、最初から7.5%ものハンデが存在します。単純な確率論だけで言えば、3連単を多点買いして合成するよりも、単勝を一点買いする方が、長期的には7.5%分多く手元に残る計算になります。
「じゃあ、やっぱり単勝が最強じゃないか」と思いますよね。基本的にはその通りです。しかし、これはあくまで「市場が効率的(適正なオッズ)」である場合の理論値に過ぎません。
注意点:JRAスーパープレミアムなどのキャンペーン
特定のレースや期間によっては、全ての券種の払戻率が80%に引き上げられる(JRAスーパープレミアムなど)ことがあります。こういった時は、3連単の不利が消滅するため、積極的に合成オッズでの勝負を仕掛ける絶好のチャンスとなります。
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逆転現象の発生:なぜ「3連単総流し」が単勝を超えるのか
ここからが本題です。7.5%の控除率差をひっくり返して、「単勝を買うよりも、3連単総流し(合成)を買ったほうが期待値が高い」という逆転現象が起こるのはなぜでしょうか?
その最大の要因は、「大衆の思考の偏り」にあります。
例えば、単勝1.5倍の圧倒的な1番人気馬がいるレースを想像してください。多くのファンは以下のように考えます。
- 「この馬は強いから1着固定で買おう」
- 「相手は人気薄に流して高配当を狙おう」
その結果、1番人気を1着に固定した3連単のオッズは過剰に売れて下がります(期待値が低くなる)。
一方で、「1番人気が2着や3着に負ける組み合わせ」や「1番人気が飛ぶ(4着以下になる)組み合わせ」は、想像したくない心理が働き、過剰に放置される傾向があります。
歪みが発生するメカニズム
人間は「わかりやすいストーリー」にお金を払いたがります。その結果、複雑な条件(例:1番人気が3着に沈み、かつ相手が混戦)のオッズは、適正価格よりも高く(甘く)なりやすいのです。
この時、ターゲットなどのツールを使って「3連単の合成オッズ」を算出してみると、驚くべき現象を目にすることがあります。
単勝オッズが1.5倍なのに、その馬を軸にせず、例えば「BOX買い」や「フォーメーション」で網羅的に買った場合の合成オッズが、控除率の差を考慮してもなお、割安に放置されているケースです。
特に私が注目しているのは、「ヒモ荒れ」を狙った3連単総流しです。
単勝馬券は「1着を当てるだけ」なので、相手が誰であろうと配当は変わりません。しかし、3連単総流しであれば、1着が本命馬でも、2着・3着に超人気薄が突っ込んできた場合、その組み合わせのオッズが跳ね上がっているため、合成した時の期待値が底上げされるのです。
実戦テクニック:ターゲットでの比較と判断基準
では、具体的にどのように判断すれば良いのでしょうか。私が実践しているシンプルな手順を紹介します。
- 基準となる単勝オッズを確認する
(例:A馬の単勝が4.0倍) - 3連単の画面で「A馬1着固定・相手総流し」の合成オッズを出す
Target Frontier JVなどの機能を使えば一瞬で出ます。 - 数値を比較する
通常は、控除率の差があるため「単勝 > 3連単合成」となります。
(例:単勝4.0倍 > 3連単合成3.5倍 → これなら単勝を買うべき) - 逆転を見逃さない
もしここで「単勝4.0倍 < 3連単合成4.5倍」となっていたら、これは市場の歪みです。迷わず3連単を選択します。
また、さらに応用として「3連単1頭軸マルチ(相手総流し)」と「単勝」の比較も有効です。
3連単1頭軸マルチは、軸馬が3着以内に入れば的中するため、実質的には「複勝」と同じ的中条件になります。この合成オッズと、通常の複勝オッズを比較することで、より有利な方を選択できるのです。
Target活用術
Targetの「オッズ・3連単」画面では、各馬の「1着固定総流し」「2着固定総流し」「3着固定総流し」の合成オッズが一覧で表示されます。これを眺めているだけでも、どの馬が過剰人気で、どの馬が妙味があるかが手に取るようにわかりますよ。
まとめ:合成オッズというフィルターを通す
「3連単は難しい」「点数が増えるから嫌だ」と敬遠するのは簡単です。しかし、合成オッズというフィルターを通してみることで、3連単は「単なるギャンブル」から「数値に基づいた投資対象」へと変わります。
券種ごとの平均的な合成オッズの肌感覚を掴み、「おや?このレース、3連単の方がお得じゃないか?」と気づけるようになること。これこそが、中級者から上級者へのステップアップであり、控除率の壁を超えて利益を積み上げるための唯一の道だと言えるでしょう。
合成オッズの歪みの見つけ方や異常オッズの活用法
ここからは、いよいよ実践編です。計算した合成オッズを使って、具体的にどのように「儲かる穴場」を見つけるのか、そのテクニックを紹介します。ここをマスターすれば、あなたの馬券力は格段に向上するはずです。
裁定取引につながる歪みの見つけ方
投資や金融の世界には「裁定取引(アービトラージ)」という言葉があります。少し難しそうな響きですが、簡単に言えば「同じ価値を持つ商品に価格差が生じたとき、割安な方を買って割高な方を売ることで、理論上のリスクを負わずに利ざやを抜く手法」のことです。
「競馬でそんなことができるの?」と思われるかもしれませんが、実はこれに極めて近い現象が日常的に発生しています。私が提唱する「合成オッズの歪み」とは、まさにこの「同一の結果に対する価格(オッズ)の不整合」を指します。
なぜ競馬で「価格差」が生まれるのか?
日本の中央競馬(JRA)などでは、単勝、馬連、3連単といった券種ごとに独立したプール(財布)で配当金を管理しています。ブックメーカー方式とは異なり、各プールは他のプールの売れ行きと数学的に連動していないため、「単勝ではA馬が圧倒的人気(オッズが低い)」でも、「3連単の頭としてはA馬があまり売れていない(オッズが高い)」という現象が起こり得ます。
ここがポイント!
スーパーマーケットで例えるなら、同じメーカーのコーラが、飲料コーナーでは100円、惣菜コーナーでは120円で売られているようなものです。中身(的中条件)は全く同じなのに、売り場(券種)が違うだけで値段が変わる。これを見逃す手はありませんよね。
「単勝」vs「馬単総流し」の黄金比較
最も分かりやすく、かつ頻繁に歪みが発生するのが「単勝」と「馬単1着固定総流し」の比較です。
以下の2つの買い方を見てください。
- 馬Aの「単勝」を買う
- 馬Aを1着固定にした「馬単」を「相手全通り(総流し)」買う
これらはどちらも「馬Aが1着になれば的中」という、全く同じ条件の馬券です。論理的に考えれば、両者のオッズ(単勝オッズと馬単総流しの合成オッズ)は一致するはずです。
しかし、実際には以下のような乖離が頻繁に発生します。
| 買い方 | オッズ(例) | 判定 |
|---|---|---|
| 単勝 | 4.5倍 | 割高(利益が少ない) |
| 馬単総流し(合成) | 5.8倍 | 割安(利益が大きい) |
この場合、単勝を1万円買うと払い戻しは4万5千円ですが、馬単総流しを資金配分して合計1万円買うと、払い戻しは5万8千円になります。同じ「馬Aが勝つ」というリスクを負っているのに、買う市場を変えるだけでリターンが1万3千円も増えるのです。
このように、複数のルートを比較し、常に「最も有利なオッズがついている市場」を選択し続ける行動こそが、競馬における裁定取引の基本であり、勝ち組への最短ルートとなります。
学術的にも証明された「歪み」
「本当にそんなうまい話があるのか?」と疑う方もいるかもしれませんが、日本の公営競技市場において、こうした裁定機会(Arbitrage Opportunity)が統計的に有意に存在することは、経済学の研究でも明らかにされています。
(出典:科学研究費助成事業データベース『日本の公営競技における裁定機会の研究』)
私たちがやるべきことは、Targetなどのツールを使ってこの「歪み」を検知し、淡々と有利な方に資金を投じることだけです。感情や予想の上手下手に関わらず、このプロセスを徹底するだけで、回収率は数%〜数十%の単位で改善していきます。
ワイド総流しと複勝の乖離を利用する
私が最も注目してほしい、そして意外と中級者の方でも見落としがちなのが、「ワイド総流し」と「複勝」の関係性です。ここは「知っている人だけが得をする」というよりも、「知らないと損をし続ける」と言っても過言ではない強力なノウハウですので、ぜひロジックを完全に理解して持ち帰ってください。
「実質2倍」になる驚きのメカニズム
まず、基本的な前提を確認しましょう。ある馬(仮にA馬とします)の「複勝」を買うことと、A馬を軸にして相手を「ワイドで全通りへ流す(総流し)」ことは、的中条件としてはほぼ等価です。
- 複勝:A馬が3着以内に来れば的中。
- ワイド総流し:相手を全通り買っているので、A馬が3着以内に来れば、相手がどの馬であっても必ずどれかの買い目が的中。
「じゃあ、点数が少なくて済む複勝でいいじゃないか」と思いますよね? しかし、ここには決定的な違いがあります。それは「的中する数」です。
ワイド総流しの秘密
レースの3着以内には必ず3頭の馬が入ります。A馬が3着以内に入った場合、残りの椅子は2つありますよね。
ワイド総流しは「相手を全通り」買っているわけですから、その残りの椅子に入った2頭との組み合わせも、必ず手元にあることになります。
つまり、「ワイド総流しは、的中する時は必ず2点的中する(ダブル的中)」というボーナス確定の状態なのです。(※同着の場合を除く)
ちなみに、競馬のワイドの買い方については、私のブログ内の記事競馬ワイドがおいしい本当の理由!最強の買い方と儲かる戦略を解説でも詳しく解説しています。「ワイドの買い方」をもっと深く知りたい方は、ぜひチェックしてみてください。
Targetの表示オッズに騙されるな!
ここで多くの人が陥る罠があります。Target Frontier JVなどのツールで「ワイド総流し」の合成オッズを表示させたとき、パッと見の数値が低く出ることがあるのです。
例えば、以下のようなケースを見てみましょう。
| 券種 | オッズ表示 | 判定 |
|---|---|---|
| 複勝 | 1.5倍 | そのまま1.5倍のリターン |
| ワイド総流し (合成オッズ) |
0.9倍 | 一見すると「0.9倍 < 1.5倍」で損に見える…? |
画面上の合成オッズが「0.9倍」と表示されていると、「当たっても元返し以下(ガミ)じゃないか!」と敬遠してしまいがちです。
しかし、先ほどの「2点的中ルール」を思い出してください。この0.9倍という数値は、あくまで「1つの組み合わせ」に対する資金配分上の期待値に過ぎません。実際には2つの当たり馬券が払い戻されるため、実質的なリターンは「表示数値の2倍」になります。
どうでしょうか。「複勝1.5倍」を買うよりも、「実質1.8倍のワイド総流し」を買う方が、同じリスク(A馬が3着以内に来る)に対して期待値が20%もアップしています。これが、市場に放置されている「歪み」の正体です。
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人気薄を狙う時こそ「総流し」が輝く理由
この手法は、特に人気薄の穴馬を狙う時に絶大な威力を発揮します。
複勝の場合、いくら自分の軸馬が人気薄でも、1着・2着にガチガチの1番人気・2番人気が来てしまうと、配当は安め(下限オッズ寄り)に落ち着いてしまいます。いわゆる「相手が強すぎて配当が跳ねない」現象です。
一方で、ワイド総流しの場合はどうでしょうか。
- 相手その1:1番人気(配当安い)
- 相手その2:12番人気の超大穴(配当爆発)
もし相手に一頭でも人気薄が突っ込んできたら、片方のワイド配当が跳ね上がり、トータルの回収率を一気に押し上げてくれます。複勝は「平均的な配当」しか得られませんが、ワイド総流しは「相手次第でボーナス得点が入る(上振れ期待値がある)」というオプション権を持っているようなものです。
実践のアドバイス
「複勝を買いたい」と思った瞬間、必ずスマホやPCでワイドのオッズを確認してください。
もしツールが使えない状況でも、「ワイドの相手全通りの資金配分」をイメージするだけで、複勝一点買いが本当に正解なのか、疑う視点を持てるようになりますよ。
馬単総流しと単勝を比較する必勝法
「この馬の勝利は堅い。単勝にドカンといこう」
そう思ったとき、あなたはすぐに単勝馬券を買ってしまっていませんか? もしそうなら、知らず知らずのうちに10%〜20%もの利益をドブに捨てている可能性があります。
私が競馬場やWINSで観察していると、多くの人が新聞の単勝オッズだけを見て投票カードを塗りつぶしています。しかし、合成オッズの概念を理解している「勝ち組」の行動は違います。彼らは必ず、「単勝」と「馬単総流し」のどちらがお得かを天秤にかけているのです。
なぜ「馬単総流し」が単勝の代わりになるのか?
まずは理屈を整理しましょう。「馬Aの単勝を買う」ことと、「馬Aを1着に固定して、2着を全通り(総流し)買う」ことは、的中条件において完全にイコールです。どちらも馬Aが勝てば的中となり、2着がどの馬であっても払い戻しを受けられます。
しかし、JRAの払戻率(控除率)設定を見ると、本来は単勝の方が有利なはずです。
払戻率(リターン率)の基本設定
・単勝:80.0%
・馬単:75.0%
(出典:JRA公式サイト『勝馬投票法ごとの払戻率』)
このデータだけ見れば、控除率が5%も低い単勝を買うのが正解に思えますよね? 5%の差は長期的には絶望的な差となります。しかし、ここからが競馬の面白いところです。市場参加者の心理や資金の偏りによって、この「5%の壁」を超えて、「馬単総流しの方がオッズが高くなる(有利になる)」という逆転現象が頻繁に発生するのです。
歪みが生じるメカニズムと狙い目のシチュエーション
では、具体的にどのような時にこの「美味しい歪み」が発生するのでしょうか。私が長年の経験で最も信頼しているパターンは、「圧倒的1番人気馬がいるが、ヒモ(2着)が混戦のレース」です。
市場の歪みが発生する流れ
- 大口投資家の行動:
AIやファンドなどの大口は、リスクを避けるために「単勝」に巨額の資金を投入します。これにより、単勝オッズは適正価格よりも過剰に押し下げられます(例:1.5倍 → 1.2倍)。 - 一般ファンの心理:
「単勝1.2倍じゃ儲からないな…。でもこの馬は勝つだろう。よし、2着に穴馬を入れて『馬単』で高配当を狙おう!」と考えます。 - 投票の分散:
一般ファンの資金は、馬単の「本命→穴」や「本命→中穴」といった組み合わせに分散されます。その結果、馬単プール全体としてはオッズが極端に下がらず、総流しした時の合成オッズが高止まりするのです。
このメカニズムにより、「単勝は1.2倍しかないのに、馬単総流しの合成オッズは1.5倍ある」といった状況が生まれます。同じ「1着当て」なのに、リターンが1.25倍も違う。これを見逃す手はありません。
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具体的なチェック手順とTarget活用法
実際にTarget Frontier JVを使ってこの歪みを検知し、投票するまでの手順を解説します。慣れれば1レースあたり10秒もかかりません。
| 手順 | 操作内容 | チェックポイント |
|---|---|---|
| STEP 1 | 単勝オッズを確認 | 本命馬の単勝オッズを記憶します。(例:1.8倍) |
| STEP 2 | 馬単オッズ画面へ移動 | Targetの「馬単」ボタンをクリックし、買い目モードにします。 |
| STEP 3 | 1着固定総流しを表示 | 本命馬を「1着」欄でクリックし、相手を「総流し」または全通り選択します。 画面下部(または右側)に出る「合成オッズ」を確認します。 |
| STEP 4 | 歪みの判定と投票 | もし 馬単合成オッズ > 単勝オッズ なら、馬単総流しを採用。 資金配分機能を使って「均等払い戻し」で投票します。 |
特に注意してほしいのが、締め切り直前の変動です。単勝は締め切り3分前くらいから大口が入ってガクンと下がることがありますが、馬単は組み合わせが多いため、特定の買い目に大口が入っても全体への影響が単勝ほど急激ではありません。
実践上の注意点
馬単総流しを選択する場合、買い目点数が多くなります(18頭立てなら17点)。点数が多いと、最低購入金額がかさむため、資金が少ない場合は無理に総流しせず、「明らかに可能性のない下位人気数頭」をカットして、期待値をさらに底上げするアレンジも有効です。
「単勝を買おうかな」と思った瞬間、一旦立ち止まって「馬単総流しはどうなっている?」と確認する。この小さなルーティンを組み込むだけで、あなたの回収率は間違いなく向上します。面倒くさがらずに、ぜひ次回のレースから実践してみてくださいね。
ちなみに、馬単については、私のブログ内の記事競馬の馬単はいつから始まった?2002年の導入秘話と最高配当記録を徹底解説でも詳しく解説しています。「馬単」をもっと深く知りたい方は、ぜひチェックしてみてください。
異常オッズの実例からインサイダーを検知
合成オッズを日常的に監視していると、時折、背筋がゾクッとするような「不可解な売れ方」をしている馬に遭遇することがあります。これを専門用語で「異常オッズ」と呼びます。
これは単なる数字の綾や偶然の偏りではありません。そこには、一般のファンが知り得ない情報を握っている誰かの、強烈な「意思」が介在している可能性が極めて高いのです。
では、具体的にどのような状態が「異常」であり、それをどうやって検知して利益に変えるのか。私が実践している具体的なプロファイリング手法を公開します。
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1. 「シンドローム」と呼ばれる乖離現象
最も分かりやすく、かつ信頼度が高いシグナルが「単勝オッズと合成オッズの乖離(シンドローム)」です。
通常、馬券の売れ方は比例します。単勝で人気がない馬は、馬連や3連複でも人気がないのが普通です。しかし、インサイダー票(確信票)が入ると、このバランスが崩れます。
【典型的な異常パターン】
ある穴馬Xがいるとします。
- 単勝オッズ: 50.0倍(12番人気)→ 全く売れていない
- 3連複の軸としての合成オッズ: 15.0倍相当(5番人気)→ 猛烈に売れている
なぜこのようなことが起きるのでしょうか?
それは、情報を握っている大口投票者が「オッズを破壊したくない」と考えているからです。
単勝のプール(市場規模)は比較的小さいため、そこに数百万円単位のお金を入れると、オッズが50倍から5倍へと一気に急落してしまいます。これでは妙味がなくなりますし、他のファンに「この馬は怪しい」と気づかれてしまいます。
そこで彼らは、プールが巨大でオッズ変動が吸収されやすい「3連単」や「3連複」、あるいは「馬連」などに資金を分散させて投票します。その結果、「単勝は人気薄のままなのに、合成オッズだけが異常に高い支持を集めている」というねじれ現象が発生するのです。
2. 「断層」と「ランク差」で見抜くテクニック
Target Frontier JVなどのツールを使っている場合、この異常を数値で可視化することができます。私が特に重視しているのが「ランク差(順位差)」です。
| 馬番 | 馬名 | 単勝人気 | 連系総合人気 | 判定 |
|---|---|---|---|---|
| 05 | アーモンドアイ | 1位 | 1位 | 正常 |
| 08 | コントレイル | 2位 | 2位 | 正常 |
| 12 | 穴馬ダークホース | 10位 | 4位 | ★超異常(買い) |
| 03 | 危険な人気馬 | 3位 | 8位 | 危険(消し) |
表の「穴馬ダークホース」を見てください。単勝では10番人気と誰も見向きもしていませんが、連勝式の合成オッズ(総合人気)では4番目に支持されています。
これは、「単勝を買うライト層にはバレていないが、多点買いをするヘビー層やプロ筋はこの馬を軸にしている」という決定的な証拠です。
この「単勝ランク - 総合ランク = 5以上」のような大きなプラス乖離を見つけた時、それは迷わず「買い」のサインとなります。
3. 締め切り直前の「魔の5分間」を監視せよ
異常オッズ検知において、もう一つ重要な要素が「時間帯」です。
昔(30年ほど前)は、朝一番に異常投票が入る「朝一オッズ」が主流でした。しかし、現代のインサイダーやAI投資家はもっと巧妙です。彼らが動くのは、票数が積み上がり、自分の投票が目立ちにくくなる「締め切り5分前〜3分前」です。
注意点:直前すぎる投票にはついていけない
締め切り1分前を切ってからの投票は、一般の私たちが追随して馬券を買うのが物理的に間に合わないため、狙うべきは「5分前〜3分前」の動きです。
Targetの「時系列オッズ分析機能」を使うと、この時間帯にグラフが垂直落下するようにオッズが下がる馬を見つけることができます。
「ずっと単勝30倍で推移していたのに、締め切り4分前に突然100万円単位の投票があり、18倍まで落ちた。しかし他の馬券種ではもっと売れている」といった動きがあれば、それは間違いなく確信票です。
異常オッズは、競馬という巨大な市場において、賢いお金(スマートマネー)が残した「足跡」です。新聞の印や厩舎コメントは嘘をつくことがありますが、投じられたお金(オッズ)だけは嘘をつきません。
この「足跡」を合成オッズというレンズを通して見つけることこそが、私たちがインサイダーの利益におこぼれをもらう唯一にして最強の方法なのです。
攻略におすすめの本やツールを紹介
最後に、合成オッズの歪みや裁定取引といった理論を、より深く、そして効率的に実践していくために私が愛用しているツールやおすすめのリソースを紹介します。「データ競馬は道具で決まる」と言っても過言ではありません。独学でエクセルを叩くのも素晴らしいことですが、先人が開発した強力な武器(ツール)や知恵(書籍・論文)を借りることで、あなたの「時給」は劇的に向上します。
必須ツール:Target Frontier JV
ここまで何度も名前を出していますが、本気で合成オッズや歪みを攻略したいのであれば、「Target Frontier JV」の導入は避けて通れない道だと断言できます。私自身、このソフトに出会う前と後では、競馬に対する解像度がガラリと変わりました。
Targetで見るべき「歪み検知」機能
- 合成オッズ画面(Shift+F9等): ワンクリックで単勝、馬連、3連単などの合成オッズを一括表示できます。「総流し」の損益分岐点も瞬時に可視化されるため、電卓を叩く必要は一切ありません。
- 時系列オッズ(JRA-VANデータ): これが最も重要です。「いつ、どの馬に、どれくらいの異常投票が入ったか」を分単位で追跡できます。締め切り5分前の「歪み」の発生瞬間を捉えるには、この機能が必須です。
- 参考ランキング: オッズの断層や得票率の乖離をランキング形式で表示し、パッと見で「売れすぎている馬(危険な人気馬)」や「売れてなさすぎる馬(美味しい穴馬)」を発見できます。
利用するにはJRA-VAN Data Lab.(月額2,090円税込)への加入が必要ですが、土日の投資金額を考えれば、情報の精度を上げるための経費として十分にペイします。「プロと同じ土俵に立つための入場料」と考えれば安いものです。
書籍での学習と学術的裏付け
書籍に関しては、単なる予想本ではなく「オッズ理論」や「馬券の構造」そのものを解説している本を選ぶのがポイントです。Amazonなどで「オッズ 歪み」「裁定取引 競馬」といったキーワードで検索し、評価が高い書籍を片っ端から読んでみることをおすすめします。特に、馬の能力(タイムや血統)ではなく、「大衆心理のバイアス」や「投票行動の偏り」に言及している本は、長く使える知識となります。
また、少し難易度は高いですが、競馬市場の歪みは経済学のアカデミックな分野でも研究対象となっています。実は、「日本の競馬市場において、合成オッズを用いた裁定取引(確実に利益が出る状態)が可能である」ということは、大学の研究論文でも証明されている事実なのです。
オッズの歪みは「科学」です
例えば、神戸大学の芦谷教授による研究では、単勝オッズと他券種の合成オッズの乖離を利用した「リスクフリーな裁定機会」が、地方競馬や中央競馬において実際に観測された事例が報告されています。これは、私たちが狙っている「歪み」が、単なるオカルトではなく、経済学的に裏付けられた現象であることを示しています。
(出典:神戸大学大学院 経済学研究科 芦谷政浩教授『日本の公営競技における裁定機会の研究』)
こうした一次情報に触れることで、「本当にこの手法で勝てるのか?」という迷いが消え、自信を持って歪みを狙い撃ちできるようになります。
無料のリソースとExcelの活用
「いきなり有料ツールはちょっと…」という方は、JRA-VAN Data Lab.の会員であれば無料で使えるフリーソフトを試してみるのも手です。Target以外にも、ニッチな要望に応える優秀なソフトがたくさん公開されています。
| ソフト名 | 特徴・活用法 |
|---|---|
| どっちがお得? | 「馬連vs馬単」「3連複vs3連単」など、類似する券種のオッズを一画面で比較し、合成オッズが高い(お得な)方を教えてくれる特化型ツール。シンプルで初心者におすすめ。 |
| オッズ期待値アナライザー | 各馬の勝率を設定するだけで、リアルタイムオッズから期待値の高い買い目を自動算出し、資金配分まで行ってくれる支援ソフト。 |
| 時系列オッズViewer2 | その名の通り、時系列オッズの分析に特化したソフト。Targetの機能の一部を切り出したようなイメージで、異常投票の監視に役立ちます。 |
また、最も身近なツールである「Excel」も侮れません。前述したSUMPRODUCT関数などを使って自分だけの「歪み発見シート」を作り込むのも楽しいものです。手間はかかりますが、その「手間」こそが、面倒くさがりな一般ファンとの差別化(エッジ)になります。
まずはExcelで基礎を理解し、手作業の限界を感じたらTargetなどの高機能ツールへ移行する。このステップアップが、無理なく「歪み攻略」をマスターする最短ルートかなと思います。
合成オッズの歪みを活用して勝つまとめ
今回は「合成オッズの歪み」という、少しマニアックながらも極めて強力なテーマについて、計算方法からTarget Frontier JVを使った実践的な攻略法まで徹底的に解説してきました。かなりの長文になりましたが、最後までお付き合いいただき、本当にありがとうございます。
最後に、これまでの内容を総括しつつ、あなたが今週末の競馬で「勝ち組」へと変わるためのロードマップをお渡しして締めくくりたいと思います。
【この記事の最重要ポイント】
- 予想ではなく「採算」で買う:
「どの馬が来るか」よりも「どの券種が最も割安か(歪んでいるか)」を探す視点を持つこと。 - 合成オッズは武器であり防具:
利益の最大化(攻め)だけでなく、無駄なトリガミや期待値の低い馬券を回避する(守り)ためにも必須の指標。 - 市場のミス(歪み)は必ず存在する:
人間が感情で馬券を買う限り、オッズには必ず「歪み」が生じます。私たちはそこを冷静に突くだけです。
競馬は、主催者に支払う手数料(控除率)というハンデを背負ったゲームです。普通に予想して普通に買っていては、長期的には必ずマイナスに収束します。しかし、今回学んだ「単勝ではなく馬単総流しを買う」「複勝の代わりにワイド総流し(実質2倍)を検討する」といった微差を積み重ねることで、この控除率の壁を越えることが可能になります。
「たかが数%の違いでしょ?」と思うかもしれません。しかし、投資の世界において数%の利回りの差は、複利で考えると天と地ほどの差になります。100回、1000回と試行回数を重ねたとき、合成オッズを意識した人とそうでない人の収支には、埋めがたい差がついているはずです。
明日から実践できる「歪み検知」ルーティン
知識は使わなければ意味がありません。ぜひ、次のレースから以下の手順をルーティンに取り入れてみてください。
| 手順 | アクション | 狙い目 |
|---|---|---|
| Step 1 | 本命馬を決める | まずは通常通り、軸にしたい馬を選定します。 |
| Step 2 | オッズを横断比較する | 単勝オッズを確認した後、Target等で「馬単総流し」「ワイド総流し」の合成オッズを表示させます。 |
| Step 3 | 歪みの判定 | 「単勝 < 馬単総流し」や「複勝 < ワイド総流し(×2)」の逆転現象が起きていないかチェックします。 |
| Step 4 | 投票実行 | より期待値が高い方の券種を選択し、資金配分(均等払い戻し)を行って投票します。 |
最初は計算やツール操作が面倒に感じるかもしれません。「ええい、面倒だ!そのまま買ってしまえ!」という悪魔の囁きが聞こえることもあるでしょう。しかし、そこをグッと堪えて冷静に数字と向き合えるかどうかが、ギャンブラーと投資家を分かつ分水嶺です。
市場の歪みを見つけた時の感覚は、スーパーの高級肉コーナーで、品質は変わらないのに半額シールが貼られた特選和牛を見つけた時の喜びに似ています。みんなが定価(正規のオッズ)で買っている横で、私たちだけがこっそりと割引価格(有利な合成オッズ)で同じ商品を手に入れる。これこそが「合成オッズの歪み」を攻略する醍醐味です。
このページを閉じた瞬間から、あなたの見るオッズ画面は、単なる数字の羅列ではなく「宝の地図」に見えているはずです。ぜひ自信を持って、数字の裏側にある利益を拾いにいってください。
あなたの週末の競馬ライフが、理論と戦略に裏打ちされた素晴らしいものになることを心から願っています。それでは、良い競馬ライフを!
- YUKINOSUKE














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