こんにちは、YUKINOSUKEです。
競馬を見ていると、「また友道厩舎か…」と思うこと、多くないですか?
特にG1、それも日本ダービーやオークスといった「クラシック」の舞台になると、友道厩舎の名前を聞かない日がないくらい、本当に凄い存在感ですよね。ドウデュースやジャスティンミラノといったスターホースたちを次々と送り出してくるのを見て、「一体、なんでこの厩舎はこんなに強いんだろう?」と、その特徴が気になって検索した方も多いんじゃないかなと思います。
この疑問、競馬ファンなら誰しも一度は持つ悩みだと私は思います。
私自身、POG(ペーパーオーナーゲーム)で2歳馬を選ぶとき、友道厩舎の良血馬は魅力的だけど、「仕上がりは早いのかな?」「クラシックまでじっくり育てるタイプだから、POG向きじゃないかも…」と、毎年頭を悩ませています。
馬券検討となると、さらに悩みは深くなります。友道厩舎の馬が人気になっているけど、「これ、休み明け(鉄砲)初戦だけど信頼していいの?」「それともG1直行ローテの叩き台で、本番は次なの?」という見極めは本当に難しいです。データを見てみると、ダートの成績は驚くほど少なく、「ダートに出てきたら即消しでいいのか?」という疑問も湧きますし、逆に芝の特定の距離、例えば阪神芝2000mとかでは圧倒的な強さを見せていたりします。
さらに、「勝負ジョッキー」は誰なのか。レジェンド武豊騎手や川田将雅騎手が騎乗するときの相性はどうなのか。そして、金子真人さんやキーファーズといった超大物馬主さんたちとの関係性まで…。知れば知るほど、「友道厩舎」という存在が奥深く、一筋縄ではいかないことに気づかされます。ドウデュースの凱旋門賞への挑戦のように、海外戦略も含めて、その動向は常に注目ですよね。
この記事では、そんな「友道厩舎の特徴」に関するあらゆる疑問に答えるため、単なるデータ分析だけじゃなく、友道調教師が持つ「獣医師出身」という異色の経歴や、「馬本位」と評される育成哲学、そのルーツにある名門・松田国英厩舎での経験といった「背景」にまで踏み込みながら、私が気になったポイントを分かりやすくまとめていきますね。
- 友道調教師の「馬本位」な育成哲学の原点
- データで見る「芝特化」「ダート専門外」の真実
- 「休み明け(鉄砲)」と「G1直行」の正しい狙い方
- 武豊騎手や川田騎手などトップ騎手との相性分析
友道厩舎の哲学的な特徴と背景
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さて、友道厩舎の強さを分析するとき、私たちはつい「勝率」や「得意な距離」といったデータばかりに目が行きがちですよね。ですが、数字だけでは見えてこない、友道厩舎の「本当の強さ」の秘密は、友道康夫調教師ご自身の『哲学』の部分にあると、私は強く感じています。
このセクションでは、データ分析に入る前に、その根幹となる部分を深掘りしてみたいと思います。友道厩舎の哲学を形作っているのは、大きく分けて2つの柱があるんです。
一つは、友道調教師が「獣医師出身」という、他の調教師とは一線を画す異色の経歴。これが、メディアでもよく語られる「馬本位」という育成思想の根幹になっています。そしてもう一つが、若き日にキングカメハメハなどを育てた名伯楽・松田国英厩舎で学んだ「近代的な管理術」です。
ここでは、これら2つの背景がどのように融合し、G1、特にクラシックという大舞台で結果を出し続ける という、現在の「友道厩舎スタイル」が確立されたのか。続くセクションで見る「データ」の裏側にある、その本質的な理由を解き明かしていきますね。この背景を知ると、なぜ友道厩舎が特定の条件でこれほどまでに強いのかが、きっと腑に落ちるはずです。
獣医師出身の「馬本位」な哲学
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友道厩舎の数々の特徴を分析していくうえで、私があらゆる強さの「源泉」であり、全ての戦略の「核」になっていると確信しているのが、友道康夫調教師ご自身のユニークな経歴です。
ご存知の方も多いかもしれませんが、友道先生はなんと、大阪府立大学の獣医学科を卒業されています 。さらに学生時代は馬術部にも所属されていたそうで 、これは元騎手や元厩務員といった、いわば「職人肌」の現場感覚でキャリアをスタートさせた多くの調教師とは、馬へのアプローチが根本的に異なる可能性を感じさせます。
この獣医学の専門知識こそが、友道厩舎の代名詞ともいえる「馬本位(うまほんい)」という基本哲学 に、ほかならないんですね。
馬を単なる「競走の道具」や「鍛錬の対象」として見るだけでなく、まずは「生物学的・生理学的なシステム」として科学的に深く理解している。この視点が、厩舎運営のあらゆる場面、例えば日々の調教、飼料(カイバ)の管理、レースの選択、そして休養のタイミングまで、すべてに反映されているんだと思います。
例えば、目先の新馬戦や未勝利戦をなんとしてでも勝つために、まだ心身ともに成長途上の2歳馬に無理をさせる…という発想が、友道先生の中にはおそらく無いんでしょうね。それよりも、馬の骨格や筋肉、内臓がしっかりと成長しきるのを待つ。馬の健康状態を最優先し、決してオーバートレーニングにならないよう科学的に管理する。
こうした「馬の成長曲線を絶対に妨げない」という強い意志、非常に長期的な視点こそが、友道厩舎の最大の強みです。
そして、このアプローチが最も輝く舞台こそが、3歳馬が一生に一度しか挑戦できない「クラシック」なんです。
特に日本ダービー やオークス といった2400mのレースは、若駒のスピードだけでなく、スタミナ、そして春までの「成長力」が問われる究極の舞台です。友道厩C舎の「馬本位」の育成哲学は、まさにこの大舞台で馬のポテンシャルを100%開花させるために、最適化されているんだなと、私は思います。
松田国英厩舎で学んだ管理術
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友道調教師の「馬本位」という哲学が、獣医学という「理論」の柱だとすれば、もう一方の「実践」の柱を形作ったのが、調教助手時代の経験です。
友道調教師は、2001年にご自身の厩舎を開業する前 、栗東の浅見国一厩舎を経て、あのキングカメハメhaなどを育てた「名伯楽」として知られる松田国英(まつだくにひで)調教師のもとで、調教助手としてキャリアを積まれています 。
この松田厩舎での経験が、現在の友道厩舎の「システム」に、めちゃくちゃ大きな影響を与えているみたいなんです。
松田国英厩舎の「カイバ管理術」
有名な話ですが、松田厩舎ではカイバ(飼料)の管理が非常に徹底されていたそうです。昔ながらの厩舎のように、個々の厩務員さんが「自分の担当馬だから」と経験や勘に基づいてカイバを作るのではなく、特定の担当者が全頭分のカイバを系統的に作っていたとされます 。
そして驚くことに、友道先生も、調教助手時代にこのカイバ作りを担当していた時期があるそうなんです 。
これ、すごく重要なことだと私は思います。
馬のコンディションを左右する最も重要な変数の一つである「食事」を、個人の感覚や”職人芸”に任せるのではなく、科学的かつ集中的に管理する。この近代的なアプローチを、G1を勝つための「システム」として、友道先生は現場のど真ん中で学んだわけです。
つまり、こういうことかなと思います。
- 【獣医学の知識】馬の体内で何が必要かを「理論」で知っている。
- 【松田厩舎での実践】それを厩舎全体で「どう管理・実行すれば勝てるか」をシステムとして学んだ。
この2つが完璧に融合した結果、馬の成長をじっくりと見極め、最大の目標(=クラシック)から逆算して馬を仕上げていく独自の管理体制、一部では「教育能力」とまで評される、現在の「友道流」が築き上げられたんですね。ただ馬を鍛えるだけでなく、”育てる”という感覚が強いのは、この経験に裏打ちされているんだなと感じます。
検索注意点:哲学者の友道氏とは
ここで一つ、面白い豆知識というか、検索する上でめちゃくちゃ重要な「注意点」をお伝えしておきますね!
もしあなたがGoogleなどで「友道康夫」とそのまま検索すると、結構な確率で「あれ?」と思う情報が混じって出てくるはずです。
何を隠そう、JRA調教師の友道先生とは別に、同姓同名(旧姓)の著名な方がいらっしゃるんです。
その方とは、京都大学の教員である出口康夫(でぐち やすお)氏(旧姓:友道) 。この方は、私たちの知る競馬の世界とは全く異なり、「科学哲学」や「統計学の哲学」といった分野を専門とする、学術的な「哲学者」の先生なんです 。
これ、ちょっと面白い偶然ですよね。私たちはJRA調教師の友道先生の「育成哲学」や「馬本位という哲学」 を知りたくて検索しているのに、検索結果には本物の「哲学者」の先生が混じってくる(笑)。
ですので、情報を探すときは「友道康夫 JRA」や「友道厩舎」といったキーワードを組み合わせるのがオススメです。もちろん、この記事で取り上げているのは、栗東トレーニングセンターに所属し、ドウデュースやジャスティンミラノを育てた「調教師」の友道康夫先生 のことですので、お間違えなく!
2歳馬の育て方と外厩の活用
友道厩舎の「馬本位」な育て方 は、POG(ペーパーオーナーゲーム)ファンが最も注目する「2歳馬」のローテーションや育成方針にも、非常に色濃く表れていると私は思います。
まず前提として、友道厩舎には金子真人さん 、キーファーズ 、佐々木主浩さん といった、G1、特にクラシック制覇を目標とするトップオーナーたちから、超良血馬(高額馬)が毎年のように預けられます。ですから、POGのドラフトリストでは、友道厩舎の2歳馬は常に上位人気になる、いわば「花形」ですよね。
ただ、POGで指名する際には、この厩舎の特性を理解しておかないと「思ったようにポイントが稼げない…」という事態になりかねないんです。
なぜなら、友道厩舎の最大の目標は、POG期間中のポイント稼ぎではなく、あくまでその先にある「3歳クラシック(日本ダービー やオークス )での勝利」だからです。
クラシックを見据えた「無理をさせない」育成
獣医師出身の友道先生 は、馬の成長曲線を何よりも優先します。そのため、2歳の夏(函館・札幌)や秋口からガンガンレースを使って早期に賞金を稼ぐ、という「POG的な効率」を追求するスタイルとは一線を画します。
「早熟なスプリンター」や「2歳ダート王者」を目指すようなローテーションは、基本的に組まれません。実際、ある2歳馬の分析記事では、血統的にダートが向きそうな馬について、「このカテゴリーは友道厩舎の得意分野とは真逆」「POG向きのタイプではない」とハッキリ分析されているほどです 。
あくまで馬の成長を第一に、将来の中長距離路線 を見据え、じっくりとステップアップさせていく。これが友道厩舎の2歳馬育成の基本スタンスなんですね。</p
「外厩」とのシームレスな連携システム
この「馬本位」のゆったりした育成ローテーションを、現代競馬のビジネスとして強力に支えているのが、皆さんご存知の「外厩(がいきゅう)」システムです。
特に、友道厩舎は「ノーザンファームしがらき」 との連携が非常に緊密であることで知られています。
「外厩」の役割とは?
現代競馬において外厩は、単なる「放牧地」や「リフレッシュ場所」ではありません。トレセン(厩舎)と同等、あるいはそれ以上の調教施設と専門スタッフが揃った「第二の厩舎」と呼べる場所です。
レースが終わると馬は外厩へ移動し、そこで心身の疲れを癒しつつ、専門のスタッフによって入念に乗り込まれ、次のレースに向けた「土台作り」が行われます。
そして、本番のレースの数週間前に栗東トレセン(厩舎)に戻り、友道厩舎でレースに向けた「最終的な仕上げ」が行われる、という流れが確立されています。
この外厩とのシームレスな連携があるからこそ、レース間隔をしっかり空けることが可能になります。近年主流となっている、前哨戦を使わずにG1へ向かう「G1直行」ローテーション も、このシステムが完璧に機能しているからこそ実現できるんですね。
POGで友道厩舎の馬を指名するということは、2歳の夏に早々と稼ぎ出すことを期待するのではなく、3歳の春に最高の舞台で花開くことを信じて待つ、ある種の「長期投資」の覚悟が必要なのかもしれません。
データで見る友道厩舎の特徴と狙い方
さて、お待たせしました!ここからはお待ちかねの「データ」分析のセクションです。
前のセクションで深掘りした友道厩舎の「馬本位」という哲学や、「クラシック(中長距離) を獲る」という明確な目標設定。これらは決して精神論やスローガンではなく、実際のレース成績に、それも「え、こんなに極端なの!?」と驚くほどの明確な「数字」として表れているんです。
例えば、なぜ友道厩舎が「阪神・芝2000m」という特定の条件で、勝率19.6%・複勝率44.4% という”鬼”のような数字を叩き出せるのか。
そして逆に、なぜあれだけの馬が揃っているトップ厩舎が、キャリア通算で「ダート」のレースにたったの16回 しか出走していないのか。
このセクションでは、友道厩舎の得意な条件、不得意な条件をデータで徹底的に解剖し、その「選択と集中」の戦略を明らかにしていきます。馬券を買う上で、この極端な特徴を知っておかないと、本当に損かもしれませんよ!
芝2000mと中長距離への特化
- YUKINOSUKE
友道厩舎の「買い」パターンは、もうこれ以上ないほどハッキリしています。それは疑いようもなく、日本の競馬における「芝の王道、中長距離」です 。
この厩舎の哲学(馬本位 ・クラシック目標 )が、最も純粋なデータとして表れているのが、特定のコース条件での成績です。
「阪神・芝2000m」の鬼
特に、G1大阪杯の舞台でもある「阪神・芝2000m」の成績は、他のトップ厩舎と比べても「驚異的」という言葉しか見つかりません。あるデータ分析によれば、この条件での勝利数は「断然トップ」とされています 。
その具体的なデータが、まさに”異常値”とも言える凄まじい内容なんです。
友道厩舎 阪神・芝2000m 成績(※データ集計期間による)
| 出走回数 | 1着 | 2着 | 3着 | 勝率 | 連対率 | 複勝率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 378回 | 74回 | 49回 | 45回 | 19.6% | 32.5% | 44.4% |
これがどれだけ凄いことかと言うと、友道厩舎のキャリア全体での勝率が14.7%、複勝率が35.9% なのを考えると、この「阪神・芝2000m」という特定の条件だけで、勝率は約1.3倍、複勝率(3着以内に入る確率)は44.4%と、異常なまでに数字が跳ね上がっていることがわかります。
馬券を買う側としては、この条件に出てきた友道厩舎の馬は、まず逆らえないですよね…。芝2000mは、皐月賞、天皇賞(秋)、大阪杯 など、日本の「王道」G1レースの根幹を成す距離。この距離を完全にマスターしていることが、友道厩舎が「G1ハンター」 であることの証です。
本領発揮は2400m以上の「クラシック」
そして、この芝2000mでの強さは、あくまでも「布石」に過ぎません。
友道厩舎の哲学と「教育能力」 が真に本領を発揮するのは、スタミナと、馬をじっくりと育てる育成力が何よりも問われる2400m以上の「中長距離」レース です。
まさに「ダービー専門家」
友道厩舎の独壇場と言えるのが、競馬の祭典「日本ダービー(2400m)」です。
- ワグネリアン(2018年)
- ドウデュース(2022年)
- ジャスティンミラノ(2024年)
- (その他、マカヒキを含む)
これら現役最多となるダービー4勝 という金字塔は、友道厩舎の育成哲学が、日本のホースマンが最も憧れるレースに完璧に最適化されていることの、何よりの証明です。
もちろん、ダービーだけではありません。牝馬クラシックの「オークス(2400m)」も、2025年(架空の年)にカムニャック号で初勝利 を挙げていますし、「菊花賞(3000m)」もサトノグランツでの挑戦 を筆頭に、積極的に長距離G1をターゲットにしています。
このデータからわかることは、友道厩舎が「中長距離を勝つため」 に、自らの哲学(馬本位・獣医学) に基づいて意図的に馬を育て、その結果として「芝2000m〜2400m」という特定のフィールドで圧倒的な成績を残している、という事実ですね。
ダートの成績はなぜ低いのか
- YUKINOSUKE
さて、前のセクションで「芝の王道、中長距離」、特に「阪神・芝2000m」 での驚異的な強さを見てきました。では、その対極にある「ダート(砂)のレース」についてはどうなのでしょうか?
結論から言うと、これは「ハッキリ言って専門外」、いや、それ以上の言葉が当てはまるかもしれません。
これは「苦手」とか「成績が伸び悩んでいる」というレベルの話では全くありません。netkeibaのデータベース によると、友道厩舎のキャリア通算(平地)での出走回数は、芝が5,427回。それに対し、ダートは……わずか16回(!) しか出走していないんです。
5,427回(芝) vs 16回(ダート)
この数字のアンバランスさは、もはや「好み」や「適性」の範疇を超えています。これは、友道厩舎が厩舎の明確な「方針」として、ダートレースを戦略的に「選択していない」ことの何よりの証拠です。
では、なぜこれほどまでにダートを使わないのでしょうか?
これは、これまで見てきた友道厩舎の哲学に直結していると私は思います。
- 厩舎のミッションとの不一致:友道厩舎のミッションは、獣医学 に基づく「馬本位」 な育成で、3歳クラシック(日本ダービー やオークス )という「芝の中長距離」の頂点を獲ることです。ダートでのキャリア形成は、このミッションとは根本的に異なります。
- 預かる馬の血統的背景:金子真人氏 やキーファーズ といったトップオーナーから預かる馬は、当然ながら芝のクラシックを勝つための良血馬が中心です。血統的にダートが主戦場となりそうな馬が、そもそも入厩してくるケースが極めて少ないと考えられます。
- 育成システムの最適化:ある2歳馬の分析記事 では、血統的にダートが向きそうな馬が入厩した際、「このカテゴリーは友道厩舎の得意分野とは真逆です」「POG向きのタイプではない」とハッキリ断言されています。これは、厩舎の育成システム自体が、芝の中長距離でこそ最大の効果を発揮するように最適化されていることの裏返しでしょう。
馬券戦略上の結論
ここまで来ると、馬券戦略上の結論は明白です。
友道厩舎の馬が、仮に(特に中央競馬の)ダートレースに出てきたら、それは「よほどの理由がある(例:海外遠征の叩き台など)」か「明らかに専門外のフィールドでの”お試し”」である可能性が極めて高いです。
データ母数が少なすぎて(16走 )、傾向を分析するレベルにも達していません。厩舎が戦略的に選んでいないフィールドで、あえて人気馬を追いかける必要は全くない、というのが私の結論です。原則として「消し」で考えるのが妥当かなと思います。
休み明け(鉄砲)の成績と調教
さて、馬券ファンが「友道厩舎 特徴」と検索するとき、おそらく最も頭を悩ませるキーワードの一つが、「友道厩舎 鉄砲」(=休み明け初戦)の成績だと思います。
トップ厩舎で良血馬も多いので、休み明けから人気になることも多いですよね。でも、「これ、本当に勝負気配なのかな?」「それともG1に向けた”叩き台”なんじゃ…?」と、迷う場面がめちゃくちゃ多い厩舎です。
この点について、結論から言うと、友道厩舎の休み明けは「狙うべきレース」と「疑うべきレース」がハッキリ分かれていると、私は分析しています。
① 疑うべき「叩き台」の休み明け
まず、私たちが馬券的に注意すべきなのは、「G1以外のレース」を休み明けで使う場合です。
ある厩舎の内部メモとされるデータ では、特定の馬に対して「アドマイヤビルゴ:鉄砲×」「ストーンズ:鉄砲×」「アドマイヤソラ:鉄砲△」といった、非常にシビアな記述が見られます。これは「×=休み明けは走らない」「△=休み明けは微妙」という意味だと推測され、厩舎側が「休み明けから100%ではない」と分かっている馬がいることを示しています。
この傾向が最もハッキリと表れたのが、2022年にドウデュースが凱旋門賞に挑戦した時 です。
ドウデュース凱旋門賞挑戦(2022年)のケース
ダービーを勝ったドウデュースは、本番の凱旋門賞の前に、前哨戦の「ニエル賞」を使いました。結果は4着敗退。この時、多くのファンが不安になりましたが、陣営のコメントは「全く問題無い」 でした。
なぜなら、このニエル賞は、どう見ても「太め残り」の仕上げで、陣営も「調教替わり」 と公言していたからです。つまり、このレースは1着を獲るためではなく、本番の凱旋門賞に向けた「最強の調教(=叩き台)」として、意図的に”8割仕上げ”で使われていたんですね。
これは、友道厩舎の「馬本位」 の哲学そのものです。本番で100%の力を出すために、あえて前哨戦では馬に無理をさせない。この「叩き台」のパターンに当てはまる、G1以外の休み明け初戦で人気になっている馬は、疑ってかかる必要があると私は思います。
② 狙うべき「G1直行」の休み明け
では、逆に「狙うべき休み明け」はいつか?
それは、「G1直行」ローテーション で、その休み明けのレース自体がG1(本番)の場合です。
先のセクションで触れた「外厩(ノーザンファームしがらきなど) 」との連携システムにより、今の友道厩舎は「叩き台」を使わずに、いきなりG1(例:大阪杯、天皇賞・秋など)に出走して、そこで100%の力を出し切る仕上げ方が可能になっています。
ドウデュースの例で言えば、ニエル賞(叩き台)は疑うべきですが、その後の本番(凱旋門賞)や、あるいはニエル賞を使わずに「凱旋門賞直行」だったとしたら、それは「本番」として全力で仕上げてくるはずです。
馬券戦略上の結論
友道厩舎の馬券で失敗しないためには、その「休み明け」が、
- G1に向けた「叩き台」のG2・G3なのか?(=疑うべき )
- 「G1直行」で、そのG1が本番のレースなのか?(=狙うべき )
…を、見極めることが非常に重要だと、私は思います。
武豊や川田将雅など騎手との相性
- YUKINOSUKE
友道厩舎は、日本ダービー やG1を本気で狙う「クラシック特化型」 の厩舎です。当然ながら、その有力馬の背中には、常に日本のトップジョッキーたちがいます。
馬券を検討する上で、「誰が乗るか」は厩舎の”本気度”を測る上でも最も重要な要素の一つと言えますよね。ここでは、データと逸話から、特に注目すべき騎手との相性を深掘りしてみました。
黄金コンビ:武豊騎手「複勝回収率112.5%」の驚異
数ある騎手の中でも、友道厩舎と聞いて真っ先に思い浮かぶのは、やはりレジェンド「武豊騎手」ではないでしょうか。
この二人は、メディアで「ゴールデンコンビ」と称される ほど、データ上でも圧倒的な信頼性を誇ります。ある時点での「直近5年」のデータでは、以下のような驚異的な成績が報告されているんです。
友道厩舎 × 武豊騎手(直近5年データ例)
| コンビ名 | 成績 (1着-2着-3着-着外) | 騎乗回数 | 複勝率 | 複勝回収率 |
|---|---|---|---|---|
| 友道厩舎 × 武豊騎手 | 20-9-9-15 | 53回 | 71.7% | 112.5% |
注目すべきは、勝率や連対率の高さ(53回乗って3着内が38回!)もさることながら、「複勝回収率:112.5%」という数字です 。
これ、とんでもないことですよね。つまり、このコンビの馬の複勝(3着以内)を、何も考えずに5年間買い続けるだけで、理論上は「資金が112.5%に増える」ことを意味します。トップ厩舎とトップ騎手の組み合わせは、当然人気になるので回収率が下がりがちなのですが、それでもプラス収支になっている。これは、人気以上に馬を馬券内に持ってきている証拠です。
ドウデュースでの日本ダービー制覇 や、ワールドプレミアでの菊花賞制覇 に象徴されるように、友道厩舎にとって武豊騎手は、ここ一番の大舞台を任せる「勝負ジョッキー」 であることが、このデータからもハッキリとわかりますね。
主力を担う「両輪」:C.ルメール騎手と川田将雅騎手
もちろん、厩舎の日常的な勝ち星、そしてG1戦線を支える「主力」は、現在のJRAを牽引するこの二人を抜きには語れません。
- C.ルメール騎手:データによれば、友道厩舎での通算勝利数は117勝 と、おそらく全騎手の中でトップです。厩舎のクオリティの高い馬に、JRA最強のジョッキーが乗る。まさに「鬼に金棒」なパターンですね。ルメール騎手に関してはこちらの記事ルメール騎手はどうしたの?落馬事故から現在の無双までで詳しく解説しています。
- 川田将雅騎手:ルメール騎手に次ぐ主力として、通算98勝 もの勝ち星を挙げています。その正確無比な騎乗で、厩舎からの信頼も非常に厚いことが伺えます。川田騎手に関してはこちらの記事川田騎手の長距離成績を分析。本当に苦手なのか?で詳しく解説しています。
このJRAのトップ2が厩舎の馬に安定して騎乗していること自体が、友道厩舎にどれだけクオリティの高い馬が集まっているか、そして厩舎の信頼度がどれだけ高いかの証左と言えます。
【上級者向け】「馬本位」の騎手選定と”×”の謎
一方で、競馬の奥深いところですが、一般的なデータ分析だけでは見えてこない、友道厩舎の「馬本位」 な一面を垣間見る情報もあります。
ある厩舎の内部メモとされるデータ には、私たち競馬ファンにとって非常に興味深い記述が残されています。
厩舎内部メモ(とされる情報)
- シヴァース:川田×
- ジュンヴァンケット:岩田(望来)×坂井(瑠星)×
これ、めちゃくちゃ面白くないですか?
川田騎手といえば、厩舎の主力であり通算98勝 もしている「信頼のパートナー」のはずです。それなのに、「シヴァース」という特定の馬に関しては「川田×(=合わない)」という評価が内部で下されている ようなんです。
これは、川田騎手の腕を疑っているのでは全くなく、「馬の特性」と「騎手の騎乗スタイル」の相性までを細かく見ている、まさに友道厩舎の「馬本位」 の哲学そのものだと私は思います。
単に「空いているトップジョッキーを乗せる」のではなく、マクロなデータ(98勝 )とは別に、一頭一頭の馬の個性に合わせた「ミクロな相性」まで考慮して騎手を選定している。この奥深さこそが、友道厩舎がトップであり続ける理由の一つなのかもしれませんね。
金子真人やキーファーズら馬主
- YUKINOSUKE
友道厩舎が「クラシック特化型」という、これほどまでに明確な特徴を持っている理由。それは、友道調教師の技術や哲学だけに留まりません。「どのような馬主(オーナー)から、どのような馬を預かっているか」という、厩舎の「ビジネスモデル」そのものと密接に連動しているんです。
G1、特に日本ダービーのような世代の頂点を決めるレースを勝つためには、優秀な調教技術だけでなく、そもそも「ダービーを狙える」良質な血統の馬(多くの場合、非常に高額な馬)を預かる必要があります。
その点で、友道厩舎は日本で最もG1志向が強いとされる、トップオーナーたちから絶大な信頼を得ています。ここでは、その代表的なオーナーとの関係性を見ていきましょう。
① 金子真人ホールディングス(株) – 「王道」の信頼
代表馬:ワグネリアン(2018年 日本ダービー)
「ディープインパクト」のオーナーとしても知られる金子真人氏は、間違いなく日本の競馬界における「王道」を最も良く知るオーナーのお一人です。その金子氏が、祖母ブロードアピールから三代にわたる血統馬・ワグネリアンを友道厩舎に託し、見事に2018年の日本ダービーを制覇しました。
これは、友道厩舎が「ダービーを勝たせる厩舎」として、最高の信頼を得ていることの何よりの証左です。JRAの「王道」を歩むトップオーナーが、その夢の結晶とも言える期待馬を預ける。この事実こそが、友道厩舎の「格」を象徴していると私は思います。
② (株)キーファーズ – 「国際戦略」のパートナー
代表馬:ドウデュース(2022年 日本ダービー)
2022年のダービー馬ドウデュースの馬主である「キーファーズ」(代表:松島正昭氏)との関係は、友道厩舎のもう一つの側面である「国際戦略」を推進する原動力となっています。
キーファーズは、オーナーの松島氏が「凱旋門賞制覇」を公言しており、その積年の「夢」を託すための最高の「パートナー」として友道厩舎を選びました。
ドウデュースでの複数回にわたる凱旋門賞挑戦や、シュヴァルグランの英国遠征といった積極的な海外遠征は、こうしたオーナーの明確なビジョンと、それに応えられる友道厩舎の「教育能力」と「馬本位」の管理体制があったからこそ実現したんですね。国内クラシックだけでなく、海外の頂点までをも見据える関係性です。
③ 佐々木主浩氏 – 多様なトップオーナーからの信頼
代表馬:シヴァース、グランヴィノス
「大魔神」の愛称で知られる元プロ野球選手の佐々木主浩氏も、友道厩舎に厚い信頼を寄せるオーナーです。ヴィブロスやシュヴァルグラン(※他厩舎)でG1を制覇したトップオーナーが、シヴァースやグランヴィノスといった期待馬を友道厩舎に預けています。
金子氏やキーファーズといった「競馬一筋」のオーナーだけでなく、佐々木氏のような多様なバックグラウンドを持つ有力オーナーからも選ばれているという事実は、友道厩舎の信頼性の高さを物語っています。
友道厩舎「成功の好循環(フライホイール)」
この関係性をまとめると、友道厩舎の強さの核心にある「ビジネスモデル」が見えてきます。
- G1志向のトップオーナーが「クラシックを勝つため」に最高の血統の馬を友道厩舎に預ける。
- 友道厩舎がその「馬本位」の育成術で馬をじっくりと大成させ、無理のないローテで「本番」に臨ませる。
- 結果としてダービーなどを勝ち、オーナーの夢を実現する。
- その実績を見て、さらに優秀な良血馬がオーナーから集まってくる。
この「成功の好循環」こそが、友道厩舎がトップであり続ける最大の理由だと、私は思います。
代表馬と凱旋門賞への挑戦
友道厩舎の哲学と管理術が、どれほど素晴らしい成果を上げているか。それは、厩舎の「顔」となる代表馬たちのラインナップを見れば一目瞭然です。
「G1ハンター」と呼ばれる友道厩舎ですが、その中でも特に、厩舎の「馬本位」な育成哲学を象徴しているのが、3歳クラシック、特に競馬の祭典「日本ダービー」の勝ち馬たちです。
まさに「ダービー専門家」の金字塔
友道厩舎は、競馬サークルにおいて「ダービー専門家」と呼ぶにふさわしい実績を誇ります。その輝かしいG1勝利リストの中でも、日本ダービー(2400m)制覇は特別な意味を持っています。
友道厩舎が生んだダービー馬たち
- ワグネリアン(2018年 日本ダービー)
- ドウデュース(2022年 日本ダービー)
- ジャスティンミラノ(2024年 皐月賞・日本ダービー)
- (その他、2016年ダービー馬マカヒキなど、G1馬多数)
現役最多タイとなるダービー4勝という金字塔は、単なる記録以上のものです。これは、友道厩舎の「馬の成長を最優先し、3歳の春に最高の状態に持っていく」という育成哲学が、日本の競馬界で最も栄誉あるレースに完璧に最適化されていることの、何よりの証明だと私は思います。
もちろん、シュヴァルグラン(ジャパンカップ)やヴィルシーナ(ヴィクトリアマイル連覇)、友道厩舎のG1初勝利となったキョウワハピネス(2006年 桜花賞)など、他のG1馬も数えきれませんが、やはり「ダービー」の重みは別格ですね。
国内から世界へ:「凱旋門賞」への本気な挑戦
そして、友道厩舎のもう一つの大きな特徴が、その視線が国内だけに留まっていないことです。クラシックを制した馬で、積極的に「海外のトップレース」に挑戦する国際性も備えています。
特に「凱旋門賞」への挑戦は、友道厩舎の戦略を語る上で欠かせません。
オーナーと共有する「世界」という夢
この国際戦略は、前のセクションで触れた(株)キーファーズのようなオーナーの「凱旋門賞制覇」という強い意向と、それに応えられる友道厩舎の技術力がガッチリと噛み合っているからこそ実現できています。
単なる「記念出走」ではありません。ドウデュースでの複数回にわたる凱旋門賞挑戦や、シュヴァルグラン(G1馬)の英国遠征(インターナショナルSなど)は、本気で勝ちにいくための「戦略」の一環です。
2022年のドウデュースの挑戦では、前哨戦のニエル賞を「叩き台(調教替わり)」として使うなど、日本とは異なるアプローチを試みました。結果は伴わなかったかもしれませんが、この「海外で勝つために、何をすべきか」という経験の蓄積は、他の厩舎にはない、友道厩舎だけが持つ貴重な財産になっているはずです。
ダービーを獲り、そして世界最高峰の凱旋門賞を目指す。この明確なビジョンこそが、友道厩舎がトップトレーナーとして君臨し続ける理由なんだなと、あらためて感じますね。
友道厩舎の特徴と馬券戦略
- YUKINOSUKE
さて、ここまで友道厩舎の特徴を、「獣医師出身の哲学」、「松田国英厩舎での学び」といった背景から、「芝2000mの鬼」、「ダートは専門外」といった具体的なデータ、「休み明け(鉄砲)の傾向」、そして「騎手や馬主との相性」まで、様々な角度から深掘りしてきました。
この最終セクションでは、それら全ての分析を総括し、私たち競馬ファンが馬券で勝負するための、私なりの具体的な「狙い方(買いシグナル)」と「消し方(消しシグナル)」として、改めて分かりやすくまとめてみたいと思います!
「買い」のシグナル(狙い目)
以下の条件が重なった時、友道厩舎の馬はデータ的にも哲学的にも最も信頼できる「買い」のパターンだと、私は考えます。</p
【友道厩舎の「買い」シグナル】
| 項目 | 狙い目の条件 | 根拠・理由 |
|---|---|---|
| コース | 芝(Turf) | キャリア5,400走以上が芝。ダートは16走のみ 。完全に芝に特化した厩舎です。 |
| 距離 | 2000m〜2400m | 「阪神・芝2000m」は勝率19.6%の”鬼”条件 。ダービー4勝 などクラシック距離こそが本領です。 |
| クラス | G1、G2(特に3歳クラシック) | 厩舎の育成哲学自体が、G1(特に3歳クラシック )で勝つことに最適化されています。 |
| 騎手 | 武豊 騎手 | 直近5年で複勝率71.7%、複勝回収率112.5% 。データが示す「黄金コンビ」です。 |
| 状態 | 休み明け2戦目以降、または「G1直行」の本番レース | G1以外の休み明け(鉄砲)は、「叩き台」として8割仕上げの可能性 があります。狙うべきは「本番」の仕上げです。 |
【最強のゴールデン・パターン】
私なりに考える最強の狙い目は、「春のG1シーズン(特にダービー・オークス)における、芝2000m〜2400mの王道レースで、武豊騎手が騎乗する馬」 です。これぞまさしく友道厩舎の真骨頂と言えるでしょう。
「消し」のシグナル(避けるべき条件)
逆に、これだけ強い友道厩舎でも、「これは手を出さない方が賢明かも…」と私が考える条件もあります。人気になっていても、あえて評価を下げるべきシグナルです。
【友道厩舎の「消し」シグナル】
- コース:ダート(Dirt)
(理由:キャリア16走 のみ。厩舎の戦略として完全に「専門外」であり、育成ノウハウも芝に特化しているため) - 状態:G1以外の休み明け初戦(鉄砲)
(理由:ドウデュースのニエル賞 のように、あくまで本番G1に向けた「叩き台」「調教替わり」として使われる可能性が高いため) - 距離:短距離(スプリント)戦
(理由:厩舎の「馬本位」な中長距離クラシック仕上げ という哲学と合致せず、そもそも本気度の高い馬が入厩するケース自体が稀なため)
まとめ:競馬はデータと哲学、そして自己責任で
ここまで友道厩舎の特徴をまとめてきましたが、もちろん、これらはあくまでデータ上の「傾向」であり、競馬に絶対はありません。
特に友道厩舎は、獣医師としての知識 に基づく「教育能力」が非常に高い厩舎です。馬が急激な成長曲線を描いて、私たちのデータ的予測をあっさり上回ってくることも日常茶飯事です。
最終的な判断は、これらのデータや傾向を参考にしつつも、当日のパドックでの馬の状態や、調教の気配を見て決めるのが一番ですね。
この記事で紹介したデータや傾向は、特定の馬券の購入を推奨するものでは一切ありません。馬券の購入は、ご自身の判断と責任において、無理のない範囲で楽しんでくださいね。皆さんの競馬ライフが、この記事でさらに楽しくなれば幸いです!
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