ドゥラメンテ産駒はいつまで?最終世代と血統の未来

データ分析

こんにちは、YUKINOSUKEです。

競馬ファンなら誰もが一度は気になったことがある「ドゥラメンテ産駒 いつまで」という疑問。この言葉を検索するとき、そこには単なる情報への渇望だけじゃなく、いろんな感情が入り混じっているんじゃないかなと思います。

2015年の二冠馬 、あのケタ違いの強さを見せたドゥラメンテ。その彼が2021年8月末、わずか9歳という若さで急逝した というニュースは、本当に衝撃的でした。死因が急性大腸炎 と聞いた時は、あまりに突然のことで言葉が出なかったのを覚えています。種牡馬として、まさにこれからという時だったのに…。

父の早すぎる死とは対照的に、残されたわずか5世代の産駒たちの活躍は、本当に凄まじいものがありますよね。リバティアイランド やスターズオンアース が牝馬クラシックを席巻し、タイトルホルダー がG1・3勝 と古馬戦線を牽引しました。

そして今、2025年のクラシック戦線 。父が亡くなった2021年に種付けされ、2022年に生まれた「ラストクロップ(最終世代)」 が、3歳馬としてターフを駆け巡っています。マスカレードボール が春のクラシックで連続好走し、秋にはついにG1・天皇賞(秋)を制覇する など、最後の最後まで父の早世を惜しむかのような大活躍を見せています。

この状況だからこそ、「いつまで」という言葉には、いくつかの切実な疑問が込められているんだと思います。

「競走馬として、彼らの圧巻の走りをあと何年応援できるんだろう?」
「最後の世代(ラストクロップ)が引退したら、もうドゥラメンテの血は途絶えちゃうの?」
「タイトルホルダーが後継種牡馬になった けど、その子供(孫世代)はいつデビューするの?」

こんな風に、レースで見られる「現在」のタイムリミット、新しい産駒がもう生まれないという「事実」、そしてその血がどう受け継がれていくのかという「未来」への関心。これらが複雑に絡み合っているのが、今の私たちの心境かなと思います。

この記事では、そんなドゥラメンテ産駒の「いつまで」に関する全ての疑問について、3つの異なる時間軸(競走馬として・父として・血統として)から、今わかっている情報を整理して、真正面からお答えしていきますね。

  • ドゥラメンテ産駒がレースで見られる具体的な時期
  • 最後の世代(ラストクロップ)の最新活躍状況
  • G1を制した全産駒のリストと驚くべき特徴
  • タイトルホルダーや繁殖牝馬が繋ぐ血統の未来

ドゥラメンテ産駒はいつまで見られる?

まずは、競馬ファンとして一番気になる「競走馬としてのドゥラメンテ産駒は、いつまでレースで見られるのか?」という、現在進行形の疑問から詳しく見ていきましょう。

父であるドゥラメンテが2021年に9歳という若さで急逝した ため、新しい産駒が生まれることはもうありません 。

つまり、私たちがターフで応援できるのは、今走っている馬たちが最後。特に2022年に生まれた「最終世代(ラストクロップ)」 が、今まさに2025年のクラシック戦線で、父の血を証明するかのような最後の輝きを放っています 。

結論から言うと、その終わりはもうすぐそこまで来ています。彼らがターフを走る姿を見られる時間は、残念ながら残りわずかです 。

▼このセクションで分かること

  • 父ドゥラメンテの早すぎる死と最終世代の確定
  • 最終世代が引退する具体的な時期(推定)
  • 2025年に活躍する「ラストクロップ」の現状
  • 全G1勝利馬リストと、その驚くべき特徴

ドゥラメンテの死因と最終世代

ドゥラメンテ産駒の「終わり」がなぜこれほど明確に決まってしまったのか。その理由は、父であるドゥラメンテ自身の、あまりにも早すぎる死にあります。

2015年の二冠馬 、ドゥラメンテがこの世を去ったのは、2021年8月31日のことでした 。まだ9歳という若さでした 。発表された死因は、急性大腸炎 。報道によれば、1週間ほど前から右前肢の蹄冠部(ひづめの生え際あたり)の外傷治療をしていたところ、容態が急変。前日から腸炎の兆候が見られ、その後あっという間に悪化してしまったとのことです 。

この「9歳での早世」が、競馬界に与えた衝撃は計り知れません。

早すぎる死が意味するもの

なぜこれほどまでに衝撃的だったのか。それは、ドゥラメンテが単なるG1馬ではなく、日本の競馬界の「血の結晶」とも言える存在だったからです。

父はキングカメハメハ、母はアドマイヤグルーヴ、そして母の父はサンデーサイレンス 。まさに日本近代競馬の粋を集めたような超良血馬でした。その彼が、種牡馬としてまさにこれから全盛期を迎え、自身の血を広げていく、まさにその矢先の出来事でした。通常、人気種牡馬は20代前半まで活動を続けることを考えると、彼のポテンシャルはまだほとんど発揮され始めたばかりだったのです。

当時の関係者のコメントからも、その無念さが伝わってきます。

社台スタリオンステーションの徳武英介氏は「(今年の種付けシーズンも元気に過ごしていただけに)信じられない」「種牡馬としても頂点を期待されていましたので」とコメント 。

また、現役時代に管理した堀宣行調教師も「深い悲しみのなかにいます」「優秀な後継を残してほしいと願っていましたので、まだ9歳と若いのにもかかわらず、前途が絶たれたのが残念でなりません」と、その早すぎる死を悼んでいます 。

「5世代」のみの希少な産駒

この早すぎる死によって、ドゥラメンテの種牡馬としての活動期間は、2017年から2021年の、わずか5シーズン(=5世代)のみで、強制的に終了することになりました 。

これにより、ドゥラメンテ産駒の生産スケジュールは以下のように完全に確定しました。

【ドゥラメンテ産駒 確定タイムライン】

  • 最後の種付け: 2021年シーズン(春~夏)
  • ドゥラメンテ死亡: 2021年8月31日
  • 最終世代(ラストクロップ)誕生: 2022年(春)
  • 最終世代 デビュー: 2024年(2歳戦)
  • 最終世代 クラシック: 2025年(3歳戦)

つまり、2022年に生まれた馬たちが、ドゥラメンテの正真正銘「最後の子供たち」であり、これ以降、新しいドゥラメンテ産駒が誕生することは、もう絶対にないのです。この絶対的な希少価値こそが、産駒たちの活躍に一層のドラマ性を加えているんですね。

ラストクロップの現在と引退時期

では、父の血を引く最後の世代(ラストクロップ)は、「今どうなっているのか?」そして「いつまで競走馬として走る姿を見せてくれるのか?」。この2つの疑問について、詳しく見ていきましょう。

最終世代の「現在」(2025年シーズン)

まず「現在」についてです。2022年に生まれた彼らは、2024年の夏(2歳戦)に順次デビューを果たしました。

そして迎えた2025年、彼らは3歳馬としてクラシック戦線のど真ん中にいます 。皐月賞、日本ダービー、オークスといった一生に一度の舞台で、父の名を背負い主役級の走りを見せてくれています。(彼らの具体的な活躍ぶりは、次のセクションで詳しく紹介しますね)

「いつまで」の推定根拠 – 一般的な引退年齢

次に本題である「いつまで走るのか?」という疑問です。これを高精度で推定するために、まずは一般的な競走馬の引退時期について知っておく必要があります。

競走馬は2歳夏以降にデビューしますが、多くの馬がおおむね5歳から6歳で引退を迎えます

これにはちゃんと理由があります。

  • 牡馬の場合: 競走能力のピークに加え、G1を勝つような優秀な馬は「種牡馬(父馬)」としての価値が最も高まる時期でもあります。競走生活で無理をさせて価値を下げるより、良い時期に引退して次のキャリア(種牡馬生活)に移るケースが多いです。
  • 牝馬の場合: 同じく競走能力のピークに加え、「繁殖牝馬(母馬)」として子供を産むという大切な仕事が待っています。優秀な牝馬ほど、良いタイミングで引退し、繁殖の世界に入ります。

競馬場でスターホースの引退式が行われるのが、だいたいこの5歳~6歳のシーズン終わり(有馬記念など)が多いのも、こういった理由からですね 。

推定:ドゥラメンテ最終世代の引退時期

この「5歳~6歳で引退」という一般的な競走馬のキャリアを、ドゥラメンテの最終世代(2022年生まれ)に当てはめてみましょう。計算は非常にシンプルです。

【最終世代の引退時期(推定)】

  • ドゥラメンテ最終世代の生年:2022年
  • 最終世代が5歳を迎える年 → 2027年
  • 最終世代が6歳を迎える年 → 2028年

したがって、私たちがターフで「競走馬 ドゥラメンテ産駒」の走りを応援できるのは、概ね2027年から2028年頃までが最後になる可能性が非常に高い、と強く推定されます。

もちろん、これはあくまで目安です。馬の健康状態や成績によっては、7歳、8歳と長く現役を続ける馬もいるでしょう(特にセン馬=去勢された牡馬は、種牡馬にならないため競走寿命が長い傾向があります)。

逆に、マスカレードボールのようにG1を制覇した牡馬 は、種牡馬としての価値が非常に高まるため、もっと早く「5歳春」などで引退する可能性もゼロではありません。

とはいえ、ファンとして「ドゥラメンテ産駒のレース」を当たり前に応援できるのは、この数年間が本当に最後の時間となりそうですね。

2025年クラシックの最終世代

「最後の世代(ラストクロップ)」と聞くと、なんとなく寂しい響きや、「残り物」といった少し悲しいイメージを持ってしまうかもしれません。

ですが、2022年に生まれたドゥラメンテの最終世代は、そんな感傷を吹き飛ばすほどの「圧巻のパフォーマンス」を、今まさに2025年の3歳クラシック戦線で見せつけています。もしかすると、彼らはドゥラメンテ産駒の「最強世代」の一つかもしれません。

2025年シーズン(11月現在)、その最終世代の筆頭格であるマスカレードボールの活躍が、本当に凄まじいことになっています 。

マスカレードボールの衝撃的な活躍

同馬の2025年シーズン(3歳)の主な成績は、以下の通りです 。

【マスカレードボール 2025年主な成績】

  • 天皇賞(秋) (G1): 1着
  • 東京優駿 (日本ダービー) (G1): 2着
  • 皐月賞 (G1): 3着
  • 共同通信杯 (GIII): 1着

まず注目すべきは、春のクラシック二冠(皐月賞・ダービー)で連続して3着以内に好走している点です。これは、同世代の中で紛れもなくトップクラスの能力を持っていることの証明です 。

しかし、この馬の真の凄みが発揮されたのは秋でした。

3歳馬でありながら、現役最強クラスの古馬たちと初めて顔を合わせる最高峰のG1レース、天皇賞(秋)をいきなり制覇してしまったのです 。これは並大抵のことではありません。斤量の利があったとはいえ、百戦錬磨の古馬たちを相手に、3歳馬がこの時期にG1を勝つのは、歴史的な名馬の証とも言えます。

これは、父ドゥラメンテから受け継いだ「早熟性(2月G3勝利)」「持続力(春クラシック連続好走)」「完成度(秋の古馬G1制覇)」という、全ての能力の高さを、最後の世代が最後の最後まで証明してくれた、非常にドラマティックな大物と言えますね。

世代の層の厚さ

そして、最終世代の活躍はマスカレードボール1頭だけではありません。

エネルジコといった馬も、2025年11月時点でマスカレードボールに次ぐ3億円以上の賞金を獲得 しており、世代の層の厚さもしっかりと示しています。

最後の世代は、ドゥラメンテの血の偉大さを改めて競馬界に刻みつけるかのように、今この瞬間も競馬界の中心で輝き続けているのです。

G1を制した全産駒リスト

ドゥラメンテが、いかに「異常」なレベルの種牡馬だったか。その答えは、彼が残したわずか5世代(2018年~2022年生まれ)の産駒から輩出されたG1(Jpn1)勝利馬のリストを見れば一目瞭然です。

通常、種牡馬がこれだけの数のG1馬を送り出すには、10年以上の歳月と多くの産駒数を必要とします。それをわずか5世代で達成したという事実こそが、彼の早すぎる死がどれほど競馬界にとって大きな損失であったかを物語っています。

2025年11月時点で確認できる、ドゥラメンテ産駒のG1(Jpn1)勝利馬は以下の通りです。

馬名 性別 生年 主なG1/Jpn1勝利レース
タイトルホルダー 2018 菊花賞、天皇賞(春)、宝塚記念
スターズオンアース 2019 桜花賞、オークス(牝馬二冠)
リバティアイランド 2020 阪神JF、桜花賞、オークス、秋華賞(牝馬三冠)
ドゥラエレーデ 2020 ホープフルステークス
シャンパンカラー 2020 NHKマイルカップ
ドゥレッツァ 2020 菊花賞
ルガル 2020 スプリンターズステークス
マスカレードボール 2022 天皇賞(秋)

このリストが示しているのは、ドゥラメンテの血が持つ圧倒的な「万能性」です。

牡馬も牝馬も頂点へ

牡馬ではタイトルホルダー やドゥレッツァ がクラシックG1を制し、牝馬ではスターズオンアース(二冠) 、リバティアイランド(三冠) という歴史的名牝を輩出。性別を問わず、世代の頂点に立てる産駒を送り出しています。

距離の壁を超越する適性

さらに驚くべきは、その距離適性の幅です。

スプリントG1(1200m)のスプリンターズSを勝つルガル がいれば、マイルG1(1600m)のNHKマイルCを勝つシャンパンカラー もいます。

一方で、クラシックディスタンス(2000m~2400m)のオークスや天皇賞(秋) を勝つ馬もいれば、長距離G1(3000m~3200m)の菊花賞や天皇賞(春)を勝つタイトルホルダー やドゥレッツァ もいるのです。

これほどまでに、あらゆるカテゴリーのG1を制覇する産駒を、わずか5世代から送り出したという事実。これこそが、ドゥラメンテの血が持つ「万能性」の最大の証明であり、彼の血が未来永劫求められる最大の理由なんですね。

産駒の成長と特徴を分析

「ドゥラメンテ産駒 特徴」というのも、関連してよく検索されるキーワードですね。G1リストを見るとその「万能性」が際立ちますが、ここではもう一歩踏み込んで、競走馬としての「成長曲線」と「気性(個性)」という2つの特徴について分析してみたいと思います。

特徴①:「早熟」か「晩成」か? 答えは「両方」

ドゥラメンテ産駒については「早熟なのか?それとも晩成(奥手)なのか?」という議論がよく交わされます。

ですが、前のセクションで確認したG1勝利馬リストが、その答えを明確に示してくれています。彼らの最大の特徴は、「早熟」か「晩成」かという単純な二択ではなく、「高い完成度(早熟性)」と「持続的な成長力(晩成の要素)」を両立させている点にあると思います。

普通の馬なら、どちらかの傾向が強いものです。

  • 2歳戦から活躍する馬は、そのスピードや完成度で圧倒しますが、3歳秋や古馬になると成長してきたライバルに追いつかれ、平凡な成績になってしまう(早熟)ケース。
  • 逆に、古馬になってから本格化する馬は、2歳・3歳春のクラシック戦線には間に合わない(晩成)ケース。

しかし、ドゥラメンテ産駒はこの両方をクリアしてくる馬が非常に多いんです。

【ドゥラメンテ産駒の稀有な成長曲線】

  1. 1. 圧倒的な「完成度の高さ」:
    リバティアイランド やドゥラエレーデ のように、ライバルがまだ成長途上の2歳時点でG1を制覇できるほどの高い完成度を誇ります。
  2. 2. 息の長い「持続力」:
    2歳・3歳で頂点に立っても、そこで燃え尽きません。タイトルホルダー やルガル のように古馬になっても第一線でG1を勝ち、最終世代のマスカレードボール も3歳秋に古馬の頂点に立ちました。

つまり、「2歳からトップレベルで、そのまま古馬まで成長し続ける」という、競走馬として最も理想的な、しかし実現が非常に難しい特徴を持っているのが、彼らの最大の強みかなと思います。

特徴②:父譲りの「気性の強さ」という個性

もう一つの大きな特徴が、「気性(きしょう)」です。

父であるドゥラメンテ自身、現役時代はその有り余る能力と表裏一体の、非常に激しい気性の持ち主として知られていました。レース前のパドックで暴れたり、騎手を振り落とそうとしたり、その姿はまさに荒ぶる魂そのものでした。

この「気の強さ」は、多くの産駒にも受け継がれているように感じます。競馬ファンや関係者の間ではよく「ドゥラメンテ産駒は気難しい」と言われますが、これは決してマイナスなだけではありません。

【気性の強さ=爆発力の源泉】

彼らの気性の強さは、裏を返せば「絶対に負けたくない」という強烈な闘争心や、「走りたい」という前向きすぎるエネルギーの表れです。

そのため、騎手にとってはコントロールが非常に難しい反面、そのエネルギーがレースで正しく爆発した時には、他の馬では真似できないような圧倒的なパフォーマンス(いわゆる「キレる脚」)を発揮します。

タイトルホルダー が、若い頃の気難しさを克服して日本を代表するステイヤー(長距離馬)に成長したように、この個性をいかに乗りこなし、レースへの集中力に変えていけるか。それがドゥラメンテ産駒を応援する上での最大の魅力であり、スリルでもあるんですね。

「高い完成度と持続力」というフィジカル面での優秀さと、「一筋縄ではいかない強烈な個性」というメンタル面。この二つが、ドゥラメンテ産駒の競走馬としての大きな特徴と言えそうです。

血統としてのドゥラメンテ産駒はいつまで?

さて、ここまでは「競走馬」としてのドゥラメンテ産駒の話をしてきました。2022年生まれの最終世代(ラストクロップ) が競走生活を終える、2027年~2028年頃 が、私たちがターフで彼らの走りを見られる最後の時期になるだろう、という少し寂しい結論でしたね。

ですが、「ドゥラメンテ産駒 いつまで」という検索の核心には、もう一つの、さらに大きな問いが含まれていると思うんです。それは、「あれほどの名馬の血が、本当にこのまま途絶えてしまうのか?」という、未来の競馬界に対する不安や懸念ではないでしょうか。

結論から言います。その心配はまったく必要ありません。ドゥラメンテの血は「未来永劫」続きます。断言できます。

なぜなら、競走馬としての「終わり」は、ドゥラメンテの血が「血統」として新たなステージに進む、本当の「始まり」に過ぎないからです。

このセクションでは、その「未来」について詳しく見ていきましょう。ドゥラメンテの血は、2つの大きな流れとなって未来の競馬界に受け継がれていきます。

▼このセクションで分かること(血統としての未来)

  • なぜドゥラメンテの血が未来も求められるのか(万能性)
  • 父系(サイアーライン): 後継種牡馬タイトルホルダー たちの現状と期待値
  • 母系(ファミリーライン): リバティアイランド たち歴史的名牝の価値
  • ドゥラメンテの「孫」は、いつデビューするのか

産駒の距離適性と万能性

では、なぜドゥラメンテの血が「未来永劫」続くと断言できるのか。その最大の理由は、彼が産駒に伝えた圧倒的なまでの「万能性」にあります。これこそが、生産者(牧場)たちが未来の競馬界においてドゥラメンテの血を求め続ける、最も重要な根拠となります。

前のセクションで確認したG1勝利馬のリスト を、今度は「距離適性」という観点から分類してみましょう。

【距離カテゴリー別 G1勝利産駒】

  • 短距離(1200m):
    ルガル(スプリンターズS)
  • マイル(1600m):
    シャンパンカラー(NHKマイルC) 、リバティアイランド(桜花賞)
  • 中距離(2000m〜2400m):
    スターズオンアース(オークス) 、リバティアイランド(オークス) 、マスカレードボール(天皇賞(秋))
  • 長距離(3000m〜3200m):
    タイトルホルダー(菊花賞、天皇賞(春)) 、ドゥレッツァ(菊花賞)

これを見て分かる通り、わずか5世代の産駒から、JRAの芝G1が行われるほぼ全ての距離カテゴリー(スプリント・マイル・中距離・長距離)のG1ウィナーを輩出しているのです。

これは、種牡馬として極めて稀な才能です。

生産者(牧場)の視点に立つと、特定の距離(例えば短距離専門)に能力が偏った種牡馬よりも、ドゥラメンテのように、どんな距離適性を持つ牝馬(母馬)と配合しても、その長所を活かしつつG1を狙える「万能性」を持った血統は、喉から手が出るほど欲しい存在です。

この驚異的な万能性は、決して偶然ではありません。それは、ドゥラメンテ自身が持つ「父キングカメハメハ × 母父サンデーサイレンス」 という、まさに日本の近代競馬の結晶と呼べる血統の長所が、見事に凝縮されて産駒に受け継がれている証拠なんですね。

だからこそ、ドゥラメンテの血を引く後継種牡馬や繁殖牝馬は、未来の競馬界において最高の配合相手として、今後何十年にもわたって求められ続けるのです。

隠れたダート適性とは

G1馬が芝の王道路線に集中しているため、ドゥラメンテ産駒=芝のイメージが圧倒的ですよね 。私も、リバティアイランド やタイトルホルダー の走りを見て「やっぱり芝のクラシック血統だな」と思っていました。

でも実は、それだけじゃないんです。彼らの血には、見過ごされがちな、しかし非常に重要な「ダート適性」という隠れた才能が備わっています。

この適性は、父(ドゥラメンテ)の父、つまり「おじいちゃん」にあたるキングカメハメハ から受け継いだものかなと思います。キングカメハメハ自身、芝のダービーを勝ちながらも、その産駒は芝・ダート問わず活躍する「万能種牡馬」でした 。その「パワー」の部分が、ドゥラメンテ産駒にもしっかり受け継がれているんですね。

なぜ「隠れた」才能なのか?

では、なぜそれが「隠れた」才能なのでしょうか?

答えはシンプルで、あまりにも芝で走りすぎるからです。リバティアイランド のような歴史的名牝や、マスカレードボール のようなクラシックの主役が、わざわざダートのレースを走る必要はほとんどありません。彼らは芝の王道G1で活躍できてしまいます。

ですが、その「芝のトップ層」に隠れて、ダートでこそ輝きを放つ産駒も多くいるんです。

【豆知識】データが示す驚異のダート適性

あるデータ分析によると、ドゥラメンテ産駒は特に「ダートの短距離戦」において、単勝回収率が165%という非常に高い数値を記録しているそうです 。

これは、競馬ファンが「ドゥラメンテ産駒=芝」というイメージを持っているために、ダート替わりで過小評価され、結果として「おいしい馬券」になっている証拠です 。

「芝でイマイチだったドゥラメンテ産駒が、ダートに変わって激走する」というパターンは、馬券戦略的にも覚えておくと面白いかもです。

G1馬もダートに挑戦する理由

この芝・ダート兼用の可能性は、データだけではありません。

例えば、2022年の2歳G1・ホープフルステークスを制したドゥラエレーデ 。彼も芝のG1馬ですが、そのキャリアの中でダートG3のみやこステークス など、ダートの重賞レースにも積極的に挑戦しています。

これは、陣営(調教師や馬主さん)が、G1馬であっても「この馬はダートでもやれる」という手応えを感じているからに他なりません。

芝もダートも、短距離も長距離もこなす。この底知れない「万能性」こそが、ドゥラメンテの血統が未来の競馬界で、父系としても母系としても生き残り、繁栄していく最大の理由だと私は思います。

後継種牡馬タイトルホルダーの期待

ドゥラメンテの血を未来に直接伝える流れは、大きく分けて2つあります。そのうち、最も重要で直接的な流れが、息子たちが父となる「父系(サイアーライン)」としての継承です。

そして今、その血を未来に直接伝える「最重要後継種牡馬」として、たった一つの存在に絶大な期待が集まっています。

それが、2021年の菊花賞、2022年の天皇賞(春)、そして宝塚記念と、G1を3勝した名馬・タイトルホルダーです 。

初年度から「満口」という熱狂

彼は2024年から、北海道新ひだか町のレックススタッドで種牡馬(お父さん)としての活動をスタートしました 。

そして驚くべきことに、種牡馬デビュー初年度(2024年)の種付け申し込みは、あっという間に「満口」(=受付終了)になるほどの大人気となったんです 。

これは、単なる人気馬だったという話ではありません。生産者(牧場)さんたちが、高額な種付け料を払ってでも「この馬の子供が欲しい」と殺到した、という事実です。これこそが、生産者からの最大の評価であり、期待の表れなんですね。

なぜこれほど期待されるのか?

では、なぜこれほどまでにタイトルホルダーへの期待が集中しているのか? それには、G1・3勝という彼自身の実績 を上回る、非常にドラマティックな背景があります。

【タイトルホルダーに期待が集まる理由】

  1. 父ドゥラメンテが9歳の若さで早世 してしまったこと。
  2. その父ドゥラメンテが、わずかな産駒しか残していないにも関わらず、2023年のリーディングサイアー(年間総合No.1種牡馬)に輝いたこと 。
  3. つまりタイトルホルダーは、早世した「No.1種牡馬」の血を引く、最も実績のある貴重な後継馬(G1・3勝)である、ということです。

(出典:新ひだか町公式サイト「レックススタッド2024年種牡馬展示会」

「この貴重な血を、絶対に途絶えさせてはならない」――。

「満口」という事実は、G1・3勝の実績 はもちろんのこと、この父の早すぎる死 によって、この偉大な血統を守りたいという生産者さんたちの強い意志の表れでもあるんですね。

もちろん、タイトルホルダー以外にも、菊花賞馬ドゥレッツァ や、最終世代のマスカレードボール といったG1馬たちも、引退後は種牡馬となる可能性を秘めています。ドゥラメンテの父系としての未来は、今まさに始まったばかりなんです。

ドゥラメンテの孫世代デビューはいつ?

前のセクションで、ドゥラメンテの最重要後継種牡馬としてタイトルホルダーが2024年から種牡馬デビューした 、という話をしました。

このデビューによって、私たち競馬ファンが待ち望む「ドゥラメンテの孫」が、いつターフに登場するのか、そのタイムラインがハッキリと見えました。

そして、このスケジュールがまた、本当にドラマティックなんです。

【ドゥラメンテ「孫世代」のタイムライン】

  1. 2024年: タイトルホルダーが種牡馬デビュー(種付け) 。
  2. 2025年: タイトルホルダーの初年度産駒(=ドゥラメンテの孫)が誕生。
  3. 2026年: 孫世代が1歳馬となり、育成・調教が行われる期間。
  4. 2027年: 孫世代が2歳馬となり、夏頃からレースデビューを迎える。

この「2027年」という年。これを見たとき、私はちょっと鳥肌が立ってしまいました。

なぜか?…さっき、私がこの記事の前半で書いたことを覚えていますか?

そうです。「ラストクロップの現在と引退時期」のセクションで推定した、ドゥラメンテの「最終世代(2022年生まれ)」が5歳になり、多くの馬が引退を迎える時期 、それがまさに2027年なんです。

これこそが、「シームレスなバトンタッチ」です。

競馬ファンが「ドゥラメンテ最後の子供たち(最終世代)が、無事にターフを去っていくな…」と、その引退を見届けるであろう、まさにその同じ年に、「ドゥラメンテ最初の孫たちが、新しい世代としてターフに登場する」のです。

最後の子供たちがターフを去る年に、最初の孫たちがターフに登場する

ドゥラメンテの血は1年たりとも途切れることなく、次の世代へとバトンが渡されていく…。こんなことって、ありますか? これはもう、競馬の血統が持つ壮大なロマンやドラマそのものだと、私は感じずにはいられません。

優秀な繁殖牝馬としての未来

ドゥラメンテの血を未来に繋ぐ流れは、息子たちによる「父系(サイアーライン)」だけではありません。むしろ、競馬の血統史においては、もう一つの流れが同じくらい、あるいはそれ以上に重要です。

それが、娘たちが母となる「母系(ファミリーライン)」としての継承です。

そしてドゥラメンテは、この分野においても、わずか5世代の産駒しか残していない とは信じられないほどの、まさに「歴史的」と呼ぶべき財産を私たちに残してくれました。

後世に名を残すであろう、圧倒的な実績を持つ名牝(めいひん)たちです。

【ドゥラメンテが残した歴史的名牝】

  • リバティアイランド(2020年生まれ)
    → 阪神JF、桜花賞、オークス、秋華賞を制覇。
    史上7頭目の「牝馬三冠」達成馬
  • スターズオンアース(2019年生まれ)
    → 桜花賞、オークスを制覇。
    史上16頭目の「牝馬二冠」達成馬

これほどの歴史的名牝が、同じ種牡馬から、しかもたった5世代の間から出現することは極めて稀です。彼女たちは、日本の競馬史にその名を刻んだ「国宝級の繁殖牝馬」と言っても過言ではありません。

「母の父(BMS)」としての絶大な影響力

彼女たちは引退後、当然ながら最高の繁殖牝馬として、世界中の一流種牡馬と交配されることになります。

その子供たち(=ドゥラメンテの孫)は、生まれる前から世界的な注目を集め、セレクトセールなどでは超高額で取引されることでしょう。そして、その中からG1馬が誕生する確率は非常に高いと期待されます。

そうなると、どうなるか?

今後何十年にもわたって、G1レースの勝利馬の血統表(血統図)を見たときに、「母の父:ドゥラメンテ」という名前を、私たちは見続けることになるのです。

この「母の父」(専門用語で BMS = Broodmare Sire と言います)として成功することこそが、その種牡馬の血が真に偉大であったこと、そして競馬の血統の「土台」として定着したことの最大の証明となります。

父系と母系「両輪」で続く血

ドゥラメンテの凄さは、この2つの流れを「両方」とも、わずか5世代で確立してしまった点にあります。

  • 父系(サイアーライン): タイトルホルダー というG1・3勝 の超有力な後継種牡馬を残した。
  • 母系(ファミリーライン): リバティアイランド という「牝馬三冠馬」 を筆頭とする歴史的な繁殖牝馬を残した。

父系からも、母系からも。この「両輪」でドゥラメンテの血は未来の競馬シーンに残り続けます。だからこそ、彼の血は「未来永劫続く」と断言できるのです。

総括:ドゥラメンテ産駒はいつまで続くか

さて、これまで「ドゥラメンテ産駒 いつまで」というキーワードを軸に、3つの異なる時間軸からその全貌を追いかけてきました。

最後に、この記事の結論として、読者の皆さんが知りたかった「いつまで」という問いに対する3つの答えを、明確にまとめておきますね。

【「ドゥラメンテ産駒 いつまで」3つの最終回答】

  1. 1. 競走馬として(レースで見られるのは)いつまで?
    概ね2027年〜2028年頃までと推定されます。
    (根拠:2022年に生まれた最終世代(ラストクロップ) が、競走馬の一般的な引退時期である5歳~6歳を迎えるため 。)
  2. 2. 新しい産駒として(生まれるのは)いつまで?
    すでに終了しています
    (根拠:2021年の父ドゥラメンテの急逝 により、2022年に誕生した世代が最後の産駒(ラストクロップ)であるため 。)
  3. 3. 血統として(未来に残るのは)いつまで?
    未来永劫続きます
    (根拠:タイトルホルダー などの後継種牡馬が「父系」として、そしてリバティアイランド などの歴史的名牝が「母系」として、その血を未来へと繋いでいくことが確実視されているため。)

私たちが「競走馬」としてのドゥラメンテ産駒を応援できる時間は、本当に残りわずかとなってしまいました。

だからこそ、今この瞬間、ターフを走っているマスカレードボール たち最終世代の姿を、一瞬たりとも見逃さないように、その目に焼き付けながら全力で応援したいですね。

そして、彼らがターフを去っていくであろう2027年。

その同じ年に、今度はタイトルホルダーの子供たち、つまりドゥラメンテの「孫世代」がデビューしてきます。父から子へ、そして子から孫へと受け継がれていく「血のバトンタッチ」という壮大なドラマを、私たちはこれから目の当たりにすることになります。

その日を楽しみに、まずは最後の子供たちの走りを、最後まで見届けましょう。

【免責事項】

この記事に記載されている情報は、2025年11月時点のデータ や、一般的な競走馬の傾向 に基づき執筆したものです。馬の引退時期には個体差があり、必ずしも記載の通りになるとは限りません。あくまで一つの目安としてお考えください。

また、記事の内容は特定の馬券の購入を推奨するものではありません。馬券の購入は個人の判断と責任においてお願いいたします。この記事によって生じたいかなる損失についても、当ブログでは責任を負いかねますので、あらかじめご了承ください。

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