福島競馬場の開催日についてお調べですね。東北地方で唯一、中央競馬の熱戦が繰り広げられる福島競馬場ですが、具体的な年間スケジュールや、どのようなレース一覧が組まれているのかは、観戦計画を立てる上でまず知りたい情報です。
また、競馬開催日の入場料はいくらなのか、快適に観戦できる指定席は必要なのか、あるいは福島競馬場開催日以外でも入場できるのか、といった基本的な疑問をお持ちの方も多いでしょう。
さらに、場内で楽しめるグルメ情報から、JR福島駅からのバスでの具体的なアクセス方法、そして遠方からの訪問に欠かせない周辺ホテルや温泉宿の情報まで、知りたいことは多岐にわたるかと思います。
この記事では、そうした実用的な情報はもちろん、「中央競馬はなぜ福島に置かれているのですか?」という歴史的な背景や豆知識も含め、初めて福島競馬場を訪れる方でも安心して120%楽しめるよう、あらゆる情報を網羅して詳しく解説します。
- 福島競馬場の開催スケジュールと入場料
- 開催日以外の楽しみ方と場内施設
- 指定席の種類と予約方法
- 競馬場グルメと周辺の温泉・宿泊情報
福島競馬場の開催日と基本情報
- 福島競馬場の年間スケジュール
- 福島競馬場の入場料はいくら?
- 福島競馬場開催日以外の楽しみ方
- 福島競馬場へのバスでのアクセス
福島競馬場の年間スケジュール
- YUKINOSUKE
福島競馬場の開催は、例年「春・夏・秋」の3回に分けて行われるのが最大の特徴です。これは、JRA(日本中央競馬会)が定める年間の開催スケジュールの中で、福島競馬場が、東京や中山といった主要な競馬場(中央場所)での開催が一区切りつくタイミングでバトンを受け取る形で、短期集中開催(ローカル開催)を行う仕組みになっているためです。
このため、一年中レースが行われているわけではなく、「福島競馬が開催される季節」は特別なイベントとして、地元ファンはもちろん、遠方からも多くのファンが訪れます。
1回の開催(「第1回」「第2回」などと呼ばれます)は、約2〜3週間にわたり、その間の土曜日・日曜日にレースが組まれます。レース日数自体は各回6日間(3週末)が基本パターンとなり、年間合計で18日間程度のレースが開催されます。
各シーズンの主な特徴とメインレースは以下の通りです。
第1回(春開催):例年4月頃
桜の開花時期と重なることも多い、華やかなシーズンです。この時期のメインレースとして、「福島牝馬ステークス(GⅢ)」が行われます。これは春の女王決定戦「ヴィクトリアマイル(GⅠ)」へとつながる重要なステップレースとして、毎年多くの実力馬が集まります。
第2回(夏開催):例年7月頃
夏の福島開催は、伝統の重賞レースが2つ組まれているのが特徴です。3歳馬限定のハンデキャップ競走「ラジオNIKKEI賞(GⅢ)」と、夏の風物詩ともいえる「七夕賞(GⅢ)」が行われます。特に七夕賞は、高額配当が出やすい「荒れるハンデ重賞」としても有名です。
第3回(秋開催):例年11月頃
福島競馬の1年を締めくくるシーズンフィナーレです。秋のGⅠシーズン真っ只中で行われるため、他場(東京・京都など)のGⅠレースと合わせて楽しむファンも多くいます。メインレースは、伝統のハンデキャップ重賞「福島記念(GⅢ)」が組まれています。
また、2024年にJRAが創立70周年を迎えたように、開催日にはこうした重賞レース以外にも、ヒーローショーや人気タレントのトークショー、地元のグルメフェスなど、家族連れや競馬初心者でも楽しめる様々なイベントが併催されることも多いです。
【最重要】必ずJRAの公式情報を確認してください
この開催パターンや重賞レースは、あくまで例年の基本的な傾向です。JRAの事業計画によっては、開催時期が数週間ずれたり、日数が変更されたりする可能性もゼロではありません。
観戦を計画される際は、必ずその年のJRA(日本中央競馬会)が発表する公式の開催日カレンダーで、最新の正確なスケジュールをご確認ください。
福島競馬場の入場料はいくら?
- YUKINOSUKE
福島競馬場の入場料は、利用する目的によって3つのパターンに明確に区分されています。結論から言いますと、福島競馬の開催日であっても、入場料はわずか100円です。
競馬場と聞くと高額なイメージを持つかもしれませんが、JRAは競馬の魅力を広く知ってもらうため、非常に安価な料金設定をしています。さらに、15歳未満のお子様は、開催日であっても無料で入場できます。
この100円(または無料)で、パドックでレース前の競走馬を間近で観察したり、本馬場で迫力あるレースを観戦したり、開催日に行われる各種イベント(ヒーローショーやトークショーなど)を楽しんだりと、一日中過ごすことが可能です。ご家族でのレジャー施設としても、非常にコストパフォーマンスが高いと言えます。
具体的な入場料の体系は、以下の表の通りです。
| 利用日 | 入場料 | 備考 |
|---|---|---|
| 福島競馬 開催日 | 100円 | 15歳未満は無料です。 有人窓口にて現金または交通系ICカード等で支払います。 |
| パークウインズ時 (場外発売日) |
無料 | GⅠレース開催日なども含め、無料で入場し場内モニターで観戦できます。 |
| 平日払戻サービス日 | 無料 | 払戻およびUMACA入出金のみの利用となります。 |
パークウインズ(場外発売日)は入場無料
福島競馬が開催されていない土日・祝日(「パークウインズ」と呼ばれます)は、入場料が無料になります。日本ダービーや有馬記念といったGⅠレースが他場(東京競馬場や中山競馬場など)で行われる日でも、入場料を支払うことなく場内の大型ビジョンで観戦し、馬券を購入することが可能です。
指定席利用に関する注意点
ここまで説明した100円の入場料は、あくまで競馬場内の一般エリア(パドック、スタンド1階の一般席、馬場内など)への「入場」に対する料金です。
スタンド4階・5階などにある「指定席」を利用する場合は、別途「指定席料金」が必要です。
ただし、指定席料金にはこの入場料100円分が含まれています。(※指定席は全てネット予約のみ。詳細は後述)
したがって、事前に指定席券を購入している方は、入場ゲートで別途100円を支払う必要はありません。
平日払戻サービスと回数券について
▼平日払戻サービス
原則として毎週月曜日の10時00分から16時00分まで、立体駐車場1階の平日払戻所にて、払戻とUMACAの入出金サービスを行っています。
(注:月曜日が祝日や競馬開催日にあたる場合は、翌火曜日に実施されます。年末年始は休止です)
▼共通入場回数券
JRA競馬場共通入場回数券(8枚1組1,000円)も以前は販売されていましたが、現在は運用を休止していますのでご注意ください。
福島競馬場開催日以外の楽しみ方
- YUKINOSUKE
「福島競馬場でレースが開催されていない日は、入場できないのでは?」あるいは「入場しても楽しめないのでは?」と考える方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、福島競馬場は開催日以外でも「パークウインズ」として営業しており、開催日とはまた違った魅力で多くの競馬ファンに開かれています。
パークウインズ(場外発売)とは?
パークウインズとは、福島競馬場でレースが開催されていない土曜日・日曜・祝日に、場外発売所として営業する形態のことです。具体的には、東京競馬場や京都競馬場、中山競馬場、阪神競馬場などで開催されている中央競馬の全レースの馬券を購入し、スタンド1階などに設置された大型ビジョンで観戦することができます。
最大のメリットは、入場料が無料である点です。日本ダービーや有馬記念といったGⅠレース当日であっても、一切費用はかかりません。場内は開催日ほどの混雑はなく、それでいてGⅠレースの締め切り直前やゴール前は、大型ビジョンを見つめる多くのファンと共に、独特の熱気や一体感を味わうことができます。
パークウインズの隠れた魅力:ゆったりと競馬を研究
逆に言えば、開催日のような「お祭り」的な混雑が苦手な方や、じっくりと競馬を研究したい方にとって、パークウインズは最適な環境です。
開催日には席の確保も難しいことがありますが、パークウインズの日は比較的ゆったりと座席を利用できます。競馬新聞を広げ、静かな環境でじっくりと予想を組み立てるには、むしろ開催日よりも適していると言えるでしょう。一部のレストランや売店(JRA公式サイトで「PW」マークが付いている店舗)も営業しているため、場内グルメを楽しみながら一日を過ごすことも可能です。
開門時刻や発売・払戻の時間は、原則として以下の通りです。
- 開門時刻:原則として9時15分
- 発売・払戻:原則として9時30分から16時50分まで
【最重要】馬場内キッズパークの閉鎖期間に注意
パークウインズの日に訪れる際、特にご家族連れが注意すべき点があります。それは、お子様連れに人気の「馬場内キッズパーク」の閉鎖期間です。
コースの芝生を保護・管理するため、また冬季の安全を確保するため、福島競馬場の馬場内エリアは、年間を通して長期間閉鎖されます。
(参考例:2025年の閉鎖予定期間)
- 1月5日(日曜)から4月6日(日曜)まで
- 7月26日(土曜)から9月28日(日曜)まで
- 11月29日(土曜)から年末まで
この期間中は、当然ながらポニーリンク、アスレチック施設、ふわふわドームなども一切利用できません。また、美しい「ローズガーデン」も馬場内エリアにあるため、平日は立ち入ることができません(パークウインズ営業日かつ馬場内開放期間中は見学可能です)。
「無料の日に子どもを遊ばせよう」と考えて訪問しても、馬場内エリア自体が閉鎖されていて入れなかった、ということになりかねません。これらの施設利用が目的の場合は、お出かけ前に必ずJRA公式サイトで馬場内エリアの開放状況をご確認ください。
福島競馬場へのバスでのアクセス
福島競馬場へのアクセスを考える際、JR福島駅が全ての起点となります。特に、福島競馬の開催日は、競馬場周辺の道路が朝から大変混雑し、駐車場の確保も困難になるため、JRA(日本中央競馬会)も公共交通機関の利用を強く推奨しています。
結論から言いますと、JR福島駅東口から発車する「路線バス」が、最も便利で確実な方法です。
路線バスでのアクセス(推奨)
JR福島駅(東口)のバスターミナルから、福島競馬場(「競馬場前」バス停)へ向かう路線バスが多数運行しています。最大のメリットは、「時刻表をほとんど気にする必要がない」点です。
これは、2番・3番のりばから発車する「伊達(だて)方面」や「梁川(やながわ)方面」など、行先が異なる複数のバスが、共通のルートとして「競馬場前」を経由するためです。開催日は特に、数分待てば次のバスが来るという高頻度で運行されています。
JR福島駅からのバス利用情報
- のりば:JR福島駅 東口バスターミナル 2番・3番のりば
- 所要時間:約15分(注:開催日は道路混雑で20~30分かかる場合もあります)
- 料 金:250円
- 下車バス停:「競馬場前」(競馬場の正門ロータリーの目の前です)
詳細な時刻表や路線については、福島交通の公式ホームページも合わせてご確認ください。
その他のバスアクセス
上記の路線バスが基本ですが、他にもいくつかのバスルートが存在します。
- 高速バス:仙台、会津若松、相馬など、県内や近隣県からは「福島競馬場前」バス停まで直通の高速バスも運行されています。乗り換えがないため、対象地域にお住まいの方には非常に便利です。
- メロディバス:JR福島駅東口7番のりばから発車する、市内循環の「メロディバス」を利用する方法もあります。ただし、下車バス停が「児童公園入口」となり、そこから競馬場まで徒歩約5分かかります。古関裕而記念館など、周辺観光と合わせる場合には選択肢になります。
駐車場情報(車でのアクセス)
もちろん、車での来場も可能です。競馬場周辺には、JRAが管理・運営する公式駐車場が7箇所(第1~第5、第7、堀河)用意されています。
駐車料金は、開催日とパークウインズ(場外発売)時で異なります。一般的に、第1・第2といった有料駐車場がスタンドに近く、無料の駐車場(第5・第7・堀河)はやや離れた場所に配置されています。
(注記:第6駐車場は2024年3回福島競馬より閉鎖されています)
| 駐車場 | 収容台数(目安) | 福島競馬 開催日 | パークウインズ時 |
|---|---|---|---|
| 第1駐車場 | 約486台 | 1,000円 | 500円 |
| 第2駐車場 | 約404台 | 1,000円 | 500円 |
| 第3駐車場 | 約57台 | 1,000円 | 無料 |
| 第4駐車場 | 約113台 | 1,000円 | 無料(第3満車後) |
| 第5駐車場 | 約91台 | 無料 | 無料 |
| 第7駐車場 | 約90台 | 無料 | 無料(他満車後) |
| 堀河駐車場 | 約175台 | 無料 | 無料 |
車利用の最大の注意点:帰りの混雑
車での来場を検討する際に、最も考慮すべきは「帰りの渋滞」です。
開催日は、朝の開門時間に合わせて多くの車が来場するため、早い時間帯(特に午前9時頃)には満車になることも珍しくありません。しかし、問題はそれ以上に「退場時」です。
メインレース(通常11レース、15時台)が終了すると、数千台の車が一斉に駐車場から出ようとするため、周辺道路は完全に飽和状態となります。駐車場から出るだけで30分~1時間以上かかることもあり、これは非常に大きなストレスとなります。
よほどの理由(競馬場から直接遠方へ帰る、荷物が非常に多いなど)がない限り、「JR福島駅まで電車 + 駅から路線バス」という組み合わせが、時間的にも精神的にも最も快適なアクセス方法として強く推奨されます。
福島競馬場の開催日を満喫する方法
- 福島競馬場のレース一覧と特徴
- 予約必須?福島競馬場の指定席
- 福島競馬場で味わえるグルメ
- 中央競馬はなぜ福島にあるのか?
- 福島競馬場周辺のホテルと温泉
福島競馬場のレース一覧と特徴
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福島競馬場は、JRA全10場の中でも特に「騎手の腕が試される」と言われる、テクニカルなコースレイアウトが特徴です。その理由は、コース全体の起伏が少なく(ほぼ平坦)、スパイラルカーブ(コーナーの入口から出口にかけて半径が小さくなるカーブ)を採用していること、そして何より「最後の直線が約292.1メートルと非常に短い」点にあります。
例えば、東京競馬場(約525.9m)や新潟競馬場(約658.7m)のような長い直線とは対照的に、福島ではゴール前の大逆転(「追い込み」と呼ばれる戦法)が非常に決まりにくい構造です。そのため、スタートダッシュを決めて、いかに有利な位置(先行・好位)を確保できるか、そして最後の第4コーナーをいかにスムーズに回ってこられるかが、勝敗を分ける大きな要因となります。まさに「玄人好み」と言われるゆえんです。
福島競馬場だけの特殊なレース距離
コース設定における最大の特徴は、ダートコースの距離設定でしょう。JRAの競馬場で唯一、「ダート1150m」という特殊な距離のレースが行われます。これは、芝コースの途中にあるポケット地点からスタートし、すぐにダートコースに合流するというトリッキーな設定です。このため、純粋なダート適性だけでなく、スタート直後の芝部分でのダッシュ力も問われることになります。
また、「ダート1700m」も、中央の王道である1800mとは異なる適性が求められる距離設定です。福島競馬場で設定されている主なレース距離は以下の通りです。
- 芝コース(右回り):1200m, 1800m, 2000m, 2600m
- ダートコース(右回り):1150m, 1700m, 2400m
この中でも、特に「芝1800m」は、スタンドの目の前がスタート地点となります。ファンファーレの直後、大歓声の中でゲートが開く瞬間と、全馬が第1コーナーへ向かってなだれ込むまでのポジション争いを、最も間近で体感できる人気のコース設定です。
忘れてはならないのが、障害レースです。福島競馬場は障害競走にも力を入れており、専用の「襷(たすき)コース」を駆け抜けます。馬場内にあるローズガーデン付近からは、障害を飛越する迫力満点のシーンを間近に見ることができ、平地のレースとは違ったスリルと興奮を味わえます。
福島競馬場の主な重賞レース
福島競馬場で開催される重賞レースは、前述した「春・夏・秋」の各開催を象徴する形で設定されています。いずれもGⅢレースですが、GⅠレースへとつながる重要なステップレースや、高額配当が魅力の「ハンデキャップ競走」が多く、競馬ファンの注目度は非常に高いです。
福島競馬場の4大重賞レース
第1回(春) 福島牝馬ステークス(GⅢ)
春の女王決定戦「ヴィクトリアマイル(GⅠ)」の優先出走権をかけた、牝馬(メス馬)限定の重要な前哨戦です。
第2回(夏) ラジオNIKKEI賞(GⅢ)
3歳馬限定のハンデキャップ競走で、ここをステップに秋のGⅠ戦線(菊花賞など)へ向かう登竜門的なレースとされています。
第2回(夏) 七夕賞(GⅢ)
夏の福島の風物詩ともいえる名物レースです。「荒れるハンデ重賞」の代名詞的存在で、一筋縄ではいかない展開と高額配当が魅力です。
第3回(秋) 福島記念(GⅢ)
その年の福島競馬の最後を締めくくる伝統のレースです。中距離の実力馬が揃うハンデキャップ競走で、有馬記念(GⅠ)など年末の大レースを占う上でも注目されます。
予約必須?福島競馬場の指定席
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福島競馬場の開催日を快適に過ごすなら、天候に左右されず、自分だけの席が確保される指定席の利用が断然おすすめです。特にGⅢレース開催日や天候が不安定な日は、一般席が大変混雑するため、その価値を実感できるでしょう。
ただし、福島競馬場の指定席を確保するには、購入方法に関する「最大の注意点」が存在します。これを知らないと、当日競馬場に着いても指定席は絶対に利用できません。
【最重要】指定席は「JRA指定席・入場券ネット予約」のみ!
現在、福島競馬場の指定席は、全ての開催日において「JRA指定席・入場券インターネット予約サイト」でのみ発売されます。
かつて行われていたような、開門と同時に競馬場の窓口に並んで購入する「当日発売」は一切ありません。「朝早く行けば買える」という感覚は、今はもう通用しないため、この点は絶対に間違えないでください。
購入までの流れ
- JRA指定席ネット予約の会員登録
まず、JRAの公式サイトから「指定席・入場券ネット予約」の会員登録(無料)を済ませる必要があります。登録にはクレジットカードが必要で、20歳未満の方は会員登録できません。 - 抽選・先着販売に申し込む
開催日の約1〜2週間前から、抽選販売や先着販売が開始されます。重賞レースが行われる日やGⅠレースの場外発売日は非常に人気が高く、「抽選」になることがほとんどです。
つまり、指定席は「お金を払えば買える」ものではなく、「事前に会員登録し、抽選や先着販売の競争に勝って初めて確保できる」ものだと認識しておく必要があります。
主な指定席の種類と特徴は以下の通りです。料金は開催日やレースのグレード(GⅢ当日、GⅠの場外発売日など)によって変動します。
| 席種 | 場所 | 特徴 | コンセント | モニター |
|---|---|---|---|---|
| A指定席 | スタンド4階 | ガラス張りの屋内席。ゴール前の攻防を間近で観戦可能。 | あり(全席) | あり(2席毎) |
| B指定席 | スタンド4階 | ガラス張りの屋内席。4コーナーから直線の攻防が見やすい。 | あり(全席) | あり(2席毎) |
| C指定席 | スタンド5階 | ガラス張りの屋内席。最も安価。ターフビジョン真正面。 | あり(全席) | なし |
| ラウンジ席 | スタンド4階 | 4名1組のテーブル席。専用ベランダ(屋外)で観戦可能。 | あり | (室内共用) |
| スマートシート | 屋外・2階・3階 | 一人用の席。場所により屋根の有無や眺望が異なる。 | なし | なし |
| UMACAシート | スタンド3階 | 在席でキャッシュレス投票が可能。 | あり | (在席投票端末) |
各指定席のメリット・デメリット
A指定席・B指定席(4階)
最もスタンダードで人気のある屋内席です。A指定席はゴール板の真正面、B指定席は4コーナー寄りと、眺望に差はありますが、全席にコンセントと2席に1台の小型モニターが完備されており、快適性は抜群です。コストパフォーマンスのバランスが良いのはB指定席と言えるでしょう。
C指定席(5階)の注意点
最も安価なC指定席ですが、一点だけ大きな注意点があります。それは、デスクに小型モニターが設置されていないことです。
コンセントは全席にありますが、レース映像やオッズはご自身のスマートフォンで確認するか、遠くの大型ターフビジョンを見る必要があります。この点を理解した上で選ばないと、不便を感じるかもしれません。
ラウンジ席(4階)
4名1組(料金は1テーブル単位)でのみ利用可能なグループ席です。最大の魅力は、ラウンジ席利用者専用の屋外ベランダが付属している点です。室内でゆっくり予想し、レースは外の臨場感あふれるベランダで観戦する、という贅沢な使い方ができます。人気が非常に高く、抽選倍率は高めです。
スマートシート(屋外・2階・3階)
一人用の簡易的な座席です。場所によって特徴が異なり、スタンド1階の屋外席はコースに最も近い反面、雨天時は利用が困難です。スタンド2階・3階のスマートシートは屋根のある屋内(ただしガラス張りではない吹き抜け)にあり、天候の影響を受けにくいです。いずれも安価ですが、コンセントやモニターはありません。
UMACAシートの運用終了
スタンド3階にあるUMACAシートは、各席の端末でキャッシュレス投票(UMACA投票)ができる便利な席でした。しかし、このUMACAシートは2025年の第3回福島競馬(秋開催)をもって運用を終了することが発表されています。何卒ご了承ください。
車椅子専用席・シニア席について
福島競馬場には、車椅子をご利用の方やシニア層向けの席も用意されています。
- 車椅子専用指定席:A指定席エリア(3席)、UMACAシートエリア(1席)に設置されています。これらは他の指定席同様、インターネット予約が必要です。
- 車椅子専用観覧席:スタンド2階の一般エリアに、予約不要(入場後先着順)の車椅子専用観覧スペースが6席分あります。
シニア専用席(65歳以上)の利用方法
シニア専用席は、他の指定席とは利用方法が全く異なります。
インターネット予約は不要で、福島競馬開催日当日に、スタンド4階南ガーデンプラザの「シニア受付」にて先着順で受け付けます。65歳以上と確認できる身分証明書(運転免許証、健康保険証など)を提示すれば、入場料(100円)のみで利用できます。席にはコンセントも設置されています。
【重要】施設利用(エレベーター)の注意点
福島競馬場を利用する上で、非常に重要な注意点があります。それは、お客様が自由に利用できるエレベーターが設置されていないことです。
例えば、4階の指定席から1階のパドックへ移動する場合、階段を利用する必要があります。車椅子をご利用の方や、足腰に不安のあるシニアの方が他の階へ移動される場合は、近くの係員にお声がけいただく必要があります。係員が業務用エレベーターへ案内する形となるため、移動には時間がかかることをあらかじめご了承ください。
福島競馬場で味わえるグルメ
- YUKINOSUKE
福島競馬場のもう一つの大きな魅力は、ファンの間で「競馬場メシ」として親しまれている、充実したグルメ環境です。単に空腹を満たすだけでなく、食事もレジャーの一部として楽しめるよう、多彩な選択肢が揃っています。
場内の飲食店は、大きく分けて2つのエリアに集約されています。レース間の短い休憩で素早くエネルギーを補給したい場合は、スタンド1階のフードプラザが便利です。逆に、友人や家族とゆっくりと席に座って食事を楽しみたい場合は、スタンドの3階から5階にあるレストランが適しています。
スタンド1階:スピード勝負のファストフード&丼
スタンド1階は、パドックとコースを行き来する合間に立ち寄れる、利便性の高い店舗が中心です。おなじみの「吉野家」をはじめ、以下のような専門店が並びます。
- 鳥ぎん(スタンド1F)
手作りの「海老天丼」や「カツ丼」、そして競馬場の定番とも言える「もつ煮」が人気です。特に寒い日のもつ煮は、体を温めるのに最適です。 - 上杉(スタンド1F)
米沢牛を使用した「焼肉弁当」を扱う、少しリッチな選択肢です。ファストフードでありながら、本格的な味を楽しみたい方におすすめします。 - 勝鶏どんどん(スタンド1F)
「鶏(とり)」と「勝(かつ)」をかけた縁起の良い名前のお店です。「玉とじ丼」や「カツカレー丼」など、ボリュームのある丼ものが中心です。
3階~5階:ゆったり座れるレストラン
スタンドの上層階には、落ち着いた環境で食事ができるレストランがあります。ガラス張りの席からコースを眺められる場所もあり、レースの合間に一息つくのに最適です。
- 赤井(スタンド3F)
昭和15年創業の歴史ある老舗食堂です。野菜がたっぷり入った「豚汁定食」や、昔ながらの「タンメン」が根強い人気を誇ります。 - 精華苑(スタンド4F)
競馬場グルメの定番、中華料理のレストランです。観戦で少し冷えた体に染みる「ラーメン」や「ヤキソバ」は、多くのファンに愛されています。 - サザンクロス(スタンド5F)
スタンド最上階にある洋食レストランです。「ステーキセット」や「スパゲティ」など、福島のお米や野菜にこだわったメニューを提供しています。
開催日限定のお楽しみと、パークウインズ営業
福島名物「円盤餃子」
競馬開催期間中、イベントスペースや特設ブースで、福島市が誇る名物「円盤餃子」のキッチンカーなどが出店することがあります。これらは常設店舗ではないため、出会えたらぜひ味わっておきたいグルメの一つです。
パークウインズ(場外発売日)の営業
前述の通り、福島競馬の開催日以外(パークウインズ時)でも、一部の店舗は営業しています。
(営業例:「吉野家」「精華苑」「赤井」「花月寿」など)
JRA公式サイトの店舗一覧で「PW」マークが付いているお店が目印です。開催日ほどの混雑がなく、お気に入りの「競馬場メシ」をゆっくりと楽しめるため、あえてパークウインズの日を狙って訪れるファンもいます。
中央競馬はなぜ福島にあるのか?
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JRA(日本中央競馬会)が運営する競馬場は全国に10カ所ありますが、その中で東北地方には福島競馬場しかありません。「なぜ東北で唯一、福島市に中央競馬が置かれているのか?」と疑問に思う方もいるかもしれません。
その答えは、福島という土地と競馬が持つ、100年以上にわたる非常に深く、そして地元主導の歴史的な結びつきにあります。
福島における競馬の起源は、遠く1887年(明治20年)にまで遡ります。当時、福島市のシンボルである信夫山(しのぶやま)の山頂にあった招魂社(現在の福島県護国神社)で、祭礼として「奉納競馬」が盛大に行われたのが、その全ての始まりとされています。
馬は古くから神聖な乗り物とされ、また当時の福島周辺地域は馬産(馬の生産)が盛んな土地柄でもありました。祭礼という神事と、地域の産業・文化であった馬を競わせる行事が結びつくのは、非常に自然な流れだったのです。
この奉納競馬が地元の人々の間で大変な人気を博し、競馬への関心は急速に高まっていきました。そして、その熱意が実を結び、1918年(大正7年)には地元の有志らによる「信夫郡競馬会」が設立され、ついに現在の場所(当時の福島町字阿字地内)に、常設の競馬場(当時1周1,000m)が開設されたのです。これが、第1回福島競馬の開催であり、行政からのトップダウンではなく、地域の熱意によって誕生した競馬場である点が重要です。
その後、競馬は全国的に発展し、法律(旧競馬法など)による整備が進められていきました。福島競馬場も、こうした時代の流れの中で「日本競馬会」(JRAの前身組織の一つ)の管轄となり、戦後の国営競馬の時代を経て、1954年(昭和29年)の日本中央競馬会(JRA)設立に伴い、正式に「中央競馬」を開催する競馬場の一つとして組み込まれました。
つまり、福島競馬場は「中央競馬を誘致するために後から作られた」のではなく、「地元の人々が100年以上前から育んできた競馬文化と歴史が、中央競馬という大きな流れに合流し、現在に至っている」というのが正確な答えです。
前述の通り、明治時代から福島の文化と歴史に深く根付いてきた場所であり、単なる公営競技の施設という枠を超えた、地域にとって欠かせないレジャーランドとしての役割を担い続けているのです。
福島競馬場周辺のホテルと温泉
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福島競馬場の開催日に合わせて遠方から訪れる場合、宿泊先の確保は重要な計画の一部です。この場合、選択肢は主に「アクセスの利便性を最優先する」か、「競馬を週末の観光レジャーとして楽しむ」かで分かれます。
まず、利便性を最優先する場合、JR福島駅周辺に多数集積しているビジネスホテルが第一候補となります。最大のメリットは、競馬場へのアクセス拠点である「駅東口バスターミナル」に直結している点です。レース当日は早朝からスムーズに移動でき、競馬観戦後は駅周辺の飲食店街で食事を楽しむなど、時間を効率的に使いたい方には最適の選択と言えます。
一方、もし時間に少しでも余裕があり、今回の訪問を「旅」として楽しみたいのであれば、福島市が誇る「温泉地」での宿泊を強くおすすめします。福島市には、泉質も立地も異なる「福島三名湯」と呼ばれる代表的な温泉地があり、競馬の興奮を名湯で癒すという、贅沢な週末を過ごすことが可能です。
福島三名湯:それぞれの魅力と選び方
1. 飯坂温泉(いいざかおんせん)
JR福島駅から私鉄「福島交通飯坂線」に乗り換え、ローカル線の旅情を感じながら約20分で到着する、アクセス良好な温泉地です。ここは「温泉街」としての風情が色濃く残っており、複数の共同浴場(有名な「鯖湖湯」など)を巡る「湯めぐり」や、街歩きを楽しみたい方に最適です。2024年に飯坂線が開業100周年を迎えるなど、話題性もあります。
2. 土湯温泉(つちゆおんせん)
JR福島駅から路線バスで約40分、山あいの静かな環境を求めるなら「土湯温泉」があります。ここは「こけし(土湯系)」の産地としても全国的に知られており、華やかな温泉街とは一線を画す、落ち着いた自然の中で癒されたい方に向いています。
3. 高湯温泉(たかゆおんせん)
温泉の「質」にこだわる本物志向の方には「高湯温泉」がおすすめです。前述の通り、福島駅からバスで約40分、標高750mの高原に位置します。ここの特徴は、全国でも有数の高濃度な「乳白色の硫黄泉」です。温泉街としての賑やかさはありませんが、「湯治」に近い感覚で、ひたすら名湯に浸かってレースの疲れを癒したい方には、最高の選択肢となるでしょう。
競馬と温泉を両立するモデルプラン
これらの温泉地は、いずれも福島駅(または競馬場)から30分~40分程度と、比較的アクセスしやすい距離にあります。
おすすめのプランとしては、「土曜日に福島入りして温泉旅館に宿泊、日曜朝にチェックアウトして福島駅のコインロッカーに荷物を預け、バスで競馬場へ向かう」という流れです。これなら、帰りの新幹線の時間も気にせず、競馬と温泉の両方を満喫できます。
市内の観光や宿泊プランの詳細については、福島市観光ノート(福島市観光コンベンション協会)のウェブサイトが非常に参考になります。開催日で競馬観戦を思い切り楽しんだ後は、福島三名湯のいずれかでゆっくりと疲れを癒す、そんな贅沢な週末を計画してみてはいかがでしょうか。
福島競馬場の開催日まとめ
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福島競馬場の開催日情報から、アクセス、指定席の予約方法、場内グルメ、そして周辺の観光情報まで、詳細にわたって解説しました。最後に、この記事の重要なポイントをまとめます。
福島競馬場の開催は、例年「春・夏・秋」の年3回、短期集中で行われます。開催日の入場料は100円(15歳未満は無料)と非常に安価ですが、福島競馬が開催されていない「パークウインズ」の日は入場無料となり、他場のGⅠレースなどを楽しむことが可能です。
アクセスに関しては、JR福島駅東口の2番・3番バスのりばから「競馬場前」へ向かう路線バス(約15分)が最も便利です。前述の通り、開催日は駐車場の混雑と退場時の渋滞が常態化するため、公共交通機関の利用を強く推奨します。
場内では、東北唯一の中央競馬場として、小回り平坦コースを舞台にした白熱したレースが繰り広げられます。福島牝馬ステークス(GⅢ)や七夕賞(GⅢ)といった名物重賞は特に見ごたえがあります。
これらのレースを快適に観戦するための指定席は、JRAのインターネット予約サイトでのみ発売されます。競馬場窓口での当日発売は一切ないため、この点は最大の注意点です。スタンド4階のA指定席・B指定席はコンセントとモニターが完備されており快適ですが、5階のC指定席は安価な代わりにモニターがないため、ご自身のスタイルに合わせて選ぶ必要があります。また、65歳以上の方が開催日のみ利用できるシニア席(入場料のみ・先着順)なども用意されています。なお、在席投票が可能なUMACAシートは、2025年秋の開催をもって運用を終了する予定です。
レース以外にも、場内には老舗レストランからファストフードまで「競馬場メシ」が充実しています。その歴史は1887年(明治20年)に信夫山で行われた「奉納競馬」にまで遡る、非常に歴史ある競馬場です。
さらに、福島競馬場は「福島三名湯」(飯坂温泉、土湯温泉、高湯温泉)へのアクセスも良好です。特に飯坂温泉へは、福島駅から福島交通飯坂線で約20分と近く、競馬観戦と温泉旅行をセットで楽しむプランも非常におすすめです。










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