【完全攻略】札幌競馬場芝2000m傾向と対策!過去データで勝つ

コースの特徴
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こんにちは。YUKINOSUKEです。

夏の北海道競馬、特に札幌競馬場芝2000mの傾向については多くの競馬ファンが頭を悩ませているのではないでしょうか。洋芝という特殊な環境や独特なコース形状は、私たちが普段見慣れている中央場所とは全く異なるレース展開を生み出します。単純なスピード勝負にはなりにくく、枠順の有利不利や血統的な適性、そして騎手の手腕が複雑に絡み合う難解なコースです。だからこそ、しっかりとしたデータ分析と傾向の把握が的中への最短ルートになります。今回は膨大なリサーチ資料をもとに、札幌芝2000mを攻略するための核心に迫ります。

  • 独特なコース形状が生み出す物理的なバイアスとレース展開の法則
  • 洋芝適性が高い種牡馬やこのコースで無類の強さを誇る騎手データ
  • 重馬場や道悪になった際に激変する狙い目の血統と戦術
  • 予想の精度をさらに高めるための便利なAIツールや良質な書籍
  1. 過去から学ぶ札幌競馬場芝2000mの傾向と攻略法
    1. タイムやラップから見るコースの特徴
      1. スタート直後の「385m」が作り出す静寂と嵐
      2. 高低差0.7mの「完全平坦」が生む過酷な消耗戦
      3. クラス別平均タイムに見る「壁」の正体
    2. 枠順の有利不利と外枠が苦戦する理由
      1. なぜ「8枠」は鬼門と呼ばれるのか?
      2. データが証明する「1枠・3枠」の黄金地帯
      3. 定説が覆る瞬間:「逆トラックバイアス」を見逃すな
    3. 横山武史など得意な騎手をデータで分析
      1. 「北の絶対王者」横山武史の支配力
      2. 安定感ならC.ルメール、一発狙いなら丹内祐次
      3. 若手の台頭とベテランの妙技
    4. 洋芝に強い種牡馬や血統の選び方
      1. 札幌の絶対王者「ゴールドシップ」の方程式
      2. 欧州の重戦車「ハービンジャー」とパワー型サンデー
      3. 「ディープインパクト」の取り扱い説明書
    5. 脚質ごとの成績とマクリが決まる条件
      1. なぜ札幌のカーブは減速せずに回れるのか?
      2. 直線「266m」が突きつけるタイムリミット
      3. データで見る「先行有利」と「マクリの破壊力」
      4. 歴史が証明する「マクリ」の成功例と血統
      5. 展開予想のコツ:「誰が動くか」を想像する
  2. 札幌競馬場芝2000mの傾向を活かすAIや書籍
    1. 重馬場や道悪で激変するレースの行方
      1. 「3秒〜5秒」のタイム差が意味する物理的負荷
      2. トラックバイアスの大転換:「内」を捨てて「外」を取れ
      3. 泥んこ馬場で覚醒する「欧州×ステイゴールド」の血
      4. 騎手の「泥臭さ」も重要なファクター
    2. 札幌記念で注目すべき過去のデータ
      1. 1. 「格」が「適性」を凌駕する:ディープインパクトのパラドックス
      2. 2. 逃げ馬の受難と「マクリ」の破壊力
      3. 3. 配当傾向:1番人気は強いが「ヒモ荒れ」に注意
    3. 攻略に役立つおすすめのAIツール紹介
      1. 情報の網羅性と即時性なら「netkeiba」
      2. 映像分析と公式データの強み「JRA-VAN」
      3. データの「見える化」で直感的に勝つ「SPAIA競馬」
      4. ツールはあくまで「武器」、使うのは「あなた」
    4. 予想の精度を高める良質な書籍や本
      1. 馬場の”構造”を解き明かす『馬場のすべて教えます』シリーズ
      2. 血統を武器にするバイブル『亀谷敬正の競馬血統辞典』
      3. コースの”クセ”を丸裸にする『競馬場コース事典』
    5. 札幌競馬場芝2000mの傾向まとめ
      1. 【保存版】YUKINOSUKE流・札幌2000m攻略チェックリスト

過去から学ぶ札幌競馬場芝2000mの傾向と攻略法

札幌競馬場芝2000mは、単なるローカル場の小回りコースではありません。その特殊なレイアウトと「洋芝」という要素が、過去のデータにも色濃く反映されています。ここでは、物理的なコースの特徴から、血統、騎手、そして枠順に至るまで、勝利に直結する重要な傾向を深掘りしていきます。

タイムやラップから見るコースの特徴

まず、札幌競馬場芝2000mを攻略するための土台となる「コースの物理的構造」と、そこから生まれる「ラップタイムの法則」について徹底的に解説します。多くの人が「ローカルの小回りだから、とにかく前に行けばいい」と考えがちですが、このコースはそんな単純なものではありません。スタート地点の特殊性、コーナーの大きさ、そして高低差のなさが複雑に絡み合い、中央場所(東京や阪神など)とは全く異なる能力を競走馬に要求してくるのです。

スタート直後の「385m」が作り出す静寂と嵐

このコース最大の特徴は、スタート地点の位置にあります。4コーナーのさらに奥、ポケットと呼ばれる地点から発走し、最初の1コーナーに飛び込むまでの直線距離は約385mも確保されています。

「385m」という数字がいかに重要か、同じ札幌の芝1800mと比較すると一目瞭然です。1800mコースではスタートからコーナーまで約180mしかなく、外枠の馬は「コーナーまでに内に潜り込まなければ終了」という強烈なプレッシャーの中で先行争いを余儀なくされます。しかし、2000mの385mという距離は、各馬に隊列を整えるための十分な「猶予」を与えます。

この猶予があることで、以下のような現象が起きます。

  • テンの沈静化:無理をしてハナを奪い合う必要がないため、前半3ハロン(600m)のペースは極端に速くなりにくい。
  • 息の入る向正面:隊列がスムーズに決まるため、1〜2コーナーから向正面にかけて一度ペースが落ち着く(息が入る)区間ができやすい。

しかし、ここからが札幌2000mの怖いところです。前半がゆったり流れる分、余力を残した馬たちが向正面(ラスト1000m〜800m地点)あたりから一斉に動き出し、ゴールまで延々とペースが上がり続ける「ロングスパート合戦」に突入するのです。つまり、「前半は静寂、後半は嵐」という極端な二面性を持つコースと言えます。

高低差0.7mの「完全平坦」が生む過酷な消耗戦

次に注目すべきは「高低差」です。札幌競馬場の高低差はわずか0.7m。これはJRA全10場の中で最も起伏が少ない、まさに「完全平坦」なコースです。函館競馬場が高低差3.5mあり、ゴール前に心臓破りの坂を持つのとは対照的です。

「坂がないなら楽なんじゃないの?」と思うかもしれませんが、実は逆です。坂は馬にとって障害ですが、同時に「ペースが自然と落ちる減速ポイント」でもあります。しかし、平坦な札幌では物理的な減速要因がありません。さらに、札幌のコーナーは半径(R)が大きく緩やかであるため、コーナーでもスピードを落とさずに回れてしまいます。

これにより、一度火がついたレースペースは、ゴール板を駆け抜けるまで決して落ちることがありません。ラスト4ハロン(800m)すべてで11秒台〜12秒フラットのラップを刻み続けるような、極めてタフな「持続力(スピードの持続性能)」が問われます。ここで求められるのは、一瞬で他馬を突き放す「ギアチェンジ能力」ではなく、高いトップスピードを長時間維持し続ける「巡航速度の高さ」です。

クラス別平均タイムに見る「壁」の正体

この持続力勝負の傾向は、クラスが上がるほど顕著になります。以下の表は、クラスごとの平均勝ちタイムとラップ傾向をまとめたものです。

クラス 平均勝ちタイム ラップの特徴と求められる能力
新馬戦 2:03.5 瞬発力寄り
道中が極端なスローになりやすく、直線の短い札幌でも「上がり3ハロン」だけの瞬発力勝負になりがち。
1勝クラス 2:01.5 移行期
向正面から動きが出始めるが、まだ前残りの傾向が強い。
2勝クラス 2:01.0 持続力の芽生え
この辺りから道中の緩みが減り、タフな流れになりやすい。
3勝クラス 2:00.6 2分0秒台の壁
淀みないラップが必要となり、ごまかしが効かなくなる。
オープン/重賞 2:00.0 究極の持続戦
札幌記念レベルでは1分59秒台も。スタートからゴールまで息の抜けない消耗戦。

新馬戦とオープンクラスでは、勝ちタイムに3.5秒もの差があります。新馬戦レベルでは「スローからのヨーイドン」で瞬発力タイプの馬(ディープインパクト産駒など)が好走することもありますが、重賞クラス(札幌記念など)になると、道中のペースが厳しくなり、瞬発力タイプは脚をなし崩しに使わされて潰れてしまうことが多々あります。

攻略の核心:
予想をする際は、そのレースのクラスに注目してください。下級条件なら「上がり3Fの速さ」を重視しても良いですが、上級条件になればなるほど「近走で厳しいラップを経験しているか」「バテずに長く脚を使えるか」というスタミナと持続力の裏付けを最優先すべきです。

このように、札幌芝2000mは「スタートの余裕」と「平坦・大コーナー」という要素が組み合わさることで、クラスによって顔を変えるカメレオンのようなコースです。単に「札幌巧者」という言葉だけで片付けず、どのようなラップ適性が求められているかを見極めることが、的中への第一歩となります。

(出典:JRA公式サイト『札幌競馬場 コース紹介』

枠順の有利不利と外枠が苦戦する理由

「札幌競馬場のような小回りコースは、黙って内枠を買え」。これは競馬の格言としてよく耳にしますよね。確かに、最短距離を走れる内枠が有利なのは物理的な真理です。しかし、札幌芝2000mにおいてはこの傾向がより顕著であり、同時に「ある特定の条件下」ではその定説が完全に覆るという、非常に厄介な二面性を持っています。

ここでは、単なる「内枠有利」という言葉で片付けず、なぜ外枠が苦戦するのか、そしてどのような時に外枠が狙い目になるのかを、コース形状とトラックバイアスの観点から論理的に解明します。

なぜ「8枠」は鬼門と呼ばれるのか?

データを見ると、8枠(大外枠)の成績は明らかに劣勢です。勝率、連対率ともに低く、単勝回収率に至っては20%台に沈むデータ期間もあります。能力のある人気馬でも、8枠に入っただけでコロッと負けてしまうケースが後を絶ちません。

その最大の理由は、札幌競馬場特有の「コーナーの大きさ」にあります。札幌はコーナー半径(R)が大きく設計されています。これは「スピードを落とさずに回れる」というメリットがある反面、外を回らされた時の「距離ロスの増幅」が他場よりも大きくなることを意味します。

コーナーを4回回る2000m戦において、終始外々を回らされると、内ラチ沿いを走った馬に比べて数十メートルもの余計な距離を走らされることになります。これはゴール前で1馬身、2馬身の差となって現れます。スタートから1コーナーまで385mあるとはいえ、内の馬もポジションを主張するため、外枠の馬が無理なく内に潜り込むのは至難の業なのです。

Cコース替わりの罠
特に注意が必要なのが、開催途中で行われる「Cコース」への変更時です。内柵が外側に移動することでコース幅員が狭くなると、馬群が凝縮します。この状態で大外枠に入ると、内に潜り込むスペースが物理的に消滅し、最初から最後まで外に弾き出されたままレースを終える「外張り」の状態になりやすいのです。

データが証明する「1枠・3枠」の黄金地帯

一方で、内枠の優位性は揺るぎません。特に1枠(白帽)と3枠(赤帽)の成績は抜群です。

過去のデータを紐解くと、1枠の単勝回収率が250%を超えている期間すら存在します。これは、「とりあえず1枠を買っておけばプラスになる」という異常値です。また、3枠は勝率こそ突出していなくとも、複勝率(3着以内に来る確率)が非常に高く、馬券の軸として最も信頼できるゾーンとなっています。

内枠の馬は、スタートを決めてしまえば、あとはラチ(柵)を頼りに走るだけで距離ロスを最小限に抑えられます。騎手にとっても「進路を選ぶストレス」がなく、馬の能力を出し切ることに集中できるという心理的メリットも見逃せません。

枠番 傾向と対策 狙い目の度合い
1枠・2枠 最短距離を走れる特等席。人気薄でも紐には入れておきたい。 評価アップ
3枠・4枠 勝率・複勝率ともに安定。包まれるリスクも少なく、自在に動けるベストポジション。 軸候補
5枠〜7枠 フラットな評価。展開や馬の能力次第。 維持
8枠 距離ロスが確定的。多頭数(14頭以上)の場合は割引が必要。 評価ダウン

定説が覆る瞬間:「逆トラックバイアス」を見逃すな

しかし、私がこの記事で最も伝えたいのはここからです。「内枠有利」を鵜呑みにしていると、痛い目を見る瞬間があります。それが「馬場の悪化」「開催後半」です。

札幌の洋芝は耐久性が低く、開催が進むにつれて内ラチ沿いからボロボロに剥げていきます。こうなると、内側は走りにくい「デッドゾーン」と化します。騎手たちは荒れた内を避けて外を通ろうとしますが、ここで逆に「最初から外枠にいる馬」が有利になるのです。

  • 綺麗な馬場を選べる:内枠の馬が荒れた馬場に足を取られている間に、外枠の馬は比較的状態の良い部分をスムーズに走れます。
  • 包まれない:皆が外に出そうとして馬群が密集する中、外枠の馬はストレスなく自分のタイミングで仕掛けられます(マクリ戦法など)。

実際に、開催後半や雨上がりのレースでは、5枠より外の馬だけで決着し、内枠の馬が全滅するという極端な「外枠有利(逆トラックバイアス)」が発生することがあります。

YUKINOSUKEの結論:
基本は「内枠天国、8枠地獄」。しかし、開催が進んで芝が茶色く見え始めたり、雨が降ったりした瞬間に思考をリセットしてください。「外枠だから消し」ではなく、「荒れた内を避けられる絶好枠」と捉え直す柔軟性が、高配当を掴む鍵になります。

横山武史など得意な騎手をデータで分析

札幌競馬場芝2000mという舞台は、ジョッキーの腕が結果に直結する「職人芸」の世界です。トリッキーなコース形状、洋芝独特の馬場読み、そして早めのスパート合戦。これらを完璧にこなせる騎手と、そうでない騎手とでは、馬の能力が同じでも着順に雲泥の差が出ます。

ここでは、近年の札幌開催で圧倒的なパフォーマンスを見せている「絶対に買うべき騎手」と、穴馬券を演出する「要注意騎手」を、客観的なデータに基づいて徹底解剖します。

「北の絶対王者」横山武史の支配力

まず、このコースを語る上で避けて通れないのが横山武史騎手の存在です。彼の成績は「得意」というレベルを超えており、直近の集計期間(例:2023年以降など)によっては、勝率約20%、複勝率(3着以内に来る確率)50%という驚異的なアベレージを叩き出しています。

なぜ彼だけがこれほど勝てるのか? その理由は、彼の騎乗スタイルと札幌2000mのコース特性が「パズルのピースのように噛み合っているから」です。

  • 積極的なポジション取り:スタートセンスが抜群に良く、迷わず好位(3〜5番手)を取りに行きます。先行有利なこのコースにおいて、これだけでアドバンテージになります。
  • 3コーナーでの決断力:札幌2000mは「マクリ」や「ロングスパート」が必要ですが、彼は馬の手応えを見極めて動き出すタイミングが絶妙です。他が躊躇している間に先に動いて、4コーナーでは既に勝てる体勢を作っています。

データ上、単勝回収率が100%を超えている期間も多く、人気馬をしっかり勝たせるだけでなく、単勝オッズ10倍〜20倍程度の中穴馬でも頭(1着)まで持ってくる勝負強さがあります。迷ったら、まずは彼を中心に馬券を組み立てるのが勝利への近道です。

YUKINOSUKEの視点:
横山武史騎手が5番人気以内の馬に乗っている時は、馬券の軸から外すのは危険すぎます。「過剰人気かな?」と思っても、彼の手腕でねじ伏せてしまうケースが多々あるので、逆らわないのが賢明です。

安定感ならC.ルメール、一発狙いなら丹内祐次

横山武史騎手に次ぐ存在として、やはりC.ルメール騎手は見逃せません。彼の特徴は「ミスの少なさ」と「馬への負担のなさ」です。無理に外を回すマクリよりも、馬群の中で脚を溜め、直線でスムーズに抜け出す「正攻法」を好みます。そのため、勝率はもちろんのこと、複勝率(安定感)に関しては常にトップクラスを維持しています。特に1番人気〜3番人気の上位人気馬に騎乗した際の信頼度は鉄板級です。ルメール騎手についてはこちらの記事ルメール騎手はどうしたの?落馬事故から現在の無双までも参考にして下さい。

そして、高配当を狙うなら北海道出身の丹内祐次騎手です。彼は「ローカルの鬼」としても知られていますが、特に札幌コースでの「イン突き」技術は芸術的です。他馬が外に膨れるのを見越して、空いた内側のポケットを突いて急浮上してくるシーンを何度も目撃しています。データ的にも単勝回収率・複勝回収率ともに非常に優秀で、人気薄の馬を馬券圏内に持ってくる回数が異常に多いのが特徴です。

騎手名 スタイルと特徴 馬券的な狙い目
横山武史 【先行・マクリ】
コース最適解を知り尽くした積極策。勝率・複勝率ともにNo.1クラス。
人気・穴問わず、軸として最も信頼できる。単勝回収率も優秀。
C.ルメール 【好位・差し】
無駄のないエスコート。馬の能力を100%引き出す安定感。
上位人気馬の軸、または相手筆頭。取りこぼしが少ない。
丹内祐次 【イン突き・自在】
ロスなく立ち回り、一瞬の隙を突く職人芸。
6番人気以下の穴馬。ヒモ荒れ狙いのキーマン。
佐々木大輔 【先行・粘り】
若手のホープ。減量特典がなくなっても通用する実力。
先行できそうな馬なら、人気がなくても押さえる価値あり。
横山和生 【大胆・逃げ】
弟(武史)同様、積極的な競馬が得意。思い切った逃げに注意。
逃げ・先行馬で一発狙う時。展開の鍵を握ることが多い。

若手の台頭とベテランの妙技

近年、メキメキと頭角を現しているのが佐々木大輔騎手です。2023年の函館リーディングを獲得するなど北海道シリーズとの相性が抜群で、札幌2000mでも積極的な騎乗で穴を開けています。まだオッズが甘くなる(実力以上に人気がない)ことがあるので、今のうちに狙っておくのが美味しい騎手です。

また、ベテランの武豊騎手も健在です。特に逃げ馬に乗せた時のペース配分は神業で、後続に脚を使わせて自分だけ残る「幻惑の逃げ」を打つことがあります。札幌記念などの大舞台では、その経験値が大きな武器となります。武豊騎手についてはこちらの記事武豊騎手 騎乗停止 なぜ?2025年斜行とスマホの真相も参考にして下さい。

補足データ:
騎手を見る際は、単に「勝ち星」だけでなく、「回収率」にも注目してください。丹内騎手や佐々木騎手のように、人気薄を持ってきてくれる騎手を上手く馬券に組み込むことで、トータルの収支は劇的に改善しますよ。

洋芝に強い種牡馬や血統の選び方

北海道シリーズ、特に札幌競馬場を予想する上で避けて通れないのが「洋芝(ようしば)」というキーワードです。普段私たちが目にする東京や阪神などの競馬場は「野芝(のしば)」主体で行われていますが、寒冷地である北海道では、寒さに強い「ケンタッキーブルーグラス」などの洋芝が100%使用されています。

この洋芝、何が違うのかというと、一言で言えば「パワーとスタミナの消費量」です。野芝は根が横に張って網目状のマットを作るため、反発力がありスピードが出やすいのですが、洋芝は株状に生えるため、馬の蹄が地面にサクッと刺さります。つまり、走るたびに力が地面に逃げやすく、前に進むために普段以上のパワー(筋力)が必要になるのです。だからこそ、血統による「適性の差」が残酷なほど結果に現れます。

札幌の絶対王者「ゴールドシップ」の方程式

現在、札幌芝2000mにおいて「神」とも言える成績を残しているのがゴールドシップ産駒です。データを見れば一目瞭然、勝利数・連対数・複勝率のいずれにおいても常にランキングのトップ争いをしています。

なぜこれほどまでに強いのか? その理由は明確です。

  • スタミナの源泉:父ステイゴールド、母父メジロマックイーンというコテコテのスタミナ血統。
  • 洋芝適性:ゴールドシップ自身、現役時代に札幌記念や函館記念を制しており、重い芝を苦にしないパワーを持っていた。
  • ロングスパート適性:産駒は「一瞬のキレ」こそありませんが、「バテずに長く良い脚を使う」能力に長けています。これが、向正面からペースが上がって消耗戦になりやすい札幌2000mのラップ傾向と完全に合致するのです。

特に、雨が降って馬場が重くなった時のゴールドシップ産駒は「買い」の一手です。周りの馬がノメリ(足を取られること)を気にして減速する中、平気な顔をして伸びてきます。人気になりやすい種牡馬ですが、このコースにおいては逆らわない方が賢明でしょう。ゴールドシップ産駒についてはこちらの記事ゴールドシップ産駒 弱い説は本当?G1馬と適性で解明で詳しく解説していますので合わせてお読み下さい。

欧州の重戦車「ハービンジャー」とパワー型サンデー

ゴールドシップに次いで注目したいのが、ハービンジャー産駒です。ハービンジャーはイギリスのキングジョージ6世&クイーンエリザベスステークスを圧勝した名馬で、その血には欧州の重厚な芝で鍛え上げられた「ダンジグ系」や「デインヒル」のパワーが流れています。

日本の軽い芝ではスピード負けすることもありますが、時計のかかる札幌の洋芝は彼らにとってのホームグラウンド。特に開催後半で馬場が荒れてきた時や、時計の掛かる決着になった時に浮上してきます。かつてブラストワンピースやノームコア、ペルシアンナイトといったハービンジャー産駒が札幌記念で好走したのも偶然ではありません。

また、サンデーサイレンス系の中でも「パワー型」に分類される種牡馬も狙い目です。

種牡馬名 系統・特徴 札幌2000mでの狙い方
キズナ ディープ系×ストームキャット ディープインパクト産駒の中ではパワーと筋肉量に優れ、道悪もこなす。タフな流れになった時に信頼度アップ。
ハーツクライ トニービン内包 トニービンの血が騒ぐのか、長く脚を使う勝負に滅法強い。広いコース向きと思われがちだが、札幌の緩いコーナーでの加速が得意。
オルフェーヴル ステイゴールド系 気性に難はあるが、爆発力と洋芝適性は父譲り。ハマった時の強さはゴールドシップ以上。

オルフェーブル産駒については、こちらの記事オルフェーヴル産駒は走らない?統計とG1実績も参考にして下さい。

「ディープインパクト」の取り扱い説明書

ここで一つ、注意が必要なのが大種牡馬ディープインパクト(およびその直系)の扱いです。一般的にディープインパクト産駒は「軽い芝での瞬発力勝負」を得意とするため、重い洋芝は割引材料とされがちです。下級条件(未勝利や1勝クラス)では、パワー負けして人気を裏切るケースも少なくありません。

しかし、「札幌記念(GII)」レベルになると話は別です。過去のデータを見ても、札幌記念ではディープインパクト産駒が何度も好走しています。これはなぜかというと、このクラスに出てくるディープ産駒は、G1を勝つような「絶対能力」の塊だからです。彼らは馬場適性の不利を、圧倒的な基礎能力でねじ伏せてしまいます。

血統攻略の結論:
条件戦などの下級クラスでは、スピードよりも「洋芝適性(ゴールドシップ、ハービンジャー)」を重視して予想を組み立てる。
一方で、札幌記念などの重賞クラスでは、洋芝適性よりも「格と絶対能力(ディープ系などの王道血統)」を重視する。
この「クラスによる使い分け」こそが、札幌2000mを攻略する血統予想法の極意です。

また、洋芝コースの特性や、JRA全10場の馬場の違いについてより深く理解したい方は、JRAの公式サイトにある馬場解説ページも非常に参考になります。なぜ札幌の芝が「重い」のか、その構造的な理由を知ることで、血統選びの納得感が変わってくるはずです。

(出典:JRA公式サイト『札幌競馬場 コース紹介』

脚質ごとの成績とマクリが決まる条件

札幌競馬場のレースを見ていると、他の競馬場ではあまり見られない不思議な光景によく出くわします。それは、向正面から3コーナー、4コーナーにかけて、後方の馬が一気に外から進出して先頭集団を飲み込んでしまう「マクリ(捲り)」という戦法です。

通常、小回りコースといえば「逃げ・先行」が絶対的な正義であり、外を回すマクリは距離ロスが大きすぎて「悪手」とされます。しかし、札幌芝2000mにおいてはこのマクリが強力な武器となり、時には先行馬を全滅させるほどの威力を発揮します。ここでは、なぜ札幌でマクリが決まるのか、その物理的なメカニズムと、マクリを成功させる馬の条件について深掘りします。

なぜ札幌のカーブは減速せずに回れるのか?

その最大の理由は、札幌競馬場の独特なコース形状にあります。札幌競馬場は全体的に丸みを帯びた形状をしており、コーナーの半径(R)が非常に大きく設計されています。

物理の話になりますが、カーブがきつい(半径が小さい)と、外側を走る馬には強い遠心力がかかり、外に振られないように減速(ブレーキ)を余儀なくされます。しかし、札幌のような緩やかな「巨大な円コーナー」であれば、遠心力の影響が相対的に小さくなります。そのため、馬はスピードを殺さずに、トップスピードに近い状態で外側を回り続けることが可能なのです。

これが、「札幌なら外を回しても届く」という現象の正体です。スタミナさえあれば、コーナーで加速しながら前の馬を射程圏内に捉えることができます。

直線「266m」が突きつけるタイムリミット

もう一つの要因は、ゴール前の直線の短さです。札幌芝コース(Aコース使用時)の直線距離は約266mしかありません。これはJRA全場の中でも函館に次ぐ短さです。

もし貴方がジョッキーだとして、4コーナーを回った時点で先頭から10馬身離されていたらどう思うでしょうか? 「ここから追い込んでも物理的に間に合わない」と絶望するはずです。直線だけでごぼう抜きをするには、距離が足りなすぎるのです。

そのため、後方にいる馬が勝つためには、「4コーナーを回る時にはすでに好位(5番手以内)にいなければならない」という絶対的な条件が課されます。逆算すると、3コーナーあたりから自力で動いてポジションを上げざるを得ない。これが、好むと好まざるとにかかわらずマクリが発生する戦術的な必然性です。

データで見る「先行有利」と「マクリの破壊力」

とは言え、基本データとしてはやはり「前」が有利です。物理的に前に行けるならそれに越したことはありません。

脚質 勝率・複勝率の傾向 馬券的な評価
逃げ 勝率20%超えを記録することも。自分のペースで運べればそのまま残るケース多し。 最重要
先行 最も安定した成績。4角で前を射程圏に入れられる位置がベスト。 軸候補
差し(マクリ) 3角から動ける「機動力」があれば頭まで突き抜ける。展開待ちではなく自力で動くタイプを狙う。 一発の魅力
追込 直線だけの勝負は絶望的。勝率1%台のデータもあり、基本的には消し。 割引

ここで重要なのは、「差し馬」の定義を書き換えることです。単に「終いの脚が良い馬」ではなく、「向正面からロングスパートをかけて、4コーナーで先頭列に並びかけられる馬」こそが、札幌2000mにおける真の差し馬(マクリ馬)です。

歴史が証明する「マクリ」の成功例と血統

過去のビッグレースを振り返ると、このコースの本質がよく分かります。例えば2014年の札幌記念では、ハープスターゴールドシップという2頭が、向正面から次元の違うマクリを見せてワンツーフィニッシュを決めました。また、2023年にはプログノーシスが圧巻の早仕掛けで4馬身差の圧勝劇を演じています。

これらの馬に共通するのは、「一瞬の切れ味」よりも「長く良い脚を持続させる能力」に長けている点です。そして、こうした能力を血統的に受け継いでいるのが、ロベルト系(モーリス、スクリーンヒーローなど)です。

狙い目の血統パターン:
ロベルトの血を持つ馬は、パワーと機動力に優れ、小回りコースでの強引なマクリを得意とします。「モーリス産駒」や、母系に「シンボリクリスエス」などが入っている馬が、3コーナーから手応え良く上がってきたら激走のサインです。

展開予想のコツ:「誰が動くか」を想像する

札幌芝2000mの予想をする際は、単に「逃げる馬」を探すだけでは不十分です。レース中盤、向正面でペースが緩んだ一瞬の隙を突いて、「誰がレースを壊しに来るか(マクリに来るか)」をシミュレーションしてください。

もし、ゴールドシップ産駒や横山武史騎手のような「動けるコンビ」が外枠にいたら、レースは消耗戦のロングスパート合戦になります。そうなると、内でじっとしているだけの先行馬は最後にかわされてしまいます。逆に、動く馬がいなさそうなら、前の馬だけで決まる「行った行った」の決着になります。

「3コーナーの映像」を脳内で再生できるかどうかが、この難解なコースを攻略する最後の鍵となるでしょう。

(出典:JRA公式サイト『札幌競馬場 コース紹介』

札幌競馬場芝2000mの傾向を活かすAIや書籍

ここまではコースの特徴や過去のデータ傾向を見てきましたが、これらを実際の予想にどう落とし込み、どう活用するかが重要です。現代競馬では、人間の目だけでは処理しきれない膨大なデータを扱うAIツールや、プロの知見が詰まった専門的な書籍を活用することで、さらに予想の精度を高めることができます。

重馬場や道悪で激変するレースの行方

「札幌の雨は、予想を白紙に戻す合図だと思ってください」。

私が常々、競馬仲間に伝えている言葉です。良馬場の札幌芝2000mと、雨を含んで重馬場・不良馬場になった札幌芝2000mは、コースレイアウトこそ同じですが、求められる能力ベクトルが180度異なります。それはまるで、陸上の100m走が突然、泥沼の中での障害物競走に変わるようなものです。

ここでは、雨予報が出た瞬間に思考を切り替えるための「道悪(みちわる)攻略の全ノウハウ」を公開します。スピード指数や持ち時計といった既存のデータが通用しなくなる世界で、何を手掛かりに予想を組み立てれば良いのか、その答えを紐解いていきましょう。

「3秒〜5秒」のタイム差が意味する物理的負荷

まず、馬場状態による決着タイムの激変ぶりを見てください。良馬場であれば、札幌記念(GII)レベルで1分59秒台〜2分0秒台前半という高速決着も珍しくありません。しかし、ひとたび雨が降り馬場が悪化すると、時計は一気に掛かります。

馬場状態 想定勝ちタイム レースの質
良馬場 1:59.0 〜 2:00.5 スピードと瞬発力の勝負。軽い走法の馬が有利。
稍重 2:01.0 〜 2:02.5 パワーが必要になり始める。切れ味タイプは少し割引。
重・不良 2:03.0 〜 2:05.0 完全な消耗戦。ノメリにくさと精神力(根性)の勝負。

この「3秒から5秒」というタイム差は、距離に換算すると約50m〜80m分もの遅れに相当します。それだけ、一歩ごとに芝が脚に絡みつき、体力を奪っているということです。この状況下では、ディープインパクト産駒のような「飛ぶように走る」ストライド走法の馬は、脚が空回りして(ノメリと言います)全く推進力が生まれません。

逆に、掻き込むようなピッチ走法や、筋肉量の多いパワータイプの馬が、涼しい顔をして台頭してくるのがこのタイミングです。

トラックバイアスの大転換:「内」を捨てて「外」を取れ

重馬場になると、コースの有利不利(トラックバイアス)も劇的に変化します。通常、札幌2000mは「内枠・先行」がセオリーですが、雨が降るとその定説は崩壊します。

そのメカニズムは以下の通りです。

  1. 雨により、多くの馬が通ってきた内ラチ沿い(コースの内側)の芝が田んぼのようにドロドロになる。
  2. 騎手たちは「内は走りにくい」と判断し、道中や直線で馬場の良い外側を選んで走りたがる。
  3. その結果、直線では馬場の真ん中から外を通る馬が伸びてくる「外差し(そとざし)」が決まりやすくなる。

特に開催後半の重馬場ともなれば、4コーナーで大外をブン回した馬が、泥だらけになりながら突き抜けるシーンが頻発します。この時、距離ロスを嫌って内枠からインを突いた馬は、馬場に脚を取られて失速するケースが多いのです。

注意点:
重馬場の時は、内枠(1〜2枠)に入った先行馬の評価を下げ、逆に外枠(7〜8枠)の差し馬や、マクリを得意とする馬の評価を上げてください。「距離ロスよりも馬場適性」が優先される瞬間です。

泥んこ馬場で覚醒する「欧州×ステイゴールド」の血

では、具体的にどの馬を狙えば良いのでしょうか? ここで頼りになるのが血統です。日本の軽い芝に特化した主流血統ではなく、パワーとスタミナに特化した「重戦車」のような血統を狙い撃ちします。

  • ゴールドシップ産駒:もはや道悪の代名詞。父譲りの白い馬体を泥で汚しながら、他馬が止まる中をグイグイ伸びてきます。重馬場なら単勝回収率が跳ね上がるデータもあります。
  • オルフェーヴル産駒:気性の荒さはネックですが、馬場が悪くなればなるほど集中力が増すタイプが多いです。爆発的なパワーは道悪でこそ活きます。
  • キズナ産駒:ディープ系の中で唯一の例外。パワー型で筋肉量が豊富なので、パワーを要する洋芝の道悪は得意中の得意です。
  • バゴ産駒:欧州凱旋門賞馬の血。日本の高速馬場ではキレ負けしますが、時計が掛かる馬場なら水を得た魚です。

また、母父にサドラーズウェルズ系やダンジグ系といった欧州ノーザンダンサーの血を持っている馬も、底力があるのでプラス評価となります。キズナ産駒についてはこちらの記事「キズナ産駒 凄すぎ」の理由を徹底分析!も参考にして下さい。

騎手の「泥臭さ」も重要なファクター

最後に、騎手選びも重要です。綺麗な騎乗をする騎手よりも、馬を鼓舞して泥臭く追える騎手が輝きます。

筆頭は丹内祐次騎手池添謙一騎手です。彼らはタフな馬場や展開でも諦めずに追うスタイルで、人気薄を何度も馬券圏内に持ってきています。また、欧州出身のC.ルメール騎手も、重い芝の扱いは母国で慣れているため、馬のバランスを崩さずに走らせる技術がピカイチです。

YUKINOSUKEの結論:
雨が降ったら、予想のファクターを「スピード」から「パワー・スタミナ・外枠」へ完全にシフトしてください。美しいフォームで走る馬ではなく、無骨でも力強く地面を叩く馬を探すこと。それが、荒れた札幌の海を泳ぎ切る唯一の方法です。

(出典:JRA公式サイト『馬場状態に関する基礎知識』

札幌記念で注目すべき過去のデータ

夏競馬のハイライトであり、秋の天皇賞や凱旋門賞を見据えた超一流馬が集結する「札幌記念(GII)」。このレースは格付けこそGIIですが、出走メンバーのレベルは実質G1と言っても過言ではなく、ファンの間では「スーパーGII」という異名で親しまれています。

そして、ここが非常に重要なポイントなのですが、「通常の札幌芝2000mの傾向(平場や特別戦)」と「札幌記念の傾向」は、全く別物として捉える必要があります。普段のセオリーが通用しないこの特殊なレースを攻略するために、過去のデータから導き出される3つの鉄則を解説します。

1. 「格」が「適性」を凌駕する:ディープインパクトのパラドックス

通常、洋芝の札幌コースでは、パワーに勝る欧州血統やステイゴールド系が有利で、瞬発力型のディープインパクト産駒などは割り引くのがセオリーです。しかし、札幌記念においてはこの定説が覆ります。

過去のデータを見ると、ディープインパクト産駒をはじめとする「王道クラシック血統」が、洋芝適性の不安を跳ね除けて好走するケースが多発しています。なぜなら、札幌記念に出走してくるような馬は、G1を勝つレベルの「絶対能力(格)」を持っているからです。彼らのエンジン性能は桁違いであり、多少の馬場の重さや適性の差など、パワーとスピードの絶対値でねじ伏せてしまうのです。

YUKINOSUKEの格言:
札幌記念では「洋芝適性がないから消し」は命取り。実績のあるG1馬が出てきたら、素直にその「格」を信じるのが正解です。

2. 逃げ馬の受難と「マクリ」の破壊力

下級条件の札幌2000mでは、ペースが落ち着いて「逃げ・先行」の馬がそのまま押し切る(行った行った)展開が頻繁に見られます。しかし、札幌記念ではその生存率がグッと下がります。

理由は単純で、「プレッシャーの強さ」が違うからです。メンバーレベルが高いため、逃げ馬に対するマークが厳しくなり、道中のラップが緩みません。さらに、後続にはG1級の末脚を持った馬たちが控えているため、早めに捕まえに来られます。

その結果、何が起きるかというと、後方から一気に進出する「マクリ」や、中団から力強く伸びる「差し」が決まりやすくなります。2014年のハープスターとゴールドシップによる伝説的なマクリ合戦や、2023年のプログノーシスによる4馬身差の圧勝劇などが良い例です。「前に行ける馬」よりも「長く良い脚を使ってねじ伏せられる馬」が勝つレース、それが札幌記念です。

3. 配当傾向:1番人気は強いが「ヒモ荒れ」に注意

過去10年の配当データを見ると、このレースの性格がよく分かります。基本的には実力馬が強いため、大波乱(単勝万馬券が出るような展開)は少ないものの、2着・3着に人気薄が飛び込んでくる「ヒモ荒れ」のパターンが非常に多いです。

年度 波乱度 勝ち馬(人気) 特徴的な結果
2023年 大荒れ プログノーシス(2人) 2着に9番人気トップナイフが激走し、3連単16万馬券。
2022年 本命 ジャックドール(3人) 上位人気3頭での堅い決着。
2017年 大荒れ サクラアンプルール(6人) 2着に12番人気ナリタハリケーンが入り、3連単20万馬券。
2015年 大荒れ ディサイファ(5人) ヒットザターゲット等が絡み、3連単23万馬券。

このように、数年に一度「大荒れ」の年があります。特に注意したいのが、実績はあるものの近走不振で人気を落としている「実績馬の復活」や、展開利が見込める「軽量の3歳馬」などが穴をあけるケースです。

攻略のまとめ:
軸馬は「格(G1実績)」のある馬から選び、相手(ヒモ)には「近走着順が悪くてもコース適性がある馬」や「展開が向きそうな穴馬」を広く流す。これが札幌記念で高配当を獲るための黄金パターンです。

(出典:JRA公式サイト『過去のレース結果:札幌記念』

攻略に役立つおすすめのAIツール紹介

「データが大事なのはわかったけど、そんなに膨大な過去データや血統傾向を個人で調べきれるわけがない……」

ここまで読んで、そう感じた方も多いのではないでしょうか? 正直に言いますと、私も昔は競馬新聞と赤ペン片手に、過去の成績欄を必死に睨めっこしていました。しかし、現代の競馬予想において、テクノロジーの力を借りない手はありません。特に札幌2000mのようなトリッキーなコースでは、人間の脳処理能力を超える「AI」や「データベース」の活用が、回収率を劇的に向上させるカギとなります。

ここでは、私が実際に毎週の予想で駆使している、信頼できるツールやアプリを厳選して紹介します。単なる機能紹介ではなく、「このコースを攻略するために、具体的にどの機能を使うべきか」という視点で解説します。

情報の網羅性と即時性なら「netkeiba」

国内最大級の競馬情報サイトであり、もはや競馬ファンのインフラと言っても過言ではないnetkeiba。皆さんもスマホに入れているかもしれませんが、札幌2000m攻略において特に注目してほしい機能があります。

  • レース傾向タブ:出馬表のタブにある「レース傾向」機能は必見です。その日の札幌競馬場で「何枠が来ているか」「どの脚質が決まっているか」が色付きで可視化されます。これにより、「今日は外枠有利のトラックバイアスが発生しているな」と一瞬で判断できます。
  • AI予想:膨大なデータベースから導き出されたAI予想は、人間の感情(「好きな馬だから」といったバイアス)を排除した客観的な指標として非常に役立ちます。特に、難解なハンデ戦や荒れそうなレースでの穴馬ピックアップ能力は侮れません。

映像分析と公式データの強み「JRA-VAN」

JRA公式データを使用しているため、情報の正確性とスピードは世界一です。しかし、私がJRA-VANを推す最大の理由は、スマホアプリで「過去のレース映像」と「パドック映像」が即座に見られる点にあります。

札幌2000mの予想において、数字(タイムや着順)だけを見るのは危険です。なぜなら、「不利を受けて負けたのか」「スムーズに回って負けたのか」で次走の評価が180度変わるからです。

YUKINOSUKE流・JRA-VAN活用術:
気になる馬がいたら、必ず前走の4コーナーの映像をチェックしてください。「マクリ気味に動こうとしたけど前が壁になって詰まった」とか「外を回しすぎて脚を余した」といった、数字に残らない不利を映像で確認できれば、それがそのまま美味しい穴馬券の根拠になります。

データの「見える化」で直感的に勝つ「SPAIA競馬」

最近、私が特に重宝しているのがSPAIA競馬(スパイア競馬)です。このサイトの特徴は、難解なデータを美しいグラフやチャートで視覚化してくれる点です。

例えば、札幌芝2000mにおける「枠順別成績」や「脚質別成績」も、円グラフや棒グラフで表示されるため、直感的に「あ、ここは8枠が死に枠なんだな」と理解できます。また、AIによる予想も「堅実」「穴狙い」などタイプ別に分かれており、自分のスタンスに合わせた使い方が可能です。

ラップタイムの推移などもグラフで見られるため、「この馬は後半にペースが上がった時に強い(持続力がある)」といった適性判断が、競馬初心者の方でもプロ並みにできるようになります。

ツールはあくまで「武器」、使うのは「あなた」

これらのツールは非常に強力ですが、最終的な決断を下すのは私たち人間です。

AIが「Aという馬が強い」と示していても、当日のパドックで馬が入れ込んで汗だくだったり、急な雨で馬場コンディションが変わったりすれば、そのデータは意味をなさなくなることもあります。だからこそ、ツールを使って「ベースとなる予想」を効率よく構築し、最後のピース(当日の気配やオッズの歪み)を自分の目で埋める。

この「AIと人間のハイブリッド予想」こそが、現代競馬を勝ち抜くための最強のスタイルだと私は確信しています。まずは無料版からでも良いので、これらのツールを触ってみて、自分に合う武器を見つけてみてください。競馬のAI予想については、こちらの記事競馬AIナビの回収率は?無料の理由と使い方を解説で詳しく解説していますので合わせてお読み下さい。

予想の精度を高める良質な書籍や本

ネット全盛の時代、スマホひとつでAI予想やデータベースにアクセスできる便利な世の中になりました。しかし、あえて私は言いたいと思います。「本当に勝ち続けたいなら、本を読みましょう」と。

ネット上の情報は「結果(どの馬が強いか)」を教えてくれますが、書籍は「理屈(なぜその馬が強いのか)」を教えてくれます。この「理屈」という土台がないと、AIが予期せぬ挙動をした時や、天候が急変した時に、自分の頭で修正・応用が効かなくなってしまうからです。特に札幌芝2000mのような特殊なコースでは、基礎理論の有無が収支に直結します。

ここでは、私が実際にボロボロになるまで読み込み、血肉となった「競馬力を底上げする良書」を厳選して紹介します。

馬場の”構造”を解き明かす『馬場のすべて教えます』シリーズ

まず、札幌の「洋芝」を攻略する上で必読なのが、競馬ライター小島友実さんの著書『馬場のすべて教えます』シリーズです。

皆さんは「洋芝は重い」という言葉をよく聞くと思いますが、具体的に「なぜ重いのか?」を物理的に説明できるでしょうか? この本を読むと、JRAの馬場造園課への綿密な取材に基づき、以下のような疑問が氷解します。

  • 野芝(エクイターフ)と洋芝(ケンタッキーブルーグラス等)の根の張り方の違い
  • 札幌競馬場の路盤がどのように排水性を確保しているか(暗渠排水の仕組み)
  • エアレーション作業(馬場に穴を開ける作業)がクッション値に与える影響

これらを知っていると、金曜日に「馬場状態:良」という発表を見ただけで、「今週はエアレーションの効果が残っているから、良馬場でも差しが決まるぞ」といった深い読みが可能になります。表面的な「重・不良」という文字情報だけでなく、その裏にある地面のコンディションが立体的に見えてくるのです。

YUKINOSUKEの活用術:
この本には各競馬場の「高低差断面図」も詳しく載っています。札幌の「ほぼ平坦」という特徴が、他場と比べてどれだけ異質なのかを視覚的に理解するのにも役立ちますよ。

血統を武器にするバイブル『亀谷敬正の競馬血統辞典』

次に紹介するのは、血統ビギナーから上級者まで、すべての予想家の机にあるべき一冊、亀谷敬正さんの『競馬血統辞典』です。

血統というのは、覚えることが多すぎて挫折しがちな分野です。しかし、この本(および同氏の理論)の素晴らしいところは、種牡馬を細かい特徴ごとに「国別(米国型・欧州型・日本型)」や「能力別(パワー型・瞬発力型)」に大別してくれている点です。

札幌2000mにおいては、「欧州型(サドラーズウェルズ系など)」や「パワー型サンデー(ステイゴールド系)」が走るという明確な傾向があります。この本を手元に置いておけば、出馬表を見た瞬間に「お、この馬の父は欧州型のパワー血統だから、今の荒れた札幌にはピッタリだ」と、0.5秒で反応できるようになります。

暗記する必要はありません。「辞書」として、予想のたびに引けば良いのです。それを繰り返すうちに、自然と血統知識が頭に入ってきます。特に、難解な札幌記念の予想をする際、人気馬の死角(適性外)を見抜くのにこれほど頼りになるツールはありません。

コースの”クセ”を丸裸にする『競馬場コース事典』

最後に、物理的なコースレイアウトを極めたい方におすすめなのが、『有利な馬がすぐわかる競馬場コース事典』(著:馬ノスケ)などのコース解説本です。

ネット上の簡易データだけでは、「スタートから最初のコーナーまで何メートルあるか」「コーナーの半径(R)はどれくらいキツイのか」といった詳細な数値までは把握しきれません。しかし、札幌2000mにおいて「385mの猶予」や「巨大なコーナー半径」がレースに与える影響は決定的です。

こうした書籍でコースの形状を脳内にインプットしておけば、レース展開のシミュレーション精度が段違いに上がります。「ここはコーナーが緩いから、あの馬のマクリが決まるはずだ」という仮説は、正確なコース知識があって初めて成立するものです。

知識は一生モノの資産
AIツールやデータサイトは便利ですが、サービスが終了すれば使えなくなります。しかし、本で得た「馬場を見る目」や「血統の考え方」、「コースのセオリー」は、あなたの頭の中に一生残り続ける財産です。毎週の予想の「軸」をブラさないためにも、ぜひ一度、体系的な知識に触れてみてください。

(出典:JRA公式サイト『馬場状態に関する基礎知識』

札幌競馬場芝2000mの傾向まとめ

ここまで、札幌競馬場芝2000mという舞台を様々な角度から解剖してきました。物理的なコースレイアウト、洋芝という特殊な路盤、そしてそこに挑む騎手や血統のバイアス……。これら全てが複雑に絡み合っているからこそ、このコースは難解であり、同時に攻略しがいのある「ドル箱コース」にもなり得るのです。

週末の予想に入る前に、これまでの重要ポイントを「勝利の5ヶ条」として整理しました。新聞や出馬表と睨めっこする際、迷ったらこの基本に立ち返ってみてください。

【保存版】YUKINOSUKE流・札幌2000m攻略チェックリスト

  • コース構造の罠
    スタート後の「385mの猶予」に騙されてはいけません。前半はゆったり流れても、勝負は向正面からのロングスパート合戦。ゴール前の直線(266m)だけで差し切るのは物理的に不可能なので、「4コーナーで射程圏(5番手以内)」にいられる馬を選びましょう。
  • 枠順の鉄則
    基本は「内枠(1〜4枠)」が有利な物理法則に従います。特に多頭数の8枠に入った人気馬は、距離ロスのリスクが最大化するため、過信は禁物です。オッズ妙味がなければ勇気を持って評価を下げる視点を持ってください。
  • 騎手というファクター
    このコースは「誰が乗るか」で着順が変わります。コースの最適解を知る横山武史騎手は黙って買い。安定感を求めるならC.ルメール騎手、一発の爆発力を期待するなら丹内祐次騎手佐々木大輔騎手を馬券に組み込みましょう。
  • 血統の適性解
    スピードの絶対値よりも「パワー」と「持続力」です。ゴールドシップ産駒ハービンジャー産駒など、欧州の重い芝やタフな流れに実績のある血統を高く評価してください。ディープインパクト系なら、パワー型のキズナや、格上のG1級に限定するのがコツです。
  • 天候と馬場の観察
    当日の天気と馬場状態(トラックバイアス)はリアルタイムで確認を。雨が降って内が荒れ始めたら、「内・先行」のセオリーを捨て、「外・差し・パワー」へと思考を柔軟に切り替えられる人が勝ち組になれます。

競馬に絶対はありませんが、「傾向」を知ることで「確率」を高めることは可能です。今回紹介したデータや視点は、単なる数字の羅列ではなく、過去のレースが教えてくれる「勝つためのヒント」です。

今まで見過ごしていた「洋芝適性のある穴馬」が見えてきたり、なんとなく買っていた「危険な人気馬」を回避できたりするようになったら、あなたの予想力は確実にレベルアップしています。ぜひ、この知識を武器にして、週末の札幌競馬を存分に攻略し、楽しんでくださいね!

※本記事の情報は過去のデータや一般的な傾向に基づくものです。競馬に必勝法は存在しませんので、実際の馬券購入はご自身の判断と責任において行ってください。また、正確な出馬表やオッズ、レース結果についてはJRA公式サイト等で必ずご確認ください。

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