こんにちは、大人の競馬場コンシェルジュのYUKINOSUKEです。
「週末に競馬を始めてみたいけれど、お金がどんどん吸い取られてしまいそうでなんだか怖い」「新聞やネットを見ると専門用語ばかりで、自分がいくら手数料を取られているのかすらわからない……」
そんな風に、新しい世界への扉の前に立って、漠然とした不安を抱えていませんか? 右も左もわからない状態だと、まるで底なし沼に足を踏み入れるような恐怖を感じてしまうのも無理はありませんよね。私も最初はそうでしたから、その気持ち、本当によくわかります。
その強い警戒心は、あなたの大切な生活や、愛するご家族を守るための、とても正しくて健全な防衛本能かなと思います。実は私自身、過去に馬券の仕組みをよく理解しないまま、「当たればお金が増える魔法のゲームだ」と勘違いして買い続け、大切なお小遣いをすり減らして激しく後悔した苦い経験があるんですよ。
「この馬が強そうだから買おう」「なんとなく名前がかっこいいから買ってみよう」……そんな直感だけを頼りに毎週のように馬券を買っては、財布の中身が寂しくなっていく。
給料日前になると「なんであんな無駄遣いをしてしまったんだろう」と、一人で頭を抱える夜もありました。当時は、なぜ自分が負けているのか、その根本的な理由すら理解できていなかったんです。
だからこそ、競馬という果てしなく奥深いエンターテインメントの世界に本格的に足を踏み入れる前に、「お金のルール」を根っこからしっかり知っておくことは、自分自身を守り、長く楽しむための最強の鎧になるんです。これを知っているか知らないかで、競馬場での過ごし方や、レースを見つめる視点が180度変わってくると言っても過言ではありません。
競馬を人生を狂わせるような危険なギャンブルにしないための第一歩。それは、主催者が設定している「お金の循環システム」を、感情ではなく客観的な事実として冷静に把握することです。
この記事を読むことで、以下の4つのポイントについて深く理解できるようになります。
- 競馬の「控除率」と「還元率」の本当の意味と、裏側でお金が循環するダイナミックな仕組み
- パチンコや宝くじなど、他の娯楽と比べた時の競馬の「勝ちやすさ(還元率)」の客観的な真実
- 単勝と3連単で手数料が違う理由と、券種ごとの賢い選び方に潜む隠れたワナ
- 的中率に一喜一憂するのではなく、「競馬 回収率」を重視して一生の娯楽として楽しむための予算管理術
一見すると小難しくて退屈に聞こえる数字や法律の話も、私が競馬場の現場で見てきたリアルな体験や、思わず目を覆いたくなるような失敗談を交えながら、できるだけ噛み砕いて、わかりやすくお話ししていきますね。
さあ、競馬という洗練された極上のスタジアムエンターテインメントを心から安心して楽しむための「大人の知識」を、私と一緒に身につけていきましょう!
競馬の還元率と控除率の基本
競馬を長く、そして安全に心から楽しむ上で、絶対に避けては通れない、まるでパスポートのようなキーワードがあります。それが「控除率」と「還元率」という2つの言葉です。
「うわっ、なんだか学校の数学や経済の授業みたいで、一見すると難しそうな専門用語だな……」と思われたかもしれませんね。私も活字が苦手なので、最初は「ええい、面倒くさい! とにかく当たればいいんでしょ!」と投げ出していました。
でも、安心してください。要するにこの2つの言葉は、「馬券を買った時に主催者に持っていかれる手数料」と「レースが終わった後に、見事的中させた人たちで分け合う賞金の割合」のことなんですよ。
まずはこの基礎中の基礎、競馬のお金の心臓部とも言える部分から、一つひとつ丁寧に紐解いていきますね。ここを知らないまま馬券を買うのは、ルールも点数の数え方も知らないまま、いきなりサッカーの公式戦に出場するようなものかもしれません。
控除率とは主催者の手数料
馬券を買った瞬間に引かれているお金の正体
想像してみてください。あなたが週末の競馬場で、大好きな応援したい馬の馬券を100円買ったとします。マークカードを塗りつぶし、自動発売機に硬貨を入れて、印字されたばかりの温かい馬券を手にした瞬間。「よし、この100円が数倍、いや数十倍になって戻ってくるぞ!」とワクワクして、心臓が高鳴りますよね。
でも、そのあなたが投じた100円が、そっくりそのまま「当たるか外れるかの勝負」のテーブルに乗せられているわけではないんです。実はここが、ギャンブル初心者が一番最初に陥りやすい勘違いのポイントなんですよ。
実は、あなたが馬券を購入したまさにその瞬間に、JRA(日本中央競馬会)や地方競馬の主催者側によって、あらかじめ一定割合の手数料が天引きされています。つまり、100円のうち数十円は、レースがスタートする前にすでに「参加費」として徴収されている状態なんです。
この、全国のファンから集まった売上全体の中から、主催者が運営のために差し引く割合のことを「控除率(Deduction Rate)」と呼びます。
昔から日本のギャンブルの世界や時代劇なんかでは「テラ銭」とか「場所代」「胴元の取り分」なんて呼ばれたりもしますね。
「えっ、レースが始まって勝負する前に、勝手にお金を取られているの? なんだかずるい仕組みだなあ」と、少し驚かれたかもしれません。私も最初知った時は、「100円賭けたら100円分の勝負をさせてくれよ!」と理不尽に思ってしまいました。
でも、この控除率というシステムが存在しないと、私たちが楽しんでいる競馬という壮大なエンターテインメント自体が、明日から成り立たなくなってしまうんです。それには、ちゃんとした社会的な理由があるんですよ。
手数料はどこへ行く?競馬場を支える見えないお金
では、主催者が差し引いた20%〜30%もの莫大な手数料(控除率分)は、一体どこへ消えていくのでしょうか? 単に胴元(主催者)であるおじさんたちが私腹を肥やして、高級車に乗っているだけ……なんてことは絶対にありません。
実は、このお金は競馬という巨大な産業を回し、さらには社会全体に貢献するための極めて重要な血液として使われているんです。私たちが支払っている手数料の行き先を知ると、競馬に対する見方が少し優しくなるかもしれません。
控除率(手数料)の主な使い道
- 競馬場の維持・運営管理費:あのテレビで見るような、美しく広大な緑の芝生コースのお手入れ。清潔で快適な空調の効いたスタンド、女性に優しいウマジョスポット、子供たちが遊べる遊具などを綺麗に保つための莫大な費用です。
- 競走馬と関係者を支える賞金:ターフで文字通り命懸けで走る馬たちや、彼らを毎日朝早くからブラッシングして育てる生産者、厩舎関係者(調教師や厩務員さん)、そして騎手たちの生活を支える大切な原資になります。彼らの情熱は、この資金があるからこそ成り立っています。
- 国庫納付金による社会還元:ここが一番意外と知られていないのですが、馬券の売上の約10%は国庫(国の財源)に直接納められ、畜産振興や、私たちの生活を支える社会福祉事業(病院の支援や高齢者福祉など)に幅広く役立てられています。
つまり、私たちが馬券を買うたびに支払っている控除率は、単なるギャンブルの場所代という冷たいものではなく、競馬という素晴らしい文化を未来へ存続させ、さらには社会全体に還元するための「参加費」や「チャリティー」のような温かい側面も持っていると言えるんですね。
地方競馬の場合であれば、その収益金は地域のインフラ整備(道路や水道の補修)や、公立病院の運営資金など、地方財政の貴重な財源として直結しています。「自分が予想を外してしまった馬券のお金が、回り回ってどこかで誰かの役に立っている」と考えると、少しだけ悔しさも和らぐかもしれませんね。
手数料を意識しないと陥る危険な罠
とはいえ、社会の役に立っているという素晴らしい側面がある一方で、プレイヤーのシビアな視点に立てば、「最初から20%〜30%の手数料を払わされた上で、極めて不利な勝負に参加している」という絶対的な事実は、決して忘れてはいけません。
「社会貢献しているんだからいいや」と割り切れるのは、あくまでお小遣いの範囲内で遊んでいる時だけです。この見えない手数料の壁を無視して、ただ感情の赴くままに「当たれ! 頼むから当たってくれ!」とお金を賭け続けると、長期的な「収支」は確実に、そして静かにマイナスへと沈んでいってしまいます。
◆YUKINOSUKEのワンポイントアドバイス
私が競馬初心者の頃は、この控除率の存在を全く意識せずに、「当たればお金が増える! 外れたらゼロになる!」とだけ単純に考えて馬券を買っていました。今振り返ると、重い鉄下駄を履いたまま100メートル走のスタートラインに立つような、かなり無謀な戦いをしていましたね。
勝負の前に手数料を引かれているという現実を直視することが、熱くならずに冷静な資金管理をするための第一歩かなと思います。この手数料の存在を常に頭の片隅に置いておくことで、「無駄なレースには手を出さない」「自信のあるレースだけ勝負する」という自制心が自然と身についてくるんですよ。
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競馬の還元率の仕組みと払戻原資
引かれた残りのお金はどうなる?
さて、控除率として主催者に20%〜30%の莫大なお金が手数料として差し引かれたことは、しっかりと理解していただけたかなと思います。では、残りの70%〜80%の巨大なお金は、レース中どこでどうなっているのでしょうか?
主催者が運営費や社会貢献のための手数料を引いた後、残ったすべての資金が、まるで巨大な貯金箱のように一つの大きなプールに集められます。そして、そのレースを見事的中させた幸運な(あるいは卓越した分析力を持つ)プレイヤーたちの間で、そのプールされたお金がすべて分配されるんです。
この、全国の馬券の総売上の中で「プレイヤー側に払い戻されるために用意されたお金の割合」のことを、「還元率(払戻率)」と呼びます。私たちが目指すべきゴールは、この還元されたお金のパイを、いかに自分に引き寄せるかというゲームなんですね。
この還元率を導き出す計算式は、拍子抜けするほどシンプルです。
還元率の絶対的な計算式
還元率(%) = 100% − 控除率(%)
もう少し具体的にイメージしてみましょう。例えば、控除率が25%に設定されているレースがあったとしましょう。大きなG1レースなどで、全国の競馬ファンが合計1億円分の馬券を買った場合、主催者はまず2,500万円(25%)を運営費や国庫納付金として確実に確保します。彼らの仕事はここでおしまいです。
そして、残りの7,500万円(75%)が「払戻金の原資(プール)」となり、当たり馬券を持っている人たち全員で、それぞれのオッズ(倍率)に応じて仲良く(時にシビアに)分け合うわけです。1番人気が勝てばたくさんの人で分けるので一人あたりは少なくなり、大穴が勝てば少人数で分けるので一人あたりが巨額になる。とても理にかなった仕組みですよね。
パリミュチュエル方式という魔法のシステム
日本をはじめとする世界中の多くの競馬市場では、この極めてフェアで透明性の高いお金の分配の仕組みを「パリミュチュエル方式」と呼んでいます。なんだかフランス料理の名前みたいでオシャレですよね。
このシステムの最も特徴的で、かつ主催者側にとって魔法のような面白いところは、主催者側(JRAや地方自治体など)は「どの馬が1着になっても、どんなあり得ない大穴が来ても、売上が確定した時点で確実に自分たちの利益(控除率分)がノーリスクで確定している」という点です。
よくマフィア映画などで見るような、裏カジノの胴元と客が直接対決してお金を奪い合うようなギャンブルではありません。もし客が大勝ちすれば胴元が破産する……なんていうスリリングなドラマは、競馬場では絶対に起こらないんです。
主催者は私たちプレイヤーと直接勝負をしているわけではなく、あくまで「安全で公正な勝負の場所と、巨大な集計システムを提供して、その対価として定額の手数料をもらう」という、完全に中立で安全な立場なんですね。だからこそ、八百長やイカサマをして特定の馬を勝たせるメリットが主催者側には全くなく、スポーツとしての公平性が保たれているわけです。
オッズは主催者ではなく「私たち」が決めている
このパリミュチュエル方式の仕組みを理解すると、ある一つの真実が見えてきます。
だからこそ、競馬のオッズ(何倍になって戻ってくるかという倍率を示す数字)というのは、JRAのお偉いさんが会議室で葉巻をくゆらせながら「この馬は強いから1.5倍にしよう」なんて勝手に決めているわけではないんです。
オッズは、全国の競馬ファンが、どの馬にどれだけのお金を賭けたかという「支持率」と、先ほどの「還元率の計算式」によって、コンピュータが自動的かつ機械的に、1秒単位で絶えず変動させているんです。
単勝オッズが1.5倍のように極端に低い(圧倒的な人気がある)馬は、それだけ全国の多くの人が「この馬が絶対に勝つ! 銀行にお金を預けるより確実だ!」と信じて、たくさんのお金を投じている証拠です。
みんなが同じ馬の当たり馬券を持って換金窓口に並べば、分け合うパイ(払戻原資)の大きさは決まっているのですから、一人あたりの取り分は当然少なくなりますよね。これがオッズが下がるメカニズムのすべてです。
オッズは主催者の意志ではなく、私たち競馬ファン全員の「心理と期待、そして欲望の集合体」そのものなんですよ。画面に表示されるオッズの数字は、全国の競馬ファンの心の声が反映された鏡のようなものだと言えますね。
競馬はマイナスサムゲームである
ゼロサムではなく「マイナスサム」の残酷さ
ここで、少しシビアで耳の痛い、でも競馬を一生の趣味にするなら絶対に知っておかなければならない重要な事実をお伝えしますね。目を背けたくなるかもしれませんが、とても大切なお話です。
競馬は、本質的には「プレイヤー同士でお金を奪い合うゲーム」です。私が勝って美味しい焼き肉を食べたお金は、顔も知らない全国の誰かが外して涙を飲んだ馬券代から来ています。しかし、ただの「ゼロサムゲーム(誰かのプラスが誰かのマイナスになり、参加者全員の合計がプラスマイナスゼロになるゲーム)」ではありません。
先ほどから何度も解説している通り、私たちプレイヤー同士で勝負の結果を精算してお金を分け合う前に、必ず主催者によって「控除率」という名の手数料が確実に抜き取られています。
つまり、ゲームに参加している全国の何百万人というプレイヤー全員の財布の中身を合計すると、レースが一つ終わるたびに、確実に資金の総量が目減りしていくんです。このような構造を、経済学や統計学の用語で「マイナスサムゲーム」と呼びます。文字通り、合計(サム)がマイナスになっていくゲームということです。
マイナスサムゲームの残酷な現実と例え話
例えば、友人10人でそれぞれ1万円ずつ、合計10万円を持ち寄って、当たるか外れるかのゲームをしたとします。普通のトランプゲームとかなら、誰かが大勝ちして誰かが大負けしても、部屋の中には必ず最初の10万円が残っていますよね(これがゼロサム)。
でも競馬の場合は、ゲームが終わって勝った人にお金を配る時には、テーブルの上には7万5千円しか残っていないんです。残りの2万5千円は、場所代として最初から部屋の外に回収されています。
勝って大喜びしている人がいるその裏側には、それ以上に負けて途方に暮れている人が、構造的に必ず多く存在する仕組みになっています。
最初から不利な土俵で戦っているという自覚
「なんだか夢のない、シビアな話だなあ……聞かなきゃよかったかも」と肩を落とされたかもしれませんね。ごめんなさい。でも、私はあなたに「競馬は簡単に儲かる錬金術ですよ! スマホ一つで誰でも億万長者!」なんて、詐欺師のような無責任な嘘はつきたくないんです。
この「最初から20〜30%の重いハンデを背負って、圧倒的に不利な条件で戦っている」という事実を心の底から自覚しているかどうかが、競馬を「一生愛せる知的な趣味」にするか、「人生を狂わせる危険なギャンブル」にしてしまうかの、決定的な分かれ道になります。
控除率の存在を知らずに、無計画に、なんとなく直感や気分で馬券を買い続ければ、お金は確実に減っていきます。それはあなたが運が悪いからでも、才能がないからでもありません。数学的、構造的にそうデザインされているからです。
この現実を受け入れること。それが、真の意味で競馬ファンとしてのスタートラインに立った証拠かなと思います。
それでも競馬が人々を惹きつける理由
では、そんな不利なマイナスサムゲームであるにもかかわらず、なぜこれほどまでに多くの人が競馬に熱狂し、週末の競馬場が溢れんばかりの笑顔で包まれているのでしょうか? どうして皆、自ら不利なゲームに挑むのでしょうか。
それは、競馬が単なる「当たるか外れるかの運任せのくじ引き」や「ルーレット」とは全く違う次元の娯楽だからです。
競馬には、過去の膨大な血統データ、その日の芝生の荒れ具合(トラックバイアス)、騎手たちの高度な心理戦、調教師が馬のピークを合わせる職人技、そして後で詳しくお話しする「オッズの歪み(大衆心理の隙)」など、予想に組み込める無数のファクターが存在します。
これらのピースをまるで名探偵のように論理的に分析し、自分なりの仮説を立てて、このそびえ立つ「控除率の壁」を知恵と工夫で乗り越える。これこそが、競馬の最大の醍醐味なんです。ただの運任せではなく、「自分の実力で壁を打ち破った!」という達成感があるからこそ、人は熱狂するんですね。
あなたはどう感じますか? 最初からハンデがあるハードルの高いゲームだからこそ、自分の推理と読みがピタリとハマって、目の前を走るサラブレッドが1着で駆け抜けた時のあの鳥肌が立つような快感は、他のどんなレジャーでも味わえない、最高のエンターテインメントになると思いませんか?
他ギャンブルと競馬 還元率の比較
競馬の還元率が約70%〜80%であり、構造的にマイナスサムゲームであるという、少しシビアな仕組みがわかったところで、次のような疑問があなたの頭に浮かんでくるかなと思います。
「じゃあ、世の中にある他のギャンブルや娯楽と比べて、競馬って勝ちやすい方なの? それとも一番損をしやすい遊びなの?」
世の中にはパチンコやパチスロ、宝くじ、そして他の公営競技など、様々な娯楽やギャンブルが存在しますよね。実はこれらはすべて、各事業を管轄する国の省庁や法律によって、あらかじめ設定される「還元率の水準」が明確に決められているんです。
他の娯楽と還元率を比較することで、競馬というエンターテインメントの立ち位置や、「戦いやすさ」がより客観的に見えてきますよ。一つずつ、数字を交えながら丁寧に見ていきましょう。
パチンコや公営競技との違い
日本の主要なギャンブル還元率一覧
まずは、日本で最も身近で店舗数も多い娯楽であるパチンコ・パチスロや、競馬以外の公営競技(競艇、競輪、オートレース)と、競馬の還元率を比べてみましょう。
以下の表は、各法律や市場での一般的な運用に基づいた、還元率の目安をわかりやすくまとめたものです。
| ギャンブル・娯楽の種類 | 還元率(払戻率)の目安 | 管轄省庁 |
|---|---|---|
| パチンコ・パチスロ | 概ね 80%〜85% | 警察庁 |
| 競馬(中央・地方) | 70%〜80% | 農林水産省 |
| 競艇(ボートレース) | 74.8%〜75% | 国土交通省 |
| 競輪 | 75% | 経済産業省 |
| オートレース | 70%〜74.8% | 経済産業省 |
※上記の数値はあくまで法的な規定の上限・下限や、市場での一般的な運用に基づく目安です。店舗や開催日によって変動する場合があります。
公営競技はなぜ70〜80%に横並びなのか
この表を見ていただくと一目瞭然ですが、競馬、競艇、競輪、オートレースといった、いわゆる国や自治体が主催する「公営競技」の還元率は、どの競技を選んでも概ね「70%〜80%」の間にすっぽりと収まるように設定されています。基本的には横並びの状態ですね。
「競馬だから極端に儲かりやすい」とか「競艇の方が当たる確率が高いから絶対に勝てる」といった魔法のような競技は、公営である以上は存在しないんです。どれも同じように、約25%前後の手数料(控除率)が確実に差し引かれる仕組みのうえで成り立っています。
一方で、民間企業が営業しているパチンコやパチスロは、概ね80%〜85%程度と、公営競技よりも少しだけ還元率が高く設定されている傾向があります。純粋に「使ったお金が手元に戻ってくる割合(期待値)」という数字だけで冷徹に比較すると、パチンコの方がほんの少しだけプレイヤーに有利な条件で遊べる、と言えるかもしれませんね。
数字だけでは測れない「競馬の付加価値」
「えっ、じゃあ還元率が高いパチンコをやった方が、お金を失うリスクが少なくて得じゃないか」と思われるかもしれませんね。数学的なアプローチだけで言えば、その意見は全くもって正論です。
でも、私が考える競馬の本当の魅力は、ただの「手元に戻ってくるお金の割合」という冷たい数字だけでは、到底測りきれないところにあります。
薄暗くタバコの匂いがする空間で機械の液晶画面を見つめ続ける時間と、休日の競馬場で過ごす時間を比べてみてください。
競馬には、何世代にもわたって受け継がれ、幾多のドラマを生み出してきた血統の壮大なロマンがあります。週末に家族や恋人、友人と広大で青々とした芝生にレジャーシートを広げて観戦する、あの胸がすくような圧倒的な開放感。そして、専門紙のデータやパドック(馬の下見所)での馬の様子を睨みながら、自らの頭で仮説を立ててレース展開を推理していく、知恵比べのような知的な要素。
こうした「心震えるスポーツとしての感動」や「極上のテーマパークとしての付加価値」を含めて総合的に考えると、競馬は20〜30%の手数料を「最高の週末への入場料」として払ってでも体験する価値のある、非常にコストパフォーマンスの高い洗練されたエンターテインメントだと私は強く感じています。あなたはどう思いますか?
宝くじよりも競馬は還元率が高い
「夢を買う」宝くじのシビアな現実
では次に、「ギャンブルはなんだか怖いからやらないけれど、年末ジャンボ宝くじだけは夢を買うつもりで毎年欠かさず買っているよ」という方も多いと思いますので、その宝くじや、サッカーの試合結果を予想するスポーツくじ(totoやBIG)と比較してみましょう。
「宝くじは国がやっているから安心だし、還元率も高いんじゃないの?」と思われがちですが、実は全く逆なんです。
宝くじの還元率は、法律(当せん金付証票法)によって「売上総額の5割(50%)を超えてはならない」と厳しく上限が定められており、実質的には「46%未満(概ね45.7%程度)」という非常に低い水準で運用されています。スポーツくじも同様に「50%未満」です。
先ほどの競馬の還元率(70%〜80%)と、改めて見比べてみてください。同じようにお金を投じる娯楽なのに、驚くほどの大きな差がありますよね。
宝くじの控除率が異常に高い理由(公共事業への寄付)
なぜ宝くじは、これほどまでに手元に戻ってくるお金が少ない(=控除率が高い)のでしょうか? ぼったくりなのでしょうか?
いいえ、そうではありません。それは、宝くじが最初から「プレイヤーが知恵を絞って勝つためのギャンブル」としてではなく、「地域社会を良くする公共事業のための資金集め」として設計されているからです。
宝くじの収益金の行方と真実
宝くじで全国から集まったお金のうち、なんと約40%という莫大な資金が、全国の都道府県や指定都市の公共事業(新しい道路の整備、学校の建設、災害対策、高齢化対策など)に直接使われる仕組みになっています。
つまり、宝くじを買うという行為は、一攫千金を狙うギャンブルというよりも、私たちが住む地域社会への「温かい寄付」や「税金の自主的な前払い」という性質が非常に強いのです。だからこそ、当せん金として戻ってくる割合が極端に少なく設定されているんですね。
(出典:総務省『宝くじの収益金はどのように使われているの?』)
宝くじを「よし、今年は当てるぞ!」と意気込んで1万円分買った瞬間、数学的な理論上は、あなたの手元には約4,500円しか戻ってこない計算になります。
それに比べれば、1万円買って7,000円〜8,000円が払戻の原資として確実に還元される競馬は、プレイヤーにとって「自分の知恵と工夫、データ分析次第で、まだまだ十分に戦える余地が用意されているフェアな土俵」と言えるのではないでしょうか。
論理的なアプローチが通用する競馬の魅力
もちろん、宝くじには「知識がゼロでも、競馬の血統やオッズなんて全く知らなくても、買えば誰でも数億円の億万長者になれるかもしれない」という、競馬にはないスケールの大きな夢があります。お祭りのように、年末の風物詩としてワクワクしながら楽しむ分には、本当に素晴らしい文化ですよね。
しかし、もしあなたが日常的に自分の知識やデータ分析を駆使して、長期的な「収支」の向上を目指し、「自分が考えた通りの結果になった!」という納得のいく達成感を得たいと考えるのであれば、還元率の観点から見ても、運任せで結果を待つだけのくじ引きよりも、競馬の方がはるかに論理的で、知的好奇心を満たしてくれる奥深い世界だと言えるかなと思います。
券種ごとに違う控除率の壁
さて、ここまで「競馬全体の還元率は概ね70%〜80%ですよ」というお話をしてきましたが、実はここからが、あなたが実際に馬券を買う上で非常に重要になってくる実践的なポイントになります。
競馬場に行ったり、スマホのネット投票画面を開いたりすると、単勝、複勝、馬連、ワイド、3連単など、本当に様々な「馬券の種類(券種)」がずらりと並んでいますよね。「初心者はどれを買えばいいの?」と迷ってしまうのも当然です。
実は、あなたが「どの券種を選ぶか」によって、この還元率(手元に戻ってくる割合)の数字は、数パーセント単位で細かく変わってくるんです。この事実を知らない人が意外と多いんですよ。
単勝や複勝は還元率が最も高い
2014年の競馬法改正がもたらした自由化
少しだけ歴史の話をさせてください。かつての日本の競馬では、どの種類の複雑な馬券を買っても、シンプルな馬券を買っても、手数料(控除率)は約25%で一律に固定されていました。
しかし時代が変わり、ファンのニーズが多様化したことで、2014年(平成26年)に競馬法という法律が大きく改正され、「払戻率の自由化(弾力化)」が行われました。
これにより、JRA(中央競馬)や地方競馬の各主催者は、馬券の種類ごとに還元率を「70%から80%の範囲内」で独自に、そして戦略的に自由に設定できるようになったんです。
この「券種ごとに見えない手数料の壁の高さが違う」という事実を知らずに、ただなんとなく、周りが買っているからという理由で高配当の馬券ばかりを買うのは、投資の観点からは非常にもったいないことなんです。
単勝・複勝が「80%」に設定されている理由
現在のJRAにおいて、最もプレイヤーに有利な還元率が設定されているのが「単勝(たんしょう)」と「複勝(ふくしょう)」という2つの券種です。
これらの馬券の還元率は、法律で定められた上限いっぱいの「80.0%(控除率20.0%)」に設定されています。
- 単勝: 見事1着でゴールする馬を当てる馬券
- 複勝: 選んだ馬が3着以内(※出走頭数によって2着以内の場合あり)に入れば当たりとなる馬券
これらは競馬の中で最もシンプルで、歴史のある基礎的な馬券ですね。ではなぜ、この2つの馬券だけが特別に還元率が高く(=手数料が一番安く)優遇されているのでしょうか?
それは、主催者であるJRA側が「競馬を始めたばかりの初心者の方にも、まずはわかりやすくて当たりやすい馬券で、的中の喜びを知ってほしい」「一頭の馬を応援する楽しさを知って、長く競馬というスポーツを愛してほしい」という明確なマーケティング戦略と、ファンサービスの意味合いを込めているからです。
初心者がまず単勝から始めるべき明確な根拠
◆YUKINOSUKEのワンポイントアドバイス
競馬を始めたばかりで、「どの馬券を買えばいいか全くわからない」と迷っている初心者の方には、私はいつも迷わず「最初は単勝か複勝だけで遊んでみてください」と強くおすすめしています。
理由はとてもシンプルです。1つ目は、1着になる馬を予想するだけなのでレース観戦に集中でき、競馬の純粋な楽しさを味わいやすいからです。2つ目は、先ほど説明した通り「手数料が全馬券の中で一番安いから」です。
血統や過去のレースをじっくり分析して「今日は絶対にこの1頭に賭ける!」と見定めた馬の単勝馬券を強く握りしめ、最後の直線でその馬の名前を大声で叫んで応援する。これこそが、競馬の最もピュアで、熱く、そして数理的にも理にかなった最高の楽しみ方かなと思います。
ちなみに、1着と2着の2頭の組み合わせを当てる「馬連」や「ワイド」といった券種になると、還元率は単勝より少し下がって「77.5%」に設定されています。選ぶ頭数が増え、組み合わせが複雑になればなるほど、少しずつ階段を降りるように手数料が高くなっていく仕組みになっているんです。
3連単やWIN5は控除率が高い
高配当の裏に隠された手数料の高さ
一方で、競馬ファンなら誰もが一度は夢見る、10万馬券や100万馬券といった一攫千金の可能性がある高配当馬券はどうでしょうか。
1着、2着、3着を順番通りに完璧に当てる「3連単」は、その圧倒的な爆発力から初心者からベテランまで多くのファンを魅了する、現在一番売上の多い人気の券種です。しかし、実は還元率は全馬券の中でかなり低めの「72.5%(控除率27.5%)」に設定されています。
さらに、インターネット投票限定で発売されている、指定された5つのレースの1着馬をすべて当てる重勝式馬券「WIN5(ウィンファイブ)」に至っては、還元率は法定下限ギリギリの「70.0%(控除率30.0%)」となっています。地方競馬で発売されている「トリプル馬単」なども、同様に70.0%という一番低い設定です。
最もお得な単勝(還元率80%)と、最もハイリスクなWIN5(還元率70%)を比べてみてください。なんと同じ1万円を投資しても、原資としてプールされる金額に1,000円(10%分)もの大きな開きがあるということですね。
3連単やWIN5は、何百万、時には最高6億円という途方もない夢のような配当が出る可能性があるため、射幸性(ギャンブルとしての熱狂度)が極めて高くなります。そのため、主催者側も「ハイリスク・ハイリターンの夢のある馬券からは、運営のために少し多めに手数料を頂きますよ」というスタンスを取っているわけです。
キャリーオーバー時の「還元率100%超え」という錯覚
ここで一つ、WIN5などの重勝式馬券を買う際に、絶対に知っておいてほしい「数字の錯覚」についてお話ししますね。これを知らないと、メディアの煽りに乗せられて思わぬ大やけどをしてしまう可能性があります。
WIN5などで、的中者が全国で一人もいなかった場合、賞金が次回の開催に持ち越される「キャリーオーバー」という現象が発生します。よく日曜日の夕方のスポーツニュースやSNSなどで、「次回は数億円のキャリーオーバー発生! 還元率が跳ね上がって絶対にお得だ!」と大々的に話題になりますよね。
確かに、前回の繰越金(すでに手数料が引かれた純粋な賞金)がそのまま今回の賞金プールにドカンと上乗せされるため、理論上は一時的に還元率はグッと上がります。
キャリーオーバーの熱狂に潜むワナ
「じゃあ、キャリーオーバーの時だけ買えば絶対に儲かるじゃん!」と思ってしまいますよね。しかし、過去のWIN5の売上データを冷静に詳細分析すると、キャリーオーバー発生時は「ボーナスステージだ!」と全国から一攫千金を狙う投機的な資金が爆発的に集まり、当日の売上(分母)が普段の何倍にも膨れ上がります。
分母が異常に大きくなってしまうため、繰越金が足されても、結果として実質的な還元率は78%〜90%程度に薄まって留まることがほとんどなんです。「還元率が100%を余裕で超えて、買えば必ず儲かる無敵のゲーム」のような状況になるのは、統計的に見ても極めて稀です。期待値の錯覚に惑わされて、生活を脅かすような予算オーバーの大勝負をしないよう、十分に注意してくださいね。
夢を追う馬券と、収支を安定させる馬券の使い分け
もちろん、100円玉を強く握りしめて、「もしこれが当たったらハワイに行こう!」と夢を追って3連単を買うこと自体は、競馬というエンターテインメントの素晴らしい楽しみ方の一つです。私自身も、有馬記念や日本ダービーといったお祭り気分の大きなレースでは、データ分析を度外視して好きな馬の3連単を買って、ドキドキを楽しんでいます。
しかし、もしあなたが長期的な視点で「平均回収率」を高め、年間を通してプラス収支を目指したいと本気で考えているのであれば、少し考え方を変える必要があります。
手数料の高い券種(3連単やWIN5など)ばかりを毎回無計画に買い続けるのは、数理的な観点からは「自ら重いハンデを背負いに行っている」ようなものであり、非常に厳しい戦いになると言わざるを得ません。
「普段は手数料の安い単勝・複勝や馬連で着実に資金を回しつつ、ここぞという勝負どころで少しだけ3連単の夢を見る」。そんな風に、券種ごとの控除率の壁をしっかりと理解した上で、メリハリをつけて馬券を使い分けるのが、大人の賢い競馬の楽しみ方かなと思います。
競馬の収支と回収率の正しい考え方
さて、ここまで「控除率」という目に見えない分厚い壁の存在と、券種による違いを知っていただいたところで、いよいよ実践的なお話に入っていきます。
この20〜30%の手数料という決して低くない壁を乗り越えて、競馬を長く、そして心から楽しむためには、私たちはどのような数字を目標にし、どのような考え方で馬券と向き合えば良いのでしょうか。
的中率より競馬 回収率を重視する
たくさん当たっているのに、なぜかお金が減る現象
週末の競馬場にいると、周りのファンから最もよく聞こえてくる言葉の一つに「今日はよく当たった!」「3レース連続で的中したよ!」という嬉しそうな声があります。
確かに、自分の立てた予想が見事に的中して、買った馬券が紙くずにならずにお金に変わるのは、本当に飛び上がるほど嬉しい瞬間ですよね。私もその気持ちは痛いほどわかります。
でも、冷静に競馬でトータルの収支(最終的に手元に残るお金)を考える時、実は「的中率(何回馬券を当てたか、という確率)」という数字は、それほど重要ではないんです。むしろ、的中率にこだわりすぎると罠にハマります。
私たちが最重要視すべき、たった一つの絶対的な指標。それは「回収率」です。
回収率とは、「投資した馬券代の合計金額に対して、最終的にいくら払戻金として手元に戻ってきたか」を示すパーセンテージのことです。
回収率の計算式
回収率 = (払戻金の総額 ÷ 馬券の購入総額) × 100
少し極端な例を出して説明しましょう。
あなたが1日10レースで馬券を買い、そのうち9レースで、誰もが勝つとわかっているようなガチガチの1番人気の馬を当てたとします。的中率は90%という、プロの予想家も顔負けの驚異的な数字です。
しかし、1番人気はオッズが低すぎるため、当たっても110円や120円といったわずかな払戻金しかもらえません。もし、外れた1レースに大きなお金を賭けていたり、当てるために毎回複数の馬券(多点買い)を買っていたりしたら……トータルの払戻金額が、10レースで使った馬券代の合計を大きく下回ってしまう現象が起きます。
この場合、回収率は100%を切り、結果的に「的中率はすごいのに、財布のお金は減っている(マイナス収支)」という悲しい結末になります。
恐怖の「トリガミ」を防ぐための合成オッズ
このように、馬券は的中したにもかかわらず、手元に戻ってきたお金が買った金額よりも少なくて、結果的に損をしてしまうことを、競馬用語で「トリガミ(ガミる)」と呼びます。「骨折り損のくたびれ儲け」の語源にもなった言葉ですね。
このトリガミは、特に「外れるのが怖くて、あれもこれもと複数の馬券を同時に手広く買う」という初心者の方に非常によく起こる悲劇です。「よっしゃ当たった! え、でも払い戻しこれだけ? 買った金額より少ないじゃん……」という経験、一度はありませんか?
「合成オッズ」でトリガミを論理的に防ぐ
複数の馬券を買う時、「どれが当たってもちゃんと利益が出るかな?」と不安になりますよね。そんな時に強い味方になるのが「合成オッズ」という考え方です。
計算式は少し複雑なので、最近はスマホの専用アプリやJRAのネット投票画面でも簡単に自動計算して確認できますが、要するに「買った馬券全体を一つの馬券とみなした時の、本当の期待値(利回り)」を可視化する指標です。
もし買う前に合成オッズを確認して「1.0倍未満」になっていたら、それは「どの馬が1着になっても、あなたは絶対に損をする」という確定的マイナス投資のサインです。その場合は、買う前に資金の配分を見直すか、いっそそのレースは買うのを見送る(ケンする)勇気を持つことがとても大切です。
当てることよりも「儲かる馬券」を見つける思考
逆に、10レース中9レース外して、的中率がたったの10%だったとしましょう。周りからは「全然当たらないね」と笑われるかもしれません。
しかし、最後の1レースで綿密なデータ分析がピタリとハマり、誰も目をつけていなかった大穴馬券を見事に仕留めて、使った金額の何倍もの払戻金を得られれば、回収率は100%を大きく超え、その日のあなたの「完全勝利」となります。
競馬で本当に大切なのは、小銭を何度も細かく当てることではありません。「期待値の高い(リスクとオッズのバランスに見合った)馬券を的確に狙い撃ちし、投資したお金以上のリターンをトータルで得る」という、数理的な戦略なんです。
平均回収率は還元率に収束する
大数の法則がもたらす避けられない未来
ここで、競馬を長く楽しむ上で、少し耳の痛い、でも避けては通れない真実をお話ししなければなりません。
短期的には、たまたまビギナーズラックで万馬券が当たり、回収率が1000%を超えるような夢のような日もあるでしょう。「自分には競馬の才能があるかもしれない! このままいけば蔵が建つぞ!」と舞い上がってしまう瞬間です。
しかし、1年、5年、10年と長い期間にわたって、毎週のように馬券を買い続けた場合、一個人の「平均回収率」は一体どうなっていくと思いますか?
統計学には「大数の法則(Law of Large Numbers)」という絶対的なルールがあります。サイコロを数回振っただけでは1の目が連続で出ることもありますが、何千回、何万回と振り続けると、最終的にどの目が出る確率も理論値である6分の1(約16.6%)にピッタリと近づいていくという法則です。
競馬もこれと全く同じ力学が働きます。何も考えずに直感や新聞の印、人気順だけで無作為に馬券を買い続けた場合、あなたの長期的な競馬 平均回収率は、主催者が最初に設定した「還元率(70%〜80%)」の数字に、まるで強力な磁石で吸い寄せられるように限りなく収束していくという残酷な性質を持っています。
つまり、普通に何の戦略もなしに遊んでいるだけで、構造的に必ず20%〜30%の損失を抱えるように世界がデザインされているんです。
群集心理が生み出す「オッズの歪み」とは?
「じゃあ、大数の法則がある以上、競馬で勝つ(回収率100%を超える)ことは絶対に不可能なの? 諦めるしかないの?」
いいえ、そうではありません。多くの人が還元率の壁に沈んでいく中、年間を通してトータルでプラス収支を出し続けている熟練のプレイヤーたちは確かに存在します。彼らは魔法を使っているわけでも、未来が見えるわけでもありません。彼らが狙っているのは、人間が陥りやすい「心理的なバイアスが生み出す、市場の歪み」なんです。
◆YUKINOSUKEのワンポイントアドバイス
経済学や心理学の分野(行動経済学)では、「本命・大穴バイアス(Favorite-Longshot Bias)」という面白い現象が証明されています。
人間って、1%以下の「当たる確率が極端に低い大穴馬券」を見ると、宝くじ感覚で直感的に過大評価して夢を見てしまいがちなんです。「もしかしたら100円が100万円になるかも!」と無謀な穴馬に少しずつお金を投じる人が全国にたくさんいるため、大穴馬のオッズは、本来の勝つ確率以上に低く(=旨味がない状態に)なってしまいます。
逆に「勝つ確率は高いけれど、配当が低くてつまらない堅実な本命馬」は、心理的にリスクに見合わないと敬遠されがちなため、本来の実力よりも少しだけオッズが高く(=期待値が高く)保たれる傾向があるんですよ。
\ プロの思考をインストールして回収率UP! /
オッズの歪みや馬場の読み方を極めるなら、鈴木和幸氏や小島友実氏の実践的な理論が最短ルート。私がボロボロになるまで読み込んだ必読のバイブルはこちらからどうぞ!
本命・大穴バイアスを逆手にとる戦略
オッズというのは、先ほどもお話しした通り「大衆の心理」で作られています。そして人間の心理は常に完璧なコンピュータのようには機能せず、パニックや欲望によって必ず歪み(エラー)が生じます。
この群集心理が生み出す「オッズの歪み」を冷静に見つけ出し、客観的な勝率よりもオッズが高くついている「期待値が1.0を超えるおいしい馬券」だけを、感情を一切交えずに淡々と買い続ける。
これこそが、大数の法則と控除率という巨大な壁を破る、唯一の論理的なアプローチなんです。
※このオッズの歪みを利用した考え方についてもっと深く知りたい方は、私がまとめた競馬のオッズの歪みとは?儲かる見つけ方と活用法を解説という記事もぜひ読んでみてください。現場でどのように期待値の高い馬を見つけるか、より実践的なノウハウをお伝えしています。
競馬を一生の娯楽として楽しむ秘訣
ここまで、控除率の仕組みや、回収率、大数の法則といった「お金と数字のシビアな現実」について、かなり深いところまでお話ししてきました。「なんだか競馬って難しいし、勝つのは相当大変そうだな」と、少し怖がらせてしまったかもしれませんね。
でも、私がこれらのシビアな事実を一切隠さずにお伝えするのは、決してあなたに競馬を嫌いになってほしいからではありません。むしろその逆です。
これらのルールを知ることは、競馬を「いつか人生や家族を壊すかもしれない恐ろしいギャンブル」から、「安心して一生愛せる、最高に安全なスタジアムエンターテインメント」へと昇華させるための、絶対に必要で大切なプロセスだと私は信じているからです。
投資ではなく予算を決めて遊ぶ
競馬場を「極上のテーマパーク」として楽しむ
競馬の控除率が20%〜30%であり、長期的には大数の法則によってお金が減っていく構造であるという絶対的な事実を受け入れたとき、私たちが取るべき一番正しくて、一番心穏やかな行動はたった一つです。
それは、競馬を「生活費を稼ぐための投資」や「一攫千金を狙う怪しい錬金術」とは考えず、映画館に行ったり、有名なテーマパークに行ったり、週末に温泉旅行に行ったりするのと同じような「極上のエンターテインメントを体験するためのレジャー費用(入場料)」として、スッパリと割り切って楽しむことです。
私が普段の福祉の仕事を通して、様々な事情を抱えた方と接する中で強く感じるのは、人が心からの笑顔を取り戻し、精神的に豊かな生活を送るためには「安心できる居場所」や「心から熱中できる趣味」が絶対に必要だということです。
もし、ギリギリの生活費を削って馬券を買い、負けた分を「次のレースで絶対に取り返す!」と血眼になって熱くなっているとしたら、その時、美しいはずの競馬場は癒やしの場ではなく、ただの苦痛で息苦しい鉄火場になってしまいます。そんなの、ちっとも楽しくないですよね。
YUKINOSUKE流・破産しないための3つの鉄則
だからこそ、私は読者の皆さんに、以下の「YUKINOSUKE流・絶対に破産しないための鉄則」を強くおすすめしています。これを守るだけで、競馬の安全性は劇的に高まりますよ。
競馬を安全に楽しむための3つの鉄則
- 1日の予算(余剰資金)をあらかじめ明確に決める:「今日は5000円」「今週は1万円」と、万が一無くなっても生活に一切支障が出ない金額を、家を出る前に明確に決めます。
- 財布にはその予算分しか現金(またはUMACAのチャージ)を入れない:キャッシュカードは家に置いていくか、絶対に引き出さないという強いマイルールを作ります。物理的にお金を使えない状態にするのが一番確実です。
- 負けを取り戻そうとして、最終レースで無理な大穴狙いを絶対にしない:これが一番やってしまいがちな大失敗です。負けは負けとして潔く認め、次回の分析の糧にすることが、大人の競馬の楽しみ方です。
\ 1日中競馬場を満喫する必須アイテム! /
競馬場でのデータ分析やパドックの確認、ネット投票にはスマホが必須。いざという時の充電切れで大勝負を逃さないよう、私が必ず持参している大容量モバイルバッテリーはこれ一択です!
「今日は1万円で、美しいサラブレッドたちの躍動感あふれる走りと、名探偵になった気分でデータを読み解く知的な予想ゲームを丸一日満喫するぞ。もし全額なくなってしまっても、最高のテーマパーク代だったと笑って帰ろう」。
そんな心の余裕を持ってターフ(芝生)を眺めた時、競馬はこれ以上ないほど魅力的な、大人のための最高の趣味に変わります。
ハズレ馬券は経費にならない?知っておくべき税金のリスク
そして最後に、競馬を長く楽しむ上で、もう一つだけ絶対に忘れてはいけない大切なお金の話があります。それは「税金(確定申告)」です。
「えっ、競馬の儲けに税金がかかるの? 控除率ですでに手数料を払っているのに?」と驚かれる方も多いのですが、これは現在の日本の法律で決まっているシビアな現実です。
知っておくべき「ハズレ馬券は経費にならない」問題
競馬で年間を通して大きな払戻金(年間50万円の特別控除額を超える額)を得た場合、原則として「一時所得」という分類で税金がかかり、翌年に確定申告が必要になります。
ここで一番恐ろしいのが、税法の原則として「当たり馬券の購入費用(当たったその1枚の馬券代)しか経費として認められない」という点です。
例えば、1年間で100万円分の馬券を買い、たまたま1回の的中で200万円の払戻しを受けたとします。あなたの手元の実質的な競馬収支はプラス100万円ですよね。でも、税金の計算上は「当たった1回の数千円の馬券代」しか経費で引けないため、外れた大量の馬券代(約99万円)は完全に無視され、多額の税金を請求されることになります。年間トータルがマイナス収支であっても、たまたま1回高額配当を当てた事実があれば、税金が発生するリスクがあるんです。
(出典:国税庁『No.1490 競馬の馬券の払戻金に係る課税について』)
「ネット投票なら誰にもバレないだろう」「みんな申告していないから大丈夫でしょ」と安易に考えて無申告のままでいると、後から税務署の厳しい調査が入り、重いペナルティ(無申告加算税など)が課されることもあります。せっかくの楽しい思い出が台無しになってしまいますよね。
※この税金のリスクや、バレてしまう仕組みについては、競馬の税金、バレないは嘘!申告しないとどうなるの記事で専門的に詳しく解説しています。高額配当を狙う方は、自分の身を守るためにも必ず事前に確認しておいてくださいね。
クリーンな金銭感覚を保ち、社会のルールをしっかり守ってこそ、競馬は胸を張って一生楽しめる素晴らしい趣味になります。
まとめ:大人の趣味として、スマートに馬券と付き合う
競馬は、何世代にも受け継がれてきた血統のロマン、人と馬が織りなす迫力あるスポーツ、そして高度な知能戦とデータ分析が融合した、世界でも類を見ない素晴らしい文化です。
控除率という壁の存在を正しく理解し、自分の予算の範囲内でスマートに、そして知的に遊ぶ。それこそが、洗練された「大人の競馬場コンシェルジュ」として私があなたに一番お伝えしたい、最強の楽しみ方です。
さあ、今週末はご自身の無理のないペースで、この奥深い競馬の世界を覗いてみませんか? ターフの向こう側には、きっとあなたの心を震わせるような、最高の感動が待っていますよ。
競馬の控除率・還元率に関するよくある質問(FAQ)
Q1. 結局のところ、競馬で勝つ(儲かる)ことは絶対にできない仕組みなんですか?
A. 「絶対に勝てない」わけではありませんが、控除率(20〜30%)がある以上、構造的に非常に不利な「マイナスサムゲーム」であることは間違いありません。大半の人は長期的には大数の法則に飲み込まれ、負けるようにできています。
しかし、群集心理による「オッズの歪み(期待値の偏り)」を緻密に分析し、常に期待値が1.0を超える馬券だけを厳選して感情を交えずに買い続けることで、トータルの回収率を100%以上(プラス収支)に保っている少数の熟練プレイヤーも存在します。ただの運や勘だけで、この壁を越えることは難しいかなと思います。
Q2. 初心者はどの券種(馬券)から買うのが一番おすすめですか?
A. 圧倒的に「単勝」または「複勝」をおすすめします。理由は2つあり、1つは還元率が80%と全券種の中で最も高く設定されており、手数料が安くプレイヤーに有利なこと。もう1つは、1頭の馬だけを応援すれば良いのでレース観戦に集中でき、競馬の純粋な楽しさを味わいやすいからです。3連単などの複雑な馬券は、基礎が身についてから挑戦するのが安全ですよ。
Q3. WIN5でキャリーオーバーが発生したら、還元率が100%を超えて「絶対に儲かるチャンス」になりますか?
A. それはよくある「錯覚」なので注意が必要です。確かに繰越金が上乗せされるので一時的に還元率は上がります。しかし、キャリーオーバーのニュースを見て全国から一攫千金を狙う大量の資金が投じられ、売上(分母)が爆発的に膨れ上がるため、実質的な還元率は78%〜90%程度に落ち着くことがほとんどです。100%を超えてプレイヤー側が完全に有利になるケースは統計的に見ても極めて稀ですので、予算をオーバーするような無理な大勝負は避けるべきです。
Q4. 「特払い」という言葉を競馬場で聞いたのですが、これは何ですか?
A. 特払い(特別払戻)とは、例えば3連単など特定の券種で「全国で誰一人として的中者がいなかった場合(ハズレ馬券しか売れなかった場合)」に発動する救済ルールのことです。
売上高を主催者が全額没収するのではなく、外れ馬券を含むその券種を買ったすべての人に「100円につき70円」が払い戻されます。なぜ70円かというと、100円から法定の最大控除率(約30%)を引いた残りだからですね。売上の大きい中央競馬ではめったに起こりませんが、地方競馬では稀に発生する珍しい現象です。
Q5. 競馬でたくさん馬券を買っているのに、いつも少しだけマイナスになるのはなぜですか?
A. それは「トリガミ」になっているか、無意識のうちに「本命・大穴バイアス」に引っかかっている可能性が高いです。複数の馬券を同時に買う多点買いは、当たっても儲けが少ない(またはマイナスになる)ことが多く、これを防ぐには「合成オッズ」を確認して買う必要があります。また、大数の法則により、適当に買っているとどうしても還元率の70〜80%に収束していくため、常に「自分の買おうとしている馬券の期待値は1.0を超えているか?」と自問自答するクセをつけることが大切かなと思います。
【免責事項と注意喚起】
※本記事で紹介している控除率・還元率などの数値データ、税金に関するルールは、一般的な目安および執筆時点での法令に基づくものです。実際の適用においてはこの限りではない場合があります。
※競馬における馬券購入は、必ずご自身の生活を脅かさない余剰資金の範囲内で、自己責任においてお楽しみください。
※万が一、馬券の払戻金による税金(一時所得など)に関する疑問や不安が生じた場合は、ご自身で判断せず、必ず国税庁の公式サイトをご確認いただくか、お近くの税務署や税理士などの専門家にご相談されることを強く推奨いたします。
















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